○安永英雄君 時間がありませんから、最後に私は注文をしておきます。言いたいことたくさんありますが。また文教
委員会等でやりたいと思います。
私はやはり、いま大臣がおっしゃったのも、
一つのこの事件を契機にしての反省、それで行政に移してもらう
一つの点だと思います。しかし、大きな点で私は注文をつけておきたいと思う。それは、医師養成の問題については、
文部省のほうで長期の計画というものを持たれないところにこの事件が起こってくる。これは私の言いたかったところで、行き当たりばったり、私はごく最近の数年のあれを見ましても、国立で四十五年以降の設置でありますが、秋田の大学に医学部を設置した以降は国立はない。医学部では、私学で十二校について設置している。それから歯のほうでも、五校全部認可したのは私立大学、国立は
一つしかない。こうしたところに問題があるわけで、私立に全部まかしてしまっておるというところに問題がある。私立も公立も含めて長期を見通した
文部省の計画がはっきりしておれば、将来ここで国立の大学ができたりするということがあれば、そこのところにはつくらせない。また、つくりませんよ、そこのところには。ともかくも、いま行き当たりばったりで、金と土地と
先生さえ集まれば医科大学商売は簡単にどこでもできるというふうになっているところに問題がある。これは
文部省が長期にわたっての計画を持たないからいかぬですよ。福岡だって、先ほど言いましたように、
北九州に歯科大学がある、福岡にも九州大学歯学部がある、今度またつくろうというのです、三校。多いほどよろしいのではないんです。四国に行ってごらんなさい。あの四国各県に一校も歯学はない。歯学養成
機関はない。こういった
全国的な分布というふうな形で
文部省が長期計画をするならばです——ないと思うのですよ。
北九州あたり、悪い
ことばかりこのごろ新聞にぎわしておるのは歯科のお医者さん、ちょっと横道ずっと路地見たら必ず一軒は歯医者さんがあるくらいにかたまっておる。あるところに行ったら、全然四国全島に歯科大学がない、歯医者さんのところまで行くには泊まり込みで行かなければならないという状態がある。こういった問題はただ単に
文部省だけではないと思いますけれ
ども、これは厚生省の
関係もあると思いますけれ
ども、学校を建てるという問題の長期の展望の計画というものをぜひひとつつくって、そしてこれを広くやっぱり知らしておく、こういうことが私は問題の解決の
一つだと思う。
それから、私は、私学というものに金を与えるけれ
ども口は入れるなという私学の
特殊性というものについての
文部省の配慮というのは、これは正しいと思う。私学は私学のいいところがあるわけです。しかし、それは、学校というものができて、その
教育活動が行なわれて、その
教育内容について
文部省がいろいろ口出しをするなというのが原則であって、学校をつくり上げるまでについては、これは
文部省十分責任を持たなきゃならぬ、私はそう思っております。私の
見解はそうなんです。だから、でき上がるまでについてはそういった不正がないように。そして、私は言いたかったのでありますけれ
ども、年次計画あたりでどんどん基準をゆるめていっておる。足らぬものですから、私学のほうで医者を養成してもらうために、年次計画を立てて、まあとにかく
事業に差しつかえがなかったらこの基準はこのくらいで許してあげますなんてどんどん下げていっておる。こういうところにも問題があるわけです。首振っておられるようですが、第一、
文部省自体に設置基準がないじゃありませんか。医科、歯科の設置基準がありますか。この認可基準はあるけれ
どもへ設置基準は別に定めると言って、いまだにないですよ。そしてその設置基準というのは審議会のほうにまかしてしまっているじゃないですか。
文部省にこの医科、歯科の問題について設置基準がないというところにも大きな問題があるのです。その点をはっきり言っておきます。あるというならば、あると言ってください。別に定めると言っておいて、そして審議会のほうのあれを使っておるでしょう。ここらあたりも、
文部省は、一ぺん
申請が
文部省に来たときに機械的に審議会にほうり込んでおるという証左ですよ。厳重にやはり
文部省の基準というものに照らしていかなければ、よその持っておる、諮問
機関の基準というものにまかせていくところにも、私は問題があると思う。
それと最後に、私は、いま
文部省の中に数千万円の
金額がばらまかれたとか、あるいは二人が酒食のもてなしを受け、物をもらった、こういう事実
関係のあるということは知っておりますけれ
ども、調べておりますけれ
ども、いまのところ、まあ
局長がおっしゃるように一切ないにしても、私はそういう疑いがかけられるようなことは綱紀がたるんでおると思う。このことについては
一つも
文部省当局は触れないけれ
ども、そういったやはり疑いを受けるような、そしてもらう、持ってくるというようなすきを与えるような態度そのものに問題がある。そのことをやっぱり反省しておかなければならぬし、そういった指導上の機構の問題もさることながら、これに当たる係官のやはり綱紀粛正という問題も、何もそういうことは本人調べたところありませんということでなくて、やっぱりそういうものをもらうすきを与える、またそういう
機会があるということについては、これを厳重にやはり粛正をしなければならぬというくらいの反省は、私はなさらなければならぬと思う。一言も出ない。私は、以上四点について、もうこれは時間がありませんから、注文をつけておきたいと思います。
以上で終わります。