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安井分科員 この間、私は北海道の黒鉱米に対する質問主意書を提出し、三月十四日付で佐藤総理
大臣から答弁書をいただいたわけであります。
一応内容は尽きておる
ように見えますけれ
ども、その事の深刻さをもっと知っていただきたいということと、それからまた答弁の内容はたいへん抽象的なものですから、もっと具体的なお答えをいただきたい、こういうことで重ねてこの機会に
農林省の御答弁を伺いたいわけであります。
この黒飯米なるものは、北海道では
昭和四十二年ごろ初めて旭川市近郊に出て、ちょっと途絶えていた
ようでありますけれ
ども、それでも四十五年、さらにまた出てくる。それから昨四十六年は御
承知の
ような冷害凶作で、北海道の総被害額七百七十二億円、うち米の被害額五百十億円、そういうふうな
状況の中で、米の作況指数六六というふうな
状況の中で多発をしたということであります。
そこで最近の向こうの情勢を聞いてみますと、旭川を中心とする上川地方だけではなしに、空知支庁のほうにも去年は非常にふえているわけで、鷹栖町という
一つの町がありますけれ
ども、
政府買い上げになったのは三割で、七〇%はいわゆる黒飯米で、規格外米として買い上げにならないわけですよ。そういった
ような例は各市町村とも大同小異です。やっととれた米のうち、半分から半分以下が黒蝕米として買い上げにならないという実態は、非常に深刻であります。これは町村単位にいったからこういうことになりますけれ
ども、個人
農家単位にいえば全量買い上げにならない。せっかくとれたんだが、しかも去年の
ような
状況の中でせっかくとれたんだが、全然買い上げてくれない、こういう
ような
状況があって非常に深刻です。しかも
政府の規格によると、一デシリットルの中に三十一粒以上あれば買い上げ米とならないわけですし、三十一粒以下であっても五等米というふうなことで、安い価格になる、こういうふうなことです。
政府の答弁書によりますと、黒蝕米として買い上げ対象とならなかったものは約二万四千五百トンだというふうに書かれておりますが、実際、私はもっとあったのではないかと思います。そういう
状況にあって、昨年はとれた米の処理に困って、
政府買い上げの別なワクをつくってほしいということの陳情もあったが、御
承知の
ように、なかなかそのワクづくりもうまくいかないだろうからというので、ホクレンが自主
流通米の特別扱いの形で処理するということになったわけでありますが、その
現状を見ても、ホクレンは一たん買い付けの約束はしてみたけれ
ども売れないわけですね。現在の
段階では約二万四、五千トンのうち、半分の一万二千トン程度は友愛米という形で、
農家の飯米用に、あるいは畑作
農家に、あるいは労働組合等を通して売ろうという、そういう算段をしています。友愛米という運動。それから、残りの半分は食糧
事業協同組合連合会との話し合いで売ろう、こういう
ようなことでやっている
ようですが、なかなかの
ようですね。ですから、昨年の黒蝕米の問題は、尾を引いていまでも非常に深刻な波を
農村の中に立てているという
状況です。しかもいまだにその原因がわからないわけです。原因がわからないんだから、ことしどんな形になるのか、新しい作付の中でどういうふうな
状況が起きてくるのか、そいつがわからない。もしもまたこういう多発
状況が起きたら一体どうすればいいのか、こういうことであります。
したがって私は、まず
昭和四十二年ごろから出てきているこの問題に対して、北海道の
農業試験場もあるし、国の試験場もあるわけでありますけれ
ども、もっと真剣な取り組みで原因を究明し、
対策を講ずるということができなかったのか、まずそのことから伺い、そして当面これの原因究明とこういうものが起きないための
対策、それを早急に講ずべきではないかということを伺っておきたいと思います。