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1972-03-14 第68回国会 衆議院 内閣委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十七年三月十四日(火曜日)     午後五時二十六分開議  出席委員    委員長 伊能繁次郎君    理事 加藤 陽三君 理事 佐藤 文生君    理事 坂村 吉正君 理事 塩谷 一夫君    理事 山口 敏夫君 理事 大出  俊君    理事 伊藤惣助丸君 理事 和田 耕作君       阿部 文男君    天野 公義君       篠田 弘作君    辻  寛一君       中山 利生君    葉梨 信行君       湊  徹郎君    上原 康助君       川崎 寛治君    木原  実君       楢崎弥之助君    西宮  弘君       鬼木 勝利君    受田 新吉君       東中 光雄君  出席国務大臣         内閣総理大臣  佐藤 榮作君         国 務 大 臣         (国家公安委員         会委員長)   中村 寅太君         国 務 大 臣         (防衛庁長官) 江崎 真澄君  出席政府委員         防衛庁参事官  高瀬 忠雄君         防衛庁参事官  鶴崎  敏君         防衛庁長官官房         長       宍戸 基男君         防衛庁防衛局長 久保 卓也君         防衛庁人事教育         局長      江藤 淳雄君         防衛庁経理局長 田代 一正君         防衛庁装備局長 黒部  穰君         防衛施設庁長官 島田  豊君         防衛施設庁総務         部長      長坂  強君         防衛施設庁施設         部長      薄田  浩君  委員外出席者         内閣委員会調査         室長      本田 敬信君     ――――――――――――― 委員の異動 三月十四日  辞任         補欠選任   土井たか子君     西宮  弘君   横路 孝弘君     楢崎弥之助君   松本 善明君     東中 光雄君 同日  辞任         補欠選任   楢崎弥之助君     横路 孝弘君   西宮  弘君     土井たか子君   東中 光雄君     松本 善明君     ――――――――――――― 三月十三日  防衛力整備予算転換等に関する請願(佐々木  良作君紹介)(第一四八九号)  同(細谷治嘉紹介)(第一四九〇号)  従軍日赤看護婦に対する恩給法適用に関する請  願(林百郎君紹介)(第一四九一号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 三月十一日  靖国神社の国家管理反対に関する陳情書外七件  (第  一号)  傷病恩給改善に関する陳情書外十一件  (第二号)  公務員の調整手当改善に関する陳情書  (第三号)  水戸射爆場の即時全面返還等に関する陳情書  (第四号)  同和対策事業の推進に関する陳情書  (第九七号) は本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  国の防衛に関する件      ――――◇―――――
  2. 伊能繁次郎

    伊能委員長 これより会議を開きます。  国の防衛に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。佐藤文生君。
  3. 佐藤文生

