○安宅
委員 これは私は申し上げておきます、時間がありませんから。つまり
国連の権威を認めて、そういう条件をつけて、それでよかったら出てこいと、こういう決議案なんですよ、いつでも毎年毎年問題になっておるのは。
日本は日韓
条約を結んで以来、この共同提案国になっておるのです。それ以前は共同提案国になっていませんでした。これはもともと
国連憲章からいってもおかしいですよ。
国連というのは、戦後処理の問題について、そうしてきまったことについて
国連は口をはさまないということを百七条ですか、それではっきりしておるのです。したがって、朝鮮問題も
国連総会のいろいろな決議がございますが、その中で一番早い一九四七年の決議のときは、これはだれにも干渉されないで、そうして民族が平和的に単一国家として発足するのが正しいのだ、
国連はそれを確認するのだという
意味の、一九四七年十一月十四日の第二回総会でそれを決議しておるのです。ところがその後、ソビエトの占領区とそれからアメリカの占領区と
冷戦構造がはっきりするに従って、トルーマン・ドクトリンあたりがいろいろ問題になったのでしょうが、そういうことが
——その前だったかもしれませんけれ
ども、空気を反映して、朝鮮の独立の問題について初めて
国連が間違った
見解を出しておるのです。ほんとうは介入しないと言いながら、いわゆる大韓民国というものができたから、朝鮮の人民の大多数が居住している朝鮮の部分に対して有効な支配及び管轄権を及ぼしている合法的な
政府、これが樹立されたので、朝鮮半島における唯一の政権である、
政府であるということを宣言する。こういうように反対を押し切って
——その当時はアメリカの言うままになる
国連だったわけです。私はそこが問題だと思うのですね。日韓
条約もあるいは安保
条約も全部ここから出てきておるわけですね。ここから出てきておるのですよ。これが問題なんですね。だから喬冠華
中国代表が
国連総会の初演説でぶったのは、何も
中国が非難された決議を撤回してくれなんて
一つも言っていないですよ。朝鮮問題の決議というものは撤回されるべきだという
発言をしておるのです。ここは
日本政府、よく知ってもらいたいと思うのです。いいですか。
中国を非難したものは、
中国に関する限り、これは平和愛好国家になったのだから、
中国は今度その非難決議というものは死滅したのでしょうと
福田さん言いましたけれ
ども、あれは共同正犯の
意味での決議が出ておるのです、朝鮮と
中国は。そうでしょう、義勇軍が出てきたのですから、あとで。そのときの決議によって、これは朝鮮も
中国も侵略者だという烙印を押した決議がそのとき出ておるのですから、
中国がそのまま侵略者のまま
国連に入っておるはずがないから、その決議は無効になるでしょう。正式に死滅なんという
認識ではなくて、
国連総会でほんとうに実態的にこの決議が撤回されて、死滅しなければ、これは
国連に
中国が踏みとどまるという理論的根拠がないのですよ。当然それは、全
国連の加盟国がこれを撤回させなければならないのですよ。そうした場合には、同じ共同戦線で戦争した
中国と朝鮮民主主義人民共和国が、
中国だけは侵略者でなくなったけれ
ども、朝鮮はそのまま侵略者だなんという論理は
国連総会のどこにも出てこないと思いますが、どうですか。