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大橋和孝君 いやちょっと暴言を吐いているかもしれませんが、思っているところはそこにあるんで、何とかひとつ
タイミングを合わしてもらって、大ごとにならないようにやっていただきたい。長期化した
ストに入ることは、
国民は願っていないところでありますから、それをひとつ先行してもらって、そして、多少いままでの関連もありましょうけれども、
——私も三十九年のこの取りきめはよく存じておるわけでありまして、いろいろの問題はありましても、最近ではいま
お話の中にもありましたように、だんだんと
当事者能力も高まりましたし、そういうトラブルを避けるという
方向が大事だと思いますので、私もいままでいろいろ労働問題に関与してまいりましたが、主眼点はそこにありましたし、そして、トラブルを避ける。
スト突入をできるだけ避けて、お互いにがまんするところはがまんしながら
解決をしていくということが必要だと、こういうふうに思うわけであります。そういう点からも、今度の
春闘も非常にむずかしいことはわかりますけれども、むずかしければむずかしいだけに、ある
程度、いままでの
慣行に対してもおおらかな解釈のもとに、
慣行無視とは言いませんけれども、そういうようなところの転換をする、
民間待ちというものの態度を少しは転換するぐらいの
気持ちで、ひとつ、こういう問題に取りかかっていただかなければ、どうしても、先ほどいろいろ
大臣からお聞きしたことが実行に移されません。これらの点、ひとつお願いをしておきたいと思います。
それから
賃金の問題に
関係をしましても、今度の
予算を見れば、やはり景気浮揚の
予算といわれておりまして、かなり大型
予算もできましたが、これが非常におくれたために一般に浮揚策があらわれてこない、あらわれるのがおくれていると私は思うのですが、そういう点からいっても、
民間のほうでは非常に今度の
春闘に対するかまえもおくれているだろうと、こういうふうに思いますが、逆に私は、きのうも
衆議院のほうで論議をされて、お
考えが出ているようでありますけれども、私は、この
考え方を少し
考え直してもらいたいという
意味で、やはり景気浮揚の目的は、福祉あるいは施設の生活
関係予算がふえるということも
一つの方法だろうと思いますけれども、一面から言えば、やっぱり消費購買力を向上さす、景気浮揚のために、あるいは
企業を発展さす
意味において働いている労働者に
賃金が報いられるということが、逆にまた消費購買力を高めるということで、やはり景気の浮揚には大きな役立ちをするものだということは、経済学者がいろいろなところで書いておられ、私ども読まさしていただいているわけでありますが、そういう
考え方も私はあるんじゃないかというふうに思います。私は、経済のことに対してはとかくうといほうでありますから、あまり大きな
議論をする意図はございませんけれども、そういう観点から申しますならば、やはり
不況だとかあるいはまた、最近の
予算の志向する
方向とかというふうなことを
考えてみますならば、一面には、やはりいままで労働者の待遇というものがほかに比べて日本は低いという点、こういう点から見るならば、むしろ、そういうところにもかなり大きく
賃金を上げていくということが景気浮揚策の
一つの
方向でもあり、特に私は、
考えなければならない重要
ポイントではないかというふうに思います。
賃金を
不況だからという名のもとに押えていくという行き方よりは、むしろ踏み切って
賃金を上げていくということのほうが、ひいてはやはり景気回復にもなっていくというふうなことにもなるわけでありますから、きのうの
予算委員会あたりで話を聞いておりましても、どんどんまだ外貨はたまっているんだから、それはためたほうが悪かったんだから、それを凍結してどこかへ寄付してしまえというような
考え方もいわれておるようでありますが、私は、ああいう話を聞きまして、それも
一つの方法、
——黒字がたまり過ぎたやつはそういう処置をしなければならぬかもしれませんけれども、そういうことの起こらないように、もう少し社会福祉なり生活環境に密着するような
方向に
予算を出していく、金を使っていくということも堅実な経済発展につながる
一つではないか。こういうことから
考えますと、私はこの労働者の
給与ベースを上げていく、あるいはまたそういう労働者の待遇を改善していく、こういうようなことで、GNPが第三番目だとか、二番目だと言われるならば、やはり労働者の待遇もそれぐらいまで上げていく、あるいは住宅にしたって下水道にしたって、そういうものがうんとよくなっていくという
方向に持っていくならば、私は、黒字ができて外国からにらまれて、しかもそれを凍結して、基金の中へほうり込んで、外国のほうへ援助をしなさいと、私もそれはわからぬことはありませんけれども、まず、先にそういうことを
考えなければならぬ。私は、
春闘の中で一番
考えなきゃならぬのは、そういうふうなところから、ひとつ何とか
政府が、ことにこの三
公社五
現業のような
公労協あたりにそういうことを先行して
考えていくことが、
一つは将来の
方向につながるのではないか、こういうふうに私は思うわけです。なかなか
民間で首の回らぬようなところに、そういう
議論を言うてみましてもあるいは通じないかもしれませんけれども、しかし私は、できるところから、それがいわゆる
当事者能力と申しますか、その
企業の持ち味と申しますか、そういうことを含めて、通じてやっていくことが必要だと思います。そうなってくると、いまの十六条なんかが
影響してくるでしょうけれども、そういうものも含めて
政府部内では討議をしてもらう必要があろうし、そういう形で
予算というものも組まれていく必要があろうと思う。だから、
予算のほうを見ましても、ある
程度軽きに失しているのではないかという感じを持つわけであります。そういう観点で今年の
春闘を見直してみると、
賃金のアップというものは
不況だということで押し流されていくんではなしに、逆に、
不況対策として労働者の
賃金をアップしていくという
方向に向いていく必要があろうと思っておりますが、きのうの御
答弁を聞いていると、どうもまだ、そこのところが十分でないように思いますから、ひとつ、
大臣としても閣議の中にも、そういうことを浮かび上げさしていただいて、そうして、この
春闘の
賃金の相場というものもきめていただくほうが、より日本の経済というものの将来にはいい
影響を及ぼすのじゃないかと思いますから、その辺のひとつ御所見を伺いたいと思います。