○大出
委員 どうも、いまやまさに去り行かんとする総務長官と、こう言われると、私のほうも、特に山中総務長官にはどうもたいへんお骨折りをかけました、またお世話になりましたと、こう申し上げざるを得ないわけですね。ずいぶんたくさん
仕事をしていただきましたから。
だが、これは私の持論でありまして、というよりも、これは総務長官にもずいぶんものを申し上げたわけでございまして、昔きわめて若いときに、一生懸命、慶徳庄意さんなる人事院の給与局次長さんと組んで、まさになれ合いで、おまえさん、官公労
事務局長といったって、二十五かそこらのくせに、何で年寄りめいて年金ばかり、恩給ばかりやっているのだと言われながら、研究の成果云々と公務員法に書いてあるから、だから何とか人事院に恩給勧告を出させたいと苦労した時期がある。だから私も、これには少し執念めいたものがある。だからそういう
意味で、あの時代
ほんとうに退職公務員の諸君は苦労をしてきて——当時の方々はいまはもうほとんどなくなっているわけですが、当時は参議院の松島さんだとか群馬地方区の野本品吉さんだとかいう方々が、退職公務員等に対して一生懸命やっていたわけです。だからあの方々にもその悲願が残っておると思う。だから、せめてここまで来ればこのあたりで割り切りたい、割り切っていただきたい。
そうしてそのことが、波及効果という
意味で波及するかもしれない。しかし、そのことは、たとえば給与にしたって同じことが言えるので、家の中の扶養手当というものが中心になっていた。そうしたら今度は通勤ということで、通勤の交通費を出せということになってきた。そうしたら今度は、すぐ住宅について金を出せということで、そういうワクができた。つまり給与というものの本体が生活給付部門にずっと流れてきているわけです。これは給与の絶対額が少ないわけですからね。そうだとすると、せめて恩給については、これを制度化しろと言っているのだから、恩給審議会の答申も四十四年三月に出ているのですし、せっかく政府が有権解釈まで含めて、調整規定の解釈まで含めて預けて、その上で出ているのですから。しかもその中の三本立て俸給表というものは片づいたのですから。そうだとすると、会長さんは新居さんですか、新居さんがここで私の
質問にお答えになったように、そのとき政府は、その新居さんの御発言を尊重しますと答弁されている。それをしもやらないというのは私は怠慢ではないかと思う。
もう
一つ、実はいま総務長官が、物価あるいは公務員賃金と、こう言われましたが、本
委員会は公務員の賃金を中心に
考えていくということを附帯決議にしているのですよ。皆さんの答弁は、それは尊重しますとなっているのですよ。そうなりますと、わが国の特殊事情からいって、公務員の賃金のほうが物価を上回っているという現状からすれば、あるいは物価というものは下がる時期もある。佐藤内閣ではないかもしらぬけれ
ども、将来に向かってあり得る。そうだとすると、一番安定するのは何かというと、現職公務員の賃金である。わが国の場合にはこう申し上げたいわけです。だからそういう
意味で、せっかく附帯決議の趣旨もこれあり、そこらのところを中心にして、この際消えていく方々なんだから割り切る。
そうして、あわせて
一つ問題となるのは、さっき総務長官がいみじくもおっしゃったように、見方によりますけれ
ども、実質一年半のおくれ。一年間といっても、四月の会計年度からいえば、実施は十月ですから一年半になる。だからこの一年半おくれておるということは不合理なので、できるだけ縮める。人事院の給与の勧告だって、やれ十月だ、九月だ、八月だ、七月だということで、しまいには完全実施と、こうなったわけだから、そうだとすると、このおくれというものも、そんな十月とは言わないで、
予算当局のなにもあるのだが、ことしはこの通常国会で上がれば実施できるのですから、そうだとすれば、十月というのは試案なんだから、八月にするとか、あるいは六月にするとかもう少し
考えて、一年半のおくれというものを詰めていく。こういうふうに
考えていったって、一向に差しつかえないのではないか。そういうことをしないで、十月だ、十月だといっていままで流れてくるということでは、片や軍人恩給なんか改善してもいいようなくあいに——私はその足を引っぱる気は毛頭ないけれ
ども、そっちのほうばかり金を使って、たしか今回文官のほうでは七十八億かそこらのはずでございますけれ
ども、そうでしょう。そうなると、これはまことに陳腐なものができ上がる。だからもう少し古い、つまりわれわれの大先輩である公務員の方々がやめて恩給をもらっているのです。したがって、そこらの方々が安心ができるようにこの際やってあげる必要がありはせぬかということなんです。
まさに、いまや去り行く総務長官とおっしゃられると、何か言ってもしようがない気がするのですけれ
ども、これは持論ですから、言うだけのことは言わしていただかぬと困る。
あと今度、恩給
局長さんもあるいはかわるかもしれぬけれ
ども、きのうきょう恩給
局長になられたはずじゃないですから、その
意味では、そこらのところを総務長官は前向きでと答えておられるのですから、
あとどなたになられるにせよ、恩給
局長さんのほうは何とか前向きでということになりませんですか。