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1972-03-31 第68回国会 参議院 本会議 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十七年三月三十一日(金曜日)    午後七時三十八分開議     ━━━━━━━━━━━━━議事日程 第九号   昭和四十七年三月三十一日    午前十時開議 第一 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案  (内閣提出衆議院送付) 第二 関税定率法等の一部を改正する法律案(内  閣提出衆議院送付) 第三 航空機燃料税法案内閣提出衆議院送  付) 第四 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、  承認を求めるの件(衆議院送付)     ━━━━━━━━━━━━━ ○本日の会議に付した案件  一、昭和四十七年度一般会計暫定予算  一、昭和四十七年度特別会計暫定予算  一、昭和四十七年度政府関係機関暫定予算  一、日程第一より第四まで  一、地方税法の一部を改正する法律案内閣提   出、衆議院送付)  一、地方税法の一部を改正する法律案衆議院   提出)  一、航空機燃料譲与税法案内閣提出衆議院   送付)      ——————————
  2. 河野謙三

    議長河野謙三君) これより会議を開きます。  この際、日程に追加して、昭和四十七年度一般会計暫定予算昭和四十七年度特別会計暫定予算昭和四十七年度政府関係機関暫定予算  以上三案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 河野謙三

    議長河野謙三君) 御異議ないと認めます。  まず、委員長報告を求めます。予算委員長徳永正利君。    〔徳永正利登壇拍手
  4. 徳永正利

    徳永正利君 昭和四十七年度暫定予算三案の予算委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。  今回の暫定予算は、昭和四十七年度本予算年度内成立が困難な事情にありますので、国政の運営に支障を来たさないよう、四月の一カ月間について編成されたものであります。  一般会計暫定予算編成方針といたしましては、本予算成立までの応急的な措置であることにかんがみ、人件費事務費等の経常的な経費のほか、既定の施策にかかる経費について、行政運営上必要な最小限度金額を計上することとしております。新規の施策にかかる経費は、教育及び社会政策上の配慮等から特に措置することが適当と認められる生活扶助基準単価引き上げ失業対策事業賃金日額引き上げ国立大学の学生の増募等を除き、原則として計上しないこととしております。  また、一般公共事業費については、昭和四十六年度補正後の予算額のおおむね八分の一を計上し、そのワク内において積雪寒冷地事業その他季節的要因に留意しなければならない事業について特別の配慮を加えております。災害復旧事業については、過年災害復旧等のため必要な四十七年度所要額のおおむね六分の一を計上しております。  歳入については、税収及び税外収入の四月中の収入見込み額を計上したほか、公債につきまして市中金融状況等を勘案して、四月中に発行を必要とすると認められる公債収入見込み額を計上し、また、前年度剰余金全額を計上しております。  以上の方針により編成されました一般会計暫定予算規模は、歳出総額一兆一千十七億円、歳入総額五千五百六十億円、差し引き五千四百五十七億円の歳出超過と相なっておりますが、国庫の資金繰りにつきましては、必要に応じ五千五百億円を限度として大蔵省証券発行することとしております。  次に、特別会計政府関係機関暫定予算につきましては、一般会計の例に準じて編成されておりますが、法律改正により合併等を予定している特別会計につきましては、現行会計区分により計上しております。  また、国立学校入学金及び前期分授業料並びに日本国有鉄道運賃等につきましては、現行水準で計上することとしております。  これら暫定予算三案は、三月二十八日国会提出せられ、昨三十日衆議院よりの送付を待って、本日審議に入りました。  まず、委員会の冒頭、佐藤内閣総理大臣より「昭和四十七年度予算は、御承知のような事情により大幅に遅延しており、一カ月間に及ぶ暫定予算審議をお願いする状況に立ち至ったことは、まことに遺憾である。政府としてはこれらの責任を痛感している」旨の発言がありました。引き続いて水田大蔵大臣から提案理由の説明を聴取し、直ちに佐藤内閣総理大臣並びに関係大臣に対し質疑を行ないました。  