○山原
委員 だから、四月の三日に予算
委員会でああいう
質問が行なわれまして、私は
文部省としては怠慢だと思うのですよ。一人の患者が、しかも神経科の患者が自殺をはかり、その場所には看護婦も医師もいない。そこで、食堂の好仁会という、これは業者だと思いますが、好仁会の従業員が発見をしましてやっと助けておるのです。そして、看護婦をさがし回ってやっと治療を加えるという
状態なんですね。これも全く異常な
状態、しかも、東京
大学の医
学部に来ておる神経科の三百人の方々が入院希望しておりますけれ
ども、全然入ることができない。こういう
状態がいつまでも続いてよいはずはありません。全く異常な
状態であります。
さらに、これは赤れんがと呼ばれておるわけでありますけれ
ども、
大臣がこの前答弁しておりましたように、セクト間の争いとか見解の違いによる争いではもうないと私は思うのであります。そのことを実証したいのでありますけれ
ども、ここに彼らの出しておる新聞があります。これは「全
日本医
学生新聞」ですね。この医
学生新聞によりますと、この赤れんがは三里塚闘争の出撃基地である、東大闘争の出撃基地であるということをはっきり書かれております。さらに、この赤れんがをどういうふうに言っているかといいますと、「赤れんがは、文字通り、全国、全人民にひらかれた「根拠地」である。」これを死守しなければならない、こういう
考えに立っているわけです。
こういう
考え方でこの病棟を占拠しておる連中と話し合いをして問題が解決できるなどという甘い
考え方は持つべきでないと私は思うのです。さらにここへ、この病棟に出入りをしておる十数名の医師その他について調べてみました。これは病院長からいただいたものです。この十数名の中に、たとえば三吉譲という医師は一体どういう人物かというと、これはかって
昭和四十三年の東大紛争のときに、読売新聞の谷川記者に暴行を加えて逮捕されておる人物です。谷川記者を階段から突き落とす、あるいは友人が谷川記者を羽がい締めにしてそれをなぐるという暴行を加えた首謀者なんです。これが現在出入りをしておるというのが実情であります。
さらに、この病棟に出入りしている者の中に寺岡慧、合田静というものがおります。これは東大の寺岡は小児科の医師です。それから合田は老人科の看護婦であります。この二人については名前を聞いておわかりだと思うのですが、これは今度の連合赤軍派事件のときに中村愛子という人物から頼良ちゃんという子供を預かった人ですね。これは新聞にも出ましたから私も名前を出したわけでありますが、二月の七日に頼良ちゃんを預かりまして、そうして実に三十五日間この子供を預かっているのです。一方では連合赤軍問題でああいうことが毎日毎日テレビ、新聞で出されている
状態の中でこういう
状態です。だから、この経過から見ましても、連合赤軍、中村愛子、合田、寺岡というつながりが出てくる。こういう者がこの神経科の病棟に出入りしておる、そうして占拠しているのですよ。こういう
状態です。
さらに、本年の三月一日に病院長が採用しました木村和子という看護婦がおります。これは神経科病棟に三月一日に採用になっているわけです。これは院長も、この採用にあたっては、占拠医師側から要求されて採用したのだと思いますけれ
ども、この人物がどういう人物かと申しますと、これは四十五年に佐藤訪米阻止のときに上京しまして、これは関西のいわゆる暴力
学生集団の一員であります。そうして昨年の十月主人と別居して上京しまして、三月一日に採用になっているのですが、この主人も京都
大学における共産同赤軍派に属しておるわけです。こういう
状態ですね。だから、こういう形で
自分たちの主張に従わない者に対しては暴力をもって排除する。これは話し合いで解決できるようなものでは私はないと思うのです。しかもこの前の
質問のときに、後藤田長官が答弁しておりますように、赤軍派は凶悪犯罪者の集団となっているという答弁がなされているのです。私はこの限りにおいてはこれはまさに的確な表現だろうと思うのです。たとえば今度出ました読売新聞の四月十六日の警察官殺しの竹本という京都
大学の助手をしておる人物ですね、これが麻薬あるいはブルーフィルムですか、そういうものを販売して資金をかせいでおるというようなことを
考えてみますと、これは黙認できるような
状態ではありません。
〔
委員長退席、河野(洋)
委員長代理着席〕
時間がもうありませんから、最後に
文部省に対して見解を聞きたいのでありますけれ
ども、セクトの相違だとか、
考え方の相違だとかいうものは、どこの企業でも、どこの会社でもあるわけです。しかし、
自分の意見に従わない者は暴力をもって排除する。しかもこの赤れんがを死守するというような
状態になって、いまの
文部大臣のような見解で問題が処理できるかというと、私は処理できないと思うのです。
そこで私は、こういうふうに思うのです。
一つは、この赤れんが東大医
学部神経科病棟の占拠ということは、これは明らかに不法な行為である、不当な行為であるということを、明確に学長あるいは院長を通じてはっきりさすべきだと思うのです。いまだにそのことが伝えられていないのですね。話の中には出てまいりますけれ
ども、明確にそのことは出されていないのです。出ていますか。学内においてそういうことをはっきりと宣言しておるかどうか。宣言すべきだと思うのです。それに基づいて十分な調査を行なうべきだと思うのです。事実の調査ですね。単に院長から意見を聴取するということだけでなくして、事実がどうなっているかということを調査しなければ問題の解決にはなりません。これは
日本の
大学の学問の自由の面からいっても
——笑いごとではないのですよ。これは
文部省の怠慢ですよ。その点について、見解を伺っておきたい。