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1972-02-03 第68回国会 参議院 交通安全対策特別委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十七年二月三日(木曜日)    午前十時七分開会     —————————————    委員異動  一月三十一日     辞任         補欠選任      森  勝治君     阿具根 登君      伊部  真君     神沢  浄君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         藤原 道子君     理 事                 岡本  悟君                 阿具根 登君                柴田利右エ門君     委 員                 鬼丸 勝之君                 黒住 忠行君                 橋本 繁蔵君                 山崎 竜男君                 矢野  登君                 神沢  浄君                 中村 波男君                 野上  元君                 阿部 憲一君                 小笠原貞子君    政府委員        内閣総理大臣官        房交通安全対策        室長       須藤 博忠君        警察庁交通局長  片岡  誠君        建設省道路局長  高橋国一郎君    事務局側        常任委員会専門        員        吉田善次郎君    参考人        日本道路公団副        総裁      尾之内由紀夫君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○理事辞任及び補欠選任の件 ○参考人出席要求に関する件 ○交通安全対策樹立に関する調査  (東名高速道路における追突事故に関する件)     —————————————
  2. 藤原道子

    委員長藤原道子君) ただいまから交通安全対策特別委員会を開会いたします。  委員異動について御報告をいたします。  去る一月三十一日、伊部真君及び森勝治君が委員辞任され、その補欠として神沢浄君及び阿具根登君が選任されました。     —————————————
  3. 藤原道子

    委員長藤原道子君) 次に、理事辞任についておはかりいたします。  中村波男君から都合により理事辞任いたしたい旨の申し出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 藤原道子

    委員長藤原道子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  この際、ただいまの理事辞任により欠員となりました理事補欠選任を行ないます。  理事選任につきましては、先例により委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 藤原道子

    委員長藤原道子君) 御異議ないと認めます。  それでは理事に阿具根登君を指名いたします。     —————————————
  6. 藤原道子

    委員長藤原道子君) 参考人出席要求についておはかりいたします。  東名高速道路における追突事故に関する件について、本日の委員会日本道路公団役職員参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 藤原道子

    委員長藤原道子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  8. 藤原道子

    委員長藤原道子君) 次に、交通安全対策樹立に関する調査を議題とし、東名高速道路における追突事故に関する件について調査を行ないます。  まず、本件について政府から報告を聴取いたします。高橋建設省道路局長
  9. 高橋国一郎

    政府委員高橋国一郎君) 二月一日に東名高速道路発生いたしました事故について、お手元に資料が差し上げてあると存じますが、簡単に御説明申し上げたいと思います。  発生いたしましたのは昭和四十七年二月一日の十時五十二分ごろでございます。発生場所は静岡県裾野市の東名高速道路裾野バスストップ付近でございまして、これは九十四キロの地点になるわけでございます。  事故の概要は、下り線走行中の普通貨物車路肩でパンクのために停車しておりました小型貨物車直前で発見いたしまして、追突を避けるために急ブレーキをかけたところ、スリップいたしまして中央分離帯に乗り上げ、下り追い越し車線をふさいだため、後続車が次々と衝突したものであります。また、直後、この事故を発見し停車した車両にも後続車追突しまして、結局三つ多重追突発生したものでございます。  被害の状況は、死亡者が二名、重傷者が九名、軽傷者が二十五名になっておるわけでございます。  その次に原因でございますが、第一次的原因は、普通貨物車運転手佐藤が前方の不注意によるものというふうに考えられております。  当日の気象について申し上げますというと、小雨が降っておりまして霧が発生しております。視界は大体百メートルないし二百メートル程度だといわれております。霧はきわめて局地的であったようでございます。なお、そこにちょっと書いてございますように、新聞紙上には五十メートル程度と書いたものもあるようでございますけれども、こちらで調査しました結果では、沼津警察沼津分遣隊報告では視界が大体二百ないし三百メートル、公団交通管理隊報告では三百ないし四百メートル、それから東武バス運転手事故関係者でございますが、大体百メートルあったというふうに言っているようでございます。  なお、この事故直前の九時三十五分に現場を巡回しておりました日本道路公団パトロール員報告によりまして、霧の発生の気配を認めまして直ちに無電で連絡がございます。それで九時二十分に沼津営業所長通報によりまして直ちに電光掲示標示しております。  事故後の措置状況でございますが、事故発生後に、十一時十分に警察沼津分遣隊現場に到着しまして、五分後に公団交通管理隊が到着しております。その十六分には沼津御殿場間の上下線を閉鎖しております。  救急状況は、十時五十九分に沼津御殿場消防署に出動要請いたしまして、十一時十六分に御殿場消防隊救急車二台が現場に到着しております。十一時二十一分には沼津消防隊救急車二台が現場に到着しております。なお、四十五分には裾野救急車が一台到着しております。これによりまして要救急者を搬送いたしまして、これとあわせまして消防車が四台出動し消火作業を実施、最終的に鎮火いたしましたのは十二時十四分ころでございます。  交通管理状況でございますが、九時二十分から中井付近愛鷹付近電光掲示に「霧走行注意」と標示しております。なお、前日の夜半から東名全インターチェンジに「雨走行注意」を標示しております。なお九時三十五分には、先ほど申しましたように、現場パトロールしておりまして霧の発生の気配ありという通報が入っております。  交通規制状況でございますが、十一時十六分に沼津御殿場間の上下線を閉鎖いたしまして、十二時三十分に下り線については沼津大井松田を閉鎖しております。十六時二十六分に上り線については閉鎖解除いたしております。それから二十時十五分に下り線についても閉鎖解除しております。  それから事故防止のために考えておりますことをちょっと御報告いたしますと、この種の事故気象条件を無視しました走行方法に一因があるというふうに思われますので、通行車両気象条件に適応した走行方法を順守させる必要があるのではないかというふうに考えております。このために可変式道路情報板が適切な個所に配置され、それが適切に運用されることが必要であるというふうに考えられます。これがこの種の事故防止に役立つというふうに考えております。  また、第二次的、誘発的な事故発生を防ぐためには、可変式道路情報板のほかに、通行車両に対して直接道路交通情報を通信する誘導通信施設が効果があると考えられます。これらにつきましては東名高速道路で一部試験研究中でございます。  以上でございます。
  10. 藤原道子

    委員長藤原道子君) それではこれより質疑を行ないます。質疑のある方は順次御発言を願います。
  11. 野上元

    野上元君 ちょっとお聞きしますが、この原因には、第一次的原因普通貨物車運転者の前方不注意と考えられる、これだけあげられておるわけですが、第二次以下の原因というのはないんですか。
  12. 片岡誠

    政府委員片岡誠君) 交通事故事件捜査を担当いたしております警察庁交通局長でございます。  問題は、初めにいま道路局長から御説明がございましたように、普通貨物自動車、これは四トン積みの貨物自動車でございますが、昭和四十六年にできた比較的新しい車でございます。これは非常点滅装置も持っており、そして、これはパンクしましたので路肩に完全に入っております。そして非常点滅装置もつけておったようでございます。それであるにもかかわらず、なぜあとから来た大型貨物自動車が急ブレーキをかけたかというのが、私、不審でございましたので調べました結果、非常点滅灯もつけて停車しておった、そうすると、路肩に十分すっぽり入っておりますから、そのまま行けばよかったのではないかという疑問が起こります。それで、とりあえず一番責任があると思います大型貨物のトラックの運転手を調べましたところ、現在までの調べの結果では、ずっと走行車線走行進行しておったのだけれども現場の約四、五十メートル手前で路肩にとまっている車両を発見した、そのまま行こうと思えば行けたけれども、あまり接近して通るよりは少し離れたほうがいいだろうということで追い越し車線のほうにハンドルを切った、ところが車両の後部が触れるような感じがしたのであわててハンドルを切り直すと同時にブレーキを踏んじゃったと、そういうことで急に横すべりをしちゃって中央分離帯に乗り上げたというのが第一の原因のようでございます。したがいまして、私、現在までの捜査過程では、やはりこれが一番の原因の車であろう。それからあと、いま道路局長が申しましたように、衝突三十二台でございますけれども三つグループに分かれております。したがって、第一グループ先頭車がいまの車でございます。第二グループと分かれているということは、第二グループ先頭車は第一グループの車に追突しないでとまっているわけでございます。そのとまった車にまた追突を始めた、それから第三グループ先頭車もとまっているわけです。それにまた追突をしておるということで、原因とすれば、その第一グループの一番初めの車、それから第二グループの一番初めの車、第三グループの一番初めの車が直接の一次的な原因車だと私どもは思います。しかし、あとにぶつかった車にも責任がないかといえば、これはやはり十分な車間距離をとっていなかったために衝突したという問題はなお残るのではないか、そのように考えております。
  13. 野上元

    野上元君 あなたの説明を聞いておりますと、いわゆる道路上におけるこの種事故原因というのは、主としてドライバー不注意、これがまあ第一次的な原因になるだろう、こういう説明なんですが、私もそのことについては同意できる点があるわけです。しかし、ただ、私のお聞きしておるのは、かりに道路上において自動車運転の安全を確保するために必要な要素をあげるとするならば、いまあなたの説明されたドライバー不注意を百のうち何%に見るか。道路の諸施設のほうについてはどれぐらいのパーセンテージを占めるのか、その点はどうですか。たとえばここにも自後の対策として書かれておりまするように、可変式道路情報板の設備が必要であるということが言われておりますし、新聞等によると濃霧注意標示がしてなかった、あるいはその事故の周辺における水はけがよくなかったために水がたまった、そのためにスリップしたというような、施設側における原因も必ずしもないとは言えないのじゃないか、その点はどういうふうに検討されたんですか。
  14. 片岡誠

    政府委員片岡誠君) 私は一番基本的には、いかなる道路条件であろうと、いかなる天候条件であろうと、その条件に一番適合した安全な速度走行運転をするというのが運転者の基本的な義務だと思います。これを確実に多くの運転者が守っているために事故がいまの現状で済んでおると思います。したがいまして、基本はそれだと思います。しかしながら、一方、行政を考えました場合に、できるだけ運転車走行しやすい条件道路管理の面でも、あるいは私どもが担当しております交通管理の面でも、できるだけ運転者が安全に走行しやすいような条件をつくるのは私ども行政責任だと思っております。しかし、それをパーセンテージでどのくらいということは、これはなかなかケース・バイ・ケースの問題でございましょうし、正確に申し上げることはできないと思いますが、基本的にはそのように考えております。
  15. 野上元

    野上元君 私は具体的にお聞きしたいと思いますが、当時、濃霧注意報が出されておらなかったという新聞の報道は、これを説明書によりますと、出してあったというふうに言われておるんですが、どちらが正確なんですか。
  16. 高橋国一郎

    政府委員高橋国一郎君) 注意報中井というところに出してございます。ただ、NHKのテレビにも出ていないようなことが書いてございましたけれども、これは実はVI標示器と申しますか、百六十メートル間隔で自動的に電気的に霧の透視を測定いたしまして、透視度四〇度をこえますと自動的に信号が出るわけでございます。透視度四〇といいますと大体百メートルの視区に相当すると思いますが、百メートル未満の、つまり百メートル先が見えないような霧が発生しますというと、それが自動的に作動するような装置になっておりますが、これが作動しなかったというようなことでございまして、先ほど御説明のように非常に局所的な霧の発生のようでございまして、しかも、あまり濃い霧ではなかったように思われます。以上でございます。
  17. 野上元

    野上元君 事故の当時、その事故を起こした車両数十台は大体どれくらいのスピードで走っておったのですか。
  18. 片岡誠

    政府委員片岡誠君) 現在までの捜査過程では、八十キロぐらいで走っておったということのようでございます。
  19. 野上元

    野上元君 私は東名高速道路をしばしば車で通ったことがあるんですが、大体あそこは百キロがスピード制限ですね。最高というのは最低と同じですね、大体。したがって、私もできるだけ自分のドライバーには制限を守れと言うて百キロを守らせますが、しかし百キロで走っておればどんどん追い越されていきますね。ということは、ほとんどの車両は百数十キロ出しておるわけです。これはお通りになればよくわかる。しかし、これをそのまま放置しておいていいんですかね。それはどこでこれをチェックしておるんですか。
  20. 片岡誠