以下、暫定予算に直接関係のある質疑についてその概要を申し上げます。  まず「暫定予算になったことにより景気回復に相当大きな影響があると思う。その点、政府はどのように考えているか」との質疑がございました。これに対し水田大蔵大臣より「一カ月の暫定によって相当の制約を受け、景気回復影響なしとは言えない。しかし、暫定予算において、公共事業、特に積雪寒冷地公共事業費の手当てを十分にしているほか、本予算が成立した際、直ちに公共事業の執行が行なえるよう事務的な準備を急いでいるので、上半期にいままでどおりの目標を達成できると思う」旨の答弁がございました。  次に「今回の暫定予算歳入に計上された公債金収入二千四百億円は、例年の四月の国債発行額に比べかなり多額である。十二分の一程度に押えて、不足分大蔵省証券でまかなうべきでないか。また、前年度剰余金全額歳入に計上しているが、財政法剰余金の二分の一は国債償還財源に充てることにきめられており、問題ではないか」との質疑がありました。これに対し水田大蔵大臣並びに政府委員より「暫定予算公債発行額は四十六年度の発行額の約二割を目途に計上したもので、これは例年発行比率に基づいている。また、剰余金の受け入れはすでにその金額が確定していること、確定した剰余金はむしろ暫定予算に計上すべきであるとの議論が国会で行なわれ、四十五年度暫定予算においてその措置がとられていることなどを考慮して今回も同様の措置をとったものである」旨の答弁がありました。  さらに「暫定予算編成に関連して、国立学校特別会計入学金及び授業料収入に十八億円の歳入欠陥が生じることが明らかである。こうした確定的な歳入不足に対しては当然本予算修正を行なうべきではないか」との質疑がありました。これに対して水田大蔵大臣より「歳出権限を認める歳出予算と異なり、歳入予算は見積もりであるから、減収が予想されても直ちに修正する必要はない。歳入不足の十八億円は国立学校特別会計歳入総額の約二%であり、この程度であれば、この特別会計例年剰余金が出ていること、財産処分収入の増もはかられること、さらに歳出面での節約等も考えられることなどから修正する必要が生ずるとは思われない」旨の答弁がありました。  このほか、総理大臣政治責任の問題、沖繩返還時の恩赦の問題、四十七年度防衛庁予算修正に伴う問題、行政改革推進郵便貯金担保庶民金融、物価問題、沖繩返還に伴う諸問題等質疑が行なわれましたが、その詳細は会議録によって御承知を願いたいと存じます。  かく質疑を終了し、討論に入りましたところ、日本社会党を代表して矢山委員反対公明党を代表して鈴木委員反対民社党を代表して向井委員反対日本共産党を代表して河田委員反対の旨それぞれ述べられました。討論を終局し、採決の結果、昭和四十七年度暫定予算三案は多数をもって可決すべきものと決定しました。  以上御報告申し上げます。(拍手
  5. 河野謙三

    議長河野謙三君) これより三案を一括して採決いたします。三案に賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  6. 河野謙三

    議長河野謙三君) 過半数と認めます。よって、三案は可決されました。(拍手)      ——————————
  7. 河野謙三

    議長河野謙三君) 日程第一 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)を議題といたします。  まず、委員長報告を求めます。法務委員長阿部憲一君。     —————————————   〔阿部憲一登壇拍手
  8. 阿部憲一

    阿部憲一君 ただいま議題となりました裁判所職員定員法の一部を改正する法律案について、法務委員会における審議経過と結果を御報告いたします。  本法案の要旨は、第一に、地方裁判所における特殊損害賠償事件の適正迅速な処理をはかるため、及び交通関係業務過失致死傷事件の増加に対処するために、判事補員数を九人増加すること、第二に、地方裁判所及び家庭裁判所における事件の適正迅速な処理をはかる等のために、裁判所書記官及び家庭裁判所調査官裁判所事務官員数を合計三十一人増加することであります。  委員会におきましては、交通事件特殊損害賠償事件の最近における事件数の推移とその総合的な処理対策広報要員職務内容及び配置先、裁判の審理期間短縮目標とその対策裁判官増員計画裁判官の再任拒否問題、家庭裁判所調査官制度等について熱心な質疑がありましたが、その詳細は会議録に譲ることにいたします。  質疑を終わり、討論に入りましたところ、別に発言もなく、採決の結果、本法案全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  以上御報告いたします。(拍手
  9. 河野謙三

