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川村委員 実は、
日本語
学校で
日本語を研修をして、そして
大学を受ける
私費留学生等のトータルから見ると、いま
大学局長がおっしゃったように
——いままでは東南アジアの諸君は欧米に留学する傾向が強かった。それが今日では
日本にたくさん留学しておる。それは身近であるとか、
日本にあこがれておるとか、いろいろ心情的なものもありましょうが、しかし、何といっても
大学に志望する率から見ると、理工科系、社会科学系の志望者が多い。ということは、先進工業国としての
日本でいろいろな勉強をする、技術も習う、そして国に帰る、こういうことだろうと思うのですね。そういうような傾向にあるときに、いま問題を起しこすような
受け入れ体制では実は困るということが
指摘できると思うのですね。大体新宿区にあります国際学友
会館だって、どうもいまごろあんな建物を
——それは一
部分はりっぱになっておりますが、あんなものを残しておくというのは、これはちょっと
日本として恥ずかしくありませんか。りっぱな寮をつくってやって、そしてりっぱな生活ができるようにしてやるべきです。何かしら、ゆさぶったらこわれるような建物では、もう東京のどまん中で
学生を
受け入れるような姿ではちょっとないですね。とにかくそういうような状態の中でありますから、これは
文部省とよく協議して、十分なる充実向上をひとつはかってもらいたい。また、先生にしましても、先生の
待遇、これは初任給からして、あるいは平均
給与からして、あるいは毎年人事院勧告があるのだけれども、ほかの公務員と比べて、賃金の引き上げ方にしても、この国際学友会の
日本語
学校等に働いてくださっておる先生方の
待遇がよくない、これを
考えてください。私、これはいまここで数字を申し上げませんけれども。
そこで、私
考えるのには、
外国人を相手にして
日本語を教えようとするには、
日本の子供を相手にして
日本語を教えるのと違い、やはりずいぶん苦労が多いと思うのですね。そこには専門的な何か技術というか、ある違ったものがないととても教えられないと思うのですね。そういう先生が実はその
学校にとどまらないとかいう状態が、なるたけここから逃げていこう
——逃げていくという
ことばは語弊がありますけれども、できたらほかへ移りたいというそういう先生が非常に多いのです。お聞きになっておりますか。そういう状態ではいけません。
文部大臣の
ことばではないけれども、
日本が
世界のいろいろな国と交流をしていかなければならぬ、その使命をになっている
留学生の
教育をあずかっている先生に対して、その使命の自覚とそれにふさわしいところの
待遇というものをやはり
考えていかなければいかぬのではないか、こういうことであります。
そこで、先ほど申し上げた当時の朝日の社説にも、一番最後にこういう
ことばが書いてあるのです。「
日本が大国を自覚するなら、それにふさわしいだけの一貫した
留学生受入れ政策を確立したい。国際親善の重要な道はここから開かれるといえよう。トイレが汚ないから
日本ぎらいになった
——では、余りにわびしい。」と結んである。
そこで、外人
留学生受け入れ対策については、いまの国際学友
会館等の問題、あるいは
学生のそういう
問題等に関連をしていろいろの問題が提起されておりますから、これはよほど
文部省、外務省一体となって
受け入れ体制を進めてもらわないと、
文部大臣は
国際社会に活躍するところの
人間をつくると理想を漏らしておられるが、それだけでは
日本の使命というものは果たせないのですよ。これは、
外国から来ておる
留学生等に対してどのような対策を進めるか、
受け入れをするか、これがないと、
日本という国はもう何年か後には
世界から毛ぎらいされてしまう、やはり
日本は経済アニマルだと総スカンを食らうようになるかもしれない。そういう意味からして私は憂えておるのであります。
そこで、
教職員の
待遇等も十分
考えてやりなさい、学友
会館の設備等も近代的な学園にふさわしいようにやりなさい、こういうことを申し上げざるを得ません。ひとつ外務省からお
考えをお聞かせいただきたい。次いで、
文部大臣よりひとつ御所見を賜わりたいと思います。