○大出
委員 現場は二転、三転して、私の聞き方も激しいせいかもしれませんけれ
ども、しかし、ごらんのとおり、私もそう非紳士的ではないほうであります。ところが、何かおっしゃるから、それはと聞くと、ころころ、ころころみんな変わってしまって、落ちつく先が、しばらくたって皆さん相談された結果が——本庁の方も来ておられたのですよ。本庁に帰ってと言うから、そんないいかげんなことで問題を起こされては私のほうは迷惑だ。しかも、その反安保がいけないということについてはたな上げしているじゃないかと言ったら、待ってくれ。待ってくれと言って出てきたのがこれなんだ。出てきてこれですと言うから、私はこれ持ち帰ってきた。そうしたら、あなたは全然
関係ないようなことをおっしゃる。そうすれば、全く
関係ないものを、一体なぜ阻止したのですか、こうなるでしょう。現場でこれですと言い切ったものを、あなたがてっぺんでひっくり返すのだとすると、これは責任問題だ。そうでしょう。その責任は問いませんよ。問いませんが、そういう筋道になるではないかと言うのです。
いいですか、読みますよ。八十七条十二号、これを解説してこれですとおっしゃった方は柳幸男さんという方、一佐か二佐かえらい方です。十二号の中身は、「政治的目的を有する文書又は図画を国の庁舎、施設等に掲示し、又は掲示させ、その他政治的目的のために国の庁舎、施設、資材又は資金を利用し、又は利用させること」、この中のどこに当たるのだと言ったら、掲示に当たる。冗談じゃありませんよ。お読みになればわかるじゃないですか。私は反論持っておりましたが黙って帰ってきた。掲示に当たる。「政治的目的を有する文書又は図画を国の庁舎、施設に掲示」をする、これはいけないということです。赤い自動車の中で運転していて、ここに出てきたものが何が掲示ですか。こんなものを掲示にされてはえらいことになってしまう。そういうばかげたことを根拠にして問題を起こす。一体、私はその気が知れぬのですよ。そうでしょう、法務官という方もおいでになって。だから、そういういいかげんなことで、反安保と書いてあるからいけない、そういうことでは私は困る。
しかも、おたくのほうで根拠法規とおっしゃった。現場で明確にされた。楢崎君もおったのですが、おかしなことを言う。言うが、それ以上現場で否定すると立場ないですよ。四師団長以下みんなおるのだから。だから私はがまんして、そうですかと言って帰ってきた。そうでしょう。だから私は、そういう不徹底ないいかげんな——私も
法律の専門屋じゃありません。ありませんが、九年も
国会におるのです。しかも
防衛庁を担当してきておるのですから、だから、そういうところはやはり少しお考えいただきませんとよろしくないという気がいたします。念のために申し上げたわけですから、だからどうしてくれと言うのじゃない。
そこで、そういう事情でさっきのいきさつがあり、三日目に池元君という方が特殊を持って配達に行った。料金不足などをもらってくるということもあった。ところが行き違いですから、北門から入っていったら衛兵が入れない。これは、ここに地図がありますけれ
ども、お見せしてもしかたがありませんから見せませんが、ちょうどポストは北門と表門、正門のまん中ぐらいにあるのですよ。だから、ポストの配置からいきまして、順路としては、その中を通って帰ってこなければ、一回り回ると二、三残ってしまう。これは大臣にはおわかりにならぬかもしれないけれ
ども、私は自分で取り集めをやったことがあるのです。私は
昭和十四年に郵便配達をやったことがあるのです。当時は地下たび、巻き脚絆の時代で、いまとは違うのですけれ
ども、道順は組み立てていくわけです。そうすると、この通路を通らなければ時間一ぱいには帰れぬのですよ。どうしてもこれは物理的に残るのですよ。本人にすれば、どうしてもここから入れてくれ、きのうまで入れることになっていたのに、何でだ。見たら日通の車が目の前に入っていた。日通だって小包を持っていっているのだから、日通を入れておいて郵便局を入れないとは一体何ですか、こう言ったという。時間がないのだから入れてください。入ろうと思ったらハンドルを握られてしまった。あなたはそういう妨害をするのですか、私は郵便配達なんだから公務なんですよ、そうおやりになると公務執行妨害になりますよ、こう言った。何でもかんでも入らなければいいのだ。向こうも若いから血の気も多いのでしょうが、三人おられた。それで結果的にハンドル持たれて、じゃハンドルとめるなら私は歩いていきますからと、車からおりた。おりて入っていこうとした。
