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政府委員(藤尾正行君) 非常に理にかなった春日
委員のおしかりといいますか、御
指導と申しますか、いまちょうだいしたわけでございますが、私は一々ごもっともだと思います。ただ、私が申し上げたいと思いますのは、いま
建設省という立場で言われたわけでございますけれ
ども、その陳情受けましたときに、私はそこのところが非常にいかぬことかもしれませんけれ
ども、私の部屋で会ったわけでございます。しかも、その来られましたのはお隣のお隣の中島さんの女の秘書さんが、ちょうど先生がおられないから聞いてやってくれということで来られたわけですから、おそらく道路の陳情か何かだろうかということで、私は気軽にそこで受けちゃったものでございますから、もしこれがテーマがこれだといって言われれば私はお断わりしただろうと思いますよ。ただそこで問題は、
建設省として、おまえは政務次官としてふさわしくないではないか、私はまことにほんとうにそうだと思います。と思いますけれ
ども、その問題の第一は、非常に重大な点は、足尾のいまの鉱業所ですね、それは管理しておりまするのはこれは通産省でございますし、水質の問題ということになりまするというと、これは環境庁でございますし、あるいは経済企画庁でございますし、あるいはそれがもしかりに人体に影響を及ぼしておるということになれば、これは厚生省の問題になります。あるいはこれが農業に
被害を及ぼしておるということになりますると農林省の問題になります。そういった政府の各機関の合意、そういったものがなくして、一
建設の代表である私が、その非常に各般にわたりまする問題について、春日さんの言われるように、第一条はこうだ、第二条はこうだというような御
説明をすればよかったのでございますけれ
ども、まあそういうことをやること自体が政府に対する私の非常な行き過ぎである。私の関連、もしかりに御指摘のとおりの問題であるといたしますと、これは私は河川に残った、残留した汚泥の問題だろうと思います、もし
建設省に問題あるとすれば。でございますから、その問題がもし出てまいりましたならば、
建設政務次官の立場として私はお答えができたわけでございますけれ
ども、その問題が出ない前に問題がぐじゃぐじゃになっちゃいまして、ほんとう言いますとその問題は
一つも出ておりません。ただその中で、それらしきものがあったと思いますのは、水質のこれからの
基準を厳重にいたしまする際に、重金属としていままで問題になってなかった銅を一体取り入れるかどうか、こういう問題が関連をいたしておると思います。しかしながら、それにつきましては、そういったものの認定は私
どもの所管ではございませんということを私は答えておりますし、また、じゃそれでは残留したカドミウムの、そこがまあ一番けんか別れになっちゃったところでございますけれ
ども、カドミウムのいままでの農業
災害というものに対してどうだと言われましたときに、私は、そのカドミウム米というものに対しましては少なくともいままではそれぞれの府県がそれを買い入れておるという事実がございますと言ったときに、もう出られたわけでございますね、そこでもうけんか別れになっちゃったわけです、事実は。しかしながら私は私なりに考えまして、その後もいろいろと反省をいたしておりますけれ
ども、私はほんとうはこう考えるわけです。この前もそれは公害
委員会でよけいなことを言いまして、もっと短くするようにとしかられましたけれ
ども、全体の、これは足尾だけでございません、いままでのこれは三井金属の問題にいたしましても、あるいは水俣のチッソの問題にいたしましても、全部が全部川の上流で、つまりものを取っておるところでございますね、そこに鉱業所があって、それが川の水の中に流れ出てきて、それが魚に入ったり、あるいは農産物に入ったりして公害という問題が起こっているわけでございますから、私
ども政治家の態度といたしましては、そういうところの根源の問題、山の上にそういう鉱業所があっていいのか悪いのかということを突き詰めていかなければいけないんじゃないか。むしろ、これはまあはなはだ言い過ぎなことがございますけれ
ども、私は一政治家といたしまして将来ともこの問題に取り組んでまいりますけれ
ども、私が考えますと、いまはとにかく日本の国にたくさんの外貨がございます。そういった際にわざわざ、貧鉱の足尾の場合なんかわざわざこれ、買鉱しているわけですね。二倍も三倍ものものを買鉱して、わざわざ足尾へ持っていって、そうしてそこで製錬しなければならぬ理由が一体どこにあるのだろうか。そうでなくって、それならば外貨がたくさんあるわけでございますから、銅が必要なら銅そのものを買えばいい。カドミウムが必要なら、そんなことありますまいけれ
ども、カドミウムも買えばいい。水銀が必要なら水銀を買えばいい。そうしていまの鉱業所を、山の上にある鉱業所を、これを、むしろいまの石炭問題の、石炭におきまして閉山いたしております、閉山したものを政府は買い入れております。それと同じ方式をもちまして、公害を将来とも絶滅するように、そういったもとになるその山元の、山の上にある鉱業所を、むしろ今後はつぶしていくというようなことこそが、私
どもに与えられた仕事であり、これが公害というものに対しまする私
どもの姿勢でなければならぬ、私はそういう考え方を持っておるわけでございます。でございますから、その
部分部分のこの問題をつかまえてきて、そうしてこの問題はどうだ、この問題はどうだという問題のとらえ方、そういうこととは私の所見が全く違っておる、そういう点を強調したかったわけであります。しかしながら、まあ問題がそこまでいかぬ間に、これはもうまことに申しわけのないことでございますけれ
ども、ただいまも先生御案内のとおり、私の声が、こう普通の声出しておりましてもでかい声でございますし、ましてや、いま私は病気でございますから、かっかときますとすぐ、でかい声の上に多少の大きな声がよけい加わりますから、そういったことで、非常な、そこに異常な空気をかもし出してしまったということだと思います。まことにこれはそういった粗野な態度、応接のしかた、よろしくないと私も考えております。しかしながら、私自身も、これは私の先生が実は高碕達之助先生であったわけでございますけれ
ども、私は政治家になりましたときに、決して巧言令色をするなと、いいことはいい、悪いことは悪いと言えと、そうしていいことなら全身全霊でやれいと、悪いことは拒否せい、ということをきびしく私はたたき込まれたつもりでございます。そういったことと、私のこの粗野な性格が一緒になりまして、そういうことに発展いたしましたわけで、実は私の部屋の中におきます陳情の
方々とのそういったもの別れみたいなことは、ほんとうは、まことにこれほんとに自慢にも何にもならないことでございますけれ
ども、いままでも何回もございます。そのたんびに私は大声あげてお帰りを願ったというようなことになっております。まことにそういうことはよろしくないことで、先生の言われまするように、
一つ一つをこまかく砕いて、そうして、これはこうだよ、これはこうだよというようにやっていかなければならないもんだということを、つくづくいま反省をさせられておるわけでございまして、今後、私がこれに対しましてどのような態度をとっていくかということにこれがあらわれてまいると思いますから、ひとつ、そのおしかりは、今後の私の行動の上でひとつ御批判をちょうだいをいたしたい。御迷惑をかけましたことにつきましては、くれぐれもこれはおわびを申し上げます。