    政府委員片岡誠君) 仰せのような実態であることは私も承知いたしております。私どもとしましては、その最高速度規制を順守させるためにパトカーを使ってパトロールをし、そして最高速度規制の違反がございますれば、それを取り締まりをいたしております。ただ、不幸にして、現在のところ高速道路上の交通警察体制が貧弱でございます。現在、大体高速道路は全国で七百十キロございますけれども、その上の交通警察官が三百八十五名ばかりしか配置してございません。つまり約二キロに一人の配置でございます。その手薄のために、高速道路警察隊が各県にございますけれども高速道路上の取り締まりのみならず、事故捜査もやっております。したがいまして、パトロール頻度が非常に少ないというのが現状でございます。これではいけないということで、今回、昭和四十七年度、警察官の四千人の増員政府予算措置としてきめたわけでございますけれども、その中身は外勤と交通警察官でございます。その交通警察官の中に高速道路用警察官も入ってございます。したがいまして、あと一年たってこの増員警察官現場に出るようになれば、一キロ一人ぐらいの配置、いまの約倍ぐらいの警察官配置ができるのではないかということを期待いたしております。そうしますと、もう少しパトロール頻度も多くして最高速度を厳守させるような取り締まり、あるいは警戒、監視もできるのではないか、このように期待しております。
  21. 野上元

    野上元君 それは東名高速道路に対するパトロール体制の話ですね。
  22. 片岡誠

    政府委員片岡誠君) 東名を含めましてすべての高速道路に関する話であります。
  23. 野上元

    野上元君 東名を含めてすべての高速道路に将来は一キロ一人のパトロール配置できるということになるわけですね。実際そうなるかどうか非常にむずかしいところですが、私も毎日、千葉から京葉道路とそれから首都高速道路を通って毎日通っているわけですが、その間パトロールカーに会ったということはめったにありません。ということは、二キロに一人ということは実際には配置されておらないということになろうかと思うんですが、それが一キロに一人ということはなかなかむずかしいことだと思いますし、先ほど言ったように、あなたのほうからも説明があったように、第一次的原因は何といってもドライバー不注意というものが非常に大きな原因であるということでありますから、私はパトロールの強化もこれは絶対必要でしょう。必要でしょうが、車両自体制限スピードを増したら何かうなりをあげるような装置を考え出して、みずからを戒めていくという、あるいは他の人を警戒させるというような、そういう措置がとられない限りこの問題はなかなか解決されないのではないかと思います。というのは、パトロールをふやしてもふやしても自動車もふえていくと思います。そういう関係で私はなかなかパトロールは追いつかないと思います。そういうことは全然あなたの所管ではないかもしれませんが、しかし、交通安全を第一義としておられるあなた方の立場からすれば、そういうことは必要なんじゃないんですか、そういう方法は技術的にできませんか。
  24. 片岡誠

    政府委員片岡誠君) 現在、運輸省の自動車局所管の問題でございますけれども、現在、新車につきましては八十キロ以上出れば警告ランプがついてぷうっぷうっと音が出るという車を車両保安基準としてやり出しております。しかし、幾ら警告灯が出てもあえて平気で走る人もおりますから、これは取り締まる以外に監視方法はないだろうと思います。  それから、もう一つアイデアとして、たとえば道路の路側の機器から電波を出して、その電波によって、あるところが八十キロ制限であれば、八十キロ以上出ればおのずからアクセレーターがきかなくなって速度が自動的に八十キロ以上出ないという技術開発をやっておる人もございます。非常におもしろいので科学技術庁で予算をつけまして、一年間かけてそれが技術的に信頼性があるかどうか、あるいは行政目的としてどういうふうに使ったらいいだろうかということを現在検討中でございます。
  25. 野上元

    野上元君 これは事故原因になるかどうかわかりませんが、私の経験によりますと、毎日通っておる京葉道路、あるいは首都高速道路において標示のない日はないんです。必ずどこどこ渋滞中、何キロ渋滞中、流入制限中、いろいろ毎日のようにあるわけです。したがって、首都高速道路ではなくて首都低速道路だと思っておる、最近の状況は明らかに。したがって、国会から私のうちまで四十キロぐらいだと思いますが、帰るときには大体四十分ぐらいでうちまで着いてしまう。ところが来るときには、あるときは四十分で来る、あるときは六十分、あるときは百二十分かかるというように、非常にまちまちなんで、私自身としては迷惑をしておるわけですが、そのときにも標示は必ず出ておるんです。錦糸町渋滞中、どこどこ渋滞中と出ておるんですが、行ってみると全然渋滞しておらない、すうすうと行っちゃうんですね。全然標示がないときには、きょうは標示がないな、ひさしぶりだなと思って喜んで行くと渋滞しておる。一体、いつのあれは標示をやっているんですか、だれが一体責任をもってあの標示を出しておるのか。その標示をしたときと実際の現場のタイムラグがあるわけですね、それは一体どういうふうに調整されているんですか。
  26. 高橋国一郎

    政府委員高橋国一郎君) ただいまの首都高速電光標示でございますが、これは中央管理局というのがございまして、そこですべて取り扱うわけでございますが、現場におきましてトールゲート徴収員渋滞中であるということを確認いたしますというと、それを中央管理局連絡いたしまして、中央管理局ボタンでその掲示板が出ることになります。ただ、しばしばこういうふうな状態になったときに中央管理局からボタンを押しまして掲示が出ますけれども、たとえば十分ないしは十五分程度ですぐ解消する場合もございます。それから一時間というふうに長時間にわたって渋滞する場合もございますが、そのつど連絡するようにしておけば、掲示板を消したり、あるいはまた渋滞したら直ちにその渋滞という標示が出るわけでございますけれども、それがまだ十分な連絡がなされていないというきらいがございます。これは建設省からも強く公団に対しましてその件については注意をしておるわけでございます。ただ、やはり職員も非常に少のうございますので、結局は自動的に車の、たとえばテレビ等によりまして自動的に電光掲示板が出せるような方式に切りかえないと、なかなか十分な掲示ができないように考えられます。ただいまそういうふうなほうにつきまして研究し、また一部それを利用しようというふうにしておるわけでございます。もうしばらくお待ちいただければ漸次よくなろうかと思いますが、そういうような状況でございまして、しばしばそういうような苦情を諸方から聞くような状態でございます。
  27. 野上元

    野上元君 これは、毎日道路を利用しておる者にとっては重要な問題なんですね。特に私ども国会の仕事をしておる者にとっては、時間をおくれるということは非常に困ると思うんです。きょうは早く出てきたんですよ、実は、この委員会があるということで。そうしたら、きょうは渋滞というように出ておったんですが、来てみたら全然渋滞していないんです。九時に着いちゃったんです。一時間ぼやっと待っておらなきゃいかぬ、こういう状態なんです。ところが渋滞のない日、きのうは渋滞が書いてなかったんですが、一時間もかかったというように、非常にまちまちなんで、これは責任をもってとにかくやってもらわないと、あれは有料道路ですから、金を払って、しかも早く着けるということで来ておるわけなんですから、もしも実際に渋滞しておるなら、横の道にそれて一般道路を通るとか、いろいろな方法があるんですが、私はいつも、書いてあるけれども、だいじょうぶだ行ってみろということで、ドライバーに命じて突っ走ってみるんですが、それがうまくいったりうまくいかなかったりするわけです。したがって、天気予報道路公団標示は当てにせぬほうがいいというようにこのごろは思っているんですが、しかし、高速道路を走って車が牛の歩みのように動かないという場合には非常にいらいらするわけですね。見ているとみんないらいらしているわけです。少しでもすいたほうへカーブを切って入ってくるわけですね。左のほうが流れておると思ったら左へやってくる。右のほうが少し流れ出したらまた右へ入ってくるということで、非常にいらいらした神経を持っておるわけです。それが渋滞が解消したときに、そのおくれを取り戻そうとしてスピードを出すということも、やはり事故原因じゃないだろうかということを考えますので、その点はひとつぜひ標示実態とを合わせてもらいたいと思うんです。それでないと非常に迷惑をするし、いらいらにもなる。事故原因にもなるんじゃないかということを考えますので、その点はぜひひとつ早急に何らかの技術開発をしてもらいたいというふうに思います。  それから分離帯に乗り上げたと言っておるんですが、乗り上げられるような分離帯ですか、この東名高速道路分離帯というのは。
  28. 尾之内由紀夫

    参考人(尾之内由紀夫君) 道路公団の副総裁の尾之内でございますが、このたびの事故でたいへん御心配を皆さんにおかけいたしましたことを心からお詑びいたします。  ただいまの御質問でございますが、分離帯は、通常は、衝突いたします角度によりまして、はね返ってもとの車線に戻るという構造になっておりますけれども、その角度がある程度以上、つまり直角になるに従いましてどうしても車体の重心の高い車——これはいまの構造でも現実的に乗り上げている例がございます。ですから、今回の事故のように、路側の故障車にぶつからないように急にブレーキを踏んだために、おそらく車体がかなり分離帯のガードロープあるいはガードレールに対しまして急角度になったものと推定されます。そういう場合には、いまの構造でございますと現実には乗り上げる、あるいは対向車線、向かい側の上り車線に飛び込む例が実はございます。これを防止するためにはかなり高いものをつくることが必要であろうかと思います。あるいは幅の広い分離帯をつくることが必要であろうかと思います。私どもの今回開通いたしました千葉の東関東道でございますが、あそこでは違うタイプの分離帯をつくりまして、分離帯に乗り込みましても転倒するとか、あるいは対向車線に入らないような構造のものを考えてやっておりますが、今日までのところ幸いにしてといいますか、まだ乗り越えている例はないようでございます。ただ、これは東名、中央、名神よりもかなり幅の広い分離帯を使用しておりまして、ああいうふうにふち石を構築しておりません。平らな分離帯になっております。こうすればいま御指摘のような心配が防げるかと思いますが、全体に構造、分離帯の幅をかなり広くしなければなりませんので、なおそういうようないろいろ構造的に研究すべき問題があろうかと思います。現状はそういうような状態でございます。
  29. 野上元

    野上元君 その事故のときに、もしも分離帯に乗り上げることと、はね返されてもとの道路に返ってくるという場合の事故の大きさには相当な差異がありますか。
  30. 尾之内由紀夫

    参考人(尾之内由紀夫君) 正確なことはわかりませんが、分離帯でぶつかりまして本線にはね返ってくる場合はかなり損傷は防げているわけです。私どもは、かなりぶつかって分離帯並びにガードレール、ガードロープをこわされておりますが、だれがこわしたかわからない場合がかなりあるのです。それはおそらく無事に本線に戻りましてそのまま走行したものと思います。ですから、かなり、やはり分離帯あるいはガードレールで実際故障する事故が防げ、安全に走行した結果になっておると思います。本線に戻ったためにあとの車がまた追突したということもあろうかと思いますけれども、ちょっとそういう統計分析はまだできておりませんが、おそらく結果的にははね返っておった場合のほうが事故としては軽少で済み、あるいは無事走行できたものと思っております。専門的なことは、また警察庁のほうで御答弁願えると思います。
  31. 野上元

    野上元君 時間がありませんからこれでやめますが、自動車産業のほうはますますスピードの出るスポーツカー的な車をどんどんといま製造しているわけですね。ところが、道路のほうはできるだけスピード制限しようとしている。これは非常に大きな矛盾があるわけですが、これをどうやって調整していくのかは、どこでやるべきかは別として、非常に重要な問題だというふうに実は考えておるわけなんですが、そういうことを考えながら道路のほうでも安全性の確保に十分に注意してやってもらいたいと思います。この際、道路公団の副総裁が見えておるようですからお聞きしたいんですが、道路公団がつくられる道路はほとんど有料ですね。そしてこれは完全に減価償却されたときには、減価償却というか、建設費を完全に収入によってまかない得た時点において、これは国道として国に提供することになっておると思うんですが、そういう道路はありますか。かつて道路公団がつくられた道路で無料になってその日から国の道路になったというような実際の例がありますか。
  32. 尾之内由紀夫