    佐藤(文)委員 私は、昨日、自由民主党の同志とともに立川市に参りまして、市長市民代表市議会代表と会い、それから基地内の視察を行なってまいりました。そこで、自衛隊立川移駐問題につきまして、総理並びに防衛庁長官質問を申し上げたいと思います。  まず、現地において、市議会代表あるいは市民代表から陳情を受けましたので、それをお二方に差し上げたいと思います。  市長と会いましてお話をしましたが、市長が言うには、すでに新聞その他で報道されているように、立川市民の大部分方々移駐反対である。数字も出しました。そういう背景を受けて、政治的な立場で言うのではなくして、市民の大部分方々反対をしている。それは、騒音の問題、あるいは飛行機事故による市民損害墜落による損害のおそれがある。自衛隊が来ることによって、民生安定を中心にした都市計画あるいは文教を中心にした都市計画、そういうものに支障が起こる。したがって、大正五年以来立川市民が受けておる飛行基地としてのいろいろな不自由さ、市民生活への圧迫、特に、近時市街化が非常に進んで、広大な土地が基地に取られておるということは、市政の上において非常に支障を来たす、こういったような考え方移駐反対だ。それに、自分個人考え方としては自衛隊憲法違反である、こういうことを述べられまして、移駐反対行動をしたい、また市長としてとっていきたい、こういう話がありましたので、私どもは、自衛隊の持っておる任務、直接侵略あるいは間接侵略、あるいは、特に関東地域の二千五百万人の方々緊急災害時におけるところの対策は一番大切なことである、その災害時における自衛隊体制がいまのままでは不十分であるので、どうしても立川基地米軍と共同使用して、それによって関東地域全般にわたっての緊急災害時の体制をとるために、考え方は違うけれどもぜひとも協力してほしい、こういうことを主張いたしました。そういうことで市長との考え方平行線でございます。それで市長とわれわれの考え方相違点がはっきりいたしました。  憲法の違憲問題については、すでに国会において過去何回となく論議されておりますけれども、現在の憲法の解釈の内容においては自衛権というものは認められるのだ。したがって、そういう考え方のもとに、憲法違反という問題については市長考え方に反論をいたしました。  こういうことで市長との考え方平行線でございましたけれども市民代表市議会代表と接触を重ねるうちに、ただいま総理にお渡ししました、市民良識のある代表市議会過半数政和会という立川市議会代表から、十二項目にわたる要求事項が出てまいりました。自衛隊というものは、国防あるいは地域緊急災害、さらに具体的に言えば直接侵略間接侵略、それから地域災害対策、こういったような重要な任務はありますけれども、国の安全というような問題を考えたときに、大きく分けて七つ条件がそろわなくちゃならぬということを現地で話をしました中に、この十二項目が出てきたわけであります。  私が主張しました、十二項目を出された原因になった七つ条件としてその市会議員代表に申し上げたことは、第一は集団安全保障自主防衛、軍縮あるいは外交によるところのアジアの近隣諸国への平和外交教育の水準を高めること、社会保障制度確立、農業、中小企業の内政問題についてのバランスのとれた対策、こういうすべてのバランスがとれたときに安全保障確立になってくるということの中であるので、自衛隊移駐によって立川市民方々にいろいろな御迷惑をかけておる、また将来ともかけるということは認めます。したがって、この十二項目について、私は内閣委員会において、総理あるいは防衛庁長官一つ一つ直接お話をして、皆さん方の意向を伝えて、確答を得て御返事を申し上げる。これは立川市民一人一人が注目いたしておりますので、この件について一つ一つ申し上げて、御説明をして、防衛庁長官確答を得たいと私は思うわけであります。  その第一は、基地の中におけるところの、いま図面に示しました「A、B両地区早期返還」、第二が「高松バイパス促進」、第三が「基地東側早期返還基地内南北道路開通」、第四が「基地周辺公共施設防音工事などの整備」、第五が「国鉄青梅線沿い貨物新設のための基地南側の一部返還」、第六が「都市計画街路二・一・七号線の青梅線踏み切り附近の拡張」、第七が「横田基地周囲道路実現」、第八が「D地区早期返還または地元利用実現」、第九が「テレビ電話障害防止の助成、農耕阻害への補償」、第十が「基地開放」、第十一が「基地災害時の緊急避難場所に提供」、第十二が「基地返還後の跡地利用については、必ず地元協議すること」。  以上、十二項目について市議会代表からわれわれに要求がありました。かねてから防衛庁と話し合いをしておる、そうしてたいへん理解のあるお返事をいただいておると言っておりますけれども立川市民東京都民はこの内容はよくわかりません。したがって、自衛隊移駐に伴って国としてできるだけのことをやるという意味において、この十二項目についての防衛庁長官の御返答と、特に自衛隊の問題でございまして、各省にわたっての問題点が出ておりますので、その問題をお聞きになって総理としての御返答を承りたい、こう思っております。
