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田中(恒)
委員 私も、何かやっておることは
承知しておるわけですよ。やっておることはやっておるのですけれ
ども、やり方がみみっちい。
土地が少なくなっていくやり方のほうがたくさんあって、
土地をつくっていくやり方のほうが現実には立ちおくれているんですよ。大体、いままで
土地が一番たくさんつぶされたのはやはり宅地ですね。これは住宅問題を控えておるのだから、宅地づくりもしなければいけないということもわかるわけです。その次に多いのはいわゆる
工場用地ですね。これはおたくの
農業白書だから間違いないと思うが、宅地が四三%ぐらいですか、
工場用地が一八%、それから、ごく最近になって、
農業がこういう状態になっておるから、山間部等においては木を植え出して
——これはいま問題になっておる
畑作振興地帯ですよ、水田の奥のほうの畑、いわゆる採算ベースのとれないところは植林をして、これが一七%ぐらいですか、これで七八%ぐらいですね。こういう形で急速に
土地が非農用地として
転用されておる。これはいろいろな状態があるから、私はこの流れがいけないとは言いませんけれ
ども、しかし、同時に、そういう流れが出てくるならば、同じような速度でいわゆる
土地造成というものに力を入れないと、私はいまの日本の
——もう六百万町歩に減りましたけれ
ども、この農地は決して多い農地とは言えない。自立農家というか、
農業で食える百姓をつくるには、経営
規模を拡大しなければやれぬわけですから、そのためにはやはり農用地造成というものは並行してなされなければいけない。現実に日本の地形の中でいわゆる山岳地帯が非常に多いといわれているのだけれ
ども、国際的に見た場合には、わが国の農用地面積というのは全体の一八%くらいですか、確かに国際的には低いはずですね。イタリアや何か日本と同じような状態だといわれるけれ
ども、このほうがまだ高いと思うのです。イギリスですら日本よりも国土面積の中で農用地に使っておる面積は多いはずですね。だから、日本の国土でむずかしい点があるのだろうけれ
ども、私はやればやれると思うのです。問題は金が要って効果が少ないから断わるのだといえばそれまでですけれ
ども、その辺の姿勢を明らかにしてもらわないと、
土地改良法は、既存の
土地に対する改良や保全やあるいは合理化、集団化をやらすということ、それだけじゃないので、やはり
土地造成というところに一本の大きな柱があるわけなんで、この一本の柱がどうも最近
——かつて学者なんかを動員して、日本の国土面積の中で一体農用地として使われるのは三百万町歩くらいやれるのじゃないか、二百万町歩やれるのじゃないか、こういう話を聞いたことがあるわけですけれ
ども、こういうものがいつの間にか姿を消して、ともかくいまの時代の流れの中に対応する
土地政策というものがとられようとするときに、このままでいったら日本の農地はだんだんなくなって、
土地の側面でも
農業をやれなくなっていく。これは毎年三万から四万ヘクタールくらい減るわけですから、二十年たったら百万町歩減るわけです。そうしたら
農業をやれなくなるのですよ。その辺の歯どめをもうこの辺でばしっと立ててもらわないといけないと思うのですよ。この点を私は特に申し上げておったわけなので、具体的に
土地改良の
長期計画の中に
——それはいままでだって何千億かぶち込んで
土地造成費というものは組んでおりますよ。
農林省の項目を見ると、四番目か五番目、一番
最後のほうに大体書いている。ああいう書き方も気に食わないといったらおかしいけれ
ども、なぜ上のほうに、これほど重大な
土地造成問題というものに取り組まないのか。この辺が私はちょっと片一方になっておると思いますので、
土地改良の
長期計画の中にこの辺の点を今度しっかりと打ち立ててもらいたいと思いますし、同時に、いま御
承知のように、
土地問題は、単に昔のように
農林省が中心でやった時代ではなくて、いわゆる新全総の問題、新経済社会発展
計画の問題、いずれも今日の経済
情勢の中で再
検討しなければいけないということで、プランメーカーとしての企画庁や
建設省でそれぞれ
作業に入っているわけです。こういうものの中に、日本の農用地というものをどの程度位置づけるのかという
農林省の明快な方針が出てこないとこれは押されますよ。そういう方面も
考慮しながら、私は、
土地造成というものについて、この際
農林大臣にこの
法律の
改正をめぐってはっきりとした方針を打ち出していただく必要がある、こういうふうに思って御
質問しておるわけでございますので、重ねて
農林大臣からこの問題についての御所信を
お尋ねしておきたいと思うのです。