    参考人(尾之内由紀夫君) 高速道路はできてまだ時間がそんなにたっておりませんから、現実には無料開放されたものはございません。私ども高速道路以外の国道、県道の有料道路をやっております。そういうものですでに建設費を消化いたしまして無料にしたものはかなりございます。
  33. 野上元

    野上元君 どうもありがとうございました。
  34. 中村波男

    中村波男君 ちょっと関連で。さっき道路局長報告の中に透視度は百四十八メーターという説明がありました。透視度の区分はどういうことになっているんですか。五十ならどれだけとか、そういう区分はどういうふうになっておるんですか。そういう区分はあるんですか。
  35. 尾之内由紀夫

    参考人(尾之内由紀夫君) 私からお答えいたしますと、透視度というのは普通の状態で見えるものに対していっておるわけですけれども、先ほどちょっと道路局長が申し上げましたが、私どものVIメーターというのが備えつけてありますけれども、これは光線の透過度によってある距離以内が見えなくなりますと、自動的に電光掲示板標示が出る、あるいは手動でもできることになっておりますけれども、この標示板がございまして、百六十メーターの距離が見えにくくなりますと電気的にそういう標示がつくようになっております。ですから普通見える距離に対して約四〇%といいますか、四〇%といいますから百六十メーターですから約四百メーターのようでありますが、四百メーターくらいに対して百六十メーターくらい見える程度になりますと、これはやはり霧の注意を要するということで標示ができるようになっておる、こういうしかけになっております。それが御殿場の前後に一カ所ございまして、たまたま一昨日の場合には百六十メーターはまだ見える段階にあったものですから、そういう標示御殿場付近ではされなかった、こういう結果になっております。ただ、包括的に御殿場沼津間におきましては霧が発生しておる状況にございましたので、霧が発生走行注意、こういう標示を二カ所に出しております。たまたま御殿場前後のVIメーターがあるところは、いま申しましたように現実に百六十メーターの指定がございましたから標示が出なかった、こういう状況でございます。
  36. 中村波男

    中村波男君 私がそれをお聞きしたのは、この報告書を見ますと、視界は百から二百メーター程度と、こう書いてありますね。しかし、その根拠にされたのか、参考にされたのかと思うんですが、沼津分遣隊は二百から三百、それから交通管理隊は三百から四百、事故現場関係は百、参考と申しますか、出ていますね。ここに視界は約二百メーター程度であったということを公式に言われるのは何を根拠にして出されておるのかというのが一つの疑問点。それから少なくとも透視度という立場から、視界という立場からいいますと、百メーターから二百メーターというのはあまりにもばく然とし過ぎておるのではないか。百メーターと二百メーターでは、これはもうたいへんな濃度といいますか、透視度というものは違うわけなんですからね。もう少し少ない区分というものがなされてしかるべきではないかという疑問があるから、ちょっと関連して質問したのですが、その点、どうですか。
  37. 片岡誠

    政府委員片岡誠君) 先ほど道路局長が、霧の視界の数値を申しておりましたけれども、その後の捜査によりますと、五十メートルないし八十メートルという供述がございます。これはいずれもそこを走行しておった運転者事故を起こした運転者の供述以外には現場にだれもおりませんから、正確な数値はわからないと思います。したがいまして、現場へ直ちに行ってどのくらいの霧だった、どのくらい見えていたかという質問に対して、そういう供述が出てくるわけでございます。したがいまして、現在捜査中でございますので、関係車両の三十二台、生存の運転者の供述をとって、それでその時点における霧の程度を判断する以外にないと私は思います。しかも、霧というのは御承知のように瞬間的に変わります。それから非常に局地的な問題でございますので、第一次透視度のときの状況とまたあとで、第三の事故が起こった場合の状況でも、若干の相違が当然出てまいるわけであります。そういったのが現在使っておる数値でございますので、正確な数値というのは、またこれからの問題だろうと思います。
  38. 阿具根登

    ○阿具根登君 副総裁がお見えになっておりますからお尋ねしますが、東名高速道路は四十四年の五月二十六日に全線開通したとお聞きしたのですが、二年そこそこです。ところが昨年中の東名高速道路での交通事故は四千百七十件、そうして二千三百八十六名の死傷者を出しておる。そのうち静岡県内での事故が約半分、二千八十九件、死傷者が千二百十六人となっております。しかも東名高速道路の総延長三百四十六キロのうち、静岡県内が百八十五・五キロと、最も長い、こういうことが報告されておるわけなんです。そうすると、一年間で二千三百八十六人の死傷者を出した。しかも、その半分がこの静岡県内であったということになってくれば、これは道路公団として一体どういう計画なのか、総裁は技術家と聞いておりますから、技術的な面において見てひとつお答えいただきたい。さらに、視界が五十メーターであった、あるいは六十メーターであったということで、それがためにこういう事故が起こったということを言われておりますが、道路ができてから急に霧がふえたわけではない。当然、道路をつくるときは視界がどのくらい、この付近は、この静岡県内は霧が多いのだということが、当初の計画の中で科学的に分析された上で私はつくられたところだと思う。だから、霧が深かったとか、雨が降っていたというそういうことは原因にならないと思う。そういうのは十分計算の上で私はあの道路がつくられたと思う。言ってしまえば、何か日本の経済から見ても、あるいは自動車事情から見ても、なるべく早く、なるべく多く、これが優先しているから私はこういう結果が生まれてきたと思う。これに対してどういうふうに道路公団はお考えになっているか、お尋ねいたしたいと思います。
  39. 尾之内由紀夫

    参考人(尾之内由紀夫君) 東名高速道路、私どももちろん安全に円滑に交通ができるということを目標に管理いたしておりますから、事故等につきましては常に最大の関心を持ってこれに対処しておるわけであります。まあ東名高速全般について見ますと、名神よりも統計的には事故率が低いかと思いますけれども、名神よりもあとにできましたりっぱな道路でございますから当然かと思いますが、いま御指摘のように、まだまだ毎月多くの事故を出しておることをたいへん残念に思います。問題はやはりどういう場所においてどういうような事故発生したかということを個々具体に検討いたしまして、やはり事故がたくさん起こるところは、先ほど来、運転者の技術とか、いろいろな問題もございましたけれども、やっぱり道路上の適切でない事情があるであろうというようなことをいろいろ研究いたしております。いま対象的にいろんな手を打っておるつもりでございますが、静岡県内が特に多いということにつきましては、あるいは一部でスリップが起こったとか、あるいはこういうような御殿場地区で地形その他線形等にいろいろ問題があったというようなこともあろうと思いまして、いま申しましたように、対象的に直すべきところ不備なところはつとめて直す、こういう心がまえでおります。  いま御指摘ございました霧につきましては、御殿場地区が東名高速の中で一番やはり高度といいますか、地形の高いところでございまして、御殿場のインターチェンジが四百五十メートルで一番高いのでございます。太平洋岸との関係で霧の発生の一番考えられるところでございまして、建設当初よりこの地区は霧発生の十分おそれのある地域であるということで、御殿場大井松田の間には御案内のように黄色いナトリウム灯をつけて線形をわかりやすくする、それから霧の警報を出します施設につきましても、先ほどお話ししましたように、特に大井松田沼津の間を一番大事なところと考えております。VIメーターはまだ一カ所しかございませんが、これを設置いたしましたのも御殿場のインター前後でございます。今回不幸にしてVIメーターを設置しましたところよりさらに数キロ先の西側のところで起こったわけでございますが、昨年の霧の統計をとってみますと、霧の警報を出しましたのは四十回あったようでございます。もちろんこの地区でございます。そのうちでやはり一番多いのは御殿場前後でございます。今回発生しましたのは、発生回数にいたしますとその四分の一、約十回になっておるのでございますが、やはり沼津と、いま申しました御殿場、あるいは松田間というのはそういう地形であろうと思いますので、今回の事故にかんがみまして、なおさらに改善の策を考えてみたいと、かように思っております。どうぞひとつよろしくお願いいたします。
  40. 阿具根登

    ○阿具根登君 そうしますと、今度の事故の直接原因となっておるのは、まあ一つの車がパンクしたので停車しておった、それを避けようとして転覆して道をふさいでしまった。そうしますと、スリップして、あるいは運転をあやまって事故を起こしたというのではなくて、一番の原因はパンクしたからそれでとまっておったと、こういうことになれば、まあ私は自動車運転しておりませんから詳しいこと知りませんけれども、あのきれいな道路でなら、たとえパンクしても一番すみっこのほうに持っていくぐらいの余裕はあると思うのです。パンクしたやつだからとめて修理をしておったのだと、それさえもよけられないような道路なのか。これが最初のやつが事故を起こしてまん中にひっくり返って通れなかったというならまた別ですけれども、最初のやつは、パンクをしたのでそれを直すためにおそらく私はどまん中でやっていたとは思わないのです。そのくらいの移動は当然できるはずだから、やはりすみっこのほうに移動しておったのではないかと私は思うのですが、そういうこともできないくらいの道路なのか。また名神等はもっと大きな事故がもっとたくさんあるのだというようないま話を聞きましたが、不幸にして資料を持っておりませんが、これは資料のお願いですけれども警察庁のほうからこの高速道路で去年一年の事故を全部調査して出していただきたいと思います。これよりも多く、ぼくが見た範囲内では名神ができたばかり、できたばかりのほうが事故が多いでしょうけれども、それにしても年間二千人からの人が死傷をそこでやっている、これはたいへんなことだと思うのです。それ以上なのが古い道路のほうにあるのだと  いうようなお答えになってまいりますと、根本的に私たちも洗い直さなければならない、こう思うわけなんです。私は古い話ですが、西独に行きましてアウトバーンを走っておるときに事故を見かけたとき聞いてみたのですけれども、あのアウトバーン全部というわけではありませんが、個人に聞いたのですから。非常なスピードが出るものだから、そこで事故を起こした人はほとんど助かりません、こういうことを言っております。しかし、追突その他は非常に少ないのです。もしもそういうことがあったらたいへんなことになると、非常にこれには力を入れております。こういうことを聞いてきたのです。そのころ日本には高速道路がありませんでした。これは、こんなものができたらたいへんだ、しかし、できなければ困るなと思って帰ったのですが、アメリカにしろ、ソ連にしろ、どちらにしろりっぱな高速道路があるので、相当なあれを研究されて私はやっておられると思うのです。それにしてもこれ以上の被害がまだほかの高速道路で出ておるということになるならば、これは一体いまのままでいいだろうか、運転手のミスだ、結局そういうことになってくるようですが、私は運転手のミスを起こすようなやっぱり施設に何かがあるんじゃなかろうか、こう思うのです。霧に注意してとめた人もあるようです。しかし、三十台の人が全部居眠りをやっておったとか、あるいはわき見をやっておったとか、そういうことは全然考えられない、いわばできるようにして、あるべくしてできた災害だ、こういうふうに考えられるわけで、そうすると、一体、一番事故の多い、霧の多いところに対してはこのままではこれはいかぬ。霧が多いから、霧が多いです、霧が出ていますから黄色いランプがついていますよと、それだけでいいだろうかと思うのです。そういうところの道路幅を考えてみるとか、あるいは霧が出たならばスピードはどれくらいときまっておるのか、私わかりませんが、黄色いランプが出たらスピードは何キロに落とせと、こういうふうにきまっておるのかどうか。ただ運転手を信頼して、霧が出ておるから注意しなさいという黄色いランプだけならば、運転しておるその人が一番よく知っておるはずです。だから、霧が出ておるからスピードを落とせばいいと、これは常識論です。ただ黄色いランプをつけて注意喚起したぞというだけならば、それ以前に運転しておる人はよくわかる。視界幾らだから、黄色いランプが出たら速度幾らに落とせという規定ができておるのかどうか、その点ひとつお教えいただきたい。
  41. 片岡誠

