○黒柳明君 もう政務次官にそう言われますと、私はそのあとにもうすべて何にも言わないで済んじゃうような気がしますが、ただ、私の持ち時間まだ三十分ぐらいありますので、若干私、
調査した
内容がありますので、あくまでも、しさいにわたっては私も控えたい点もありますので、ただ、政務次官も御認識していただければ、さらにその処罰云々の問題の作業も進むんじゃなかろうか――私は別にそんな処罰なんかするケースじゃないと思いますけど。ひとつ、この綱紀の乱れということに対して、特にこの公益法人、もう何回も指摘されております。総理もこれに対して重大
決意で臨んで、しかも行管長官も取り組んでいるわけでありまして、ひとつ、いまのお覚悟のほどを――私の資料をもう一回お聞きいただきまして、さらにその上に立っての実質的な作業をお進めいただければと思いますが。
私が調べた中では、いろんな公益法人があります。いまの四十三、四十四、四十五、四十六、道路協会、あるいは河川協会、国土開発協会等々から、四年間で六十八名行っているわけでありまして、政務次官、たとえ微少たりともまかりならぬと、こういう前向きの御答弁で、非常に私も確信を持てるわけでありますが、たとえば、こういうケースがあるわけであります。
これは最近の四十五年、これは建設省の土木
研究所所長ですね――すみません、個人名あげますが、伊吹山四郎さん。フランス、オランダ。四十五年六月三日から六月十四日まで十二日間。六十一万九千八百円。
それから、道路局路政
課長補佐末吉興一さん。米、英、オランダ、ドイツ、スイス、イタリア、フランス。四十五年九月三十日から十月二十九日まで三十日間。七十四万九千八百円。
あるいは、土木
研究所の企画部企画
課長さん。フランス、イタリア、ドイツ、イギリス。四十五年十月三十一日から十一月十四日まで。六十万四千八百円。
以下、四十四年、四十三年――個人の
名前をあげたことは、決して私この人に恨みも何もあるわけじゃありません。問題を具体的にするために、あるいは御当人には御迷惑がかかるかと思いますが、事実なものですからひとつお
名前をあげさしていただいたわけでありまして、四十四年もしかり、四十三年もしかり。こういうことで、いまおっしゃったように、民間法人から金をもらって外国出張している。
しかも、これはもう想像にかたくないと思いますが、具体的には控えさしていただきますけれ
ども、この道路協会にしましても、あらゆる業界が、業者が、業界の代表が役員に入っております。現実にそこから特別寄付金、要するに金も入っております。それからさらに
調査委託費も政府から出ている、こういうようなことであります。そうなると、どうしてもやっぱり、何も業者の金で海外出張したとは言わなくても、そういう資金が入っていることについては、非常にやっぱり疑惑を持たれざるを得ない、公務員の姿勢としまして。さらに、先ほど行管のほうの勧告、公務員と公益法人の公私混同、癒着の姿勢。この勧告が建設省としてどう受けとめているかという疑問もまだここに残っているのではなかろうか、こういうことであります。
さらに、いまの
調査委託費、もうちょっと具体的に、ちょっとここで――政務次官お知りじゃないと思うんです。
御存じないんじゃないかと思うんです。たとえば、こういうケースがあるんです。四十三年は
調査委託費が道路協会に千二百八十二万出ているんです。ところが、使わないで、翌年度繰り越しが九百三十四万。さらに四十四年は建設省から
調査委託費が千八百七十万。またこれ使わないで、四十五年繰り越しが八百六十三万。さらに、それが四十五年になりますと、これは約千六百七十万――まだ
決算はいま四十四年の
決算ですからね――さらにそれが五百万ぐらい繰り越しということになります。じゃあ何のために委託
調査費を出しているのか。その委託
調査が六割から七割全部繰り越して、しかもそれは、四十三、四十四、四十五、四十六見ただけでも、毎年毎年過半数が繰り越されている。こういう建設省が委託
調査費をなぜ道路協会に出さなければならないのか。これも、河川協会も、あるいは先ほど申しました国土計画協会等々も、こういうケースが見られる。これは明らかに、委託
