○上田哲君 日ごろ早口でありましてお聞き取りにくいと思いまして、きょうは紙に書いてまいりました。できるだけゆっくり読んだつもりです。いまのお答えは、まるっきり私がつくりました
論理構成に
論理的には答えておりません。たいへん感覚的に、ないしは感情的なお答えでありまして、そのような形で一国の総理が言論問題について
意見を表明されることはきわめて危険であるという感じがいたします。時間が、関連
質問でありますから、たくさん取ることができませんので、しっかりした御見解、いまのような御見解が、たとえば毎日
新聞の冒頭にある編集
局長の署名入りの記事に対する見解も、これはやっぱり公器の表明でありますから、堂々と総理から御見解を表明さるべきでありまして、そういう部分が欠落をしているということは、御
答弁としては完結性を欠いております。時間がもったいないので、私はもう一ぺん読んでおきますから、統一見解なり何なり、しっかりして御
答弁いただければ、それでもけっこうです。
第一に申し上げたのは、
外交活動を含む
政府の
政治行為の内容について
国民の知る
権利は憲法レベルの保障を持つものであり、侵されてはならない。これは法制
局長官が認められました。
二番目に、報道機関も、
もとより絶対権限を有するものではないが、
国民の知る
権利を
代表する社会的存在として、報道機関は、報道の使命に由来する活動の自由は、公共の利益に反しない限り保障されなければならない。国家公安
委員長も全然御
答弁になっておりませんが、いやしくも
国家公務員法百十一条などによって
取材活動の自由を拘束されることは不当ではないか。
さらに、三番目に、この際守らるべき法益として国益と称するものと
政府の利害との区別は何か。
四番目に、かりに百歩を譲って、行政機能を保全する
——こういうことは法律用語としていまも法制
局長官が使われた。行政機能を保全する法規に照らして若干の違法性を生じたとしても、第一項に申し述べたような憲法レベルの保障を前提とするならば、それは憲法レベルの利益を追求するための行為として阻却されなければならないはずである。
五番目に、よって、
政府は、西山記者の違法性の阻却について高度の
政治判断を示すべきであって、この際、
政府が司直の判断にゆだねるという
態度を示されることは、行政が司法の手にゆだねる形で言論の自由を圧迫する以外の何ものでもない。
六番目、毎日
新聞のこの
意見表明についての御見解を求めたのであります。ひとつ正確にお答えをいただきたいと思いますが、関連
質問でありますから、簡単にへひとつ、次の問題もあわせて申し上げておきたい。
先ほど来
矢山委員から
発言されたところでありますが、私も
前回の暫定
予算の
委員会で申し上げた。いま
政府の
態度として問題になるのは、
秘密があったこと、すっぱ抜かれたことが、たいへんぐあいが悪いというようなことだけに集約をされております。問題は、
国家公務員法違反で事務職員その他が逮捕される、記者まで逮捕されるというようなレベルから考えるならば、一体、
政府が機密をひた隠しにしてきた、しかも、
国会では、その事実を
追及されたときに、事実と違った
答弁を繰り返してきたということはどういうことになるのか、こういうことになろうと思います。
そこで、時間がありませんから、私は単に事実の指摘にとどめますから、
矢山委員の
質問時間の終わるまででもけっこうですから、きちっとひとつ具体的に御
答弁をいただきたいと思う点を、まず、数点だけあげておきます。
十二月七日の
衆議院の沖特で横路
委員が、十九世紀の
アメリカの法律、一八九六年二月制定のディスポジション・オブ・トラストファンド・レシーブド・フロム・フォーリンガバメンツ・フォー・シティズンズ・オブ・ユナイテッド・ステーツというのがあります。これに基づいて、これは六月九日の井川・スナイダー会談、東京で行なわれた井川・スナイダー会談で、このことによって
日本側からの財源補償というものを受け取ることができるようになりました。そこで、四百万ドルをいただきましょうというような趣旨の話し合いがあったという事実確認に基づいて、一体それはどうなっているのかと問いただしたところが、井川
局長が、私は存じませんと答えております。それから
吉野局長も、私も全く存じませんというふうに答えております。それから同じ十二月七日、横路
委員が愛知・マイヤー会談のメモがあるではないかと言ったところが、
吉野局長は、メモは一切とらず口頭で行なっておりますと答えております。また、
福田外務大臣は、
日本側にしても、
アメリカからこういう
要求があり、これに対してこういう
答弁があったということを一々記録していない、
アメリカ局長の頭の中にあるのだ、こういうふうに答えております。十二月十三日の沖特では、
吉野局長は、口頭で先方と話し合い、かつ口頭で関係者に伝えた、パリ会談にしても、あらゆる重要なことは全部電話で本省と連絡をした、
福田外務大臣は、六日に
質問されて以来調べたが、そのようなメモその他の記述はなかった、こういうふうに答えておられます。
また、内容の問題でありますが、十二月十三日の沖特では、井川
局長は、三億一千六百万ドルという数字はいかなる
交渉過程でも出なかった、四条三項について四百万ドルというような取りきめは一切ありません、
吉野局長は、愛知・マイヤー会談の中身として、財源のめんどうを見てくれたことを多とするという
発言はありません、また、パリ会談の中で、
文書化することの
要求が
アメリカ側から出て、愛知外相から
秘密が守られるかというやりとりがあったこと、
交渉の過程で出たことも一切ありません、こういうふうに具体的に答えておられます。これは全く事実と異なるところであります。
そこで、最後に、問題の中で、四百万ドルが別になっておらないという説明をいろいろされております。しかし、そちらに向けて明らかにはいたしませんが、日本国
政府は沖繩返還に関連し財政問題の一括決済として第七条に同意する、日本国
政府は、
アメリカ合衆国
政府が第四条三項に従って慰謝料を支払うため、この一括決済の中から四百万ドルを留保することを了解事項とする
外務大臣からの
秘密書簡が出ているというふうに私
たちは了知しておる事実があるんでありますが、これまで
外務大臣が述べられてまいりました御説明は、こういう形で決着をしていると私
たちは理解をしているんですが、これはいかがでありましょうか。つまり、
交渉過程ではない結論がここに出ていると理解をしております。この点について、あわせてひとつ御
答弁をいただきますが、前段については、字句を
一つ一つ御検討いただいて、その上で一括して後ほど御
答弁いただいてもけっこうであります。
一番初めの総理にお尋ねいたしました問題も
答弁は終わっておりませんから、今回であれ、次の機会であれ、きちんと御
答弁をいただくことを留保いたします。