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中沢伊登子君 そこで、私も
一つ提案をしたいわけです。
それは冷凍専用車というものをつくって、そういうものを走らしてみたらどうだろうか、
生鮮食料品を運搬するのに。それはそういったような貨車を走らせるだけではなくて、ターミナルにひとつ、かねがねこれは私ども提案しているわけですけれども、そういうものの受け入れの冷凍庫、大型の貯蔵庫、そういったものもそういうところにつくってみてはどうだろうか、こういうことをひとつ提案させていただいておきます。
時間が少なくなりましたから、最後に私どうしても申し上げたい問題に、やはり新
幹線の公害の問題がございます。
先ほど片岡委員も公害の問題に触れておられましたけれども、それはつい先日です。はっきり言えば五月の二十九日、これも兵庫県の伊丹市の住民の人たちが山陽新
幹線公害防止対策についての
要請書を持ってまいられました。これはすでに西宮市のトンネルの入り口の騒音は
完成と同時に
相当大きな金属性の音がするということで問題になったことは御
承知のとおりだと思いますが、このように新
幹線の騒音とか、振動とかあるいは電波障害とかというような問題がたいへん問題になっているわけですね。で、その
要請書を持ってこられた人だちは最近まで当局と交渉を持ちながら、不本意ながらしぶしぶと新
幹線のために土地を手離さざるを得なくなった地主さんたちなんです、
ほんとうを言いますと。それはどういうことかといいますと、その伊丹の何とかいう町のところで、片方では
相当高額に買い取られながら、こちら側は隣同士の町だのに、伊丹市の中ですよ、坪について一万円だか二万円だか安く買われているんです。そのために、
相当長いことこれを手離すのをごねておられたわけです。ところが大阪のほうからでき、神戸のほうからできて、ここだけなかなかできないもんですから、とうとう手離さなければならないような羽目に追い込まれた人たちなんです。
相当の地主さんがたくさんおります。ところが今度そこに新
幹線が通ってみますと、いままで静かな住宅環境だったのに、八十ホンから九十一ホンの騒音と振動と電波障害にもういたたまれないということでこの陳情を持ってこられたから、皆さんのほうにもあるいはいっているかもしれません。そしてこういう人たちだけでなくて、沿線の住民は早朝から、新
幹線は夜の大かた十二時まで走っておりますが、早朝から深夜まで通過列車の騒音、振動に悩まされて精神的にも肉体的にも衝撃を受けて、住民としての安住の権利を侵されていると、これに訴えておられるわけです。このような問題に対する対策をどのように進めておられるか。
先ほど片岡委員にもいろいろ詳しくお話がございましたが、この要望書によりますと、新
幹線に対する環境基準を早急に設定をしてほしい。それから、テレビ受信障害を完全に除去してほしい。
先ほどパンタグラフのこともおっしゃっておられましたけれども、パンタグラフのスパークをなくする方法を講じられたいとか、それから、伊丹地区内の速度を全車百キロメートルに落とせと、こう書いてあるんですが、これでは新
幹線の意味をなしませんので、落とさなくても被害を与えないようなことがおそらくいまの科学技術の中で
先ほどお話しのあったようにどんどん考えられていると思いますけれども、特に伊丹は、この前
運輸大臣にも御
質問申し上げましたように、上からはあの伊丹の飛行場の飛行機の騒音あるいは排気ガス、そういったもので非常な被害を受けている。そこへまたしてもこの新
幹線の公害だということで、もういたたまれないのだろうと、こういうことを私ども察するわけです。
御答弁をいただいて、その次に続けて御
質問すると時間がなくなるかもしれませんから、全部一ぺんにまとめて御
質問いたしておきます。
それからその次に、成田新
幹線のように
関係住民の反対運動が高まっておりますけれども、路線決定までに
地方自治体や住民との話し合いはどのようにしておられたのか。十分な話し合いの末に路線を決定したとするならば、今回の
建設反対運動はいかなる原因から起こったと判断されておられますか、これが第二点。
それから第三点は、このように反対運動が起こっては、
運輸政策審議会答申で、
昭和六十年に七千キロの新
幹線の
建設が指示されておりますが、具現の
可能性があるかないか、また実現する方針で検討されているかどうか、これが三つ目ですね。
それから最後に、今後は企業の公害防止ですね、企業の公害防止というのはもう当然のことだと言われているわけですけれども、そうしますと、
国鉄においてもこの公害防止のために、これから線路をつくるための敷地を買収するときには、その周辺に少なくとも二十メートルくらいの空地を買収して、それは六メートルなんかじゃとっても足りません、ですから二十メートルくらいの空地を買うんですね。ところがそんなお金はとてもないとおっしゃるだろうと思いますが、それはあるいは
道路にするとか、公園にするとか、あるいはグリーンベルトにするとか、いろいろその活用のしかたはあろうかと思います。そして騒音なり振動を防ぐわけですけれども、それなら、
道路にするなら
建設省と一緒に買収したらいいじゃないか、こういうふうな
考え方が出てくるわけです。そこで、目先のことばっかりを見ているのではなくて、遠い将来までも見通して町づくりをしなければならないと思いますから、これからの新
幹線の
建設の見通しと
国鉄の
計画を伺ってみたい、以上お伺いして終わります。