○阿
具根登君
飯島参考人に
一つお尋ね申し上げますが、先ほどのお話の中で、
東京の三十六階の大きな
ビルが今後十年の間に百ぐらいできるだろうと、こういうお話でしたが、これに対しては
一体どう考えればいいのか。それは
工業じゃないんですよ。情報その他中枢機関が中央部に集まっている。全くそうだと思うんです。たとえば、
工場を
工業再
配置で
分散さしても、その本社というものは依然として
東京に陣どられる。
工場はまあいなかへ出ていった。しかし、これから先の
工場というものは、
工場の大きいわりに人は非常に少ない。そしてそれを監督し、指令しておる本社というものは依然
東京に集まる、
大阪に集まる、こういうことになってくるんだと思うんです。だから、そういう点に対しては
一体どうしたならばいいのか。
それからもう
一つ。私たちはもう
一つほかの
委員会で海上
交通というのをいま
審議しておるわけなんです。それを見てみましても、まず
政府が手を出す前に、
企業が手を出していく。
企業はあくまでも利潤追求でございますから、一番自分の都合のいいところに
企業は持っていく。だから、瀬戸内海、
東京湾等はもうこれは一般の漁船なんか仕事ができない。それで、二十万トンも二十五万トンもあるタンカーがどんどん入ってくる。だから、そこのけそこのけということでもう漁業はできない。それで、今度それを
規制して、大きな船が通るときは小さい船はちゃんともう横へどけ、こういうような
法律が他の
委員会でやられておるわけなんです。ちょうどこれと逆なんです。だから考えてみますと、
都市をつくっていくのは政治でなくて
企業である。
企業は自分の一番いいところに、利潤の追求に一番いいところに
企業を持っていく。そうして
公害も何も、これはもう今後はそういうことは許されないと思うんですけれ
ども、いまもヘドロ
一つでもどこにやっていいか、もうしようがないようなことになっている。こういうことでございますので、
一体、どういうふうにこれに対して対処していったらいいだろうか。もうすでに、いま、御承知のように、年間二億トンからの油が入っておりますが、これが十年後には六億トンになる。そうすると、大
企業はちゃんとその準備はもうでき上がってしまう、ちゃんと土地も何も買い込んでしまってある。そうして今度は政治が
あとからそれに道を開いてやっている。だから、住民は全部犠牲になっていく、こういう形がずっと繰り返されておると思う。こういうことに対するひとつ
飯島参考人の御
意見を承らさしていただきたいと思います。
それから、
知事さんと市長さん、産炭地からお見えになっておりますので、いま竹田さんから御質問ありましたが、
知事さんも、また市長さんもいまおっしゃいましたように、
産炭地域振興事事団がこれで
工業再
配置に埋没してしまいはせぬか。確かに私
どもも一番それを心配いたしております。ですから、
衆議院でも産炭地というのがわざわざ挿入されて修正されてまいりましたが、参議院でもそういう
考え方を持っていますし、主張されておるわけです。ところが、いままで山がつぶれて職を失った人が二十数万人おります。そのうち労働省が訓練をして職を与えたのは十八万八千人です。十八万八千人のうち産炭地で残って仕事をしておるのは八千人です。そうすると、十八万という人は外に出ていった。八千人という人はこの産炭地で残った。それ以外の人は何しているか。それ以外の人は夕張市長さんが言われたように、これは
生活保護です。こういう
状態が繰り返されておる。で、先ほど
堂垣内
知事さんもおっしゃいましたが、雄別の例をとりますと、あの雄別の炭鉱が閉山になった場合に、四棟から五棟あるあの
住宅が一万円で売られた。だから、周囲の農家の人がどうしようもないけれ
ども、豚小屋か牛小屋をつくるには、材料それくらいかかるから、その家を買おうかいということで、トラックで持っていかれたと、こういうことも聞いておるわけなんです。さらに、雄別はまだ新しいほうなんですけれ