調査という名目で、極端に言えばですよ、この金で、自分で委託
調査費をつけて、自分でその金で海外出張しているのかと――まあこういうことはないとは思いますけれ
ども、そういう疑惑もここで目を向けられてもいたしかたないようなこういう金の配分になっている、こういう面もここにはっきり出ているわけであります。これがまた四十六年にこういうことになると、それこそ行管の勧告どこ吹く風と、あるいは委員会でたびたび――これは私覚えているだけで五回目なんです。もう公益法人のことは今回でやめにしたいと、こう思いましているわけですけれ
ども、あまりにも、やればやるほど改善されていない面が出てきていますものですから、いま取り上げているわけでありますが、さらにいまの民間法人からお金をもらって海外出張をしている。委託
調査費が非常にでたらめである。さらに、まあこれはちょっと
官房長のことになって、申しわけない――内規つくっていらしゃいますね、内規をつくってこれを正当化しているんではなかろうか、こういう私は疑問を持ったんです、
官房長と
お話ししていたときに。あくまでも法律が優先する――言うまでもありません。その法律には、ちゃんと国家公務員の規定がのっかっているわけです。もしもこの内規を
ルール化することかあたりまえとなっているとすると、これこそ、これもまた一つの大きな問題ではなかろうか。さらに私は、これこそ、まあ
課長、係長じゃない一課員の問題ですから具体的に
名前はあげませんけれでも、同じ公益法人から海外の留学奨励金というような名目でせんべつをもらっている。まあせんべつをもらっているケースも中にありますけれ
ども、こういう、協会とやっぱりなれ合いでそういう委託
調査費の水増しとか、海外の出張費とかになりますと、このせんべつ金までも何か白い目で見られる、こういうケースもここにあるんではなかろうかと、こういうような――これは私の
調査であります。私の
調査と同時に、
官房長ともこの点
いろいろ話し合いましたが、ひとつまず
官房長、あるいは政務次官でもけっこうです、もう私、申しましたように、先ほどの答弁いただけば、私すべてこれは、何もこまかいこと申さなくとも――さらに言うと、政務次官、こういうことなんですよ。この
目的、
調査目的ということに対すれば、何を
調査しに行ったのかということになりますと、これは具体的に私言いません。アメリカに行ってるんです、ある人は。ある人はアメリカに半月以上行ってます。道路事情の
調査――ラスベガスに行ってマイアミに行って――これはラスベガスの道路
調査あるでしょう。マイアミでも道路事情の
調査をやって悪いとは私言いませんよ。ところが、ラスベガスというところはギャンブルの町でしょうね。マイアミというのは観光地、一年中避暑の地でしょうね。もしこういう個所が出ていただけでも、これは幾ら正当化しようと思ったって、おかしいなと思わないほうがこれはふしぎなんです、そうでしょう。それからもう一つありますよ。このせんべつ旅費、
官房長と話したときには、公務員の旅費規定に準じて払った――確かにこれを見ますと、たとえばカナダ、アメリカ十五日、四十九万二千百五十円、確かにいいんです。妥当なんです。これだけでそれじゃ行っているのかどうか。業者からせんべつもらって――何かもらってませんか、もらってますよ。そういうことになりますと、それこそ私は、そういうこともあるいは
御存じで政務次官が処分しますとこうおっしゃったんではなかろうかと、ならば私何も言う必要はないとこう思ったわけでありますけれ
ども、こういうことまでこれに付随してくるんです。だから、何回も言うように、こういう公務員と公益法人との、しかも民間の金が入り、
国民の税金が入る。そういう金の運営については、それこそ透明なほど透明じゃなきゃならない。にもかかわらず、そういう、あらゆる角度から疑惑を持たされるようなこういうものについて――まあ間もなく長官がいらっしゃいますけれ
ども、いま政務次官、四点、五点ぐらいにつきまして、私の
調査に基づいて――これは私の私見をまぜて言ったわけでありますけれ
ども、またもう一回いまの
お話をお聞きになって、どのようにお感じになるかということを、ついでかと思うんですが、いかがでしょう。