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政府委員(
高木文雄君) 七二という率は、私
どもが持っております、何といいますか、実感といいますか、直感といいますか、そういうものから言いますと、率直に申しまして
経費率が少し高いという感じ、つまり、よって不公平だという感じを持っておりますが、しかし、それはいわば感じでございます。感じではけしからぬ、どうしてもう少し正確にわからぬか、こういうことであろうかと思いますが、実はそこに問題があるわけでございまして、
医業の実態というものについての
調査そのものがなかなかむずかしい。中医協での
診療報酬そのものについての計算の前提となる
医業の実態について、いろいろ紛争があることもよく御承知のとおりでございまして、
医業経営の実態
そのものをなかなか公平に把握することがむずかしいという現状にありますので、したがって、数字に基づいてこれが七二が、いわば俗な
ことばで甘いかどうかということを簡単に申し上げるのはむずかしいのでございますけれ
ども、しかし、
現行の
制度では、たとえば青色でありましても、青色でちゃんと帳簿をつけていきましても、七二よりも
経費がよけいかかれば、青のほうは
措置をとりますし、むしろ青色で計算していって、
経費が七二よりも少ないという場合には、七二で申告すればいいということになっているわけですから、少なくともその
部分だけとらえてみても、非常に有利なことができているということは事実であろうかと思います。ただ、しばしばもう
一つ言われますことで、
医師会その他から反論がありますこととの
一つで、地方の、御存じのように
所得税法の規定によりまして年々申告がありますと、一千万円以上の
所得の方については、いわば俗にいう高額
所得者のお名前を税務署に掲示をするということが行なわれる場合に、非常に
医師の方の
所得者の名前がたくさん並ぶということがありますが、これは
現行のこういう
制度がある上においても、なおそういうことがあるということがありまして、そのことがしばしばこの
制度とからんで
議論されることがあるわけでございますが、これはどうもいろいろ調べてみますと、必ずしも
医療収入だけでなくて、
医師をやっておられる方は、か
なり古い
時代から、その土地における、何といいますか、有力者、資産家というか、そういう方である場合が多いというようなこととも
関連があるようでございまして、
一般的にいろいろの新聞とか、週刊誌とかいうものを通じていわれますような
意味においてのアンバランス、不公平感というものはま
たちょっと強調され過ぎている面もあるのじゃないか。そのあたりが
一つの問題でございまして、私
どもはほんとうは、まず実はその
委員を、何といいますか、客観的に数字の上で証明ができるということが一番望ましいことなのでございますが、そういう経営実態
そのものを
調査をする、しかもそれは、関係者の方々の十分納得の得られるような前提のもとに
調査をするということについては、これはこの
制度ができます前からなかなかむずかしいことになっておりますし、現在でもむずかしいことになっておりますので、そういう
基本的な問題から入っていくということでは、なかなか百年河清を待つことになるんじゃないかというようなことも
考えているわけでありまして、私
どもとしましては、それも長期の課題としては
考えなければならぬことだと思っておりますが、必ずしもそのことが明らかに、客観的にぴたり明確にならなくても、何らかの方法で
現行制度は変えていくべきものと。何かその変えていくべき、それがわからない以上は変えられないということであっては困るというふうに
考えております。