○
竹田四郎君 私は、逆に大いに起こり得ると思うのですよ。過去の、五年前の日本の
企業であればおそらく自己金融なんかはなかなかつきかねたわけです。それから商社などにいたしましても、これは五年前であったらば、自己の
資金というものは非常に乏しいということで、そんなに使うことはできなかった。いま
国内の金融というのは緩和している、
金利も安くなっている、コールレートも安くなっておる、法人がかなりの余裕
資金を持って、株式投資をやったり、不動産投資をやったりしているような
状態、こういう
状態であれば、いままでは円・
ドルという形で切られていた、だからいけなかった、今度は自由になった、こういうことになれば、
銀行のほうは、
大蔵省がかなりきびしくそういうことは検査をし、取り締まることができるかもしれない、しかし商社や
企業については、そういう取り締まりをすることはおそらくできないだろうと思います。そうすれば、
銀行のチャンネルよりも、その他の法人のチャンネルによって
本土で金融をして、その金が
沖繩に流れる、こういう可能性というのは、いまの
金利差の問題から考えてみて、小さな金額ならそういうこともないでしょう。少しまとまった大きな
仕事をするということになれば、私は当然、一つのホテルを建てるなんということは、海洋博を中心としてこれからどんどん進んでいくだろう、そうすれば、
企業としてはむしろ
本土で金融をして、それを現地へ持っていく、こういうような形になるチャンネルというものは、非常に大きなものになる。だからいまあなたがおっしゃったように、
銀行を通じない他のチャンネルはあまり考えられないというようなことは、私はどうもあまりあなたのおっしゃるような
状態にはなるまい、そしてかなり
沖繩というものは、そういう
意味で、
貸し出しの
金利差を通じて、かなりの金が
沖繩にあふれていく、しかしそのあふれた金というものが、確かに
本土の
企業が行って工場をつくりホテルをつくり、そういうことの一次的な効果は私はあると思う。じゃ
沖繩に行った
お金が、その
お金の二次的な需要といいますか、二次的な使用といいますか、そういう点を考えると、おそらく投資先はない、こういうような形であふれるでありましょう。そのあふれた金が、
本土へ再び返ってくるようなことが、あなたはいま、短期の
コール資金等で返ってくるというわけであります。はたしてそれが返ってくるように、コールレートが上がってくればいい、上がった場合はどうなるかというと、むしろ投資先がない、余った金は
本土に吸い上げられてしまう、そして
沖繩は
資金の逼迫を受ける。こういうような事態になる可能性ば、私は非常に大きいと思います。その辺で、私が先ほど言ったように、
民間ベースの
資金計画というものも立てて、
沖繩県における
資金の需給というものがバランスがとれるような、そういうことをしなければ、金はただ通っていくだけではない、必ずそこに強いもの、弱いもの、多くの場合は強いものは利益を得、弱いものは損失をこうむるという形で必ず出てくる、どうしても当分の間、
本土と
沖繩との関係の
資金の調節的な役割りというものは、どこかでしなければいけないのじゃないか、しかも
本土の場合には、戦後の長い経済の中で、おのおの
本土らしき経営のやり方、
本土らしきいままでの方向というものがあるわけでありますが、
沖繩の場合にはそういうものはない、案外もろい形で、
本土の資本に屈服せざるを得ない。米軍の民
政府ではなしに、日本の資本というそうしたものが出てくるだけであって、
沖繩の経済は相変わらず自主的な経済ではなくて、他律的な経済という形におちいってしまうというふうに、私はどうも心配でならない。なるほど
沖繩庁のほうで一生懸命やろうとしたって、やっぱり金の問題が裏についていることは、何としてもこれはのぞけないわけです。ですから物と金、この関係の結びつきが悪ければ、私はむしろ
本土の植民地的な
沖繩というようなものになると思う。そういう
意味で、
財政ベースだけでなしに、
民間ベースにおいても
資金の需給調節、
資金の需給計画、これはたいへんむずかしいと思いますよ。いままでみたいに切れているときと違いますから。しかしそれは、何らかの形で私は誘導政策をとって、そういうことをしなければ、ほんとうに
本土との平準化をはかり、
沖繩をあたたかく迎えるということは私はできないと思う。この点についてひとつ、
砂田さん及び
松川さん、御両者からお聞きしなければならないと思うのです。