○竹下国務大臣 議長あっせん第四項の問題の中、なかんずく国防
会議の問題についての伊藤さんの御意見でございます。私どもも、いまだに
防衛庁設置法の中にあるべきではなくて、むしろ独立した国防
会議——いまの御意見では安全保障
会議でありますが、この単独の設置法をつくるべきではないか、こういうことも精神としては理解できないわけのものではございません。ただ、にわかにその名称を変更するというようなところまでは、率直に言って
検討いたしておりません。一つの意見としてこの点は承っておくべきであろうと思います。
なお、そのメンバーの点につきましては、今日、オブザーバーとしてこのほかに科学技術庁
長官がございますが、さらに、国家公安
委員長あるいは
内閣官房長官というような者も、メンバーとして随時出席しておるわけでありますが、これを定着させることにはそれなりの意義があるのではなかろうかとも思います。ただ、同数の学者あるいは学識経験者とでも申しましょうか、そうした方を加えるということになりますと、これは従来の国防
会議そのものができます当時からの審議の経過を見ましても、これに対しては各方面からいろいろな意見があるようでございます。
〔
委員長退席、
加藤(陽)
委員長代理着席〕
この部外者を充てるということは、緊急時等、場合によっては機密
保持が必要なことも当然あり得ることもありますし、私はにわかにこの意見に賛成をするということをこの機会に申し上げるわけにはいかないと思います。
ただ、国会に
委員会を設けるということは、率直に申しまして今度各方面の意見を聞いてみればみるほど、今日、いわゆる内局というものがあり、そして内閣というものがあり、国防
会議があり、そして閣議というものがある。この執行体制の中では、お互いの腹がまえ、いわゆる基本的な精神というものができておれば、文民統制の実を十分にあげ得る体制そのものはそれなりに整っておる。しかし基本的には、一番大きな主権者たる国民にかわってこれを監視していただくというのが国会であろうということは、私もまさにそのとおりだと思います。その感をいよいよ深くいたしております。
ただ、その場合どのようなものがいいか、こういうことになりますと、私も伊藤さんと同じ国
会議員の仲間としての見解はございますけれども、政府対国会という立場におりますと、国会の中で御論議いただくべきではなかろうか。私は基本的な
考え方としては、最もこれをチェックする最高の機関は、主権者たる国民にかわってということになれば、何としても国会である。そこに、ある党はいわゆる防衛
委員会と言い、伊藤さんのほうは安全保障特別
委員会とおっしゃる、そうしたものがあることはまことに妥当な姿ではなかろうか、このように私は
考えております。
いずれにいたしましても、せっかくきちんとした御提言をいただいたのは伊藤さんのところだけでございますので、十分
検討をいたしまして、なかんずく、国会で問題が起き、そしてそれが議長あっせんという形で示されております限りにおいて、私どもの責任で文民統制の実をあげるだけの具体策は、少なくとも
理事懇談会あたりにはお
示ししなきゃならぬ責務がある、このように理解をいたしております。