○有島
委員 そこで、まだまだ
通産省の通達というものが実施されていない、
通産省はなめられているという印象が強いわけです。それで、たとえばモニターにつきましても、こういった事実は御存じかどうか。これはある会社の営業所の資料なんです。グロリアです。社名も言ってしまいましょう。
「各支社長及び営業所長へ」、「
消費者モニターの総点検に対処するについて」、「二月十五日の衆議院
物価問題等に関する消費
委員会に於て、洋書セールス及び銀行の住宅ローンのアドオン方式に関する行政指導の質疑のなかで、」
——これは外国人の方がお書きになったらしいのですが、「質疑のなかで、
通産省企業局消費経済課では、昭和四十七年一月を洋書訪問セールス総点検実施要項を実施することを決定し、
通産省の委嘱による
消費者モニター八百人を動員して、われわれ業界の実態調査を行うことになっている。
消費者モニターの実態調査報告の集計結果は、
通産省企業局よりラジオ、TV、新聞等のマスコミによって報道されるものと考えるので、これの対処について、紛争業務開始より、一月末日までは下記要領を熟読の上全員に周知徹底を計り、遺憾のないよう配慮されたい。」こういうような書き出しなんです。
それで、省略しますけれ
ども、この一番で、「オフィスにかかる電話の応対について」、「
消費者モニターは女性であると考えられる。」これは中年女性であろうと考えられるというのですよ。それから「
消費者モニターは、現在のアイビー市場(見込客層)とは異質であると考えられる。」二は、「対処の注意事項」というのがございまして、「所属オフィスの社員名を知らず、また具体的事由によらず「商品の説明を聞きたい」などの電話については注意すること」、こういうのですよ。三番目、「特定のセールスマンにではなく、オフィスに電話があった場合。「私共の誰かがご連絡申し上げたことがございますか」「失礼でございますが、私共の商品をご希望の方はどなたでいらっしゃいますか」「失礼ですが、生年月日をご参考までにお教え下さいませんか」こう聞けというのですよ。それから「私共の会社、商品のことをどのようにして、お知りいただいたのでしょうか」、こう切りかえせ、こういう資料です。
こういうのがございまして、次に「応対の注意について」というのがございます。「これは
消費者モニターに限ったことではなく、日常の営業活動でしばしば注意事項にとり上げていることであるが、特に注意しなければならない点は、A 商品
価格はセットの定価を明示すること、B 「学習の手引」をフルに利用のこと、C バインダー資料、ブロードサイド、プロスペクタスを全般的な知識を与える
意味で説明すること、D 特に割引(デモセットを除く)等の言葉を使ってはならない、E 特別会員の言葉を使ってはならない、F 解約不能をいってはならない」。それから「
質問についての答え」、「契約書裏面の解約(キャンセル)条項について「割賦販売法に基いて印刷されていますが、当社では、不当な解約金は一切求めません。過去においてもこの例はございません。」」こう言い切れ、こういう資料が回っているわけです。
モニターもいろいろやっていただいたかもしれませんけれ
ども、これはほんの一例でございますが、向こうはこうした段取りを組んで答えを出しているのだろうと思いますね。ですから、実態がこうであるなら別にこんな通達を回す必要はないわけでございますから、まだまだいまのこの数字は甘い数字ではないかと思います。
私も現実に、二月のある日に錦糸町の駅で呼びとめられまして、あなたは英語について御関心をお持ちですか、と言われました。私は非常に急いでいたもので、これだな、と思ったのですけれ
ども、そのまま見のがしてしまいました。それから、現実に部屋に
質問に来られた方がいらっしゃいました。その方も、あなたは特にアメリカ本国から指名されておる数少ない日本人の中の一人である、それで、本来は四十数万円のものを、特にあなただけには十九万三千円にしておきますとか、そういうようなことを言われました。現実にまだ行なわれておる。それで、その例を、まだたくさんあるのですけれ
ども、最近のことを言いましょう。
これは、昭和四十七年二月一日の午後四時ごろ、セールスマンの五十嵐さんという人が来たと書いてある。これはたずねてきたのですね。それで、これはレットゥファインドアウトブックスというのを見本にして、この程度のものだったらば、二歳のお子さんからが対象になっておりますから、四、五歳のお子さんであればもう十二分にだいじょうぶです、英才教育をするには、テレビよりもこのほうが
効果的であるという説明をした。英才教育ということばをつい信じてそれをとってみた。ところが、二十日後に届いた品物を見たらば、セールスマンの説明とは全く異なって、子供には利用不可能のものであった。なお、契約事項の説明がないのに、送付のときのオファには、確認も求めないで一方的に承認印が捺印されていた、こういうことで、契約を取り消したい、こう言ったわけですね。この
あとがついているのです。この五十嵐さんという方から、なぜそんなことを言ってきたのだ、ぐずぐず言うなという押し返しがまた来たのです。
事実、これはございます。それで、今後一生懸命やってもらいたいということだけをきょうは言いたいのです。
このリーフレットもたいへんいいのですけれ
ども、特に英語の百科事典のことについては、私も見せられて非常に簡単なわかりやすいページをぱっぱっとめくるのですね。どれ、見せてごらん、と言って手にとろうとすると、手に持たせないですね。それで、まあま
あと言って私は全体を見ましたけれ
ども、見れば、とてもこっちは読めないような内容です。それはたんねんに読めば読めるかもしれませんけれ
ども。
——ここに手紙がたくさんある。一々字引きを引けば読めるかもしれないけれ
ども、日本語の本一冊読むのも相当たいへんなのに、そんなのをずうっと何冊も並べられて
——結局それはむだづかいということになろうかと思うのですね。そういうことについてここには触れていらっしゃらないようですけれ
ども、その辺も、特にこの英語百科事典、こんながめついことをやられると、これは国際問題になりかねないと思うのです。
それで、きょうはもう時間もたいへん延びまして、おなかもみんなすいちゃったと思うのでもうやめますけれ
ども、もっと本格的に取り組んでいただきたい。また、渡部通子さんがきのう中国から帰ってまいりまして、きょうも出たいとかなんとか言っておりましたけれ
ども、ちょうどタイミングが、参議院でもやっているところでもございますから、きょうをはずしたくないということでもって、私がかわってやったようなものでございますが、私
どもはまだまだこれは注目してまいりますから、しっかりやっていただきたい。
以上であります。