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神沢浄君 それでは、次に、私は事実
関係についてお聞きいたしたい点があるわけですが、先ほど
鶴崎参事官から一応報告に基づいての御
説明がありました。しかし、私が直接
現地において
調査した
内容、
事情とはこれは全く
相違をいたしておるわけです。現在
警察において捜査中でありますが、この捜査の
段階で、
警察が、当時
地元の住民の、直接その場に居合わして目撃をいたしました
人たち数人からの
事情の聴取を行なっております。私も、その
警察の捜査の際に目撃
状況を
説明をいたしました同じ
地元住民から、
警察において申し述べた
内容について聞き合わしてまいりました。
それはこういうことであります。これは全く
警察へ申し述べたものをそのまま書いてもらってきたわけなんですが、まず当日の
状況としては、
小屋の材料をトラック二台に積んで、十三人で、
現地に
地元の
人たちが午前八時ごろ到着した。まず、先の
小屋、いわゆる
既存の
小屋を移転するために整地
作業を始めて、移転の終わったのが午前の十時ごろであります。それから十分くらいお茶を飲んで、新しい
小屋の建築の
作業にかかった。午前十時三十分ごろ、柱やけたや土台や骨組などができたので、
屋根のたるきを打ちにかかった。そうすると、そのときに海津
業務隊長が一人でやってきて、やめろと言った。当方は一応
作業を
中止して、
責任者がいなかったので——これは入り会い組合長のことをさしているわけでありますけれ
ども、甲府に出かけて不在であったから——みんなで
相談の結果、
入り会い小屋をつくることは不当ではない、
入り会い権を持つ
人たち、
占有権を持つ
立場からして不当ではないという、こういう
相談になりまして、午前十一時ごろ
作業を開始した。その
建物の上に五人くらいでたるきを打ち、他の者は下でそれに手伝ったりほかの仕事をしていた。そうすると、
自衛隊は
さく外のベニヤ板、トタン、壁板等の材料の上にのぼってこれを押え、また
さく内の材料を外に持ち出し始めた。ここで持ち出しては困るので、材料の奪い合いがあった。しかし、双方とも暴力的な
行動はなかった。そのごたごたの間に、
屋根の裏板も大体打ち終わった。時間は、緊迫状態であったのでよくわからないが、おおむね十二時をこえていたと思う。
事件の発生は、したがって十二時を若干こえたというころ合いに始まるわけなんですが、そこで当方は昼食をした。
自衛隊は何かみんなでかたまって話をしていた。そのうち材料を押えているのをやめて十メートルくらいそこから離れた。したがって
自衛隊はあきらめたものと思って、その間に入り会い組合は材料の一部を
さく内にまた運び込み、五人くらいが
屋根に登り、他の者は下で
作業を開始をした。そうすると、そのときに百人くらいの
自衛隊員がなだれ込み、柱を大ぜいでゆすったり、ぬきをはずしたりたるきをはずしたり、すさまじい勢いで取りこわしにかかった。当方は、
屋根の者はたるきやむなげたにつかまって身を守り、下にいた者は柱につかまってこれを防いだ。このとき、いま
警察におるこの男は、これは
警察に現在勾留中の男の意味ですが、男は
屋根のむねの下側に立っており、つかまるところがないので、あぶないからやめろやめろとどなり、ころげ落ちたのか自分で飛びおりたのか知らないが、下に落とされた。このころ
自衛隊の数は倍くらいにふえた。
業務隊以外の兵隊も見えた。そして強制排除にかかり、みんな
さく外に連れ出された。このことについては抵抗もなく、ごたごたもなく、この最中に、先の移転した
小屋の一部、したがって
既存の
小屋の一部の窓の下のトタン壁とか内側のベニヤ壁等がこわされた。
こういう
状況なんです。これは、
警察にこれと全く同じものがプリントになっているようですが、これを見ますと、先ほどの
説明では、隊長目がけて、顔面目がけてけってきたと、こういうのでありますが、下のむな木につかまっておって、あぶない、あぶないという
状況の中で、ゆすられて落ちたということのほうが真相のようでありますが、大体私も
説明を聞きながら、顔面をけるなどということはこれは容易なことではありませんで、キックボクシングのプロボクサーなんかならいざ知らず、普通の者は相手の顔面をけるなどということは、これは実際問題としてできないことだと思うわけであります。したがいまして、ゆすられて落ちたときに、あるいは下におりましたそれが隊長であるか
隊員であるか、衝突をしたというふうな
事態があったのかどうか知りませんけれ
ども、いずれにいたしましても、暴行を意図して顔面目がけてけるために飛びかかっただろうという状態では、物理的に考えても、とうていあり得なかったと、こう
判断できるわけであります。その点も一つの問題点です。
そこで
自衛隊は、そのとき二人拉致をいたしておりますね、いま
警察におる男とそれから佐藤という男と。ここにその翌日の新聞を持ってきておりますが、新聞の写真によりますれば、まことに不穏当な状態でもって逮捕をしておるような写真も現場写真として載っておりますし、それから先ほどの
小屋の破壊のために
自衛隊がみんな
小屋の上にのし上がって、事真ですからゆれて動いて見えませんけれ
ども、まさにゆすり倒しておるような写真が載っておりますよ。これは私の聞いたところでは、テレビも行っておりましたから、当日、テレビの放映でもって画面になってみんな
承知をしておるところであります。
説明がいかようであれ、このように事実の証明をされて、当日の状態といたしましては、決して、いま拘禁中の人間といえ
ども、隊長に対して暴行を意図して飛びかかったなどという状態でなかったことは明白だと思うわけです。にもかかわらず逮捕が行なわれておるわけですが、二人拉致をしまして、一人、佐藤という人物につきましては、何でおれを逮捕するんだということで、
自衛隊側のほうが
説明がつかなくて、これは釈放というか、結局はそのままになったようであります。もう一人の男は、その後——その取りこわしの
作業にかかったのは
業務隊というわけでしょう。その後、それが十二時若干過ぎ、私が
警察で聞いたところでは、何か
自衛隊のほうの
説明によりますと十二時四十分前後というふうに言っておるわけでありますが、それから
警察にその人物を引き渡したのが三時三十分と、こう言っております。そうすると、十二時四十分から三時三十分まで約三時間くらいの間、
自衛隊の中でもって身体の拘禁、自由の拘束、それから
取り調べのごときことを行なっているようであります。そこで、私はそのような
情勢の中から
お尋ねをいたしたいのでありますけれ
ども、この逮捕についてはどういう法的な
立場に立ってやられておるのか、その点をまずお伺いをいたしたいと思います。