○
説明員(
斉藤一郎君) ただいま御
指摘の三月一日の
事件、
大阪の
田辺さんが
重傷負われた
事件についていろいろお尋ねがございましたので、まず
事案の概要を簡単に申し上げますと、いまも御
質問の中にお触れになったのでございますが、三月一日、
東京駅の
国鉄本社前のところで、
春闘共闘委員会デモというのが行なわれまして、
参加人員が約千六百人ぐらいの
デモ隊がございました。これに対して、当日たまたま
先ほどお話のございました、
右翼系の
学生青年純正同盟の
宣伝カーというものが、同じ時刻に同じところへ参りまして、そして
デモ隊の中に突っ込んでいって
田辺さんを
けがをさした。たいへん
重傷を負われたということでございまして、こういう
事件が起きたことについて、
警察としてもまことに遺憾に存じております。で、この
宣伝カーはその時間にその
場所に行ったわけでございますが、実は早くから
政策宣伝ということで
許可をとっておりまして、それまで当日二月一日だけじゃなくて、ずっと毎日毎日
宣伝をやってまいっておったのでございます。
事件が起きたのは三月一日でございましたが、二月十一日から三月十日まで毎日午前八時から午後七時までの間
宣伝放送やるんだということで、早い時点で
中野警察署長の
許可を得て、そうして毎日
宣伝をやっておった。私
ども警察のほうでは、こういう性質のものでありますので、目を離さないようにしておって、当日も、新宿の事務所からこの
宣伝カーが出発したのを、
警察の係の者がずっと、
あと不測の
事態が起きないようにということで、つけてまいったのでありますが、
東京駅の南口のところで
交通混雑のために、つけてきたのが離れた。そしてどこへ行ったかわからなくなった。それから
あと、ほんの時間にしまして数分の間のできごとでございまして、混乱の中に、
デモ隊で非常に大ぜいの人がいる中に、この
宣伝カーが入って、そしていざこざが起きて、終局的には、
田辺さんが
重傷負われたということでございます。
こまかくいきさつを申し上げると、たいへん長くなるので、大筋申し上げると、そういうことなんでございますが、この間で、
デモ隊を警備しておった
機動隊員が、まだ
デモ隊に対しては、
機動隊員というものは、表に出ないほうがいいということで、丸の内の
工業ビルのそばのところで待機しておったのでございます。そして
交通巡査だ
けが幾らか出ておった。そうした目の離れたごくわずかの間に
けがをさしたということで、
警察の
現場における
措置も数少ない者が精一ぱいやったのでございますが、なお至らなかった点は多々あるということを反省しておるのでございます。
私
どものこういう
事案に対する基本的な
態度としましては、さきも
法務大臣から
お話がございましたが、
警察がその責務を果たすために、
不法行為に対しては、どういう人であろうと、どういう
立場のものであろうと
区別なく、これを放置しないという
態度で臨んでおります。また、
右翼的な言動をなす
行為に対しても、そのつど十分な警告をし、必要に応じて取り締まるということで、法に照らして厳重な
取り締まりをやりたいと
考えております。そういった
意味で、私
ども結果的にまことに遺憾なことになりましたが、だれがやったからということで、決して
区別をせずに、あるいはまた逮捕したものについて、当日犯行を行なったものをその場で、先ほど
機動隊員が何もしないというようにおっしゃったのでございますが、
工業クラブの横に待機しておった
機動隊員が出ていって、そして車をとめるウマというものでもって、前後をはさんでとめて、四人を逮捕しております。逮捕したものについて、
厳重取り調べをし、いまなお
捜査中でございますが、決して
行為者によって
区別をするということのないような厳正な
取り締まりを行ないたいと思っております。