    議長河野謙三君) これより採決をいたします。本案賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  10. 河野謙三

    議長河野謙三君) 総員起立と認めます。よって、本案全会一致をもって可決されました。      ——————————
  11. 河野謙三

    議長河野謙三君) 日程第二 関税定率法等の一部を改正する法律案  日程第三 航空機燃料税法案   (いずれも内閣提出衆議院送付)  以上両案を一括して議題といたします。  まず、委員長報告を求めます。大蔵委員長前田佳都男君。    〔前田佳都男君登壇拍手
  12. 前田佳都男

    前田佳都男君 ただいま議題となりました二法案について申し上げます。  まず、関税定率法等の一部を改正する法律案は、内外の経済情勢の変化に対応し、国民生活の安定、自由貿易推進等に資する見地から、関税率調整をはかるとともに、関税制度整備のため、関税定率法関税法及び関税暫定措置法を改正しようとするものであります。  すなわち、生活関連物資七十三品目について関税率を引き下げるとともに、輸入自由化及び産業政策に対処するため、関税率調整を行ない、また、中国大陸産品のうち三十一品目について関税格差解消のための措置を講じようとしております。さらに、関税の減免、還付制度について品目の追加、期限延長等制度拡充を行なうほか、税関実務円滑化をはかるため、所要規定整備しようとしております。  次に、航空機燃料税法案は、租税特別措置法による航空機燃料用揮発油に対する揮発油税及び地方道路税免税措置が本年三月末日に期限到来となりますのを機会に、新たに広く航空機燃料に対し航空機燃料税を課税し、これによる収入空港整備等財源に充てようとするものであります。  本税の納税義務者航空機所有者等であり、税率は本則一キロリットル当たり一万三千円でありますが、負担緩和の観点から暫定軽減措置をとっております。  なお、本税収入の十三分の二は、別途提案航空機燃料譲与税法案規定により、空港関連市町村に譲与することとしております。  委員会におきましては、航空機燃料税法案について参考人意見を聴取するとともに、両案一括して質疑を行ないましたが、その詳細は会議録に譲りたいと存じます。  質疑を終了し、討論なく、両案を順次採決の結果、いずれも多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、両案に対し、嶋崎委員より四党共同附帯決議案がそれぞれ提出され、いずれも全会一致をもって本委員会決議とすることに決定いたしました。  以上報告を終わります。(拍手
  13. 河野謙三

    議長河野謙三君) これより両案を一括して採決いたします。両案に賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  14. 河野謙三

    議長河野謙三君) 過半数と認めます。よって、両案は可決されました。      ——————————
  15. 河野謙三

    議長河野謙三君) 日程第四 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件(衆議院送付)を議題といたします。  まず、委員長報告を求めます。逓信委員長杉山善太郎君。    〔杉山善太郎登壇拍手
  16. 杉山善太郎