  4. 江崎真澄

    江崎国務大臣 私から御答弁を申し上げます。  最初のA、B両地区早期返還、これにつきましては、約五万平方メートルあるわけですが、市でフェンスなどの移設を完了次第返還する。この工事予算は前市長の当時にすでに可決されていますが、現在まだ工事は行なわれていないというわけですが、B地区残り部分返還も、これは誠意をもって前向きで検討をいたしております。  それから二番目の高松バイパス促進、これは市側協力を得ながら四十七年度内に返還実現するよう努力をしていく。経費についてはできるだけ立川市の負担にならぬように軽減措置をはかってまいりたい、こんなことを考えております。  三番目の基地東側早期返還基地内南北道路開通、この地区もやはり早期返還をはかりまして、道路建設に必要な経費の確保、地元負担軽減、こういった問題を今後継続的に十分努力をしてまいりたいと思っております。  四番目の基地周辺公共施設防音工事などの整備、これは実情に応じまして、もとより実施に着手したいというふうに考えております。  五番、国鉄青梅線沿い貨物新設のための基地南側の一部返還、これは国鉄市当局協議ができ、市の要望があれば、返還実現努力をしてまいりたいと考えております。  さっきあなたが項目をおあげになりましたから、これの繰り返しになりますと時間が惜しゅうございますので、番号でまいります。  六番目の問題につきましては、返還措置を近日講じてまいりたいと思っております。  七番目の横田基地周辺道路実現、これは逐次実現努力する前向きの姿勢で検討をいたしております。  八番、D地区は無障害物地帯として必要でありまするが、支障のない範囲で地元利用全面的協力をしてまいりたい、こんなことを考えております。  九番のテレビ等の問題。この障害については、実情を詳細に調査いたしまして、その調査結果に基づいて善処いたします。  十番の立川観光協会体育協会子供会、ボーイスカウトなどの少年団体婦人団体連絡協議会などいわゆる社会教育行事への開放につきましては、従来どおり協力をしてまいる予定でおります。  十一番、これは基地災害時の緊急避難場所に提供するかどうかという問題でありまするが、もちろん全面的に協力をいたします。  十二番、今回の自衛隊基地使用は暫定的なものであり、将来米側から国に全面返還された場合には、当然地元側協議をする。これは他の基地と同様の取り扱いになります。
  5. 佐藤榮作

    佐藤内閣総理大臣 ただいまお話がありましたように、佐藤君はじめ皆さん方現地に直接行かれて、現地市当局あるいは市議会等、また市民代表とも懇談されたということ、これはたいへんな努力であったと思います。もともと、自衛隊にいたしましても、駐留する米軍にいたしましても、地域住民理解協力、これは最も大事でございます。この理解協力のもとにおいて初めて、それぞれの目的自衛隊目的あるいは駐留軍目的、これが達せられる、かように私は考えますので、ただいまの問題は、一そう理解を深める、ぜひとも協力を得るようにこの上とも努力して、そうして地域的な問題が解消するように最善の努力を尽くしたい、かように思います。
  6. 佐藤文生

    佐藤(文)委員 防衛庁長官に第二の質問をいたします。  移駐部隊任務がもう少し的確に立川市民東京都民にわかるようなことを防衛庁はすべきだと私は思います。ということは、市民ほんとう理解がなくして移駐というものができるものではございません。やはり市民理解があってこそ自衛隊の移動なり移駐というものはできると考えます。そこで、立川へ今後移駐しようとする部隊というものは、災害時にどのような任務があるのか。どういう訓練をしようとしておるか。災害時、災害の規模に応じて立川基地としての機能がどう発揮されるかということを、いま少し市民理解してもらう必要があると思います。  そこで、先般、八丈島中心地震が起こりました。