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小笠原貞子君 国勢調査にこだわっているわけじゃなくて、
実態を調査して、そうして、その二世の方たちのほんとうに健康を守れるような、そういうための調査をしていただきたいということでございますので、そういう意味で御検討をお願いしたいと思います。
それでは次に、健康診断の問題についてお伺いしたいと思うのですけれども、先ほど、中年の方で自殺をされる方が多いということをちょっと申しましたけれども、ほんとうに四十歳代で自殺する方が多いのですね。それで
被爆者で、そうして健康診断してもらったと、しかし、
一般検診なものだから、いや、たいしたことないですよということで済ましてしまわれるのだと思うのですが、何といったって
本人が一番わかっているわけで、からだがだるい、仕事ができないと、外形から見えませんものでね、やれ、なまけ病だとか、どうとかこうとかいうようないろいろな非難の中でとうとう生きる気力を失って死んでいくというようなこともたいへんございます。ですから、
被爆者にとって一番切望されていることは、ほんとうの、
——ほんとうの言ったらおかしいですけれども、健康診断をしっかりやってほしいというのが希望でございます。で、
広島原爆病院の概況なんかも見せてもらったり、ほうぼうの病院を調べてみましたのですが、老齢化しておるという問題からするやはり成人病なんかとか、いろいろな病気とのかね合いがございますですね。そういたしますと、非常にいままでの
一般検査の項目では不安だというふうな声がたくさん出ているわけなんです。で、わずかな例だけをきょうは持ってきたわけだけれども、富山なんかで見ますと、血液検査が重点になっている、総合的な精密検査というものがやられていないというのが非常に不満になって統計的にも出てきております。それから東京の、ある病院で
原爆の
被爆者を担当していらっしゃるお医者さんに行って伺ってみますと、ほんとうにもうちょっと早く来てくだされば打つ手はあったという例が非常に多いということを言われた、こういうことです。そういう
患者が、なぜそこまでおくれたかというと、やはり
一般検査
——、専門医も少ないということのために、
指定病院で、たいしたことないですよ、こう言われて、結局手おくれになって来られたという方が、非常に多かったわけなんですね。そこで非常に問題なのは、やはり
一般検査というのが、いま視診、問診とか、外から見るのと、血沈検査、血球数、血色素、血圧、尿、ふん便検査というのが
一般、あとずっとありますね。これがもう
一般と精密というのがくっついてきて、
一般というのでは診断ができないという不安を私は感じたわけなんです。これで四十五年の
資料をもらってきたのですけれども、東京の
指定病院、ずっと
——、都立の荏原病院、大久保病院、大塚病院、駒込病院、墨東病院、豊島病院、広尾病院。それから国立の東大病院、東一病院、立川病院、がんセンター、日赤中央病院や武蔵野日赤病院、大森日赤病院。それから町田市立病院、都南総合病院、
昭和医大病院、慈恵医大病院、代々木病院というような病院。それから中野共立病院とか、河北病院とか小豆沢病院、西新井病院、木下病院、四ツ木病院と、
指定病児をずっと調べてもらったのですが、一体どのくらいの検査のときに、
一般検査と、精密検査というのをやっているか。そこで見て、わっと思ったことは、
一般検査、これは都立の大久保病院で見ますと、
一般検査を百七十五件やっているのですけれども、精密検査は一件もないんですね。それが荏原ですが、都立の、さっき言いましたように、一、二、三、四、五、六、七、都立の七つの病院は、もう何百という
一般検査をやっても、精密検査に入っているものは
一つもないということが特徴でございました。日赤も、たとえば武蔵野日赤は百六やっても
一つもやってない、こういう特徴なんですね。で、やっているところが、たとえば国立の東大は七十六の
一般検査をやって、それから精密に回ったのが三件なんです。それから今度がんセンターでは、十九人
一般検査をやって、十九人とも精密検査へ行っているのですね。そこのところ、ちょっと
考えていただきたいのです。がんセンターでは十九人
一般やって、十九人そのままもう精密やっているわけなんです。それから代々木病院と中野共立病院、ここも
一般は全部精密をやっている、こういうふうに非常に差が出てくるわけなんですね。だから、全然
一般でだいじょうぶだと言って、精密
一つもないということは、私はあり得ないのですね、私のしろうとの
考えでは。だからこう言われて、何でもないのですと、何百人の人が帰られて、そして、どうもぐあいが悪いと言って精密検査をした。精密検査したとき、先ほど言われたように手おくれが非常に多い、手おくれなんだとお医者さんに言われるような結果になってきたのじゃないかということが
考えられるのですけれども、そういうような点、どう
考えていらっしゃいますでしょうか。