○川村清一君 ただいまの
中村委員の
質問に対する大臣の御
答弁でございます。わからないわけじゃないんでございますけれ
ども、これは数年前に坂田
農林大臣時代、それからまた倉石
農林大臣時代も、われわれこれを取り上げまして、いろいろ大臣に対しまして、われわれの
考え方を述べ、そしてその結果、坂田
農林大臣のああいう御
答弁が出てまいりまして、また、倉石
農林大臣からもそれに近いところの御
答弁があった。要すれば、国有林
経営は直営直用を原則とする。そして、それを拡大し、その結果、山林に働く労働者の生活を守る。また、国有林
経営において労働力を安定させ、そういう中から国有林の
経営の安定化をはかるということであったわけであります。しかし、現
段階における国有林の置かれておる情勢の中から、
経営の健全化をはかるということで、何か原則がくずれている。直営という方針が、請負化という
方向にひとつ傾斜していっているのではないかというふうに、
先ほどの
林野庁長官の御
答弁の上から伺い知るわけでございますが、それではやはり国会の決議というものを軽視しているというふうに言わざるを得ないわけでありまして、ただいまの大臣の御
答弁だけでは、じっくりと納得できかねるわけであります。この点、もう一度さらに御
答弁がいただきたいわけであります。それから、
先ほど林野庁長官のいろいろの御
答弁を伺っておるわけでございますが、その中でふに落ちない点が一、二点ございますので
お尋ねいたします。
まず、第一に
中村委員の指摘いたしました立木、あるいは素材の販売の方法、あるいは一般入札、それから指名、それから随意契約、この点でございますが、まあ立木の販売の面をひとつとらえてみますと、
中村委員の指摘によれば、七〇数%がこれが随意契約になって販売されている、これはおかしいじゃないか。やはり一般公入札によって、公正な価格によって販売すべきである。これは言うまでもなく国有林というのは、国民全体の財産でございますから、その財産を売却するという場合には、国民に
損害が与えられないように、適正な価格で売られなければならないことは当然であります。それが七〇数%もこれが随意契約で売られていることは、おかしいのではないか、こういう
中村委員の
質問に対しまして、
林野庁長官の
答弁は、これは昔はまきや、それから木炭、薪炭材に多く広葉樹であるとか、あるいけ雑木は使われておった。ところが、薪炭用に木材が使われなくなったので、これが全部パルプ材になっていった、そういう結果、こういうことになっているんだという御
答弁でございますが、これは私は裏を返せば、たいへんなことになるのではないかと思う。七〇数%という木材は、これはほとんどがそういう雑木なのかどうか、こんなばかなことはあり得ないと私は
考えるのですがね。それじゃ
一体昔は七〇数%の木というものは、全部まきか木炭になったのですか、そんなことはないと思う。もちろん林相は悪化してまいりましたし、それから森林は奥地のほうにどんどん入っていっていますから、非常にめんどうな要素があることはありますよ。ありますけれ
ども、そんなに粗悪品ばかりあるとは思わないのです。それじゃ、七十何%のうちに何%は
一体そういう薪炭材になるのか、ここをお聞きしなければならない。指名入札、一般公入札が三〇%
程度であって、七〇%は、これはそんな木材であるというふうには、私は
考えられない。ですから、ついているところは、そういうことではないのですね。できるだけこれは国民の大事な財産なんですよ。しかも、いわゆる、いま国有林の
経営というものが困難な状態になってきておるのであるから、できるだけ収益をあげるというところにやはり、国は商売ではないかもしれませんが、しかし、
特別会計ということでやっているわけですから、やはり
経営は商売にもなるわけですね。だとすれば、適正な価格によってできるだけ高い価格で売って、しかしながら、これは国ですから、一般の商売でやっている木材業者と違うことは明らかでありますけれ
ども、しかしながら、損をするというふうな価格で売るということは、了解できないわけですね。ですから、
一体七十何%のうち、昔なら木炭やあるいはまさに使用されておるところのものは、
一体何%だったのか、これをひとつ明らかにしていただきたいですね。
それから、もう
一つは、われわれは国有林活用法というものを審議いたしまして、最終的にはこれは成立したわけでありますが、しかし、これも国有林活用法が国会を通るまでには、やはり数回かかっているのです、廃案廃案で。そうして昨年の国会ですか、ようやくこれが通ったと、こういう経過があるのですね。この審議の中で、われわれはなぜ安易に国有林活用法に賛成しなかったかということは、やはり基本的な問題として、いま申し上げましたように、国有林というのは、国民の大事なこれは宝なんだ、財産なんだ、そしてまた、日本の国土を守っておる大事なこれは森林なんだ、だから、国民全体でこれを大事に守らなければならない。この大事な国民の財産である森林というものは、一部の木材業者であるとかあるいはボスによって左右されるようなことがあってはならないのだ、国民の財産を守り、国土の
保全を全うするために、これを守らなければならないというのが、われわれがなかなか賛成しなかったこれは基本的な
考え方なんです。ですから、これを通すにつきましては、いろいろな決議をしているわけですね。その決議の中の
一つには、やはり現在国民の使う材木の五〇%以上が外材に依存しておる、これはまことに尋常な姿ではないでしょう。なぜならば、木材というものは、国民の生活にこれは離して
考えられないんですね。いま大臣は、高度経済成長のために非常に建築がふえてきた、そのために木が必要だと。ですから、いま国民の一番大きな問題は、やはりいかにして自分の住む家を持つかという住宅の問題、これが最大の問題ですね。ところが、なかなか家を持てない。家を持てない
理由は何か。
土地が高くてなかなか取得できない、せっかく
土地を得ても、今度は家を建てようとするときに、また非常に建築費がかさんできておる、木材が高くなってきておることも
一つの事情でしょう。こういうことを
考えてみるならば、とにかく日本人の使うところの木材というものは、大かたを国内
生産でもってまかなう、足らないところは外材に依存する、いわゆる外材というものは、あくまで補完するという姿でなければならないはずです。ところが、いまは全くこれがびっこでしょう。五〇%以上を外材に依存するというのは、おもなものは外材で、国内材がそれを補完しておるという、こういう姿でしょう。こういう現状を打破するためには、どうしてもこれは木材の
生産をふやさなければならない。
生産をふやす第一は造林でしょう。次には、林道ですね。林道をどんどんつくっていって、そして奥地にあるところの木を切り出すのに、便利な方法をとっていかなければならない。それから、もう
一つは民有林ですね。いわゆる民有林においては、なかなかよう切らないわけですよ。切り惜しんでおる。こういう問題も解決しなければならないのですね。こういうような問題をいろいろ検討した結果、われわれといたしましては、造林というものに非常に力を入れた。民有林においてもいわゆる官行造林のような、ああいうような方法をとる必要があるのではないかというようなことも、これは決議に入れているわけですね。いま
中村委員も指摘されたようなこういう問題、これが決議となって出てきておるのです。ところが、このどうも決議をしたけれ
ども、そのわれわれの決議したことが、ほんとうにやろうという姿勢でもって林野行政を推進されているのかどうか。これはちょっと疑問を感ずるような御
答弁を長官がなさっておるわけです。ですから、私はここであえて申し上げたいのでありますが、いま私がいろいろ申し上げましたが、これらのことを踏んまえて、そして国会が決議しておるわけです。この決議をしっかりと踏んまえて、これを実現するように林野行政を指導してもらわなければ、私はいかぬと思うのです。長官いかがですか。