というところで、
自衛隊側からすれば、乗ったままで走ろうとしたので、からだが横向いた。肩にあった銃がはずれて御本人のほうを向いた、こう言う。銃はこうやって持っているのです。そうでしょう。こうなって、そしたらそこに本人がいた、そんなうまいぐあいにいかないですよ。そこで、みなが見ているところでやってもらった。二十二歳の、全くひょろひょろと、私よりもまだひょろひょろとした、このやろうなんて言えたようなタイプではないのです。しかも非常にまじめで、訥々として言う。九州弁でわからぬけれ
ども、あなたはそう言っておったねというような話をする。だから、その場面では銃をかまえていたのではないか。政所君もえらい困っておった。どうしても入れないから、しかたがないから正門に回ったという。正門に回っていってやりとりがあった。これは皆さんのほうもなかなかひどいことを言っているのですがね。
これはなぜ大臣にここのところを聞いてもらっておるかというと、あとで郵政省の
局長さん以下がおとりになったことについて、私は少し言い分があると思うのです。そういう
意味ですから、時間がかかりますが聞いていただきたい。
そこで、何で銃を向けるのかと言って、そこでやりとりがあった。言ったら銃を引っ込めたので、歩いていくからと言って歩き始めたら、二人が立ちふさがってからだに触れてきたので、暴力と言ったら、何が暴力かと言って二人とも離れたという。通れる見込みがないと思って正門に回った。
自衛隊の方は師団長以下全部いるところで、この衝に当たった池元君本人がこのとおりしゃべっているのですよ。正門に来たら、腕章はずしてください、はずされません。じゃ、あそこの営門の部屋、あそこへ入ってくださいと言うので、正門の中に入り、受付の人が四人ないし五人いた。そこで郵便物をとってくれた。これは料金不足がありましたから、ここで三十円、本人は金をもらっているわけですね。ちゃんともらっている。そして、その話がついてから、裏門で銃を突きつけられたが、そんなことしていいのですかと聞いた。自分の子供が戦争に行くようになったら困るじゃないですかということまで話した。本人は全逓の組合員ですから、思うことを言った。飛行機一機で住宅がどれだけ建てられるか。
自衛隊は市民を守るのに、何で銃を向けるのかというところまで言ったらしい。だからえらい人を連れてきてくれ。そうしたところが、えらい人が、政所さんがあらわれまして、この
自衛隊の方は、えらい人ったっていないんだ、お互いに下っぱだからという話になった。そして電話をした。そして少しえらい人がお見えになって一裏門で何で銃を向けたんだ。ここにネームプレートがついておりますから、実は本人は、その銃を突きつけた人の名前は知っているんですけれ
ども、本人は、それは私は言いません、あなたも聞かないでください。本人もそう言うものですから、ともかくそのことは、向こうも言わず、私も聞かずにきたのです。本人は、ちゃんとネームプレートがついているから、わかっていたわけです。
そういうことなんでありますが、ところが、裏門に一緒に行きましょうということになった。そうしたら、どういうわけで行くんだ。いや、さっきのことはわかっているんだから、向けた向けないというなら確認のために一緒に行きましょう。そういう目的なら裏門に行くことはできませんということで、とうとう行かないことになったのでありますが、このやりとりの一番最後は、そういう目的のためなら連れていけない、じゃ、確かめてくれないのか、いや確かめない。このやりとりは、政所さんですよ、
自衛隊の班長さん。そこで
自衛隊の人が最後に、銃にはたまが入っていない、銃を突きつけられたくらいであなたのようなりっぱな青年がびくびくしてはつまらぬ、こう言った。それで本人は頭にきた。たまが入ってないったって、向けられた本人の身になってみろということで、権力でくるなら、権力に勝てないから、これは私は帰ります、おじゃましました、こういう捨てぜりふを言って帰ってきたというのが、本人の皆さんのいるところで
説明している陳述ですよ。こういうことになっている。
つまり、ここらのところは、江藤さん、これはきょうは郵政大臣に質問をするのでお見えいただいたわけでありますから、あらためて長官に質問いたしますけれ
ども、やはり新聞の書き方もございまして、当時ああいう時期でもございましたから、この
自衛隊が
国民に銃を向けるとはけしからぬではないか、こういう雰囲気ができ上がる。結果的に向いたという点は、師団長さんと私