    杉山善太郎君 ただいま議題となりました案件は、日本放送協会昭和四十七年度収支予算事業計画及び資金計画について、国会承認を求めようとするものであります。  その概要を申し上げますと、収支予算規模事業収支で一千百十四億八千万円、資本収支で三百五十七億八千万円となっております。なお、資本支出のうち、八億二千万円を事業収支へ繰り入れることとしております。  また、事業計画は、その重点を放送全国普及をはかるためのテレビ、ラジオ両放送網の建設、放送系統の性格の明確化放送番組刷新充実沖繩地域における公共放送業務拡充等に置いております。  逓信委員会におきましては、参考人意見を聴取するなど慎重な審議を重ねましたが、特に難視解消についての総合施策受信料の収納・契約の確保対策長期経営構想財政の見通し、沖繩放送サービス改善計画放送法改正問題等の諸点について熱心な質疑が行なわれました。  かく質疑を終え討論採決の結果、全会一致をもってこれを承認すべきものと決定いたしました。  次いで本件に関し、放送による表現の自由の確保放送の不偏不党の堅持、当年度予算に計上の赤字解消に関する経営努力、難視聴解消対策積極化など五つの項目にわたる附帯決議委員会決議とすることに決定いたしました。  以上御報告申し上げます。(拍手
  17. 河野謙三

    議長河野謙三君) これより採決をいたします。本件承認することに賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  18. 河野謙三

    議長河野謙三君) 総員起立と認めます。よって、本件全会一致をもって承認することに決しました。      ——————————
  19. 河野謙三

    議長河野謙三君) この際、日程に追加して、  地方税法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)  地方税法の一部を改正する法律案衆議院提出)  航空機燃料譲与税法案内閣提出衆議院送付)  以上三案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  20. 河野謙三

    議長河野謙三君) 御異議ないと認めます。  まず、委員長報告を求めます。地方行政委員長玉置猛夫君。    〔玉置猛夫登壇拍手
  21. 玉置猛夫

    玉置猛夫君 ただいま議題となりました三法律案のうち、内閣提出地方税法の一部を改正する法律案は、住民負担軽減合理化をはかるため、住民税所得控除及び事業税事業主控除の額の引き上げ固定資産税等非課税範囲の拡大、電気ガス税免税点引き上げ等措置を講ずるとともに、規定整備を行なおうとするものであります。  衆議院提出地方税法の一部を改正する法律案は、昭和四十七年度から段階的に固定資産税及び都市計画税税負担を増加せしめることとしております市街化区域内のいわゆるA農地のうち、耕作の用に供されていると認められるもの等について、従前の税負担との差額を減額するよう特例措置を講じようとするものであります。  次に、航空機燃料譲与税法案は、空港関係市町村空港対策財源を充実するため、航空機燃料譲与税として、航空機燃料税収入額の十三分の二に相当する額を空港関係市町村に譲与することとし、そのために必要な規定整備しようとするものであります。  委員会における三法律案についての質疑の詳細は、会議録によって御承知願います。  内閣提出地方税法の一部を改正する法律案について質疑を終わり、討論に入りましたところ、自由民主党を代表して増田委員より賛成意見が、日本社会党を代表して占部委員公明党を代表して上林委員民社党を代表して中沢委員日本共産党を代表して河田委員の各委員より反対意見がそれぞれ述べられ、採決の結果、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  他の二法律案については、それぞれ質疑を終わり、討論に入りましたが、別に発言もなく、採決の結果、衆議院提出地方税法の一部を改正する法律案は多数をもって、航空機燃料譲与税法案全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、地方税法を改正する二法律案に対しては、それぞれ附帯決議を付しております。  以上御報告いたします。(拍手
  22. 河野謙三

    議長河野謙三君) これより採決をいたします。  まず、内閣提出にかかる地方税法の一部を改正する法律案採決をいたします。本案賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  23. 河野謙三

    議長河野謙三君) 過半数と認めます。よって、本案は可決されました。      ——————————
  24. 河野謙三

    議長河野謙三君) 次に、衆議院提出にかかる地方税法の一部を改正する法律案採決をいたします。本案賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  25. 河野謙三

    議長河野謙三君) 過半数と認めます。よって、本案は可決されました。      ——————————
  26. 河野謙三

    議長河野謙三君) 次に、航空機燃料譲与税法案採決をいたします。本案賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  27. 河野謙三

    議長河野謙三君) 総員起立と認めます。よって、本案全会一致をもって可決されました。  本日はこれにて散会いたします。    午後八時散会