    政府委員片岡誠君) 初めの御質問の、パンクした車の問題ですが、これは先ほど申しましたように、路側帯といって三メートル幅の、はしにいつも走行している車線以外にスペースがございます。そこへ完全に入って、しかも故障したときの非常点滅灯、光を点滅しておったということで、故障した車は私は責任ないと思います。それなりに十分の、できるだけの措置をしておって、しかも日本自動車連盟のほうへ電話をかけて修理車を呼んでおったという状態でございますから、これは問題ないと思います。ただ、問題は完全に走行車線からはずれておるのに、あとからきた車がそのまままっすぐ走っておれば何も事故が起こらなかったと思います。しかし、やはり少しでも右のほうに避けて間隔をよけいとって安全に行こうとしたようでありますが、その避けたときにハンドルをおそらく切り過ぎたのだと思うのです。切り過ぎて右へ急に曲がるものだから、あわててハンドルを切りかえした、そこまでは私はいいと思います。そのときブレーキを踏んだ、ハンドルを切りながらブレーキ踏むのは一番初歩的なあやまりであるわけで、それをやっちゃった。そのために急に横すべりして分離帯に乗り上げてしまった、こういう問題だと思います。御承知だと思いますけれども一般道路の八十キロ以下くらいのスピードで走る場合と、八十キロ以上くらいになりますと、運転のテクニックが根本的に変わってくるわけなんです。それは私どもも免許行政を担当いたしておりますので、教育は十分それなりにやっているつもりでございますけれども、そこに問題がある。だから、通常の一般道路を走っておるときと同じようなつもりで、急にブレーキを踏んだり、急にハンドルを切る習性が高速道路上で出て、大きな事故になったというふうな問題だと思います。  それから、あとの霧のときの問題でございますけれども、現在、道路公団のほうでは可変式の情報板を相当数設置して、それで、濃霧、霧がある、あるいは凍結、したがって、速度を落とせと、こういう情報提供をやっておられます。これはこれなりに、私、効果があると思います。しかしながら、今回の事故を考えまして、あるいはこれだけではいけないんじゃないか、できれば、が出たり凍結した場合には、通常は最高速度百キロであろうとも、やはり六十キロに押えよ、あるいは最高速度を六十キロに下げろというふうな、私ども所管行政においても、その交通規制天候条件に応じて変えていくという仕組みを至急検討しなければいけないんじゃないかということで、寄り寄り道路公団なり建設省のほうと話をして、至急に検討して、実施に移すように今後考えていきたい、このように考えております。
  42. 尾之内由紀夫

    参考人(尾之内由紀夫君) 事故率のことを先ほどちょっと申し上げましたが、ここでもうちょっと詳しく申し上げませんと誤解を招くかもわかりません。私どもの申し上げておりますのは、事故は、やはり走行した台数、キロ数によって起こった件数を割りまして、そして事故率を出しております。つまり、一台の車に換算すれば一億キロ走った、あるいは一億の台数があれば一キロ走った、そういうものを一億台キロとしまして、その一億台キロに対してどれだけの事故発生したか、あるいは死傷者があったか、大局的な見方で統計をとっております。それを、先ほど申し上げましたように、名神、東名、中央、あるいはそれ以外の一般道路、あるいは外国の例というようなものと比べまして、大きな意味における事故程度というものをいろいろ解析しておるわけでございます。それによりますと、東名は利用台数が多いために事故の件数も絶対数としては多いかもしれませんけれども事故率としては、どちらかといえば低い、一般道路よりも低いということを申し上げたわけでございまして、その点をひとつ御理解願いたいと思います。  また、資料につきましては、建設省のほうと御相談しまして、御提出させていただきたいと思います。
  43. 阿部憲一

    ○阿部憲一君 いま、高速道路、特に今度の東名高速道路の完備によりまして、私ども国民は非常にそのために便宜を得、また産業開発におきましても大きな寄与をしておると、こう思いまするけれども、現実に、裏の面と申しましょうか、交通事故、今度のような事故が起きる、頻発するということを非常に遺憾に思っております。私自身、現実に高速道路のごやっかいになっているわけですが、ことに今度事故のあった御殿場付近はちょいちょい利用しておるわけですけれども、そのつど思いますことは、やはり私ども高速道路にドライブしながら、ほんとにこれはスピードがあり、しかも周囲の環境もよろしいと、そのような姿であるべき高速道路が、現実には何か始終ひやひやしたり、何か事故でもなければいいがなというようなことを考えながら走るということは、私はこれは一つの悲劇だと思います。ということは、結局、高速道路運転しながら、いわゆる規律を守って、百キロあるいは八十キロというものをキープしておりましても、それがほとんど慣習とは相反して、先ほどお話がありましたように、ぐいぐい抜かれてしまうというような悪いスリルを感じるわけであります。それからまた、道路自体も、決して、レーンの幅といい、いまの自動車を快的に走らせるだけの、百キロなり八十キロで走らせるだけの十分な余裕のある幅員とも思っておりません。そんなこと等、設備の問題、あるいはそこを利用するドライバーの感覚などから申しまして、もう少しやはりほんとうに高速道路というものは完備して、利用者にとっても快的なものであり、また、このようないわゆる事故を起こさないような、いわゆる理想的な快速道路にしたいものだという気持ちを始終持っておるわけでございます。そんなことを考えまして、私、今度の事件なども考えますと、何もこれは今度のこのような大きな事件が起きるということ自体、起こるはずのないのがいろいろな悪条件が重なって起きたというのじゃなくて、むしろ、このような事故はもっとひんぱんに起こる可能性さえあるんじゃないかというような感じがして、非常に遺憾に思うわけでございます。したがいまして、これから私二、三お尋ねすることも、そのようなことから、あくまで現在の高速道路、あるいは高速道路の建設に対して、政府あるいは担当公団等の方々が、もう少し真剣にドライバーのため、また特にドライバーの生命を守るために格段な留意をしていただきたい。そのような立場から質問を申し上げたいと思っております。  この御殿場でございますけれども、これは私が申し上げるまでもなく、非常に霧が発生する、私どもは関東で一番多いところじゃないかと思っておりますが、そこへ高速道路ができたわけで、当然いわゆる霧の影響を受けるわけですが、それは十分御配慮なさっておると思いますけれども、これに関する測候所が御殿場に一カ所あるだけでもって、事故当時の局部的な濃霧発生に気づかなかったといわれておりますが、気象パトロールカーの観測体制に不十分な点があったんじゃないかと思いまするが、この点いかがでございましょうか。
  44. 尾之内由紀夫

    参考人(尾之内由紀夫君) 一カ所と申しましたのは、VIメーター、いわゆる機器による自動観測装置が一カ所でございまして、私ども道路状況をいろいろ管理するためにパトロールカーを常時動かしております。それから、各インターチェンジ等に人も配置しておりまして、道路の維持管理並びに交通管理をやっております。そういうところの常時情報によりまして、霧の状況を中央の交通管理所のほうに通報しておるわけです。一カ所と申しましたVIメーターというのは、計器が一カ所ということでございまして、実際に、今回、「霧走行注意」という掲示を出しましたのも、これは交通管理員が九時二十分にそういうおそれがあるからという情報に基づきまして、中央から指令を出しております。ですから、自動計器は一カ所でございますが、実際には、そういう管理要員によりまして常時見ておる、こういう仕組みになっております。
  45. 阿部憲一

    ○阿部憲一君 わかりました。  この道路の管理でございますけれども、これはまあ建設省側と申しましょうか、あなたのほうと、現実に道路交通規則のほうの管理をしておりまする警察庁のほうですね、というふうに、二重にコントロールしておるようなかっこうになっておるわけですが、このような今度の事故に対して、その両者の間の連携というものは非常にスムーズにいったんでしょうか、どうでしょうか、その辺をお伺いします。
  46. 片岡誠

    政府委員片岡誠君) 私ども、各県に高速道路警察隊というのをつくってございます。その各県の高速道路警察隊は、その県内の、府県の警察でございますから、府県の本部の交通部に交通機動警ら隊といってパトカー機動隊の隊がございます、その一部分に、高速道路警察隊というのを各県につくって、しかし、それだけでは県境その他の問題もございますし、全国的な幹線道路でございますから、それを調整する意味で、管区に高速道路の管理官というのを置きまして調整をやっております。その管理官を高速道路の管理局に一緒に部屋を借りまして、そこに勤務さして、高速道路の管理局と管理官とが非常に連絡をよくするような仕組みにしております。  それから、各府県の隊のほうは道路公団の管理事務所と同じ建物におりまして、そこへ連絡をよくするという仕組みをとって相互によく連絡しておると思いますけれども、ただ問題は、道路管理のほうも私どものほうもおのおの立場がございますので、その間、意思の疎通も欠ける場合も全然ないとは申せないと思います。しかし、お互いに協力しておのおのの立場を守りながら協力してやるということを、道路公団のほうでも私どものほうでも積極的にそういう気持ちで仕事をやっておるのが現状でございます。ただ、私ども先ほどちょっと申し上げましたように、現場におけるパトカー、パトロールしている警察官の数が足りないために、若干、公団のほうに御迷惑をかけている面もあるように私聞いておりますので、今度、警察官増員ができますれば、その辺の問題も解決していくのではないかというふうに期待をいたしております。
  47. 阿部憲一

    ○阿部憲一君 そうすると、同じ管理官の方が公団のほうの同じオフィスの中におられれば非常に便利がいいとおっしゃっておられるが、公団のほうではそういった何といいましょうか、一緒にオフィスの中にいるということに対しての非常にわずらわしさといいましょうか、かえっておかしなかっこうになっているというふうにお考えになりませんか、その点。
  48. 尾之内由紀夫

    参考人(尾之内由紀夫君) 私どもは非常に一緒におって便利だと思っております、権限が違いますから。一緒に一人の人がやるということなら別でございますが、いまのやり方でございますと、やはり近くにおって情報交換するのが一番便利だと思います。たいへん密接に、いま片岡局長がおっしゃいましたように非常に連絡よくやっております。いまのシステムは、これは私は非常にいい方法だと思っております。  ただ、私どもについても言えることでございますけれども、非常に、いわゆる巡回するのが十分であるかどうかということにつきましては、人員その他の関係もありましてまだ十分だとはいえない、同様なことが私どもについても言えるかと思います。
  49. 阿部憲一

    ○阿部憲一君 公団のほうの声か何かちょっと私は新聞をちらっと拝見したのですが、いまのように警察公団というような一望の管理体制ということに対して改善すべきだというような御意見があるかのように感じたわけですけれども、その辺についてどうですか、お考えございませんか。
  50. 高橋国一郎

    政府委員高橋国一郎君) そういう話は私は聞いておりません。御承知のように、単に日本だけじゃございませんで、諸外国におきましても、交通警察とそれから道路の主としてメインテナンスを中心とする道路管理者とが同じ事務所、同じオフィスの中に同居いたしまして、それぞれ連絡よくやっておるというのが世界各国の状況でございます。したがいまして、われわれとして、これでぐあい悪いとはそういうふうに感じたこともございませんし、また、そういう声も私聞いておりません。
  51. 阿部憲一

    ○阿部憲一君 今度、警察パトロールカー、パトロール警察官をふやされる、これはけっこうなことと思います。今度の原因の大きな部分を占めるのはやはりドライバーのふなれと申しましょうか、不注意と申しましょうか、それが原因である。また、おそらく事故原因はこの事件に限らずそういうことが多い。追突事故どもあるわけでございますから、ふやして、注意を喚起するということはありますが、ただ、それがあまりにも、先ほど私が申し上げましたような快適なドライブをする上においてマイナスになりゃしないかということも同時に心配するわけでございます。実は、ドライバーにとっては、一面、交通違反を取り締まられるというような考え方を持っておりますので、その警察官があっちへ行ってもこっちへ行ってもちらちら見える、東京付近にはございませんが、千葉あたりへ行きますと犠装の警察官がよくありますので、あれはあれなりに効果があがっているということは、むしろ私はさびしいことだと思っておりますけれども、そのようなことを高速道路の中でよけい感じさせるようなことは心理的にマイナスじゃないかと思いますが、その辺どんなようなお考えをお持ちですか。
  52. 片岡誠

