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佐々木静子君 いろいろとりっぱな人を選んでいただいていることは非常にけっこうだと思いますが、これは重ねて申し上げたいのは、たくさんの
審査の
対象となるものがあってそれは慎重にやらなければならないと、いけないと同時にある程度の迅速性も必要とされる、そういう
意味において、しかもこの任期が三年という長い、また何との比較においてかと言われるかもしれませんが、三年というとまあ任命されてから少なくとも三歳上になるというわけでございますから、やはりそういう点をお
考えになってできるだけ十分に
仕事のできる年齢の方にこの
委員のポストについていただくように今後の御配慮をいただきたいと思うわけです。
それから私、先ほ
どもちょっと申し上げましたが、実はこれは先日予算のときにもちょっとお伺いしたのでございますが、終戦直後のまだ新しい刑事訴訟法も十分に用いられていない旧刑訴の時代において、しかも占領下の時代において
裁判が行なわれ、そうして死刑の
判決を受けて二十数年間いま刑務所、拘置所の中で死と直面しながらこの
恩赦の日を待ちわびているという幾人かの人があるわけでございます。で、実はこの間
保護局のほうに具体的に私お尋ね申し上げた件に関しまして、たとえば福岡
事件の死刑の
判決を受けている石井健治郎あるいは西武雄などという者に対して、これはもう死刑の
判決を受けたまま二十何年問というものを福岡の拘置所の中で、ほんとうに文字どおり死と向かい合った状態で過ごしてきているわけでございます。しかもこれは事案とすると相当に問題がある。当時は進駐軍の占領下にあって、しかも被害者というのが第三国人であり、進駐軍からいろんな介入があったということが訴訟記録の上からもあらわれているわけでございますが、まあ事実
関係のことはさておき、本
人たちがそういうことで、ほんとうに死の谷底の中から何とか
恩赦の恩典にあずからせていただきたいということで、文字どおり死の叫びを続けてきているわけでございます。こういうふうな事案につきまして、この書類を読むのに非常にひまがかかるからなかなか審理が進まないというふうな
お話を幾たびか承っているわけでございますが、こういうふうな、ほんとうにそれこそ先ほど来おっしゃった
刑事政策的な
意味、あるいは公正の原則などに立脚した、終戦の混乱を一掃して、そして日本が新しく平和な日本の国として再出発する、こういうふうな大事なときに、
恩赦の
対象に当然しなければならないような人の
審査というようなものを、
中央更生保護審査会のほうでひとつ積極的に取り組んでいただきたいということをお願い申し上げたいと思うわけです。
この間、西武雄、石井健治郎の件についてお伺いしましたときには、これは再審の請求も出ているということを御
答弁いただいたのでございますが、私その直後すぐに事実
関係を確かめましたところ、再審請求も出ておらないわけですし、また民事
事件も早急に取り下げておるようなわけでございます。で、私実はつい最近も福岡拘置所へこの二人に面会に参ったわけでございますが、これは弁護人ではあるけれ
ども、死刑の確定囚と会うのだから、これは当然行刑の
関係があるから立ち会っていただいてけっこうだということを申し上げて、そして二人と話をしたので、その西武雄あるいは石井健治郎が申しておることは、これは立ち会いの刑務官が速記をしておられると思うのでございますが、全く私
どもの目から見てもりっぱな生活をしている。そして自分のこの二十数年間の死と対決して過ごしてきたという、悟り切ったと申しますか、ほんとうにこちらが恥ずかしくなるような、非常に、ある心境に到達したようなりっぱな
お話であった。そういう
人たちを、これはもう死刑の
対象からはずすのはもとより、一日も早く
恩赦の
対象として取り扱われるべきではないか、こういうことを思うわけでございますが、
保護局においては、こういうふうな特別な
事件についてどう
考えておられるのかお述べいただきたい。