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沖本分科員 国鉄総裁に主として御
質問いたします。
私が
運輸委員会並びに当
分科会で毎年のようにずっと
質問し続けてきておるのですが、この毎年やっている
質問がいつ終わるのだろうか、非常にむずかしい気持ちに立っておるわけです。そう申し上げますと、御承知のと
おり大阪の外環状線の電化、客車化という問題になるわけなんです。昨年度は
磯崎総裁から、総武線が大体めどがついたから、終わり次第大阪のほうに取っかかる、こういう御発言をしていただいたわけなんですけれども、御承知のと
おり大阪周辺の
交通渋滞というものはたいへんな問題をかかえ込んでおるわけで、その中でこの
交通問題、乗客のさばき方というものにこれからの大きな問題がかかってきている。都市
交通の麻痺というものは東京、大阪が
全国で最たるもの、それをどう緩和するかということが一番大きな問題になってきておるわけです。そのために立体交差問題であるとかいろいろなことがいま考えられ、実施されていきつつあるわけなんですけれども、むしろそういうものを上回って
交通渋滞のほうが激しくなってきておる。こういう実情は、
交通の専門でいらっしゃる
総裁のほうがよく御承知のことだと思うわけでございます。
そういう点からも、この大阪城東貨物線を電化あるいは客車化、高架にしていただくということが年々重要性を増してきているということなんですが、昨年は前向きのお話をいただきましたけれども、それ自体がもう
一つはっきり、こういうことでいつから取っかかるということのめどが立たないと、去年も申し上げましたが、地元のほうとしては
対策の立てようがない。都市開発あるいは再開発あるいは区画の問題あるいは周辺都市の
整備あるいは
交通道路の組み方、立体交差のありようというものも、城東貨物線がどうなるかということによって大きな変化を持たなければならない。ですから、やりようによってはむだなことにばく大な金もかけなければならないし、あるいはそのことによって一挙に何か道路のごみ掃除ができたような形で
交通がうまくすべり出していく、こういうことにもなっていっておるわけですので、こういう点はいまさら申し上げるまでもないことなんで、そういう点から、伺いますと福知山線、片町線というものも明るい見通しがついてきた。これもいままでは何かひまなところを走っているような感じの電車に、ほんとうに片町という感じの路線のように見えたのですけれども、いまはもう大阪の市内の中心を走らなければならないし、通勤客をさばくのにどうするか、あるいは周辺のベッドタウンとの
関係性、こういうことからさらに大きな重要性を持ってきたわけなんです。そういうところに
国鉄の路線が全然ないということであれば、私鉄なんかの開発面の一端にもなっていくということになるわけですけれども、現実に
国鉄の路線があり、そういうものがいまでもまだ旧態然とした状態で置かれておるということ、そういう事態が大都市の
交通の
近代化とは全然うらはらな状態の感じを受けています。城東貨物線にいたしましても、大阪の市内のどまん中に土手があって、いつ走るともない貨物線、線路だけ残っている。こういうのはやはり前時代的な遺物があるような感覚も受けるわけですね。これがやはり高架にされて、下を何らかの形で車が通り、その下の道路も何らかの形で使えるということになれば、これは大きな社会公共の用にそのこと自体がかかってきている、こういうことになってくるわけです。したがいまして、
国鉄で一番の問題は赤字という問題で、これは大きな国会の課題でもあり、本年度は
国鉄運賃の値上げ問題で論争を呼ぶことにもなっておる事態になるわけですね。私が申し上げているのは、結局過疎地帯の赤字の路線がどうである、こうであるということを無理やりに
総裁に申し上げておるわけではなくて、現実にもう
交通が麻痺状態になって、乗客があふれておるような地帯の外環状線を何とかしてもらわなければならない、こういう年来の問題をかかえ込んで申し上げておるわけでございます。いままでの
計画は新大阪から吹田を経て加美までですけれども、私が申し上げておるのは阪和線の杉本町駅まで貫いた考え方、いわゆるほんとうの環状線になった状態のことで私は御
質問しておるわけでございます。こういう
関係がちゃんとなりませんとどうにもならない。最近、地方の主要都市でそれぞれ市内
乗り入れ、市内の
交通を
改善するために地下鉄の導入というものが盛んになっているわけです。それほどまでに都市
交通というものを地方都市自体が真剣に考えなければならない、金がかかってもこれはやむを得ないということから出ておるわけですから、いま大阪がかかえ込んでいる城東貨物線の環状線化というものがますます大きな比重を加えるわけでございます。
そういう点で、ほかに御
質問があったわけですが、きょうは特にそのことだけに問題をしぼつて、地元周辺の各市長がこのことに頭を痛めておる。大阪市長もどうにもならない状態。それからそれに加えまして、いつまでもやってくれないなら待ち切れないから、大阪のやはり道路で、万博のときつくりました中央環状線の道路の側線にむしろ電車を走らせて、大阪市が軸になって民間で
経営してもいい、こういうふうな考え方も出ている。民間で
経営してもいいという考え方そのものは、ある
程度の採算度というものを生み出さなければ出てこないわけですから、そういう点はやはり十分採算を見込んだ面が出てきてそんな話が出てきているというような点から考えていきますと、むしろこの城東貨物線を電化にし、高架にし、客車を走らすということになれば、当然黒字は生み出せる。そうすれば
国鉄のほうとしても喜んでこの仕事に取っ組んでいただけるいま現状になっているのじゃないか。地元のほうはみなそういうことを考えておるわけです。そういう点から、赤字、赤字というけれども、ここから黒字が生み出せるのになぜ手をつけないのだろうかというのが、大阪全体、府下の疑問になっているわけですね。そういう点もいろいろお考えいただいて、これからどういうふうに取っ組んでいただけるか、あるいはその時期はいつごろか、どういう状態で始めていただけるか、そういうことについてひとつお答えいただきたいと思います。