そのときに自衛隊がどのような行動をしたかということを私は現地で調べました。私は、防衛庁で聞くひまがなかったので、現地で聞いたところが、若干数字が違っておりましたが、現地で聞いたときに非常にうれしく思ったことは、この不幸な地震が二月二十九日の十八時二十三分に発震をしまして、十八時四十五分に都の災害対策課情報収集の開始を第一師団が行なった。これは十分後ぐらいに行なった。そうして、二十三時に美濃部東京都知事から第一師団長自衛隊派遣要請がありました。私はこれを聞いたときに、党派をこえて、自衛隊というものがいま起こった大地震というものに対処して直ちに出動するということを、やはり美濃部知事要請し、自衛隊は喜んでそれに向かっていったという姿を見たときに、非常にうれしく思いました。特に東京都知事から第一師団長要請があった直後に自衛隊準備行動を起こしたが、総理、ここで私が非常に残念に思ったことは、片道三百キロしか飛べないヘリコプター片道三百キロしか燃料が積めない偵察機でもって八丈島へ飛んだ。やっと片道でございます。もしも途中で迷ったら、もうそのまま墜落であります。そういうような危険をおかして一路八丈島飛行機か発進をいたしました。海上自衛隊も直ちにLSTを二隻これに派遣して、タンクでの給水を行なった。がけくずれもあり、現在なお部隊が残って給水活動を行なっております。  そういったように、直ちに自衛隊行動を起こしたけれども片道三百キロしか飛べないようなヘリコプター、それで八丈島へやっと片道行くことができたという、そういう危険な状態をおかしてやらねばならないという災害対策を見たときに、私は、この立川基地における今後の災害訓練というものは、よほど十分に考えていただいて、その配備装備なりというものは、十分に関東一円の二千五百万の住民を守るという、そういう具体的なことを示していただいて、そしてこの移駐目的というものをはっきり市民に知っていただく必要があると思うのです。  そこで、昨日は五機がおりました。そして四十数名の方々先遣隊で行っておりましたが、今後二十八機移駐が完了したあとにおいては、どういう災害救助訓練をやるのか、その具体策がありましたならば、それを示して、立川周辺都民が安心して自衛隊を迎える、そういうことをここではっきりと言ってもらいたい。それなくして市民理解はなかなか得がたい、こう思うのです。そういう理解をはっきりとしていただいて、立川市長さんはじめ市民方々があたたかく自衛隊を迎えるという環境を私どもがつくっていきたい。こういうことでその二十八機、自衛隊が移転完了した暁において、どのような訓練をしてやっていくのか、特に災害対策についてどのような訓練をやっていくのか、それを明確にお示し願いたいと思います。
  7. 江崎真澄

    江崎国務大臣 わざわざ立川基地おいでをいただいて、しかも非常に深い理解を示されることに心から敬意を表します。  いまお尋ねの点でありますが、二十八機はヘリコプター連絡機、すべて小型機であります。したがって、実際の訓練富士演習場で行なうわけであります。自衛隊でありますから、自衛隊の本務の訓練に奔命することは、これはもとより当然であります。しかし海の自衛隊は、貿易立国でありますわが国の商船、輸送船その他を、沿岸警備をはじめといたしまして実際の活動を行なっております。それからまた航空自衛隊においては、ときに善意でありましても領空を誤って侵犯するという場合がある。これにホットスクランブルをかけることもあります。しかし陸上自衛隊の場合は、これは演習がおもでありまして、ふだんもし出動するということがありますれば、いま御指摘の民生協力災害緊急協力、これだと思います。  もともと、これが昨年の六月二十九日の閣議中曽根防衛庁長官の当時決定を見たというのは、一昨年以来、災害がこの大都市を襲ったらどうなるか、そのとき自衛隊民生協力はどういう形で行なわれるべきか、こういうことが背景になりまして閣議決定をなされたというふうに、私は事務引き継ぎのときに前任の西村防衛庁長官から受け継いでおるわけであります。したがって二十八機は、もちろん物資の投下であるとか、あるいは病人の救急輸送であるとか、いろいろ災害時の民生協力面における具体的な訓練を行なうことは、これはもとよりです。