どもが一致した。だが、向けたのか、肩からはずれてこうなったから向いたのか。そこにたまたま彼がいた。彼がいたと言ったって、彼がやりとりしているわけですから。そうでしょう。ここらのところは、私は二十二歳の朴訥な青年が言うとおりだと思っておりますけれ
ども、私はやはり、将来に大きな問題が残るところで、大きなことを言えば、
一つ間違えばこれは組合運動に対する介入だという言い方を福岡県評の
方々はしておられましたが、そういうように受け取られる
可能性さえなきにしもあらず、こういう結果になると思っています。
そこで、これは大臣に承りたいのですが、こういう事情があって、しかも第一日目の六日にトラブルがあった。すぐ電話を組合の書記長が入れた。そうしたところが、そのときに、ポストの位置が隊内のまん中にある。朝霞事件以来やかましくなってものものしいわけですから、非常に入りにくい。だから、そのポストの位置を正門なら正門の入り口に、北門なら北門の入り口に出してもらえば何でもない。
自衛隊のほうは、きょうじゅうにでもやりましょうという
意見だ。ところが局の側は、そういうことはできないと言って断わっておられる。しかも私は、
局長さんに会って、組合運動をやっていて、対立しているかもしれぬ。けれ
ども、局の
職員に間違いがないのだとすると、事の真相はどうなのかという点を——ローカル紙にも大きく出たのだから、その点は確かめましたかと言ったら、新聞で知りましたというわけですね。知ってからどうしましたか。聞きました。どういうふうに聞いたか。電話を入れたというわけですね。つまり、自分のところの
職員なんですから、
自衛隊に行って直接だれか責任者に会って話をしてみるとか、全く何らの
措置もとられていない。私がお目にかかっても、まさにたいへんに
自衛隊の側に同情したような言い方をされる。だが私は、その点は、論理的におとなしく反論しておきましたが、こういう時点に立った場合に、やはり、それは局の責任者の諸君の側の責任というものも、これはお考えいただかなければ困ると思うのです。だから、事の真相というものを明らかにして——夕方お見えになって、さっき北さんがお答えになったように、普通の郵便物、まあ大口のということばを使っているようですけれ
ども、それが入ってくることは困る。だから、専門的に言えば、特殊ならいいということになるんです。だけれ
ども、そういう手違いがあった。だから
局長さんも、だれとだれとだれについて、入りませんよと言いました。ほかに行っておらないと言っているんですから、その行き違いも、本来ならば起こらなかった問題で、すぐ
局長から連絡する、あるいは課長に指示して連絡しておく。そうすれば、何も私が行かなくたってああいう食い偉いはすぐわかる。
自衛隊が認めているのだから。何にもおやりにならなかった。それで、そんなことをしたら処分されるぞということを課長を通じて言ってきている。こういう問題が起こっているのに——片一方は組合運動でやっているんですから、起こっているのに、処分というようなこと左口にするだけで事足りる筋合いではない。ポストを
自衛隊も移しましょうと言って、組合から連絡したから、局に相談に行っているのに、それをぽんと断わったままでそれっきりにしているというやり方というのは、私も、いかにもどうも昨今の管理者の
方々らしいやり方になっている。
これも実は私は、今日の労使
関係というものをああいうふうにしてしまったところに、深い原因があるという気がするんですけれ
ども、私は大臣、このあたりで、こういうところは調べてきた結果、事の善悪、理非がどうあるにせよ、事、郵政省の
職員と
自衛隊の問題なんですから、そこらあたりはもう少し誠意ある
自衛隊との話し合いを、局の側が、積極的に管理者の
方々がすぐやる、そういう姿勢があって私は一向に差しつかえなはずだし、組合との話における
自衛隊のやりとりの中でポストの話が出ているんだから、それならば、そこらの話し合いに乗って相談する態度があったっていいし、もう少し親切に事を分けて話をする方法だってある。ところが、一片の
業務命令の形に類するものの言い方をしている。処分を持ち出す。そういう口吻でものを言うというふうなことがあるということは、私はいささかもつてこれは不穏当である、こう思っています。だから、そこのところは、これは大臣は、事つまびらかにしていないわけでございますから、そこに私が質問するのですから、答弁をしろと言うことは無理だとは思うけれ
ども、あとの問題とからむので、一言、何か所感がございましたら、ひとつ申し述べておいていただきたいのであります。