○谷口
委員 公共企業でありますから、当然世間的に普通の減価償却をやるべきだ。さっき総裁は、電電公社はもうやっているとおっしゃるけれ
ども、人がやっているからやらなければならぬということはないのであって、間違ったことは電電公社もやっちゃいかぬ。そこに問題がありますよ。よそがやっているからやりますというのは、それはうまくないですな。そうじゃなくて、公営企業としては、実際に三十年使えるものを帳簿上二十年に減らすとか、それから正当に減価を償却しているだけ差し引いていけばいいのに、それ以上に、たとえば十年の耐用年数で定率法でやりましたら、三年ぐらいで半分以上償却するのでしょう。その金は遊んでいるわけじゃないんであって、それでもって工事をやったりいろいろなことをやっているということは、正当な原価償却以上にたくさんのものを保留するということになる。資本費になっているということ。これは大蔵
大臣いらっしゃるからおわかりだろうと思う。
大臣は答弁しないと言ったから私は答弁を聞きませんけれ
ども、そういうやり方でやって、そうして赤字ができた、赤字ができたと宣伝して、いまにも国鉄はつぶれるような言い方をして、そして
料金値上げをやるてこにする、
国民を追い詰める、そういうことにこういう粉飾上の赤字をつくってやっているということは、私はやっぱり
承知できぬですよ。
これは
国民の足であり、
国民の日常
生活の実際の動脈なんだ。山のすみずみまで国鉄のあることによって、どんなに
国民は力強く思っているかわからぬ。国鉄はそういうものでしょう。大石油メーカーのためにあるんじゃなくて、一億
国民のためにあるのでしょう。ところが、その一億
国民に対して、
料金を取るためにつくった赤字でもっておどかしている。これは石田さんがそう言っているのですよ、たくさん取っていると。それはまずいというのです。それを私
どもは言いたいのです。そうではなくて、ほんとうの国鉄の姿を
国民の前にさらけ出して、どこにほんとうの財政上の困難があるかを
国民全体で考える。そうやらないで、
料金をまけてやるのも秘密、大資本のために引き込み線をつくってやるのもわからぬようにする。そして、前の総裁は長くやっていらっしゃった。その人すらやはり、たくさん取っていると言うような減価償却のやり方をやっているということ、これはまずいので、そこらを正していけば現在が——それは国鉄は非常に裕福で困難がないとわれわれも言いません。あとで申しますが、やはり三兆円に近い借り入れ金を持っている。その利子は毎年二千億こえるのでしょう。これは国鉄の経営の上で大きなガンになっていることは明らかです。そういう問題もある。だからその全体の問題でどうするかということをきめるためには、やはり
国民にほんとうのことを言わなければならぬし、やることは正当にやらなければいかぬということを私
どもは強調するわけなんです。いま見てきただけでも、それは貨物輸送の全体の割合から見れば、まだ半分こえた
程度だ、六〇%ぐらいだと思いますが、そういう大資本のウエートがある。これに対しては至れり尽くせりのことをやっておって、そして赤字だといって
国民から金を取るというやり方はまずいので、これに対しては正当な
料金を取ってやるということを、まず隗から始めよでありまして、正しいことは国鉄からやはり正していかなければならぬ。そうしなければほんとうのことにならぬというのが私
どもの主張なんです。だから
大臣は、それは国鉄は正しいことで遺憾なくやっておるんだということをおっしゃっても、いま申しましたとおりです。
大臣もほんとうに入って見てくださいよ。私、ほんとうに今度少しだけ国鉄のことを勉強した。それはひどいですよ、知れば知るほど。全く伏魔殿といってもいいんじゃないか。
まあこれはやめましょう。それは今度の十カ年計画でも、たとえば地方線を廃止するという計画がありまして、そのために今度は
政府は
予算を組んだ。五年間とにかく置いておいて、そのためにこれの補助をする、自治体も負担せい、
政府もこれだけ出すという
予算を組んだ。これがパーになりつつあるでしょう。私
ども地方線はあくまで残すべきだという立場に立ちますから、これはけっこうだと思うけれ
ども、これはまゆつばものだと思っている。こう言っちゃ済みませんが、ある新聞は、自民党さんは今度の選挙で勝利したいので、地方線廃止するなということで、そういう手を打っているんだろうというようなことも言っている。私はそんな失礼なことは考えませんが、そう言っている。そういうことでありますから、選挙が済んだら何をやるかわからぬことははっきりしているでしょう。それはまずいということを私は言いたいわけだ。だから
大臣、やはりこの点は相当突っ込んで私は調べてみてもらいたいと思います。
最後に、借り入れ金の話が出ましたからその問題に入りますが、三兆円の借り入れ金、二千億の利子、これはやはり国鉄のガンだと思うのです。特にこの半分は大銀行でしょう。
政府保証債もたくさんありますけれ
ども、大銀行で利子も高い。これが国鉄の財政を非常に困難におとしいれていると思うのですが、私
どもは、国鉄が公営企業として
国民の足であり、先ほど申しました
国民の
生活の動脈としてある以上、本来その建設費はすべて公共投資でやるべきだという
意見を持っています。公共投資で道路をつける、そこを自動車が通る、何も建設費の負担はありません。通るときは
料金を出している。それは
料金はあります。国鉄だって、鉄道をつけるのに公共投資でやる、そこを通るためには旅客から
料金をもらう。当然です、運営費が必要になりますから。公共企業としてはそういうやり方をやるべきだという主張は、前から共産党は持っております。しかし、いますぐそうせいと言っても、なかなかできるわけじゃないので、当面私
どもは、借り入れ金償還期限をやはり相当延長する。それから、国による利子の補給といいますか、補助ですね。これをやはり大幅にもっと引き上げる必要がある。それから独立採算制を国鉄はとっているわけでありますが、これはやめて、必要な設備投資は今後やはり国家資金として国家の財政から出していくべきだ、そういう
意見を持っておるのでありますが、これで初めて国鉄が健全な発達をすることになるのじゃないかと思う。これについての大庭の御所見を伺いたいと思います。