    政府委員片岡誠君) 私は取り締まることもさりながら、現状は、先ほどほかの先生が申されておりましたように、高速道路を走ってもほとんどパトカーの姿を見ないというのが現状だと思います。これではいけないのではないか、やはりある程度、東京から大阪まで行く間に、せめて二、三台くらいのパトカーの走っているのを見るということが必要ではないか。大部分のドライバーは善人だと私は思います。しかし、一割くらいは、あるいは五%くらいは警察官がいてかろうじて規則を守るという人たちも中にはいると思います。そういう人のためのパトロール頻度を多くして、そしてまた、単に取り締まりだけではなくて、故障しておったり、困っているドライバーがあれば、それに対して援助の手を差し伸べるというのが、私、警察の仕事だと思っておりますので、そういう意味で今後とも仕事をやってまいりたいと、そのように考えております。
  53. 阿部憲一

    ○阿部憲一君 そのようなことでドライバーに対する、特に不心得なドライバーがおりましょうから、それを注意する意味、範囲でもってのパトロールをなさることはやむを得ないと思いますが、私、ちょっとその点を危惧したものですからお伺いしたわけでございますが、先ほど来言われておりまするように、追突事故、これはこのような事故は結局はドライバー不注意ということも大きな原因になっていると言われますが、ことにまた、高速道路の上におきまする事故というのが大半が追突事故になっております。したがって、これはドライバー自身、自分の命の問題でございますので、注意しなければならぬということは重々でございますけれども、ついうっかりと回りの環境なんかにとらわれましてスピードが出過ぎるというようなことがあります。車間距離が、百キロの場合にはあれですか、百メーターというようなことは常識的にも考えておかなければいかぬことですけれども、つい不注意で守れない。そこで、その注意を喚起するために車間距離をはっきりさせるための設備ですね、マーク、あれはところどころにありますけれども、あれをもう少しふやしたらどうかと思いますが、専門家はいかがでございましょうか。
  54. 片岡誠

    政府委員片岡誠君) 大体一キロごとに里程標といいましょうか、何といいますか、キロポストが立っておるようでございます。ところが、それだけではどうも困るというので、私どものほうから道路公団のほうにもお願いをして、部分的に百メートルごとにしるしをつけるようなことを実験的にやっております。先生はおそらくそれをおっしゃっているのだろうと思いますが、そういうことで、なかなか目勘定で距離をはかるのがむずかしゅうございますから、百メートルごとにしるしをつけて前の車との車間距離を保つための道具のようなものを考えておるわけでございますけれども、できれば私どもとしましては、もう少しそれを多くしていって運転者の便宜に供してはどうかと、そのように考えております。
  55. 阿部憲一

    ○阿部憲一君 私いまもそのことを申し上げましたのは、日本のドライバー、そういう言い方はどうかと思いまするけれども、何と言っても高速道路にはふなれな人が非常に多いと思います。ですから、本来ならばそんなことまで管理者のほうで気を配らなくてもいいのじゃないかとも思われますけれども、まだ何といってもドライバーが未熟な人が多い、ことに高速道路になれない、高速道路では何でもスピードを出さなければいかぬというような、初めから先入観にとらわれているような気がいたしますので、あえて申し上げたわけであります。少なくとも、高速道路に国民がなれるまでは、三年なり五年なりというものは、少なくともそのような配意が必要であり、もっとそのようなマークなり尺度計といいましょうか、キロメーターといいましょうか、そのようなものをつくっていただきたい、そのように思うわけでございます。  それから、もう一つは、今度の事件は霧が出た、その上に、一番悪条件は、小雨ですが、雨が降ったために道路が——御承知のように降りたての雨というのは一番スリップしますので危険なんですが、このスリップに対する防止策、これはもちろん平たんな道路、このような、いまの箱根のような山地の場合でなくて、平たんな場合でも必要ですけれども、特にアップ・アンド・ダウンの多いところなどでは、スリップというものの防止に最も配意しなきゃならぬと思いますが、その辺について、特にあの地点において何か格段の御配慮をなさっておるか、伺いたいと思います。
  56. 尾之内由紀夫

    参考人(尾之内由紀夫君) 道路の舗装の表面につきましては、平滑であるということと、平滑過ぎてすべってはいかぬと、こういうようなことで、私どもがある基準を設けまして、それ以上にすべりがひどくならないようにということで道路を建設いたしております。だんだん使ってまいりますと、それがますますすべりやすくなるという性質のものでありますから、毎年一回、路面のすべり抵抗というものを測定いたしております。で、あの地点につきましては、前回測定いたしましたときに、〇・三四ないし〇・三六という数字でございました。これは私どもが設計の基準にしております〇・三よりもかなり抵抗が多いほうで、あそこが特にすべり抵抗が少なくてああいう事故が起こったというふうには考えておりません。非常にすべりのことは神経質になっておりまして、いま申しましたような必要程度のすべり摩擦を持たせるよう配慮いたしております。一ころ静岡の西のほうで、アスファルトのあれが多くてすべったことがありまして、さっそく表面を直したというようなこともございます。そういう点に気を配っておる次第でございます。
  57. 阿部憲一

    ○阿部憲一君 わかりました。  それからもう一つ。いまのように、道路がすべらないようにするということも一つでございますが、もう一つの基本的に、スピードをセーブするということが大事だと思いまするけれども、静岡の県警のほうではこれについて、たとえば雨の日とか、あるいはガスが非常に多いときとかということに対しては、百キロなら百キロの制限を二十キロダウンさせるというようなことを交通規制の上でやろうというようなお考えがあったけれども、何かその後どういう事情か知りませんけれども、うやむやになって、いまでもそのままになっていると承りました。この辺の事情についてちょっとお伺いしたいと思います。
  58. 片岡誠

    政府委員片岡誠君) どうも新聞にもそういうことがちょっと出ておりましたので、検討しましたが、どうも事情がはっきりいたしません。しかし、おそらく私が局長になる前のことと思いますけれども、先ほども申しましたように、その気象条件に応じて最高速度制限をかけていくという方向で至急に検討いたしたいと思っております。
  59. 阿部憲一

    ○阿部憲一君 それじゃ、あまりはっきりしたことじゃなかったと思いますが、しかし、私はこれは必要だと思います。ということは、ドライバー自身が相当自覚があり、各自ふなれな人がいなければそれほど重要でないと思いますけれども、しかし、雨であろうが、霧が出ておろうが、百キロといえば百キロで走らなければ申しわけないような気がして走っているのが多いのじゃないかと思いますので、それをいろいろ忠告する必要があるわけなんですが、ことに規則でもって、たとえば雨が前夜降ったとか、現在道路がぬれておるのだというような場合には、最高速度は本日に限り八十キロだとか、あるいは七十キロだとかというようなことをきちんと告示するなり何なりして押えてしまう、そういうことが必要じゃないかと思いますが、もちろんこれは何も御殿場地区だけに限った問題じゃございませんけれども、このようなことに対してはお考えはいかがでしょうか。
  60. 片岡誠

    政府委員片岡誠君) 仰せのとおり、そういう方向で至急に検討いたしたい、そのように思っております。
  61. 阿部憲一

    ○阿部憲一君 それからもう一つ、それに関連しましてああいうふうな事件が起きたわけですけれども、言うならば、非常にすいていればあのような問題も、規模も非常に小さかった、かりに死傷者にしても、あのような大ぜいにならなくて済んだと思いますけれども、そんなことで、何といいましょうか、道路をどのくらいの人が利用しているかということの情報は常にキャッチされていると思いますが、これに準じまして異常の気象時というものに対して、非常にそういったコントロールをシビアにすべきじゃないか。それはそのために利用者にとっては大きな御不便を感じさせることともなり、管理者側としては利用者側から非常に苦情を受けるわけだと思いまするけれども、しかしその苦情を受けることをおそれると、またこんな事故にも結びつくわけでございまして、その辺にやはり乗り入れ制限といいましょうか、悪天候あるいはガスが多いとか、あるいはまたスリップしやすいというような状況のときは、乗り入れ制限というようなことをなさる必要が大いにあるんじゃないかと思いますが、その辺についてはいかがでございましょうか。
  62. 片岡誠

    政府委員片岡誠君) 天候条件の中でもいろいろ種類によっては、私、違うんじゃないかと思います。たとえば台風があるとか非常に豪雨が降っているというような場合には比較的制限しやすいんではないかと思います。あるいはまた積雪、凍結といった場合も、ある一定時間持続する場合は非常にしやすいと思います。一番むずかしいのは霧だと思います。局地的であり、しかも非常に瞬間的な変化が激しい。そうなると、制限はしたけれども、先ほどの話じゃございませんけれども制限したときには晴れてしまっている、晴れていると思って、だいじょうぶだと思っていたら霧が出てくるという、これはよほど計測装置が技術的に開発されないと、霧の場合は非常にむずかしいと私は思います。しかし非常な悪天候、しかも持続性が予測される場合には、仰せのような手段を考えていくべきものと私ども考えております。
  63. 阿部憲一

    ○阿部憲一君 今度の事故につきまして、もう一つ大きな問題としては、火災が発生したということなんですね。あれがなければ、単なる自動車追突事故だけでしたら、これほど大きな事故にならなかったと思いますが、それについては、自動車はすぐ火事になりやすいというようなことでございます。これはもちろんメーカーなりあるいはまた使用するガソリンなんかにも問題が大いにあるわけでございますけれども、当局としてはこれに対してどのように今後対処されるか、お考えを承りたいと思います。
  64. 尾之内由紀夫

    参考人(尾之内由紀夫君) 交通管理の中で、火災つまり消防でございます、消防と救急というのは消防庁の関係でございまして、私どもはそれを援助するという立場に立っております。ただ自衛上、私どもの長大トンネルといいますか、隧道等につきましては、中で万一ガソリンタンク車でも火がつきますとたいへんなことになりますので、トンネルの上部にスプリンクラーを設けたり、あるいは必要な個所に消火器を置きまして、だれでもといいますか、初動的に火が早く消せるような措置を講じておりますが、トンネル以外のオープンの個所につきましては、ただいま申しましたように、一般の消防活動によって消火するというたてまえをとっております。なお、自動車には消火器を持っておりますので、初動的な消火にはそれが役立つ、私どもといたしましては交通巡回のパトロールをしておりますが、パトロールにも消火器を持たせまして、いち早く消せるような準備をいたしております。一般の市中にあるような消火せんとかいうようなものは、ただいまのところは設けておりません。
  65. 阿部憲一

    ○阿部憲一君 副総裁に一つ最後にお伺いしますけれども、またお願いしたいと思いますが、高速道路は最近日本国内に縦横に建設され、またこれから建設しようという御計画のようでございますけれども、いま私冒頭に申し上げましたように、まだまだ高速道路自体がほんとうに安心してドライブできるような環境になっていないということを非常に残念に思います。これはいろいろドライバーのほうにも原因がございましょうし、またそれを設備し、管理されておるほうにもいろいろの問題があると思います。今後建設される場合にも、今度のような事故を起こさないように留意していただきたい。と申しますのは、ちょっとパンクした、避けた、もちろんそれはほとんど利用者にとって影響のないようなサイドのほうに避けていたとおっしゃったけれども、しかしそれが影響が出たということは、いまのドライバー自身がそれを避けようとしてミスをやったということが原因であります。したがいまして三メートル幅員の予備線というもの自体を、私もう少し検討すべきだと思いますし、またそういうようなパンク事故が非常に多いですから、パンクしたときはどこどこへ持って行けと、また持って行けるようなところを道路上につくっておくべきじゃないかと思います。とくに私いままでできた道路について、中央高速ですか、あれなどは申し上げるまでもないと思いますけれども、実にお粗末な高速道路で、よくこれに高速道路という名前をつけたものだ、私はそういう意味では怒りを感じたくらいでございますけれども、幸いにだいぶそれを修理なさってりっぱなものになさるようでございますから、あえて申し上げませんけれども、あのようなことのないように、もっとそれはいろいろ経費の点、予算の面もございましょうけれども、もう少し国民の生命の安全を基礎に置いて建設されていただきたい、このようにお願いする次第でございます。
  66. 柴田利右エ門

