○河田賢治君 そこは私は問題だと思うのですよ。それは、なるほど旧債はある程度償還していますから減ってきたんです。しかし、他方においてさらに以上の累積赤字が出たということは、要するに、目的を達しないわけでしょう。しかし、それはどんどんモータリーゼーションで
自動車がふえてきた。したがって、バスの運行も、電車にかわったバスの運行すら赤字が増大してきた、こういうことになるわけですね。そうすると、ここで私は、なるほど
自治省のほうは都市ばかり見ておるかもわかりませんけれども、やはり日本の全体としてものを、さっき
運輸省の方が言われましたけれども、日本の高度経済成長、そうして
道路にばかり投資をして、
自動車の
道路をつくり
自動車をどんどん走らせれば、バスの運行が悪くなるのはこれは当然なんですよ。そうしますと、やはりそこで大きな赤字が出る。現にもう地方
自治体も、御承知のとおり、あなた方の
指導のもとに、ほとんど電車に属した財産は売り尽くしちゃって、車庫からいろいろなものをどんどん、建造物、もうほとんどない。
人員にしましても、東京都は一万三千七百二十四人ですか、四十一年。これが四十六年には八千三十六名と、五千六百八十八名、
人員も減らしているのです。こういうふうに、
人員の面でも、それからいろいろ車両、財産の処理の問題、あるいはバス優先レーンなんかもつくって、こういう努力をしておりますけれども、しかし、なおかつ今日では赤字が出る。そうしますと、こういう日本の経済全体がどういう一体
——このままモータリゼーションをどんどんふやしていく、
道路はつくるということになれば、ますますそのほうは渋滞し、
道路も渋滞、したがってバスの収益をあげることができないというのはこれは当然なんですよ。こういうところもやはりある程度
政府としては見通さなければならぬと思うのですよ。それに対して手を打っていかなければならぬと思うのですよ。そうしますと、バスにかわって大都市では地下鉄というものが非常に今日要求されてくるし、安全でもあり、確実でもあり、スピードも速いと。こうなれば、国もまた地方
自治体もあげてそちらのほうへ投資をするとか、いろんな
交通を緩和するためにこれは処置していかにゃならぬでしょう。そうしないと、ただ古い借財だけが、だんだん赤字がなくなったといってこれで満足しておるようでは私はぐあいが悪いと思う。地方の大都市というものがいまいろんな問題で、これは小都市も過疎もありますが、全体として、大都市ではこういう
交通問題がいま大きなネックになっております。しかも
交通問題を解決するということは、単に
一般市民だけでなくて、東京にはたくさんの事業所があり、いろんな官庁もあればいろんなものがあります。こういう人の足を確保する。なるほど、国鉄と私鉄等々も乗り入れやら、いろいろなことで努力はしておりますけれども、しかし、なかなか緩和に向かっていかぬという
状態なんですから、これはやはり国全体としてこういう問題に対する、どのようにしてこれを確保していくか。また、地方
自治体の
財政が困難であるのだから、したがって、地下鉄一つ掘るにしましても六十億とか八十億とかいうような相当金がかかるのですから、どうしたってそういう
財政的な処置をして、これは国の一つの政策として、施策としてこの問題を解決していくような方向をとらなければならぬと思うのです。先ほど
和田委員から閣僚のあれをつくれというお話もありました。確かに、
建設それから
自治、
大蔵、その他こういう
関係のやはり大都市の
交通問題、大都市の住宅問題、こういう大都市の
建設についてのいろいろなそこで意見が反映し、そして、そこで問題が早急に解決していくようなやはり
方法をとらぬと、私は、この問題はおくれればおくれるほど非常に大きな問題を残こすと思うわけです。
そこで、いま労働者の諸君にしましても、確かに電車の労働者やあるいはバスの労働者の方々で、地方
自治体で、
自治省あたりは、相当給料が高いといって人件費に食われる。しかし、人件費に食われるような、電車とかバスとかいうようなものはそういうものなんですね、大体が。ですから、ある程度年齢がき、そして物価も上がる。物価の上がるのだって
政府のあれですから、これに応じた労働者の生存権を保障していかなければならぬ。大阪あたりでも、二年間くらい改定をやってないのです。私、ちょっと資料を受け取りましたけれども、そういう努力を地方
自治体はやっておるのだ、そして労働者はそのために大きな犠牲をこうむっておるわけです。ですから、国の政策で物価が上がるのだし、また、地方
自治体のいろんな問題はこれは国の政策であるわけなんですから、したがって
自治省は、敢然としてこういう問題の
中心になって、私は、地方
自治体、特に大都市における
交通問題を解消するという方向は責任を持ってやってもらわなければならぬ。
運輸省あたりにまかしておいたんでは、これは、
運輸省は一番大きな重点は、東海道線だとかあるいは新幹線の敷設なんかに一番重点を置いているのでしょうから、やはりそういう問題は地方
自治体の代表者である
自治大臣が責任を持ってこの点は閣議で主張してもらわなければならぬ、こういうふうに思うのです。したがいまして、今後とも、こまかいことは言いませんけれども、累積赤字はたな上げをして、そして国や地方
自治体、地方
自治体だってごくわずかしか持てぬと思いますけれども、元利償還の肩がわりをやっていくとか、あるいは新しい路面バスの事業にも国の助成をする。たとえば、東京都でもいろいろな
審議会を設けてやっております。しかし、その中には生活路線、やはりバスを通さなければならぬところはたくさんあるのですね。学校があるとか通勤者が多いとか、そういういわば生活路線というもののバスが出ておるわけですね。だから、あまりもうからぬからといってバスをばさばさ切ることができぬところがたくさんあるのです。だから、こういう問題についても新しい助成措置を講ずるとか、いろんなこういう諸問題について私は相当根本的に
検討する必要があるのではないか、こういうように思うわけです。その点をひとつ
大臣から伺って、
大臣への質問を終わりたいと思うんです。