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大出分科員 当面
郵政省、
大蔵省で意見が一致しない面があるということで
大臣は遠慮をされてものを言っておられますが、過去の長い経験でどうも預託利子が低過ぎる、こういう点
組合運動の面でも響いてまいりますから、そこらのことも含めていろいろ
大蔵省にものを言った時代もあります。それで貯金の運用権の奪還ということで大騒ぎが起こりますと、預託利子を少し上げようじゃないかという話が
大蔵省から出てきたことが、四、五回ございます。ぽつぽつ上がってきているわけでありますが、そこのところは
大蔵省は国家なりという思想があるものですから、なかなかむずかしいわけです。そこで、
郵政省は将来そこまでの展望を持つべきだ、こういうふうに思っているのです。筋が通ると思っています。これは時間がありませんからここでそれ以上申しませんが。
ところで、今回の頭金者貸し付けなんですが、ここである編集部がまとめたものを読んでみましたら、いささか腹に据えかねる書き方がある。ちょっとここで
大蔵省の銀行
局長の近藤さんにお答えをいただきたいのですが、「たとえば直接金融機関を管轄する銀行局では」——銀行局といいますと、
局長がその責任者になりますが、「銀行局では幹部クラスが口をそろえて
郵政省を罵倒する。その論理は次のようになる。」これは記者が聞いているのですね。
一つ「
郵政省の庶民金融に反対する最大の理由は」、こう聞いた。そうしたら答えが「貸出しの原資が財政投融資資金の一部であり、この金額がふくらめば、国家の財政体系をこわすことになるから反対だ。」「だが、
郵政省は限度額を財投の一%」、これは実際は私は異論があるのですけれ
ども、「二百億にとどめるといっているじゃないか」。そんなことをいったってできてしまえばふえるのだ、体系がくずれる。ここではちょっと言いにくいようなことまで
大蔵省は言っておられる。
次に、しかし世論は大いに歓迎しているじゃないか。この実現を望む庶民の声は非常に多いじゃないか。それは貸し出し金利を六%などというばかげた非
常識な低水準に
郵政省が置いたからだ。民間金融機関の預金コストは人件費のアップなどで四十六年上期実績で見て
都市銀行、これは東京銀行を除いておりますが、平均で六・二二%、地方銀行が六・二五%、相互銀行が七・〇四%、信用金庫が七・一四%に達している。そういう中で六%に踏み切られては民間は競争にならない。
それからもう
一つの問題です。「では、金利を民間と競争できるところまで引き上げたらいいか。」こう聞いた。「いやだめだ。そもそも貯金を担保に、貸し出しをするという姿勢が間違っている。」私はこれはたいへんなことをおっしゃるものだと思っておりますが、「貯金額の九〇%を限度に最高十万円まで貸し出すという考え方は、預金者が一万円を
郵便局の窓口に持ってくれば、十万円の貯金通帳を渡すということにつながる。なぜなら、帳簿操作で九万円は貸し出したことにできるからだ。」またどうもとんでもないことをいっているものだと思いますが、特に「
特定郵便局長が自分の胸三寸で帳簿上だけ貯金を
増加させることになる。貸し出しの審査経験の少ない人たちが、こんな操作を続けたら、帳簿上の貯金だけふえて、財政体系に悪影響が出るばかりか、金融政策に」大きな混乱が生ずる。こう言ったというのですね。これはここに書いてある。「エコノミスト」です。「エコノミスト」の編集部の責任編集ですから間違ったことはいってないと思うのです。ということになると、私も実は長らく自分で
郵便配達から始めて積み立て貯金、集金貯金の時代から、定額の時代から、何回も何回も表彰を受けたことがある。定額の募集が郵政
局長表彰だなんて何回もかってにくれるのだから、やった時代があるが、ただ知り過ぎている。私はおまけに
郵政省の学校の出身だから。
大蔵省はそんなでたらめなことをしていいとお思いなんですか。時間がないからまとめてお答えいただきますが、これでいきますとまず財投の関係でいえば、もしそういうお考えだとするならば、零細な勤労
国民を対象にしている
郵便貯金というものは、国の財政投融資のために一生懸命資金集めをしていることになる。そんなばかげた話はあるわけがない。だから貯金
業務というものが明治八年にできましてから百年、百年来の執念に近い
郵政事業に携わる
人間の一番腹の底にある問題なんです。何としても零細な勤労
国民から集めてくるのだから、しかも国家事業なんだから、そうだとするとそこに返すべきだという思想を持っている。ところが国家
予算に組むべきものを組みそこなって、落として、資金運用部資金の運用計画の中にぽんと入れてある。ふざけたこともいいかげんにしろという気が実は私にはある。私は一昨年輸出映画振興協会——
皆さん御存じなんです、
大蔵省の方に来ていただいて御
答弁いただいたので。長銀の長銀債を使ってうまいぐあいに資金運用部から金が出て、三十七億も焦げついておるということで大騒ぎになって新聞に大きく載りました。各経済紙が書きました。そういう使い方をさせておくのはもってのほかだという気が私はする。だから、資金運用部の運用計画の中身を見て調べてみると、こういう運用のしかたがあるかという、私は義憤すら感ずる。だからもし、
郵政省のやっている貯金事業というものは勤労一般
国民の零細預金を集めてくる、それが国家の財政投融資資金のために集めているのだとなれば、えらいことになる。これは根本的な問題だ。だから、そういう意味で、まずはたしてここで言っているようなことが事実かどうか。書いてあることですから、そうおっしゃらぬという点があるとすれば別だ。そんなにいいかげんな貸し付け監査その他をやっている、これはたいへんなことですよ。保険だって実際に貸し付けておるのですよ。貸し付け
業務というのはたくさんある。私もずいぶん監査をしているが、そんなにいいかげんにごらんになっているとすれば、同じ国家機関ですから、重大な問題だ。ほんとうにこう言ったのだとすれば、これは食言問題で私は
大臣を呼んで追及したい。この点についてお答え願いたい。書いたのは「エコノミスト」の編集部の編、三月十四日号、天下の「エコノミスト」ですから、まさかでたらめを書いていないでしょう。