    柴田利右エ門君 ちょっとお尋ねをいたしますが、原因について最初普通の小型トラックがパンクをした、そのパンクした車は、完全にそういう車が入って待機をするところに入っておった。それに対して次に来た普通トラック・貨物車がそれをできるだけ避けようとして追い越し車線に入った。こういう御説明があったんですが、まあ完全に小型車が普通の車線の外に出ておったのを、あとから来たトラックがさらに追い越し車線——安全なほうへ入ったというのと、新聞なんかで書いておるのは、全部書いておるわけではありませんけれども、何かそれを見てわき見運転をしたというような記事もあります。私は、わき見運転とかそういうことは別にして、東名高速道路の場合は、開通当初から少しすべりやすいと、そういうふうに言われておる面があるんですが、そういう面からいくと、   〔委員長退席、理事具根登君着席〕 何かやはり小雨が降ってスリップしやすい状態になっておったんで、何かの角度の関係で、私はやはり分離帯に乗り上げたというようなことを考えてみますと、もちろん先ほどから話が出ておりますように、こういう問題についてはとにかく車を運転する者が細心の注意をして——これはもうどこを走ろうと私はそうだと思いますけれども、やっぱり施設の面、多少そういう点でまだ検討をしなければならぬ。施設の面、安全管理の面で検討しなければならぬ点があるんじゃないかというような気がするんですが、その辺は冒頭の御説明、御報告を聞いてちょっと不審に思ったんでお尋ねをしたいと思います。
  67. 片岡誠

    政府委員片岡誠君) まだ捜査中でございますので、必ずしも正確とは申し上げかねると思いますけれども、私自身もその事故原因に不審を持ちまして、まず初めに完全に待避車線のほうへ、路肩のほうへ出ておったかどうか、それから合い図を何かしておったかどうかというのを聞きましたら、完全に出ておった、そうして非常点滅灯もつけておった、こういうことでございます。そうだとするならば、あとから来る車はまっすぐそのまま走っていけばこういう事故は起こらなかったんじゃないだろうか、そういう疑問が浮かんで、その点を確かめますと、やはり入っておったんだけれども、霧でいま申したように、五十とか八十メートルぐらいしか見えない。そういうときの東名を走っている運転者の実際の運転はどういう運転のしかたをしているかと申しますと、前の車の尾灯をたよるのが一つでございます。もう一つはレーンマークが必ずしも霧が多くなってくると見えなくなる。見えるのは中央分離帯が見えるわけです。分離帯で進行方向を目測しながら、前の車の尾灯を見ながら走っているというのが現状のようでございます。車間距離は、したがって普通でも百キロならば百メートルとるというのが常識でございます。それは道路が乾燥しているときでございます。道路が湿潤の場合にはおそらく倍ぐらいの車間距離をとらなければ、完全に安全とは言えないと思います。そうすると、二百メートルぐらい間隔をとって走らなくてはならぬというのが事故防止の面からいえば言えることでしょうが、いかんせん見えない、中央分離帯を視線誘導に使い、尾灯を見ながら走っておるというのが現状のようです。その辺に私、一番問題があるんじゃないかと思う。そういう状態で走っておるときに、五十メートル先ぐらいにふっと車が見えた。ぼうっとしている車がだんだん浮かび上がってくるというときに、少しでもそれを避けたいという心理が働いて右にハンドルを切ったんではないか、その切り方をあわてて切ったために切り過ぎて、それを逆に切り直そうとした、そこまでは私、操作として正しいだろうと思います。そのときブレーキを踏んだのが致命的だったと私思います。ブレーキを踏んだために車の指向性がなくなってしまって横すべりに完全になって中央分離帯に乗り上げてしまった。どうも私の現在捜査過程で私自身判断しているのは、どうもそういう原因ではなかろうかというふうに考えております。
  68. 柴田利右エ門

    柴田利右エ門君 私は車の運転はできませんので、あまりそういう点については詳しくよくわかりませんが、いま霧の話が出ましたのですけれども、先ほども説明のありましたように、この辺は非常に霧が発生しやすいところなんで、大井松田御殿場の間には、先ほどもお話のありましたように、霧をよく通すためのナトリウムランプをたくさんつけてあるということなんですが、そのナトリウムランプをつける場合には、今回の事故のあったところは従来の調査からいって必要ないというふうに御判断になってつけられなかったんだろうと思いますが、大体いままでの霧の発生の傾向からいってどうなんですか、今度事故の起きたところとナトリウムランプをつけたところとの公団のほうでの調査の結果は。
  69. 尾之内由紀夫

    参考人(尾之内由紀夫君) 私、先ほどナトリウム灯のことを申しました。これは霧のためでももちろんございますが、あの区間は一番何といいますか、山峡の部分でございまして設計速度八十キロ、一番カーブの多いところでございますから、どちらかというと道路の曲がりぐあいを見やすいようにということでナトリウム灯をつけております。しかし、いま御指摘のように今回の事故もございますから御殿場よりもう少し先にああいうランプをつけたらどうかということも研究課題であろうと思いますので、ひとつ検討してみようと思っております。   〔理事具根登君退席、委員長着席〕  従来は、大体霧の一番多いところは、先ほど来御説明いたしましたように、御殿場を中心にした、どちらかといいますと東寄りのほう、今回発生しましたところが実績から見ましても、その四分の一くらいであったというようなところでございまして、やや霧に対しては濃霧発生最多地というふうに見ておらなかった。しかしそう言いましても実際に、現実にこういう事故が起こっておりますから、至急何か対策を立てなければならぬ、かように考えております。
  70. 柴田利右エ門

    柴田利右エ門君 先ほどの御説明の中で、このパトロールが現在は二キロに一人ということで、それを倍にして一キロに一人ぐらいにしたいと、こういうようなお話があったんですが、このパトロールの場合、静岡県の場合は東名高速道路の中で、傷害の発生率で約五割だ、こういうお話なんですが、距離からいってもある程度多いというのはわかりますけれども、霧の場合は非常に、発生してもそこですぐ晴れるとか、発生の場合がなかなか予測しがたいというような面もあると思いますが、このパトロールの人をそういう場合に機動的に集中をするというようなことは、いままでもあったのか、そういうことは考えていないのか、また勤務時間とかいろいろなことがありますから、なかなかむずかしい制約もあると思いますけれどもドライバーの安全という面から見れば、そういう機動的に人を動かして安全を守るというようなことも一つ考えられるんじゃないかと思いまして、そういう経験なり、いままでのあり方、それから今後のお考えについて何かありましたらお聞かせをいただきたいと思います。
  71. 片岡誠

    政府委員片岡誠君) 現在静岡県警が東名百八十キロの区間を持っておるわけです。必ずしも静岡県警の場合でも高速道路警察体制は十分ではございません。したがいまして何か異常な事態があった場合、非常に込んできた場合とか、そういう天候が非常に悪くなった場合、下を走っておる一般道路のパトカーを随時上に上げるという操作をしております。逆に一般道路の、たとえば一号線が非常に問題になった場合に東名道路のやつをおろしていくという、そういう県内の交通機動警ら隊の中の道路事情に適応した臨時の措置は県内ではとっております。
  72. 柴田利右エ門

    柴田利右エ門君 今回の真相といいますか、原因というのは、なおこれから調査をされなければはっきりしたことはわからないと思いますけれども、先ほどから話が出ておりますように、高速道路を通る場合の運転の心がまえといいますか、それは普通の路面を走るよりは違うんだと、こういうことがお説の中にありますし、私もそうだろうと思います。特に、私どももときどき耳にするんですが、東名高速道路を何時間で東京まで来たとかいうようなことが半ば自慢話でいろいろ話題になるんですが、それだけにスピードを競うという面もあるだろうと思います。しかし、そのことが反面非常な危険をはらんでおるんですが、普通の路面を走るのとそういう高速道路を走るのと違うという場合に、安全教育の面でまあ学校あたりでは、私ども耳にしますのは、路上運転というのはほんの申しわけ程度だというふうに聞いておるんですが、実際、私もよく知りませんが、大体どの程度の時間やられておるのか。さらに高速道路が違うとすれば、やはり実際に運転をして、その違うことを経験をし、まあ教官あたりがそういう面についての注意を、ほんとうに車に乗ってやっぱり教育をするということが必要ではないかというような気もするんですが、これはいろいろな事情もおありでしょうけれども、そういう面について、安全教育という面についてのいままでのあり方なり、それから今後こういう問題は、先ほどどなたもおっしゃったように、こういう危険は、ある意味ではこういう事件が起きてからではおそいわけなんですから、そういう面から考えてみますと、安全教育というのは日常これはまあドライバー注意をしなければならぬ。また注意するべきだということでなしに、もう少しそういう面が日常根気よくやられなければならぬというようなことを考えますので、ひとつお考えがありましたらお聞かせをいただきたいと思います。
  73. 片岡誠

    政府委員片岡誠君) 私ども二つのことを考えております。  一つは、昨年の国会で御審議いただきました道路交通法の一部改正で交通方法に関する教則をつくるという改正をいたしました。国家公安委員会が交通の方法に関して国民にわかりやすいような表現で教則というものをつくる。その中には単に法規だけではなくして、交通安全のために励行したらいいというような事柄、あるいは自動車の安全な運転の知識とか、そういうものを含めて出すことになっております。これは近く公安委員会で御決定いただいて官報で告示いたしたいと思っております。その中に、初心者の間はできるだけ八十キロ以下で走りましょうということも書いてございます。それから高速道路の危険性、それから特に注意すべきことについても相当詳しく書いてございます。そういうやり方でひとつ教育をしていく。  それからもう一つは、実際問題として初心者教育でございますが、免許証をとるまでの教育なり試験の問題だと思います。そのほうは現在仰せのように路上練習というものに比較的力がまだ入っておりません。六時間ないし十時間やるということにしておりますけれども、試験そのものが試験場の中で行なわれるということですから必ずしも本気にならないということで、今度試験も路上試験でやる、技能試験は路上でやる。路外で十分やって仮免許をとって、それから路上で練習をして、路上試験をやる。路上でほんとうに安全に運転できるかどうかを確かめて、できる人に初めて免許証をやるという仕組みをやりたいということで、いずれ今国会道路交通法の一部改正の御提案をいたしたいと思って準備をいたしております。ただそれをやりましても高速道路上での路上試験というのは、これはとてもできません。それから路上練習を高速道路でやることを義務化するのもまだ若干問題があろうと思いますので、現在私どもは指定自動車教習所を指導いたしまして、現在でも東京の場合、あるいは静岡の場合には免許証をとったあと自動車学校で二時間ばかりはひとつ高速道路で練習しましょうということで、指導員が隣に乗りましてできるだけお客さんにすすめて事実上一ぺん練習させてみる。それでまあ、せめて二時間でも安全な方法を隣に乗っているベテランに習うということでなれさせていくということをやっておりますが、これをひとつ高速道路に関連のある府県のほうに——静岡と東京だけではなくて、さらに広めてまいりたいというような点を現在考えております。
  74. 柴田利右エ門

    柴田利右エ門君 今回の追突事故では四つのブロックに分かれて一番最後のグループの中で六台炎上したのですが、その中から死者が出ている。車と車の衝突事故が最近は急激にふえておりますので、これは先ほどもちょっと話に出ましたけれども、非常に燃えやすい状態で、火災に対する対策というものは非常に必要になってくるのじゃないかと思いますが、この報告書の中で先ほど副総裁のほうからパトロール車の中には消火器も積んでおるということなんですが、消防車その他が到着したというようなことは出ておりますが、これはパトロール車もやはりそのとき一緒に現地に消防車なんかと大体同じような時間に到着しておるのですか。
  75. 尾之内由紀夫

