○神沢浄君 まあひとつがんばってやっていただかなければならぬと思いますが、そこで、また
あとから厚生省の
関係についてはお尋ねをすることにしまして、いわば被害者である市町村の
立場に立って
自治省のほうへお尋ねしたいと思うのですが、さっきも触れましたように、
一つのごみ
処理場あるいは屎尿
処理場にしましても、いわれている迷惑施設をつくり上げるには、これは並みたいていの御苦労ではない困難と困惑が市町村には実在をしているようであります。
さっき韮崎市の例を申し上げたのですが、韮崎市は本体、付帯のいわゆるごみ
処理のこの事業の総経費が二億六千三百余万円というものに対して、
用地決定のために農道新設で九千万円、橋梁新設で七千六百万円、それから道路の改修で一千百万円、これは市から提出された数字がここにありますけれ
ども、間違いのない数字なんですけれ
ども、合わせて一億七千七百万円という事業が
関係住民との間に
約束をされておるわけです。これを何とかしてやっていかなければ、市にいたしましても公約違反になってしまう、こういう実態にあるわけであります。私の計算では、これらはやはり金を出す
立場は同じ市ですから、全部合わせてみますと全体額では四億四千万くらいになって、それに対して補助が二千四百万、こういうことでもってまあ五%くらいの状況になっておるわけです。
甲府市などに及びますと、これは金額などの問題もさることながら、私は、
自治省の
立場では、行政としてのごみ
処理が、廃掃法をめぐってのあり方というものにこれは真剣にひとつ配意をしていただきたいと思う点でありますが、甲府市では、いま着工しておりますけれ
ども、この
用地をきめるまでそれこそ十回をこえるようなまごつきをしておるようでありまして、結局
用地の決定になりましたのは石和町というすぐ隣接の町との境界に近いようなところ。そういたしますと、今度その隣接する石和町のほうから異議が出てまいりまして、その調停のために結局県知事まで乗り出して、そして甲府市と石和町の間に、ここに
覚え書きの控えがありますが、県知事立ち会いでもって
覚え書きが作成をされております。その内容はどうかというと、いわゆるごみ
処理場をつくるために、近接している石和町の
関係の
住民が受けるところの迷惑、その迷惑をできるだけ排除するための施設などをつくるために、頭金で四十六年度末までに五百万円、
あとは四十六年度を初めとして五十五年度までに毎年百五十万、十カ年千五百万円、頭金が五百万ですから二千万円、二千万円を甲府市が石和町へ払うという県知事が立ち会いでの
覚え書きがここにでき上がっているわけであります。そういうことを通じてやっと石和町のほうの
了解を取りつけている。ところが、今度は自分の市内の
関係というのは、これはまた膨大なものになっておるわけでありまして、ここに明細の表を持ってきてますけれ
ども、集約をいたしますと、道路の整備、舗装というような
関係のために一億五千万、それから河川の改修などを主として八千万、合計二億三千万という事業の
約束がなされておりまして、その上に立ってやっとごみ
処理場の建設が軌道に乗っておる、こういうことであります。二億三千万円に先ほどの石和町に支払う二千万円を加えますと、そうしますとこれはまた二億五千万になるわけでありまして、しかも事業に直接の経費である本体、付帯の工事を寄せますと、実に七億一千八百万になるわけですよ。この七億一千八百万に対して国の補助金は、これはわずかに一千七百万です。私はこれでは、もらうほうがましでしょうけれ
ども、もらってももらわなくてもそれほど差のあることじゃない。
したがって、私は、自分の
調査を通じて非常に
考えさせられましたのは、今日の時代の要請で、これはまさにごみ
処理場をつくらないわけにはまいりません。それこそ、ごみ
処理をつくらないといったら市長即座に首が飛ぶような時代。しかし、いまごみが何のためにこんなにふえてきておるのか、別に甲府市が特にごみを奨励して出しているわけじゃない。これは、やはり私
どもが言うと、いわば私
ども流の
言い方というようなことにとらわれるかもしれませんが、やっぱり国のこれは経済政策というようなものに基因しておることはいなめないと思うわけです。よくわれわれが
指摘をいたしますいわゆる高度経済成長政策であります。大量生産、大量消費、そういう政策がずっと続いておりますから、いまの日本の経済というのは、むだをしなければこれは成り立たないような仕組みになってきておりまして、消費は王様だという現在時代であります。したがって、かつては物を大切にしなければならないという、われわれはそのように教わってまいりましたけれ
ども、いまは全くそれとは逆に、すべて物は使い捨て、二度使うなどということはこれはもう何か徳義に反するような時代に入ってまいりました。物を使ったらその場で捨てなければ日本の経済が成り立たないと、こういうことでありますから、ただ単に甲府市や韮崎市のこれは問題じゃありません。おそらく
あとから数字を出していただければわかろうかと思うんですけれ
ども、間に合わないからやむを得ませんが、ただ単に甲府市、韮崎市だけでなくて、全国的のこれは全く共通した傾向と趨勢というものになっておるだろうというふうに、こう
考えられるわけであります。そこで、いずれにしましても、ごみ
処理場をつくらぬことにはこれはもう市民の生活の
環境の保全というものは成り立たないわけでありますから、どんな泣きの苦労をいたしましてもつくるのでありますけれ
ども、それをつくるためには、ただいま説明をいたしましたような事業外の
約束というものを、あるいは石和町などに
覚え書きによってとにかく金を、これはどういう性質の金を支出するのかどうか知りませんが、補償費というような範疇に入るのかどうか知りませんけれ
ども、これは払っていかなければならない。こういうようなことに対して、私はやっぱり
地方行政上この際大いに
考えなければならない点だと思うわけです。
そこで、ひとつ
自治省のほうへお尋ねをしてまいりたいと思うわけですけれ
ども、
自治省としましてもこのような情勢というものを全国的に把握をされておられるかどうか、どんな程度の認識を持たれておられるのか、その点から伺っていきたいと思います。