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鈴木一弘君 これは、最初にアジ銀の問題に関連して大蔵大臣にぜひお答えをいただきたいのですが、前回のときにも伺ったんでありますが、大臣がお見えにならなかったので、まあ私も満足はしていないのですけれ
ども、実は、
アジア開発銀行と同じように、ヨーロッパに欧州開発基金があります。つまりEDFでありますけれ
ども、この欧州開発基金は、いわゆるベルギー、フランス、イタリア、オランダ、そういうような国々が、自分のところの植民地であったアフリカの諸国に対し、まあそのほか、海外に点在している国々に対して、いわゆる経済社会の発展開発を援助する、そういう目的でつくられた。これは、どう
考えても、日本の私
どもがいま
審議している
アジア開発銀行とはちょっと違う感じがするわけです。というのは、域内
加盟国と域外
加盟国と両方
加盟国があって、それの
資金でもってアジ銀は動いておりますけれ
ども、ところがこちらの場合には、ヨーロッパの旧宗主国だけが集まって
資金を集める、そうして旧植民地に対しての援助をしている。そこら辺になりますと、大臣も御承知のように、第二次大戦が起きたのも、経済のブロック化から始まったわけです。で、ECの存在そのものもそういう傾向が若干あるのでありますけれ
ども、こういうことから、旧植民地までも、第二の経済侵略のような形で糸をいつまでもつけておくということは、
一つには、いわゆる全体的に発展をしていくというか、ブロック化をしないで発展をしていくという経済の流れと、平和を求めている経済の流れと、大きく違うという点がある。
いま
一つは、南北問題の中の南北問題といわれているアフリカが発展してこないのも、言いかえれば、こういうような、いつまでも旧植民地扱いをすることにあると思うのです。
いま
一つは、特恵関税のときにも御
質問申し上げたのでありますけれ
ども、逆特恵のようなものを用いて、いつまでもいつまでも、もとの植民地から吸い上げるというような形を改めない。こういうことでは、これはいずれ世界の問題にならざるを得ないときが来るだろう。わが国として、
アジア開発銀行、あるいは世銀、第二世銀と、いろいろありますけれ
ども、そういうものを通して、開発途上国に対して、未開発国に対していろいろ援助をしていかなければならぬ。これから
政府の開発援助もふやそうというところにきているわけでありますから、そういうときにあたって、このような行き方はおかしいということで、ECの六カ国がやっているこのような行き方、これを改めさせていく必要があるのじゃないか。その点、わが国としての
考え方、これは当然、世界の経済の中で、大きな地位を持っている日本のことでありますから、しかるべきことは言っておかなければいけないのじゃないかという感じがするのでありますが、いかがでしょうか。