    参考人(尾之内由紀夫君) 私どものほうの車は、九時三十五分ごろ現場を担当する公団交通管理員が現地をパトロールいたしておりますが、私のほうの車は十一時十五分に現場に到着いたしております。消防車の到着いたしましたのは、最初に出ましたのが沼津消防署から十時五十九分でございますから、やや私のほうの車がおくれております。消防車の出動のほうが非常に早くいった。今回の状況はそういうことになっております。
  76. 柴田利右エ門

    柴田利右エ門君 消火せんとかそういう火災に対する対策というものが効果を発揮するのは、非常にむずかしい面があるのは私もわかるのですが、やはりいまのところは付近の消防隊がかけつけるなり、おたくのほうのパトロール車に性能のいい消火器を積んでそれに当たるということ以上に、いまのところ別にお考えはございませんか。
  77. 尾之内由紀夫

    参考人(尾之内由紀夫君) 自衛的に自分に消火器を積むということはもちろん考えなければならぬと思いますけれども、消防活動自身は実は私のほうの所管ではございませんので、これは先ほど申しましたように消防庁の管轄になっておりますので、これはやはり専門のほうと相談いたしまして、今後どうしたらいいかということも十分研究してみたいと思っております。ただいまのところでは、私どものほうでは限度を越えることはできないわけでございます。今回の事故にかんがみましてまた関係方面とよく相談してみたいと思っております。
  78. 柴田利右エ門

    柴田利右エ門君 終わります。
  79. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 短時間でございますので三つの点で質問したいと思います。  第一の質問は三者の方から御答弁いただきたいと思います。その第一の問題といいますのは、いろいろいままで事故が起こりまして、特に東名の場合にはたくさんの事故が起きております。そういう立場から、今度のような事故というものが予測されていただろうか。それとも、全く予測されていなかったというふうにおっしゃられるのか。だから、第一点は予測されていたかどうかということでございます。  それから、それに続きまして、先ほどからいろいろ問題が出ていましたけれども、もちろんドライバーが自覚していれば当然起きないのが事故でございますから、ドライバーの自覚がないとすればその教育をどういうふうにするとか、それからまた可変式道路情報板をつけるというようなこともいま考えていらっしゃる。電光掲示板をたくさんつけて見やすくするというようなことだとか、パトロールの人数を増員するというような、今度の事故を契機としていろいろの対策を考えられていると思うんです。先ほども今度予算が実施されたら一キロに一人というふうにふえて何とかなるんじゃなかろうかというようなお話だったけれども、その時分にはまた道路建設のほうも進んで、自動車もどんどん売り込みが始まってということになると、結局あと追いあと追いになってしまうわけですね。だから、第一のほうは予測されていた事故かということと、それから現在こういうことをやって、こういうふうにやれば将来はまず安全だというふうに見ていらっしゃるのか。それとも、こういうふうに考えているんだけれども、まだまだ安全教育も不足だし、それから技術開発もたいへんだし、予算も十分もらえないし、今後ますますこういう事故が起きるよと、こういうふうに予測されるのか、その二点について三者からちょっとお尋ねしたいと思います。
  80. 片岡誠

    政府委員片岡誠君) はなはだ微妙な御質問だと思いますけれども、全然予測していなかったと言えばうそだと思います。やはりああいう高速道路で、現在の条件としては、私、高速道路そのものの構造は世界的にも最高水準の道路だと思います。しかし、そういう道路であっても事故は起こり得るという意味で、特に天候条件の悪いときには起こり得る事故ではなかろうかと、そういう意味じゃ予測しておったというふうにお答えいたしたいと思います。  それから、今後の問題でございますけれども高速道路がだんだん供用開始される部分がふえてまいりました場合に、それに応じて私ども体制を強化していくという、そういう意味で考えておりますし、また努力いたしたいと思っております。  御参考まででございますけれども昭和四十二年から四十六年までの五年間の高速道路発生しました交通事故を見てまいりますと、たとえば死者だけとりましても、昭和四十二年に二十三名であったのが四十六年には百三十五名になっております。しかし、四十五年には百四十八名でございます。それから、負傷者も四十二年の八百二十二名が四十六年には四千三百四十九名。しかし、四十五年には六千六十八名でございます。四十五年までは供用区間が伸びるに従って、あるいは交通量がふえるに従って死者も負傷者もふえてまいりました。しかし、四十六年は供用区間が約六十キロメートルふえたにかかわらず、あるいは交通量がふえたにかかわらず、死者、負傷者とも減ってまいっております。私どもはもちろん高速道路運転している方々の高速道路に対する適応性ができてきたというのも大きな原因だと思いますけれども、やはり道路管理者なり、まあ手前みそではございますけれども、交通警察のほうの、私どものほうの努力もそれなりにあるんではなかろうかというふうに思っております。したがいまして、運転者の教育と同時に道路管理なり、交通管理の面でいろんな行政的な努力をあわせてやっていけば事故の増勢は抑制できるんではないか、そのように考えております。
  81. 高橋国一郎

    政府委員高橋国一郎君) 最初に第一問の、今回の霧の中のああいう大事故が予測されたかどうかということでございます。片岡局長と同様に私も予測しなかったと申しますと、ちょっとやはりうそになるかと思います。さればとて、完全にああいう事故を予測したかと言われますと、はっきりお答えできないような状態でございます。と申しますのは、東名高速道路は、先ほど阿部先生をはじめとして、だいぶん非難を受けておるようでございますけれども、私たち道路を担当するものにとってみますると、世界の高速道路に比較しまして決して遜色のない、私に言わせれば、最もすぐれた道路というふうに考えております。特に安全施設には十分留意いたしておりまして、そういう観点から申しまして、道路工学上から申しましたら、ほとんど完ぺきに近いというふうに私たちは実は考えております。したがいまして、こういう事故が起こるということは予測しなかったということになるかと思います。ただ、もう一方、霧の中における運転でございますけれども、たとえば諸外国の例をあげますれば、イギリスにいたしましてもアメリカにいたしましても、設計速度は七十五マイル・パー・アワーでございます。大体百二十キロくらいが普通でございますが、霧のときには普通二十五マイル・パー・アワーに制限しております。これは四十キロのスピードになるかと思います。つまり、日本に高速道路ができましてまだ数年しかたっておりません。特に霧の発生する個所というのは少ないのでございまして、霧の中における運転がいかに危険であるかということは、まだ十分に認識が持たれていないのじゃないかというふうに考えております。したがいまして、いずれこういう事故が起きる確率があったように実は考えております。したがって、第一問に対しましてははっきりした答弁はいたしかねますけれども、予測されたと申すわけにもいきませんし、予測しなかったと申し上げるわけにもいかないというのが実情でございます。  第二問は、今後こういう事故をどういうようにするかということでございますけれども、先ほど申しましたように、われわれとしては完ぺきに近いと思ってつくった道路でございますけれども、やはりこういう事故が起きた以上は、何か道路の構造上にも欠点があったのではなかろうか、こういうことを真剣に反省するべき時期だと思っております。したがいまして、警察当局とも御一緒になって、道路公団とあわせて三者で協議会をつくって徹底的に原因を究明して、もし道路構造等にあるいは瑕疵があるならば、これは全力をあげて直すというふうにしていきたいと考えております。
  82. 尾之内由紀夫

    参考人(尾之内由紀夫君) 予測の問題につきましては道路局長と大体同じでございますけれども、私どもは、皆さん御記憶にあるかと思いますけれども、昨年九月イギリスにおきまして二百台の衝突事故がございました。実は、そういうことがわが国にあっちゃいかぬということで、いろいろその情報を集めるべく苦心いたしておりますけれども、正確なことは実はわかっておりません。そういうことで、わが国にもそういうことがあっちゃいかぬなという懸念はいたしておりました。ところが、一月四日でございますが、静岡県の牧之原付近におきまして、私のほうの道路におきまして、二十七台の事故が起こっております。これは一月四日といいますと、正月の休みが過ぎましてみんな帰省といいますか、帰ります。オーナードライバーがおそらく多くて、帰りを急いで起こった事故だと、実は特殊なケースかと思っておりました。もう少しさかのぼりますと、名神高速道路で、開通いたしまして間もなく、三十九年に三十七台の事故がございました。これはまだ高速道路ができて間もないものですから、もちろん高速道路の利用のしかたに経験がございませんから、そういうことによる不注意の、たまたまそういう事故であったというふうに考えておりました。そういう際にいずれも死者もございませんし、わりに軽微で済みましたからよかったと思いますが、そういうような過去の例もございます。いわば特殊なケースかと考えておりましたけれども、たまたま今度は霧、雨でありますが、ああいう地帯で発生いたしまして、実はショックを受けておるわけでございます。予測をしたような、しないような、非常に複雑な心境でございますが、そういう過去の事実がございましたことを参考に申し上げておきたいと思います。  今後のことにつきましては、いまお話がございましたように、どうしたらこういうことがなくせるかということにつきまして、道路施設上、私どもできるだけのことを監督官庁の指示を受けながらやっていきたいと思っておりますが、やはり何としても高速道路を使うについての情報というものが私は大事だと思います。特に今日のようにテレビ、ラジオ、これだけ情報のあるときでございますから、交通あるいは気象情報についてもっとひんぱんに流すことも大事な面じゃなかろうか。これは私どもだけではできませんが、各関係方面にお願いしてそういう方面にもひとつ努力したい、こういうふうに考えております。
  83. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 まあこの委員会でもいつも事故が起こってからいろいろ問題になるのですけれども、全く予測されていて起こる事故というのがございます。たとえば土砂崩れとか落石とか、わかっていたのだけれども予算がつけてもらえなかったからそこまで行かなかったのだということになると、これは全く行政責任でございますし、また今度いろいろ常識で考えればこういうことは起きなかったはずなのにということになれば、ちょっと行政的には責任がないように見えるけれども、だからといってドライバー不注意だというふうに片付けてしまうということでは私はやはり行政の立場としての責任は取れないと思うわけなのです。それで、これがもしもたいへんな混雑のときに起こったら、一体これがどこまで行くか、三十台で済まないでたいへんな事故になるのだというふうに普通には考えられるわけなのです。それできのうのことでございましたから、ちょっと全部を調べるわけにはいかないけれども御殿場インターチェンジの出入りの台数なのです。一つ例にとっても、休日とそれからゴールデンウィークというようなときを比較してみたり、年間をちょっと比較してみたりいたしますと、やはり車の量が多いときというのは事故件数も多くなっているというのが数字にも出てくると思うのです。そうすると先ほど、局長は道路工学的には完璧だというふうに考えると——私いいと思うのです、日本の技術はたいへんりっぱなのだし、私もすばらしいと思いますから。ただその道路工学的にりっぱな道路をつくるときにはこれだけの台数の自動車がこれだけのスピードで走るのにはそのコンクリートの厚さをどれぐらいにしたらいい、この傾斜をどうしたらいい、そういう工学的な意味では私は非常に完璧だと思うのですけれども、それでははたしてこの道路で安全に輸送するという立場で考えれば、安全輸送の許容量というのですか、私はそういうのがやはり考えられないと——道路そのものはいいけれども、安全輸送というものが伴わなければ何にも役に立たないのではないか。そういうことから考えますと、まあ大体お金を払えばみんな入れてくれますよ。だから渋滞だなどと書いてあったってわれわれが行けば——私もしょっ中利用していますけれども通ちゃったら出られないのです、取りっ放しで、すごくもうかってしまうと思うのです、公団のほうは。とにかく入れてしまうわけです。営業だからでしょうけれども、そういうことになって制限というのがあまり安全の立場から考えられていないような心配もあるわけなのです。だから伺いたいことは、この道路をこのスピードで走る場合には大体この道路は安全輸送するための安全率から見た許容量というような科学的な分析をした数値を出して、そして制限をするというような手が打てないものかどうか。そういうことをお考えになったことがおありになるか、そのことをちょっと伺いたいと思うわけなのです。警察庁でも、皆さんどちらでも自信のある方から……。
  84. 片岡誠