ども、ここでは千人からの失業者が出ておると聞いております。で、この雄別の
あと地にどういう
企業が来たのかですね。
それから、先ほどの市長さんの説明では、
産炭地域振興事業団が非常に力を入れてくれまして、百三の
団地、二千八百四十九万平方メートルの
団地をつくりつつある、こういうことなんですけれ
ども、最初申し上げましたように、さあ
団地をつくって、そうしてここに来いということで非常に地元でも協力されておるし、
産炭地域事業団も必死にやられておる。まあ
政府も力を入れておると思うんですけれ
ども、実際の大
企業というのは、そういう、まあここでおぜん立てしたから、ここに来なさいというところに来るよりも、自分
自身で一番自分のいいところに
住宅から何からつくっていくわけなんです。だから、大きな
企業は私は非常に困難だと思う。そうすると、そういうふうに優遇して土地もつくってやる、
団地もつくってやるから来てくれ、行きなさいといって、来るのは中小
企業だけになってしまう、こう思うわけなんです。だから、この大
企業に対して
一体どういう考えを持っていったらいいのか。大
企業は
政府の援助ももちろん
相当あっておりますけれ
ども、資金を豊富に動かすことができるから、自分の一番
条件のいい、一番利潤のあがるところに
工場もつくるが、その周囲にその
工場で使う従業員の
団地もつくっていく、これが私は現在の行き方じゃなかろうか。そうすると、せっかくこの
法律は、まあやがて通るでしょうけれ
ども、この種の
法律が四本、五本ばかりあるんです。おんなじ
目的のやつがあって、大臣がかわるたびに、これじゃいかぬ、これじゃいかぬ。これは
都市の
均衡上いけない、過疎地ができるとか、過密地だとか、いろんな問題で非常に心配されておることはわかるんだけれ
ども、結局、また私がいま申し上げましたように、大
企業は自分の都合のいいところにどんどんつくっていく。そうして
地方からは、何とか
企業来てもらいたい、
企業来てもらいたいと言っておられても、その来る
企業はいままでのやつは竹田さんも触れておりましたけれ
ども、ほとんど縫製
工場です。くつ下をつくるとか、メリヤスを編むとか、そういうやつで二百人か百五十人ぐらいの娘さんたちが一生懸命仕事されておる、そういうのが大体いままでの産炭地の
企業の大体の姿だと思うのです。
知事さんも心配されておりますように、私たちも非常に産炭地の問題では心配いたしておりまして、もう今度の
工業再
配置では産炭地を最優先的にしてもらいたいということを強く全議員の方が要望されておられるわけなんです。しかし、問題は
企業なんです。その
企業が、極端な例を言いますと、私たちは社会奉仕しているのじゃありません、
企業というものは金を生まなければならないのだと、そのためにはなるべく
労働力の安いところに、便利のいいところに行くのが
企業、あたりまえじゃないか、こういうことも言っておられますし、
企業側から見ればそうだと思うのです。まあ
誘導地に
北海道をやってもらいたいという話でしたけれ
ども、それは当然のことで、もちろんそれは質問の中でそういう答え出ておりますし、
北海道が一番これは今後伸びてもらわねばならぬところだし、一番土地から見ても私は、人の少ないところだし、まだまだいまの倍、三倍ぐらいにならなければならぬところだと私も思っておりますが、そういう見地から見て、地元でどういう一番隘路があるだろうか。確かに資金の面でもあるでしょう。いろいろな面でもありますけれ
ども、産炭地を最優先にしても、産炭地にそれじゃどういう大
企業を持ってくればいいのか。雄別の
あとはどうなったか、美唄の
あとはどうなったか、美唄にはどういうものを持ってきたいと思っておられるのか、雄別の
あとにはどういう
企業が向くと思っておられるのか、その点お答え願えたらばありがたいと思います。
以上でございます。