しかし、ほんとうに大災害があれば、これは二十八機だけでこの首都圏緊急協かに役立つものではありません。したがって、立川の飛行場を中心にして、百二十機程度の小型航空機、いわゆるヘリコプター中心としたそういった航空機を集めまして、そして活発な災害救急活動に資する。江東地区のほうは、木更津の基地から飛び立って救急活動をいたします。立川は主として京浜地区災害に備える、こういう立場で今後活動訓練を活発にしてまいりたいと思っております。現在は、御承知のとおり、管制の実地訓練のものであることは、きのう御視察で御承知のとおりであります。  もし、もっと詳細にということでありまするならば、政府委員からも答弁をさせますが、時間の節約をはかって概略申し上げた次第であります。
  8. 佐藤文生

    佐藤(文)委員 最後の結論を申し上げます。時間がございません。  私は、視察の結果、次のように考えました。このたびの移駐の方法について、正々堂々と移駐すべきだ、こういう意見もあります。しかし、現地市長さんについて御理解を求め得ない段階、しかしどうしても一日も早く移駐を完了したいという市議会過半数意見条件つき賛成だという意見、また国としても、この移駐を完了して、国防の面から、あるいは災害時にこの関東一円を守らなくちゃいかぬ、こういう面から自衛隊のとった、防衛庁長官のとった、夜分市民感情を起こさぬようにやったということは、あの場合においてはやむを得ない最高の処置であったと私は考えます。したがって、今後できるだけ市民理解を求められるよう、防衛庁長官はじめ自衛隊幹部の御奮励をお願い申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。
  9. 伊能繁次郎

  10. 大出俊

    大出委員 冒頭に、いまの質問に関連をいたしまして、ひとつものを申し上げておきたいのでありますが、佐藤さん、同じ佐藤さんなんですが、何かどうも良識ある人の陳情をお受けになったという、こういう意味お話でございまして、賛成の方だ、こういうんですが、そうすると、どうも反対をする者が良識がないということになる。まことに奇怪な話でございまして、そうなると、いま与党の皆さんにお近い議員さんもたくさん立川おいでになる。この方が昨年の十月に満場一致市議会反対を御決議になっておるんですが、このときにはこれは良識がなかった。ところが、ことしの一月になって、中央の防衛庁やその他の皆さんの御努力がたいへん奏功して、周辺で、やれ、あれやってやる、これやってやるというえさをぶら下げた。そうしたら急に良識があるようになった。これはまた良識を疑いたくなるわけでございまして、しかもこの立川基地というのは、四分の一は昭島市に入っている。ところが昭島市の市議会は、皆さんの側を含めて二十五人おいでになるけれども満場一致反対の御決議をなさって、いまだに反対のままである。四分の一は昭島市でございますから。これは二十五名、定数全部でございますが、全く二十五人良識がないことになる。これはまことに奇怪な話でございまして、一言触れておくわけでございます。  私も、防衛庁長官のおっしゃる、わざわざ行った口でございまして、わざわざ行きまして、現地でわざわざ調べてまいりました。たいへん制服方々とやりとりをすることを避けたいというお気持ちが、内局の方々に顕著にあらわれていたのでございますが、制服方々と直接長い間話をしました。制服方々はたいへんさっぱりした方々が多うございまして、簡明直截に率直にお答えになっておりまして、したがって、江崎さん、この間私にるるお答えになりましたが、よくまあ江崎さんとしても、うそ八百を一うそ八百ということばが世の中にあるわけでございますから使いますが、次々に並べ立てたものだなというので実は感心した。あとから一々反論申し上げます。  ときに、冒頭総理お答えいただきたいのでありますけれども、四次防の先取り問題が起こった。各新聞は、社説解説を含めまして、ほとんどが反対をされて、危険を訴えておられる。次に立川抜き打ち移駐が出てまいりました。これに対しても、各新聞社説あるいは解説は、住民参加の自治というものに対する挑戦だと書いている新聞さえある。これだけ反対が強いのに、近来そういうことはしなかったじゃないか、だから制服が前へ出たんじゃないかと、こういう書き方がある。