    政府委員片岡誠君) 交通の規制を私どもやっておりますが、先ほど申しましたように天候の条件あるいは路面の条件で非常に危険であるという場合に制限をするということは現在やっております。それからもう一つは、首都高速道路のように非常に渋滞している、ほうっておけば道路の交通容量以上に車が入ってくる、そのために渋滞をして定時定速性が保てない、有料道路でありながら下の道路よりもかえっておそくなる、こういう状態はおかしいじゃないかということで、このほうは首都高速道路公団ともよく定例的にこのごろ打ち合わせをしておりますが、何とか定時定速性を保ちたい。それに対してはどこの路線のどのブースから規制していくか、どこにプライオリティを、優先権を与えていくか、どこのほうは通すけれども、どの路線は先に規制をするか、あるいは一つの路線をとった場合に——たとえば首都高速の三号線をとった場合に、東名から入ってくるのを押えるのか、渋谷で押えるか、三軒茶屋で押えるか、その順序をどのようにしていくか。それから単に押えるだけじゃなくてブースの数をふやしていくべきではなかろうか、そういう点について現在検討しております。したがって定時定速性を保つだけの交通規制、それから道路気象条件その他で非常に危険であるというとき規制はいたしております。ただ交通量と安全性の関係については、まだそういう規制は必ずしもしておりませんし、今後の研究課題ではないだろうかと、そのように考えております。
  85. 高橋国一郎

    政府委員高橋国一郎君) たいへんむずかしい質問で私も十分には答えられないのでございますが、たとえば首都高速渋滞が例にあげられたようでございますけれども首都高速は当初は乗れるだけ乗せた関係で完全な渋滞が起こりまして、これをいま反省をしております。したがいまして最近は、電算機を使いましてそれぞれの出入り口を制限いたしまして乗り入れを制限しております。したがいまして一たん乗った車はある程度スピードだけは保障したいという考え方に立っております。その規制のしかたにつきましては、警察庁片岡局長からお話がございましたように、七十くらいのケースについていろいろ研究しておりまして、暗中模索の段階でございますけれども試行錯誤をやっております。そのうちにいい結果が出まして、それで統一されるのじゃないかというふうに思います。いずれにしましても先ほどの御質問のように、一つの道路につきましてはその道路の設計速度で流す場合にはいわゆる車頭間隔というのが計算上出てまいります。それによって一時間当たり何台というのが計算上出てきます。それを越える場合についてはシャットアウトするというのが最もいい方法でございます。東名高速道路なり中央高速道路につきましてはわりにそのコントロールがしやすうございますが、首都高速のように環状線があり、それから放射状に出ている場合には非常にむずかしゅうございます。しかもインターチェンジが非常に多うございますのでなかなか問題がございますが、いずれにいたしましてもそういうふうな計算上、将来ははっきり出ると思いますので、それによって一たん乗っていただいた車についてはある程度スピード、たとえば六十キロのスピードを保障するような方向に今後は持っていきたいというふうに考えておるわけでございます。
  86. 尾之内由紀夫

    参考人(尾之内由紀夫君) 一般的な問題でございますけれども事故というのは交通量が非常に少ないか非常に多いと、ないものです。ですから、ほんとうに込んでくればむしろ事故というのはないと思います。ところが、いま利用しております台数というのは東名高速で大体二万台——三万台というところでございます。道路の容量としては構造的には四万台くらいのあれはあるのですけれども、二万台——三万台というところが利用度としてはたいへんいいところじゃないかと思っております。この辺で安全のために押えるということは道路の利用、経済効果からいいますとやはり問題があると思います。ただ、そういいましても時間的にはかなり通る場合がございます。ですから本線の断面交通、ある箇所で一時間に二千台を越さすまいと入り口のゲートに入るのを制限しております。そういうようなことで過大にならないように、時間的に過大を防ぐような措置は指導いたしております。
  87. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 この問題はたいへんむずかしくて、どこが悪いという一つのものじゃなくて、ふくそうしているので、当事者の皆さんは御苦労だと思うのですが、やはり根本的なところに問題があるのじゃないか。それで、これはお持ちいただいたと思いますけれども、「建設月報」の座談会、ちょっと私これを見せていただいたのですけれども、「転換期を迎えた建設行政」というのが出ておりますね。私これを読みまして、佐藤さんは発想の転換なんというたいへんうまいことをおっしゃるが、何もなさらないからしょうがないのだけれども、これは道路行政でもほんとうに、ここにも指摘されているように、やはり根本的に発想の転換をしていかなければだめなんじゃないか。いろんな事故が起こり、しかも高速道路がどんどんできていく、事故も多くなってくる、非常な大型事故になる。高速道路を見ても、ここにも書いてありますけれども、全部東京中心になって、ネットワークでずっとつながっていくわけなんです。ますますこれはひどくなっていく。もっともっと国民の立場から、産業の構造の立場から考えてみても、ここで読売の坪井さんが言っていらっしゃるけれども、たとえばここで一例をあげると、日立、水戸、宇都宮、前橋、高崎という——九ページにごさいますね——北関東横断道路というのはもう十年前から計画があるわけです。ところがいまだに高速道路計画には載ってこない、調査費もまだついていない。それでいて片一方で北関東に三つの百万都市をつくって分散をはかると言っている。がその動脈となる横断道路の建設はおくれたまま、こういうふうに考えてみると、縦にはずっとできるけれども、しかも集中する。分散するというはずだったのにますます集中してきてしまうというようなことで、道路建設のいまの計画そのものが非常にこれは問題になるのじゃないかということを考えるわけです。私が考えたわけじゃなくて、識者が考えて問題提起してもらっているので、私もなるほどなと思ったわけなんですけれども、そういうふうな根本的な問題というものを考えていかなければ、事故が起こって、何をしているのだ、何をしているのだと言われては、おたくもつらいだろうと思います、ほんとうに、非常に。そういうことで、建設行政の上からもこういう道路の建設——いまの東京中心のネットワーク方式という、この新全総の立場からの道路建設というようなものも、ひとつ交通安全の立場から考えてはどうなんだというような、何というのですか、立場での考え方というようなものを、建設省としてされたことがあるのかどうか、そのことをあとでまた問題にしたいと思いますので、ちょっとお伺いしたいと思うわけです。で、建設省警察庁のほうも、こういう道路政策の面をどういうふうに見ていらっしゃるか。事故が起こってからがたがた追及されてかなわぬというふうに思っていらっしゃるかどうか、ちょっとお伺いいたしたい。
  88. 高橋国一郎

    政府委員高橋国一郎君) ただいま御指摘になったのは、ただいま持ち込まれてまだ読んでおりませんので内容は詳しく存じ上げませんが、一、二お答え申し上げたいと思います。先ほど読売の坪井さんが北関東の高速道路のことを十年前に提案されたということを申しておりますけれども、私、十数年来道路局におりましてそのほうを担当しておりますけれども、その話は実は聞いておりません。つい二年ほど前に、根本大臣が発案いたしました。その発案の根拠といいますのは、水戸の射爆場が米軍から返還された場合に、そこにもし大規模な港をつくったという仮定の上において、その水戸、宇都宮、前橋を結んだらどうかという構想が出ております。と申しますのは、現在そこに国道が通っております。しかし、国道はいまがらがらでございます、現実にそういうふうに流れる車はございません、ということが一点でございます。それはお答え申し上げたわけです。  それと第二点は、ただいままでの道路計画そのものが東京とか大都市を中心にいたしまして、放射状にしかいっていないんじゃないかという御指摘のようでございますけれども、決してそういうことはございません。たとえば、すでに御承知と存じますが、十年ほど前につくりましたあの国土開発幹線自動車道七千六百キロでございますが、ただいまできておりますのは東名、名神しかできておりませんので、やや大都市中心というふうにお考えかもしれませんが、現在すでに全国、北は北海道から南は九州の果てまで全面的に工事にかっております。これはまさに新全総をもとにいたしまして国土の均衡ある発展を考えての行為でございまして、決してわれわれが単に大都市中心であるとか、放射状だけではございませんで、全国的なネットワークを考慮してつくっているわけでございますが、簡単に申しますと、この七千六百キロのネットワークはいわゆるいまの高速道路網の考え方に立脚いたしまして日本のあらゆる地点の、ある所から一時間以内に高速道路に達するような位置に、大体、網を配置しております。そういうような観点から国土の均衡ある発展を考えておりますので、決して放射状だけだということは当たらないのじゃないかというふうに思っております。
  89. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 たいへん大きな問題で、そっちから聞いてまた私も言いたいことはあるけれども、これはまたあらためていろいろ伺うことにして次の問題にしたいと思いますけれども、先ほど今度の原因究明は三者で協議してというふうにおっしゃっていましたね。私、これを見せてもらっても、「事故防止への提言」なんというのはすごく簡単なんですね。こんな簡単じゃしょうがない。これから逐次調査の上お出しになるのだろうと思うけれども、そこのところを詳しく具体的な問題を出してもらうことと、こうしてやればわがほうの立場としては十分安全の立場は守れるというようなおたくとしての率直な意見を、予算なんか計算して、これは無理なんだろうと引っ込めないで、こういうことをやって安全を守りたいというような立場で、どんどん原因調査と今後の対策というものを出していただきたいということをお願いしたいわけなんで、それが出ましたらぜひいただきたいし、私たちも検討させていただきたいのですが、大体そういうような調査と今後の対策というようなものはいつごろまでにお出しになる御予定でしょうか。それを伺って終わりたいと思います。
  90. 片岡誠

    政府委員片岡誠君) いつごろまでといっても、ちょっといまむずかしいと思いますけれども……。
  91. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 またそのうち事故が起こりますよ。
  92. 片岡誠

    政府委員片岡誠君) 至急に連絡協議会を開きまして検討する。それから別に連絡協議会にかけなくても、おのおのの役所で直ちにできることはもちろん直ちに手を打ちます。しかし、お互いに連絡をとっていまやったほうがより合理的であり効果的なものにつきましては、連絡協議会に上げてやってまいりたい、そのように考えております。
  93. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 まだ未定ですか。具体的にはわからないということですね。
  94. 藤原道子

    委員長藤原道子君) いろいろ御質問が出ましたけれども、御答弁になったことを必ず実行するようにお願いしたいと思います。  いろいろ皆さんから御質問が出ましたけれども、私も沼津でございますからときどき高速道路を通るのでございますが、非常に霧が危険なんでございます。ですから、霧のときにはその時間のスピードを落とすということはぜひ考えてほしいということが一つ。  それからもう一つ、追い越しが非常に多いのですね、百キロ以上飛ばす、あれはパトロールを幾らふやしたって——そういうことの御注意はしていらっしゃるのでしょうか。非常なスピードで行くでしょう。私ども車で参りますと、運転手さんが、普通の道路を二時間走るより高速を一時間走ったほうが先生疲れますよと、こう言う。車間距離をこっちが保とうとするでしょう、その間へその間へと入ってくるのですね。こういうことに対しての御注意は、いままでしていらっしゃるのでしょうか。パトカーを幾らふやしたって、危険を防止しなくちゃ何にもならない、飾りじゃない。それはどうなんでしょう。
  95. 片岡誠

    政府委員片岡誠君) もちろん飾りじゃございませんで、パトカーのパトロール頻度をふやせば——パトカー自身にマイクをつけておりまして、軽微な違反についてはマイクで注意をしていく。しかし、悪質な違反については検挙する、そうしてスピード違反で検挙していくという、そういうことでなければ有効でないと思うのでございます。それは現在もやっておりますし、あと問題は、車と人をふやして頻度を多くするということにかかっていると思いますので、そういう面で今後とも努力してまいりたいと思います。
  96. 藤原道子

    委員長藤原道子君) ぜひ安全教育等もあわして、ほんとうに安全のために御努力を願いたいと思うのです。  それからもう一つ、さっき阿具根さんから資料の要求がございましたね。それはぜひ出していただきたい。事故の件数、それをひとつお願いいたします。  他に御発言もなければ、本件に対する本日の調査はこの程度といたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時二十分散会