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森元治郎君 この問題は、国務省を待つまでもなく、
日本側がイニシアチブをとって問題を先取りしてしまうという態度が必要だと思うんですね。こっちがイニシアチブをとる。そのイニシアチブ、何を要求するかというと、簡単だと思うんですね。それは簡単だと思うんですよ。戦争の結果平和
条約で北緯二十九度以南の南西諸島
——沖繩を含む南西諸島
——もちろん
尖閣列島入りますが、南西諸島の施政権を
アメリカが持つ。潜在主権はあるけれ
ども、三権については
アメリカが施政権を当分の間行なう、こうなっているんですね、
日本の領土だから。施政権は、
日本の潜在主権を認めたのです。領土と認めるから、
向こうがそういう
条約ではっきりして、一応施政権のもとに治めた。今度返すということは、眠っていた主権が顕在化するということですね。ですから、
尖閣列島は、眠っていたものが地上に出て立法、司法、行政の三権のもとに入るわけですから、これは当然
日本は
説明も何も要しない。領土であるがゆえに
向こうは押えた。施政権を押えた。領土でなければ、何を押えたのかわからない。他人の国を押えたんではなくて、
日本の領土を押えたんですから、これははっきりしている。ですから、潜在主権が顕在化すれば、何も
説明を要せずして
日本の領土である。問題は、その
あとにそのよけいなことをつけ加えるのが気に食わないわけですよ。問題があればその当事者間で話したらいいだろう。だめな場合は裁判のような形式で解決を願ったらいいだろう。
わが国はそういう際にはまん中、中立なんだと、よけいなことを言うのですね。必要ないのですよ。だから、
アメリカが言うべき、われわれが
期待しているのは、
日本の主権があった、潜在主権があったところの島々を主権を顕在化させるのである。これ一本でもうどんぴしゃりなんですよ。それ以上、
アメリカはよそから聞かれてよけいなことを言う必要はない、どこに所属しているかなんて変なことを。この点だけを強調して私は申し入れるべきだと思うんですね。新聞の見出しもなかなかうまくついていると思うんだが、「
発言はつつしめ」なんて。「米に厳重申入れ」、新聞記者の感覚のほうが
外務省よりもどんぴしゃりなんですよ。よけいなことを言うな、ということですよ。当事者で話し合うことは当事者が考えることで、第三者の
アメリカがよけいなことを言う必要はないんですよ、当事者が考えますから。どこかよその国から、おれのほうだって言えば、違う、
交渉しよう。それはこっちがやることです。
向こうは返せばいいんですから、返したものの行き先がどこであるかということはよけいなことである。この点はきわめて明快です。私は沖繩返還前にこんな不愉快な、対米不信をさらに深めるようなことは、これは
アメリカにも十分注意を喚起する必要がある。対米不信
——竹島問題とあわせて対米不信につながりますよ、これは。
大臣は、もう飛行機で飛んでいって、くだらぬことを言うなと
——ちょっと
国会休んで、時間あげますから飛んでいってやってくればいいんですよ、こんなものは。足がおそいんですよ、
日本の外交は、かっこうつけていて。これはごまかしてはいけませんよ、簡単なことなんですから。
アメリカの
理由なんか、施政権と主権をはっきり区別して論議しているなんというあほうなことはないですよ。主権のおるところを
向こうが押えて、しばらくは主権を眠らせておいて、その間は
向こうは施政権を行使したわけですよ。
向こうの新聞記者の質問に対して答えたんでしょうが、国務省のしゃべり方なんというのはダレスそっくりだね、これは。
アメリカは弁護士がなかなか横暴ですから、力があるから、三百みたいなことばっかり言うんですね。大
アメリカのメンツをそこなうものは私は弁護士だと思う。ロジャーズもそうだ。ニクソンもそうだ。みんな弁護士なんです。(笑声)弁護士がおられてあれでしょうけれ
ども、
向こうはほんとうにけしからぬのだな。弁護士は自分の立場なんかない。弁護士なんというのは、悪いことをしたやつを弁護するもんで、立場はどっちだって平気なんですから、これは。こういうことを、国際問題で、しかも領土の問題でやられてはかなわぬですから、私は厳重に申し入れをすべきだと思う、文書で。黙っているならば、またよけいなことをして、
発言を慎まないで来ますから、私が言ったような趣旨の御質問は当然だと思うんです。われわれはかく解釈する。領土を押えられた。その押えられたものが返ってくるので、眠っていた主権が顕在化したんですから、当然
日本のほうが言うべきです。そうでしょうね。イエス、ノーだけもらえばいい。ここで段落して、なお、よけいなことを言うなと。(笑声)