○黒柳明君 これにつきまして、当然国家公務員法百四条の
規定においてもこれは違反している事実である。いま、あくまでも当局がこういう指示をしたのではない、私もそうであってほしいと思いますけれ
ども、私が調べました保険加入者協会、この
実態、それからどのように募金が行なわれているかという
実態、これと照らし合わせてみますと、必ずしも自発的にこういう基金募集が行なわれているのかどうかということが非常に疑わしい。一言で言うならば、まあ悪いことばかわかりませんが、
郵政省ぐるみでこういう組織をつくっているような疑いが非常に強い。なぜそういう疑いを強くするかというと、これから
指摘する数点の事実であります。
まず第一点は、この保険加入者協会、この役員ですけれ
ども、これはもう御承知のように、いただいた資料、理事長が元の簡易保険
局長の白根さん、現在の給料が二十五万です。退職当時の給料を若干上回っているような額です。その
あとの専務理事が元の松山郵政
局長、理事が東京地方簡易保険
局長、いずれも十九万、十五万。役員七名のうち一人を除いて、すべてが元の
郵政省の
局長です、役員七名とも。さらに、役員以外、理事から以下の職員、その中に元
課長補佐以上が三十二名、しかも全職員百六十一名のうちほとんどが郵政のOB、しかも中央の保険加入者協会の事務所は
郵政省の飯倉分室内にあります。全国十に分かれておりますが、その十の統轄本部。北海道地域、東北地域、関東地域、すべて各地方郵政局の中にその事務所を置いている。こういう人的構成。さらに、現在事務所がどこにあるかという、こういうこと。事務所がありましても、当然この賃貸料を払っていれば、これは文句ない事実でありますけれ
ども、まず人的構成、しかもその統轄本部長以下支部長が、いま申し上げたように、全部元郵政のOB、職員百六十
一名がほとんどOBですから、その長にいるのが全部OBである、こういうことです。さらに出版物、こういう「展望」という出版物を出しているわけでありますが、これが月刊で八千六百部、本省の買上げが毎月四千四百、そのほかの四千二百はすべて各地方の郵政局で全部買い上げている。単価八十四円九十銭で買い上げている。しかも、その執筆者というものは、ここに書いてあるように、郵政局の各課、各係が原稿を出して執筆している。ここらあたりも、従来から
指摘している、原稿のアルバイト料、悪いことばかもわかりませんが、かせぎということもあるんではなかろうかという
——従来
指摘されているんで、そこまでは今回調べませんでした。しかも、これ
一つだけじゃありません。「展望」だけじゃありません。そのほかの出版物、要するに、郵政内でつくって、各郵政局で買い上げている、こういうシステムはいままでのシステムと何ら変わりがないわけであります。まあこういう人的構成、あるいはその事務所の所在地ないし出版物の発行のしかた、その買い上げ方、さらにはこの協会の四十五年の収支の
状況は、出版の事業収益が一千九百九十万、それからいわゆる共済
制度による収入が四億七千七百万、相当加入者があるわけです。そのほかは何もやってない、こういう性格の協会です。ですから、この出版事業の一千九百万というのは、これはあくまでも郵政内のものであります。郵政内でつくり、協会というものをルートにして郵政で買い上げ、地方郵政局にまた買い上げさせる。さらに、四億七千の寄金の収入ということがこの協会の唯一の資金源であると、こういうこと、まあいろいろさらに問題点は
指摘したいと思いますけれ
ども、こういう仕組みはすべて郵政ぐるみ1先ほど冒頭に申しましたように、郵政ぐるみでこういう寄金の募集をやり、そしてこういう組織をつくったんではなかろうかという疑惑を非常に強くするような仕組みなわけであります。まあ、いま
局長さんが
指摘されましたように、こういうことはうまくない、こういうことであるならば、今後これに対しての当然改善策というものの手が打たれなければならない、こう思うんですけれ
ども、まあ当面これについてどのような改善策の手を打たれる予定なのか、その点どう考えておられるのか、ひとつ御見解をお聞かせいただきたいと思います。