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川村清一君 そういう心配がないならばけっこうでございますけれ
ども、いわゆる官僚主義というものは、官僚の世界というものは、必ずしもそういうことにはならないんです。副
長官も官僚出身でないならば、いま副
長官という身分で
役所に入ってみて、
役所の世界というものはどういうものかということはこれは認識されたと思うんですが、必ずしもそういうことにならないということを憂慮しているわけです。その点は十分注意していただきたいと思います。
それからもう一点、私の心配な点は、現在
沖繩の
琉球政府にいらっしゃる
職員が多数この
総合事務局に入っていくわけです。いわゆる政府
職員になるわけですね、国家
公務員になるわけです。ところが、これからも
現地から相当この
役所に入っていくと思うわけですが、とかく
現地出身者というものは下積みにされるおそれがあるんですね。と申しますのは、大体中央につながっているわけです。いわゆる中央の
役所、これも経歴が東大を出て
役所に入っていると、そうして先輩後輩の
一つの系列があって、その者が役人の世界では偉くなるわけです。そういうのだけが
沖繩事務局に行くと、こういう人がいつも上のほうに行って
管理職になっていると。それから
現地から採用された者、いま
琉球政府から行きますけれ
ども、こういう人々はもううだつが上がらないような、いつも下積みにされているという、こういうような傾向、国の政治の仕組みそのものが中央集権的な仕組みになっておりますから。私は北海道出身ですから北海道の道庁と開発局、北海道庁の中のあれのことをよく知っているわけです。何も中央から天下りの
管理職が行かなくてもいいものを、これは北海道の道庁の中にも財政
部長だとか、あるいはこういうようなところは歴代もう中央から行くというかっこうになっているわけですね。こういうようなことになれば、
沖繩県出身のそういう
職員が前途はさっぱり希望を失ってしまうというようなことから、行政の事務についても希望を持って努力していくという、中にはそういう意欲も減退していくというようなことになるんですよ。その点は今後こういう問題として十分あれしていただきたいと思うわけですね。
もう時間ですからやめますが、最後に私
どもといたしましては、先ほど申し上げましたように、
沖繩の自治を守るということ、そして自治を伸長していくといったようなことから、本来的にいうならば、
沖繩は今後やらなければならない
仕事はたくさんあるわけですから、新生
沖繩県を
建設するために国は財政的にうんとめんどう見なければなりませんが、しかしながら、国は金を出すけれ
ども、企画なりあるいはその実施というものはやはり
沖繩県にまかせる、
沖繩の地方自治団体にまかせるという、こういう基本的な姿勢を堅持して
沖繩振興開発に臨むべきである、こういう
考え方を私
どもは基本的に持っておるわけでありますが、残念ながら、政府自民党とこの点が意見が一致しないでこういうことになっておるわけでありますが、しかしまあ残念なのは、もしどうしても国のこういうような
機関を
沖繩に持たなければならないとするならば、せいぜい北海道
開発庁くらいの組織あるいは権限にとどめるべきでなかったかという感じがするわけであります。北海道の
開発庁につきましても、
開発庁法というものが
昭和二十五年にできて、そのできたときには開発局というものはなかったんですよ。ところが今度は翌年、二十六年に開発局というものをつくって、北海道知事の権限を開発局に持っていったわけですが、そのときに私
ども北海道人は、北海道知事の自治権を侵害するものであるということで猛反対をしたわけでございますが、自民党政府の政治権力の重みに押しつぶされて、とうとう開発局というものができたのですが、その開発局の権限というものは、
建設と農林だけであって、現業の部門だけであります。ところが、
沖繩の場合は現業でなくて事務的なものも入っていくわけですね。そうしてあらゆるものがここに総合されまして、ところが、残念なことには、これまでつくっておいて、この
事務局の
内部組織の中には
沖繩県民の生活に密着しておるいわゆる厚生、労働——社会福祉の
関係だとか、労働
関係ですね、こういうものをやる、いわゆる労働省のつながりのものと、厚生省のつながりのものが
内部組織の中に入っておらない。そのことは何を
意味しておるかというと、
沖繩の
振興開発
計画というものはもうやはり、何といいますか、
産業経済第一主義なんです。そして県民の生活というもの、これを軽視しておる。そういう
振興開発
計画が生まれ、それが実施されるというふうに判断されるわけです。そうでないとするならば、これだけ持ったんですから、当然ごの
内部組織の中に労働省
関係の部局、それから厚生省
関係の部局を置かなければならない。厚生部がないでしょう。労働部がないわけですね。こういう点ははなはだ残念なんです。私の意見だけ述べまして、時間になりましたので、答弁は必要ございませんので、これで終わります。