○大橋和孝君 こういうようなお金のかかるものは、いまおっしゃるように相当国なり公共団体にやってもらわなければなりません。また、しかも、半分弱ではありますが、民間でも行なわれている、こういうことでございますが、いま、私ちょっと例に申し上げたように、東京都で始めた重複している障害児に対して、結局は福祉のほうを七割にして医療のほうは三割にするというふうな形でやっていきますと、非常にお金がかかるといって発表しているわけですよ。ですから、そういうふうなことをずっと計算をしてみますと、何か国の基準で、——いま国のほうでやっておられても、基準からいえば四万ぐらい、一方は二十五万というわけですから、大きな差がある。こういうようなことが如実に現に
指摘されているわけでありますから、そういう点から言いますと、この国の基準というものをもう少し、こういう重症心身障害児に対しましても相当の、また、いまの発想転換といっては大げさかしれませんけれ
ども、よほどの
考え方を持っていただかないとこういうふうなものが根本的にほんとにしあわせになるという観点からは非常にまだ、ほど遠いままで置かれるという形が心配されますので、私といたしましては、こういう時期にひとつ、こういうふうな非常に困っておられるような人
たちに対しての国の基準なり、あるいはまたそういう施設に対する取り組みなり、こういうふうなものをやはり抜本的といいますか、あるいはまた、いままでの
考え以外に根本的な
考え方を、そういう困っているかわいそうな人
たちに焦点を合わせて、それをするために、少々金がかかってもこれは基準を
考え直して、ほんとうにそういう人
たちがしあわせになるような
考え方をそこへ持っていかなきゃならぬのじゃないかと、これもいま申した年寄りの非常に重度の人といいますか、寝たきりのような特殊の養護を受けなきゃならぬような人、また子供さん方も障害者でもありますけれ
ども、その障害を受けている重度の人
たちに、もう少しそういう人に対してやれるような方式というものを施設のほうに対しましても、あるいはまた、その後の運営に対しましても一ぺん根本的に
考えてもらわなきゃならぬ時代じゃないか、これもいま続けて並べてひとつお願いをしているところであります。そういうことに対する将来のこういう展望というものも、この際ひとつやってもらわなきゃいかぬ時期だというので、私はこの問題を提起さしていただいているわけでありますから、ひとつ、特に、そういう点を
考えていただきたいと思います。以上、私が申しませんが、表面的に触れますような形でありますけれ
ども、これもいまの話と同じように、非常に重大転換をしてもらう時期だという意味で、特に
考えていただきたい。それから、それに対しまして、もう少し、やはり私は、ここで具体的にどう
考えていただけるか、もし、
考えていただける範囲のものは、こういうふうなものは具体的にどういうふうにこれをやっていこうかという転換をして、そして矛盾を解決しながら、最もいい方向で、それを受ける側に焦点を合わしてやる方法はどうしたらいいか、こういうふうなことをひとつ、私は具体的に一ぺん話が聞きたいんです。いまの老人の問題もそうでしょうし、年金の問題もそうでしょうし、こういう問題もそうだろうと思います。
また
あとから少しこういうところに働いていただいている方々の
状態も申し上げたいと思いますが、そういう点でひとつ何とか発想転換をしてもらいたい、こういうことをお願いをしておく次第であります。これは、一ぺん
あとからまた大臣にちょっと、こういうことに対して、のいろいろな取り組みの方法をある時期までに示していただくようにお願いしたいと思います。いままでのこれを、そういう転換をしていったらこうなって、こういうふうにやっていったら、こういうふうになるということをひとつ
考えていただいて、それはこうですよということを、次の機会に何か示していただきたいということをお願いしておきたいと思います。
それから、こういう福祉施設の労働者の問題に移らしていただきますけれ
ども、昨年の九月に出されました「社会福祉施設における労働条件
調査結果の
概要」を見せてもらっての
お話でありますが、就業規則に関して五二・一%の施設が法に違反している。あるいはまた運用実情に関しましては週五十四時間制が私立では二六%もある、しかも一日平均時間外労働時間が四時間をこえる、こういうものも非常に多い。養護施設、精神薄弱児施設、こういうのが非常に目立って見える、あるいはまた定期昇給制度につきましても私立の施設の四施設に一施設がこの制度を持っていない。また労災保険にも五施設に一施設は入っていない。こういうような点を
指摘されておったように思いますが、こうした現状は、私は労働の面からもたいへんな問題があろうと思うんです。これは労働省の方、おいで願ってないかもしれませんが、労働問題についてはちょっとあれだろうと思いますが、どうかひとつ、
厚生省のほうでもこういうような現状をまざまざと見ておっていただきたいと思うんですが、こういうような最低基準だとか職員の配置が現状に合わないためだと、こういうふうに思いますが、
厚生大臣のほうではやっぱり具体的に何年がかりかで、こうした労働法違反だとか、こういうものを是正していくような
指導もしていただかなければならぬだろうと思います。こういう方法をどうしたらいいか、非常に大きな問題として残るでしょうから。実際は、何とかしてこういうことを解決するための具体的な各施設の
指導というようなものもひとつ十分
考えていただきたい、こういうように思うところであります。
それから次に、施設に働く人
たちがいま一番問題にしているのは、腰痛症とか非常に何か問題がありますが、これは
日本医労協あたりが医療福祉労働者の
調査をいたしまして、いわゆる国立病院では六人に一人が腰痛症というようなことも発表いたしておりますし、民間の施設なんかでは、重症児を預かっているびわこ学園などで聞いてみますと三人に一人が腰痛症になっているというようなことも言っているわけであります。月の過半数を休まなければならないような非常に重症な腰痛なんかが起こっているというのも
報告されております。患者であるこの看護婦さんが患者を看護しておるというようにいわれておるようなわけでありますが、まあ、この福祉施設は患者である労働者が利用者を放置せざるを得ないというふうなところまで追い込まれているわけでありますから、非常に私はたいへんな問題だと思います。ことに五十キロの保母さんが三十キロ、四十キロの利用者を持ち上げる毎日の業務というものを
考えてみるときに、私は非常に不健全といいますか、こういう病気を起こさすような仕事のさまがありありと見えるわけでありまして、そういう点を
考えますと、やはり、こういう働いている人
たちに対するほんとうの問題をここらでひとつ
考えてもらわないといけない時期じゃないかというふうに思うわけであります。特に、こういう人
たちの労務災害の認定とか、あるいはまた、こういう人
たちを救う道というものがまだまだ確立をされておりませんから、
厚生省ではやっぱりこの
実態とか、そういうものをひとつ十分に把握をしていただいて、時宜に合ったような形で、こういうもののなくなるような根本施策をしてもらう、やはりこれも必要な時期じゃないかというふうに思います。腰痛症は二、三カ月も休めばある程度痛みは薄れますけれ
ども、同じような
状態でいけば、すぐまたなってまいりますから、こういうことが繰り返されればやはり健康保険の赤字問題にも響いてくるわけでありまするので、いろんなことを
考えてみますと、これはもう根本的なところにやっぱり発想転換をして、こういうようなものが少し根本的に直るような、起こらないような仕組みと申しますか、要員の配置といいますか、あるいはまた、そういうところの根本的な療法、やり方を
考えていただかない限りうまくいかないと思うんですが、そういう点お聞かせ願いたいと思います。