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茜ケ久保重光君 方向がいいということだけでは相済まぬと思うのです。というのは、たびたび申しますように、四十七年度は、あなたの
政治的な手腕によって、これは
日本の
景気を
浮揚し
国民生活を安定するという重大な
責任を負っていらっしゃる。そこで、自民党員
西村としてはいろいろなことがありましょうけれ
ども、少なくともそういったものに
政治的に
責任を持っていらっしゃる
建設大臣としては、あるときは職をなげうつ決意もして
所信を遂行するだけの、やはり信念と申しましょうか、が必要であろうと思うのであります。
特に、私はこのことについて申し上げるのは、そのことのよしあしは先ほど言ったように別としましても、四十七年度の
住宅計画を予定どおり遂行するためには、かなり思い切った
土地政策をお持ちにならぬと、これは容易じゃなかろうと思うのです。あなたも先ほどおっしゃったように、そういったものは
国民の側に立ってこれはやらなくちゃならぬ。もちろん農民も
国民であります。農民の方のいわゆる
生活をおびやかしたり、またはその
土地を収奪するようなことがあっては相ならぬと思いますけれ
ども、しかし、現実にかなりの地価高騰よってたいへんな利潤を、利潤と申しましょうか、所得を得られる方がたくさんあるわけです。今日、
日本の長者番付を見ますと、
土地による所得がもう非常に上位にある。いかに
土地が、これは場所にもよりますけれ
ども、値上がりしているか。またこれは別な
観点から問題にしたいと思うのでありますけれ
ども、その
土地の所有者が、営々として自分の汗とどろによって築きあげた結果がそういう所得になったならば、これはもう当然でありますけれ
ども、本人の
努力もなければ何もない、ただ偶然その場所が
都市の周辺であったということ、あるいは宅地造成に適した
土地であったという偶然からくる、ばく大もない所得であろうと思うのであります。これに対しては、私は、ある
程度の処置はやむを得ぬであろうと思うのです。いわば、不労所得とは申しませんけれ
ども、まあ、それにやや類するような点もあると思う。
したがって、私は市街化
区域におけるA地区に対する処置は、
大臣として、やはり
住宅政策を完全に遂行するためには、いま問題になっているような——私はそれこそ政策的なあるいは国政の運営上、きめた
法律を変える特別な状況変化とか、事情が起こった場合は、これはやむを得ぬとしても、この
法律は一年前にできて、その後何ら状況変化もなければ、同じ条件なわけです。ただ
関係者の反対が強いからということで、ここではっきり申し上げると、特に今日、総選挙が近いであろうという見通し、私も総選挙を何年かやってまいりましたが、総選挙を前にして問題化されている。そこに私は非常に遺憾の点を
感じる。もしいけないことなら、一年延期など言わずに、取り消すなり別な
対策を立てるならまた話はわかる。一年延期しなきゃならぬという根拠はないわけです。したがって、私はこれは総選挙
対策としか
考えられない、こう断定してもはばからぬと思うんです。そこに
国民の不信も生まれてくるし、また、いわゆる
建設行政のやはり一つの行き詰まりも出てきょうと思うのです。したがって、方向としてはいいけれ
どもということばでおっしゃったのだが、それなら、
建設行政を担当していらっしゃる、
責任を持っていらっしゃる
西村大臣としては、これはやはり自分の
立場から、ひとつ断々固として、一つの強い方針を打ち出していくというだけの決意がおありになってもいいと思うのですが、重ねてその点、もう一ぺんお伺いしたいと思います。