○大出委員 そんなことを言ったって、人事院は退職手当を所管してないでしょう。別にちゃんと所管があるでしょう。もうきまっているでしょう。退職手当の仕事を人事院がやらなければならぬ
責任も何もないのです。こだわっているわけじゃないですよ。私は心配だから言っているのですよ。筋道から言うと、何かやはりほかに所管庁があるとなれば、それは人事院だってやりにくいでしょう。あえて忙しいのを買って出てやるにしても、それは気の毒な話です。
私は給与局長をながめておって、いつもそう思うのですけれども、ずいぶん
苦労しておるのです。そうでしょう。からだこわしはせぬかという心配を、あなた見てするのですよ。給与課の
方々だって、渡辺さんおいでになりますが、このいまから調査する勧告時期までの間というものはたいへんな
努力でしょう。それは
予算官庁なんかだって、
予算編成のときにはいろいろな
苦労がありますよ。だから、そこらを私は心配している。そこへもってきて、いままで尾崎さんと退職手当の話をしたこともありますが、何か話の間にぽんと出てくるのは、所管官庁があるからということです。その意識が常にあるということを非常に公務員諸君のためにいつも心配をする。だから
山中さん、そう言ったって、いまそうなっているのはしようがないけれども、しかし現実に仕事をしてもらっておることはたいへん御
苦労なことでありますし、人事院にやっていただいていることも事実でございますから、だから、さっきの総裁の
答弁の最後にひっついている、所管官庁はほかにありますから横のほうから
意見を申し出ることはいかがなものかという気もある。こういうものが出てくると、これは私はたいへんに大きな問題だと思う。深刻なんですよ、退職手当というのは。職場へ行ってみると、やめたくてもやめないで待っている人は公務員の中でたくさんいるのですから。そうでしょう、調査して知っているのだから。それが何か、その調査の衝に当たった人事院の
皆さん、所管官庁は向こうにあるからという、そういう気持ちにいつもあるということになると、私はやっぱりこれは心配せざるを得ないのですよ。だからこの問題を持ち出して聞いているわけですよ。
だから私は、これは中身の話はあとで触れますが、総裁は、
自信があるならば当然これは
意見を申し出るべきものであると、こう
考える、そのかわり、これは完全に実施してもらわなければならぬ、こうおっしゃっている。それは人事院としては、他に例のない独立権限を持っておる官庁でございますから、そこが公務員給与全般を所掌しているんだから、所管官庁が向こうにある、その中であえて
意見をお求めになるとすれば、これこそまさに完全実施してもらわなければ人事院の立場はない。そういうむずかしさがそこにあると私は思うのです。それがことのはにお出になったんだと思う。だから、それだけに
総務長官のところで、そこのところは公務員にプラスになるように、その扱いについてはお
考えいただきたいものだ、こういう気がする。
私は、だから念のために、かつて
予算の分科会のときにこの問題を取り上げて、あっさり
質問を三十分いたしましたが、
総務長官はそのときに、私にこういう答え方をしている。調査費をかけて調査した以上は前向きにやろう、調査費をかけて調査をしたんだからそのようにお含みください、こういうことだった。だから、
長官のその前向きの姿勢を、私はそのまま受け取っておった。それならば
長官の立場で、事、機構上何かどうもぴたっとこないものがあるんだけれども、
総務長官としては人事院の
皆さんに、そっちで調査をし、そっちで集計をし、そっちでその数字をはじいたんだから、したがって調査結果というものに基づいてちゃんとしたものを出してくれ、
意見を付して出してくれ、というふうに
長官がそこのところはお
考えおきいただかぬと、何かしらぬけれども、頼まれ仕事だからやってみた、こういう結果になりました、さあ人事局どうぞというので渡しました、それでおしまいになったんじゃ、これは、ものごとがそのあと前向きに進まない、こう思いますので、そこのところはいかがでしょう。