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政府委員(
笛吹亨三君)
保護司の老齢化の問題でございますが、現在全国に
保護司の実人員は大体四万六千六百人ぐらいおられるわけでございます。そのうちで六十歳を与えた人が五〇%をちょっとこえるわけでございます。
平均年齢にいたしますと六十歳にはならないのですけれども、六十歳をこえた人が五〇%以上おられるということは、確かにいま御指摘のように、対象者が
少年が多いという点からだけでも問題があるかと思います。それで、年をとられたから
保護観察をする能力がないかというと、これは一がいに言えないと思います。人生経験豊かな方がやはり若い人を指導していく力をお持ちの方が多いわけでございますから、これは老齢の方だからといって一がいには言えないのでございまするけれども、やはり対象者に
少年が相当多いということから考えますると、もう少し
平均年齢を若くしていくという必要はやはりあると思うのであります。
それで、私
たちといたしましても、その点は十分検討いたしておるのでございますが、なかなかその
保護司になっていただく方がそう簡単に得られないという非常に苦しい面もあるわけでございます。これは、
保護司になっていただくためには、
保護司法に規定いたしておりまするように、非常に人格のりっぱな方で、しかもそういう
保護観察をやっていただく時間的な余裕のある方でないといけませんですので、若い、各界で盛んに活躍して、といいますか、そういう方になりますと、なかなか御自分の
仕事が多いものですからそこに時間をさいていただけないという事情もあるのだろうと思いますが、なかなかそういう
保護司の候補者が得られないという悩みを持っておるのであります。しかしながら、そう言っておったのでは、だんだん
保護司になっていただいている方が、一年たてば
一つ年をとっていかれますから、やはりだんだん老齢化する
傾向がそういう点にあるので、これはやはりある程度お年を召した方につきましては、なるべく再任のときに、ひとつ今度は一応新しい、若い人にかわっていただくような措置を何とか講じていきたい。
それからまた、新しく
保護司に委嘱する場合の選考でございますが、そういったときにもやはり初めからあまりお年を召した方にはなっていただかないで、若い人を選ぶというような選考していくということの努力を続けておるわけでございます。先ほど申しましたように、候補者がなかなか見つからないので、こういう私
たちの努力にもかかわらずあまりはかばかしい効果はあがっておりませんけれども、今後とも努力を続けて、少しでもまあ若いといいますか、年をとっておらない
保護司の方をふやしていきたいと、このように考えておるのでございます。
それから婦人
保護司の問題でございます。現在婦人
保護司、これは昨年の七月現在の数字で恐縮でございますが、婦人
保護司が七千八百二十人おられるわけであります。全部の
保護司の中の一七%を占めることになっております。婦人の
保護司は婦人特有の母性愛といいますか、そういったもので
少年に対する
保護観察に非常にプラスになる面があると思います。そういったことで、婦人
保護司の中に非常に熱心な方もおられまして、
保護の効果をあげておられるわけであります。一方、
保護観察は
少年も多いわけでございますけれども、
少年の中にも非常な凶悪の者もおりますし、また成人の中には相当、まあ婦人の手には負えないような対象の者もおるわけであります。あまりまた婦人
保護司をふやしていくということも問題があろうかというような点も考えておるのであります。しかしながら、最近におきましては、婦人
保護司はだんだんふえてきております。試みに申し上げますと、私のほうの資料では、
昭和二十八年には婦人
保護司の比率が全国で七%しがなかったのであります。それが十年ほど
たちました
昭和三十七年には一四%まで上がっております。最近ではただいま申し上げましたような一七%に上がっているというように、やはり年々婦人
保護司の比率は上がっておるわけであります。これはどの程度――これからまだ若干上がるのではないかと思いますけれども、先ほど申し上げましたような
一つの
仕事上の制約というものもあるので、あまりふやすということも問題があろうかと考えております。