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赤城国務大臣 私もいまの御所見のとおりだと思います。大体、
農業に対して、国全体として、それから国際的にもそういうことでございますが、非常に軽視するというか、重きを置かなくなってきている
情勢であります。これではやはり国のためにならぬと思います。どうしても
農業というものがやはり国の中心であり、農民がりっぱに健全に、生活的にも思想的にも育っていかなければ国はもたないと思います。そういう意味で、
農業政策はいままではほんとうに防衛的で、降りかかる火の粉を払うというようなことばかりに追われておったような傾向がございますが、そういうことじゃなく、積極的に
農業政策を推進していく、こういうことが根本的に、これは国のあり方として重要であり、必要であると思います。そういうことによって
農業の基盤というものがよくなってくれば、
農業団体の経営基盤な
どもよくなってくる。したがって、そういうことになれば、
農林漁業団体の
職員の
給与な
ども相当考え得られると思います。
しかし、まだその
段階に来ていませんから、これはいま経営がなかなか困難であるときに
職員の
負担を増すというようなことに踏み切ることは、私は非常考えなくちゃならぬ問題であると思います。そういう意味におきまして、
政府負担を増していくという方向へ持っていかざるを得ないので、
先ほどからも話がありましたが、
厚生年金並みぐらいの
政府の
負担に持っていきたいということで、実はこの
予算折衡でもずいぶん努力いたしたわけでございます。しかし、いろいろ話を聞いてみますと、
農政局長の話のように、表面的には二〇%の
均衡というものを私は主張しましたが、内容的には、
年金をもらう
年齢だとかその他いろいろとあって、実質的にはまあ一八ぐらいのところでも
均衡はとれるのだというような
説明も聞いて、実は引っ込んだのですが、しかし、これとても
局長折衡ではなかなかきまりませんで、最後の大臣折衝で、そのときにもすぐオーケーとは言わずに、きまったようないきさつもございます。そういうようなこともあって、私としても、
政府の
負担というものをなお増していく、そして公的
年金のすべてのあれもあるものですから、
均衡のとれるようにもして、ほんとうは特に
均衡以上に
農業団体の
職員に対する国の
負担などは多くしたいという根本的な考えを持っております。
ただ、
先ほどからの
お話の中に、三十三年でしたか、
厚生年金からこれを
分離するときにも、これは私が強力に押したのですが、事務的に言うと、厚生省、
大蔵省その他からたいへん反対というか、積極的に協力してもらえなかったわけです。それから、国家
公務員は国の
公務員だから、国の
公務員の諸君は
年金制度、共済に相当重きを置くが、これは私的団体の
職員じゃないかというようなことで、なかなかうんと言わなかったのを、ようやくつくったような歴史的いきさつもございます。
そういうことで、事務的には一挙に私
どもの主張がなかなか通らない面もございますが、しかし、いまの長谷部さんの御主張のとおり私も考えておりますので、今後ともこの
年金制度の
充実は十分力を尽くしていきたい、こういうふうに考えております。