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沢田政治君 時間も参ったようでありますので、まとめて
質問いたします。
それは、こういう
都市が新しく開発され、一応設備も近傍よりもいいと思うのです。新しいものはいいものにきまっている。新しいものが古いものよりも悪いはずはない。そうなりますと、その地区において新たなる
生活環境の格差とか、そういうものが出てくる可能性もあると思うのです。せっかく協力したのだけれども、新しくつくられたほうがいま自分が住んでいるところよりも非常によくなる、それはその限りにおいてはいいですけれども、格差が出てくると、やはり地域の協力とか、心理的なみぞというものもこれは出てくると思うのです。そういう
意味で新しいそういうニュータウンをつくる場合でも、そう遠くまでではなくて、少なくとも近傍のやはり
既成市街地に対するその恩恵を浴さしていく、格差を詰めていく、こういうような開発と同時に、波及
効果も周囲に及ぼすということ、こういう配慮が必要じゃないか、こういうように
考えますので、その配慮に対する見解を聞きたいというふうに
考えます。
もう
一つは、これは
大臣に最後にお聞きするわけですが、
日本の経済が民間設備投資の誘導によって高度成長をなされてきた。これが壁にぶつかった。そうして発想の転換と称して、今度は公共投資の主導型にしなければならぬ。そうなると、何といっても不足なのは社会資本の不足、社会保障の不足、なかんずく
住宅なわけですね。それは
大臣も知ってのとおりであります。これは国民の一致した見解だと思うのです。何が
政策が不足かというと、そこにくると思うのです。それで各官庁はじめ、たとえば農業白書とか科学白書とか、白書が盛んに出ておるわけです。特に国民にとって最も必要な
住宅政策、社会資本の
政策、これに対しては
現象は追っていますね。足りないからニュータウンとか何とかと、こういっていますが、これは
住宅を持っている国民にはまだぴんとこないのです。問題の深刻な点をわからぬ面もあると思うのですね。だからこれだけ周囲から、また世間からこの
政策は不足だと、こういうものがなくちゃならぬということを要望されておる最大の
政策に対して、ただ何となく足りないから何カ年
計画でやるということだけでは、私は姿勢に欠けるものがあると思うのですよ。だから、わが国の
住宅は量的にはどれだけ不足なのか、質的にはどういう状況にあるのか、将来この質をどういうふうに、何といいますか改良していくのか、そのためにはどういう
計画を持って、隘路は何か、今日までどういうことをやり上げてきたのか、将来どうやるのかという、やはり
住宅白書くらい出して国民の理解を求め、そうしてやはり前向きで私は
政策をとっていく必要があるのじゃないかと思うのですね。
法律をつくられるのもけっこう、この
手法が悪かったらあの
手法ということを試行錯誤してもけっこうですが、ある程度の将来に向かっての基本がなくちゃならないと思うのですね。そういう面に向かっては、
大臣も努力しないというのじゃありませんが、ちょっと欠ける面があるのじゃないかと思っています。わが党は、道路とか川もけっこうだけれども、
建設省が片手間というのは語弊があるのでありますが、片手間に
住宅政策をやるのじゃなく、むしろ前向きに
住宅問題を解決するためには
住宅省ということで——あまり機構を拡大することは私どもも賛成できませんが、少なくとも国民の関心事である
住宅を
計画的に大量につくって、質的にも向上させるためには、専門のやはり行成所管を置いてやったほうがいいじゃないか。行政所管までこれは別としても、そういう
住宅白書をやはり年々国民に発表し、みずからのやっておることを評価されながら、国民の支援を受けて
住宅問題を解決していくという、そういう姿勢があるのかどうかをお聞きして、私の
質問を終わります。