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川村清一君 最後に、私の意見だけ述べて、答弁は要りませんので、
質疑を終わりたいと思います。
ただいま
水産庁長官の御答弁がございましたが、
復帰されます、そうすると、日本の漁業権は当然そこに行なわれますから、その場合に元島民、元漁業権者に対して日本の漁業法に
基づく漁業権が付与される、優先して付与されることは、これは当然な
措置だと思うわけであります。
昭和三十六年に、先ほ
ども申し上げましたが、
北方協会が設立されて、旧漁業権者、旧島民に対する
特別措置として十億の国債が交付された。
政府は、これが漁業権が補償されなかった漁業権者に対する補償にかわる
措置であると、すなわち法的には補償できないので政治的に
措置したのだというふうに腹の中では思っていらっしゃると思うわけであります。しかし、
政府は
国会ではたびたび十億の国債については、これは補償でもない、見舞い金でもないのだと、特別の
措置なんだとこういうふうに言明しておる。ところが、また一方こういうこともおっしゃっておる。十億の中には、旧漁業権に相当するものが七億五千万円含まれているのだと、こう言っている。ですから十億でもって大体処置したのだと、しかし
沖繩は十一億五千万だからこれはちょっと足りないから二億今度は借り入れして、二億これにふやしてやった、将来はこの二億は何とかしてやるという腹であるかもしれない。
山中長官、そうすると
沖繩とバランスがとれるんじゃないか、
北方のほうの文句をひとつ押えることができるんじゃないかというような
考え方を腹の中に秘めているかもしれない。しかし、
北方地域に住んでおる旧漁業権者は現在でも決して十億ですべて
解決したとは思っていないのです。その七億五千万がこれに相当するなんて言ったところで、これは水産庁の
長官はおわかりでしょう。あの漁業の宝庫である北洋ですね、国後、択捉、歯舞、色丹に住んでおった漁業権者の漁業権がわずか七億五千万で評価されるなんてとんでもない話ですよ。これはちゃんとわかっておるから、そんなものでは承知できないと、こう言っているのです。
そこで、私はいわばここで幾ら
議論しても
政府の統一見解なるものを破ることはできませんから、まあ引っ込みますが、しかし、水産庁も抑留拿捕の問題については非常に実態
調査をされておる、先ほどここで
説明されたように。ところが旧漁業権については
調査されておらないのですよ。一体幾らだったのか。
昭和二十年八月十五日現在において旧漁業権を評価するというと幾らになるかということをこれは評価されていらっしゃらないのです。ですから私の強く主張することは、ぜひ
政府の手によって
昭和二十年八月十五日、できればもっと、まだそのときには旧漁業法は行なわれておったんですから、いわゆる
昭和二十一年の一月二十九日、GHQ覚え書きによって
行政権が分離された時点において旧漁業法は失効したわけですから、その時点におけるところの漁業権によるところの評価をきちっと出していただく、そしてその問題は幸いにして、いつの日かわかりませんが、できるだけ早い機会に、
北方領土が
復帰した時点において、現在の日本の漁業法がそこに施行せられる時点において、
昭和二十一年一月二十九日、旧漁業権が失効したその時点の漁業権というものを正しい評価額によって、補償という名前は使わなくてもけっこうでございますけれ
ども、実質的にはきちっとそれを
解決すべきであると、私はそういう主張を持っております。それに対する御答弁は不用でございますから、この点十分御検討の上、ひとつこういう線でがんばっていただきたいことを御
要望申し上げ、またいつかの機会に質問申し上げます。
以上で終わります。