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芳賀委員 いまのいわゆる積み立て
方式というのは、これは行き詰まっておるのですよ。専門家の
議論とかあるいは諸外国の
実態を見ても、もうこれは不可避的に賦課
方式に切りかえなければならぬ時期にきている。ただ、その最も条件のいい時期をとらえてどの時期に切りかえるかという時期の問題だけが残っているだけなんですよ。だから、あなたのような古い、学校の答案を書くようなことを言ってみたってもう始まらないのですよ。そういう基本論とか原則論とかいうものはここで何も戦わす必要がないわけだけれども、私の
指摘しているのは、
財源率上の
理由で、目玉商品として任継
制度というものをはずしたという、そういう意図が非常に強くわれわれにも感ぜられるし、
関係の
組合員にしても
団体にしても、そういうことを
考えていると思います。これをはずさなければ、現在の千分の九十六という
掛け金率を維持することができない、背に腹はかえられ町から、それでははずしてもらいましょうというのが、いわゆる
年金組合の
団体側の意向だということ、これはわれわれも
承知しているわけです。
そこで、これから出る問題としては、
局長の言われたように、
農業団体の
職員になって、受給資格が
年齢的には五十五歳で出るわけでしょう。それから
農協の場合には、全国的に大体五十五歳が定年
退職の時期ということですね。これは
農協の
給与規定なんかにはそういうふうに出ているわけですからして、そうなると、五十五歳にならないうちにやめてしまう者が多い、そしてやめてから五年間の任継
制度というものを活用して、うまくいけば別の
年金をもう
一つ獲得できる。そのために計画的に途中で、とにかく十五年つとめてやめて、
あと五年任継をやる。こっちの
農林年金のほうは、二十年の通算で資格が出るわけですから、だからほかの
年金でまた六十歳なら六十歳の
年金ということになる。そっちは二十年やらなければならぬ、任継がないわけだから。そういう目的で中途
退職が多いというようなことを即断しておるような
局長の話ですけれども、
実態というのはなかなかそういうものじゃないのですよ。何のために中途
退職が多いかということは、これは
年金の
関係だけじゃないのですよ。やはり将来性がないとか、あるいは
農林漁業団体の
職員としてもう終生熱意を持って努力するものがない、身分上あるいは生活上の不安がむしろ非常に増大するとか、いろいろな
理由があって中途
退職の傾向が非常に目立っておるわけです。勤続年限が非常に短くなるわけですから、そういうことは他の
公的年金の
組合員との
給与水準の比較ということになると、そういう点からも
農林漁業団体の
給与水準は低いじゃないかという
一つの現象が生まれてくるわけです。
そこで、中途
退職、三十五歳くらいから四十歳くらいでやめる者が多いということになれば、農業協同
組合とか漁業協同
組合は、せっかく中堅
職員の段階まで来た
職員がやめていくということになれば、それから
あと中核になってやっていく
職員というのはもう要らぬというわけにはいかないわけですから内部的に人材を養成して、そして五十五歳までがんばってもらうということができがたいということになれば、中年者の採用をしなければならぬというような、そういう
事情も生じてくるんじゃないですか。課長とか幹部
職員として自分のうちで育った者がどんどんやめるということになれば、やはり他から求めねばならぬということになる。そういう
人たちは今度は五十五歳までも六十歳までもがんばってやるということになるわけです。ところが、中途から入ったわけだからして、五十五歳になってもまだ十五年しかたたぬとか、十七年しかたたぬということになれば、むしろ今後はそういう中途から
農林漁業団体が経営の必要上求めた中核的な人材に対して、
農林年金の
制度上から見て特徴といわれた任継
制度がなくなってしまうということは、その
部分に対してもたいへんな支障を与えると思うのですよ。若い連中がそろばん勘定で途中でやめて、二つの
年金が取れるという、そういう
考え方は別として、
農林年金が未来永劫に続くということは、その構成員である農業協同
組合とか、漁業協同
組合が未来永劫に続くから、したがって、それを対象にした
年金制度も続くということに順序はなるわけですからね。
それからのいまの農村における経済的な
事情とか、
団体経営の内面的な困難性とか、一方における減反政策とか、農業総生産の縮小政策というものを
考えた場合に、ますます
農林漁業団体というものは経営的にも困難性が深刻になっていくわけですから、そういう中に、ほんとうに中核になって
団体を経営できる人材ということになれば、これは優秀な
組合長や専務が出てくればいいというものではないので、やはり中核的な力のある
職員というものが
確保されておるということでなければ、これは切り抜けていけないわけですからね。そういう場合に、むしろ途中でやめる者に対する任継の
廃止の問題と、どうしても必要な人材を
確保するための中年以降の中核
職員の将来というものと、別の角度で任継というものを
検討する必要があるのではないかと思いますけれども、そういう点はどう
考えておりますか。