さらに、その間に、いつの間にか忍者方式衣笠統幕議長がサイゴンにおいでになった。とっさに現地新聞が取り上げた外電が入ってくる。とたんに次官の野呂さんに、防衛庁政務次官にお聞きをしたところが、政務次官が全く御存じない。あわてて調べて実は御回答いただいた。まさに忍者部隊忍者でございまして、現地新聞に見つかって、書かれて騒ぎが大きくなった、こういうわけでございます。  その次に、私が江崎さんに九日の日に、立川強行移駐抜き打ち移駐、こそどろ移駐だというようなことをやると、平良市長がこちらにおいでになる、屋良さんも来る、自衛隊派遣反対をしている沖繩県民感情をさかなでする結果になってたいへんに心配だ、こう言って詰めたら、あなたの御答弁は、総理国防会議沖繩配備についてはかけるということである、堂々と沖繩については配備をいたしますから、その点は全く御心配なくと言った翌日の新聞をながめてみたら、これまた江崎さん、とんでもないことを言ったものだとびっくりしたんですが、各紙一斉に大見出しで、沖繩国防会議決定という総理の食言さえ起こして強行移駐したという。江崎さんの、どうも遺憾であるという談話が出ている。前の日と翌日と全く違う。  こういう問題が次々に起こったとたんに、もう一つ、これは九日の日にNHKテレビを見ておりましたら、さて熊本の八師団基地内で火炎びんが炸裂をする。白い服を着た人がいっぱい出てきたから、何だと思ってNHK解説を聞いておると、自衛隊沖繩派遣に関する妨害排除訓練という。それで解説によりますと、火炎びんをほうり飛げられてやけどしてけがした人が出て公務傷害だということでございます。  こういうふうに続いてまいりますと、これはまさに、予算委員会ではございませんが、責任の所在を明確にしていただきませんと、良識ある国民は、それこそまくらを高くして眠られない、こういうことになる。  そこで総理に、一体なぜこういうことが次々に起こるか、どうすべきか、何が一体原因でどういう対策が必要なのか、根本的に具体的にこの辺について、時間がございませんから、要を得た形の御答弁をまずいただきたいのであります。
  11. 佐藤榮作

    佐藤内閣総理大臣 まず第一点、私どもと、それから野党の皆さん方と基本的に違いますのは、いわゆる四次防というもの、四次防があるのかないのか、その問題であります。私ども中曽根君の際に、いろいろ四次防というもの、防衛庁案というもの、これを出した。したがって、それが非常に固まっておる四次防だ、かように皆さんがとられたのも、それはそれなりにあっただろうと思います。しかしながら、国防会議を開いたわけでもなければ、また国防会議懇談会を開いて決定したわけでもない。四次防計画というものはまだないのだ、このことだけははっきりしておるわけです。  その四次防の先取りをしたのではないか、こういうことでございますが、これはずいぶん予算委員会で議論になった。これは私いまさら中身の議論をとやかくは言いません。しかしとにかく議長のあっせん案が出た。そこで議長のあっせん案を政府はそのまま受け入れて、それでこの問題は実情において処理する。四次防はまだないのだ、したがって議長あっせんそのまま了承したのだから、いわゆる先取りという問題もただいまのところはないのじゃないか、かように思っておるのですが、しかし、どうもまだ四次防というものがあるかのように言われる。ここに問題がある、基本があるようです。  いずれ私どもも、この四次はつくらなければならない、かように思っております。三次防の期限は切れた、したがって次の期限は四次防に入るのだ。けれども、最初は年度内につくろう、こういうことを言っておりましたが、年度内にも国防会議を開くような段取りにはなかなかなりません。この段階であるいは国防会議を開きましても、一回だけですぐきまる、こういうものでもないと私は思っております。したがって、とにかくまだ四次防はできてないのだ、しかし政府は四次防を考えておるのだ。これはどういう方向か、どんな規模か別として、四次防は持ちたいというその意欲のあることははっきりしております。したがって、この段階において、四次防の先取りという、議長あっせん案が出たこの段階では、もうお互いにそこはひとつ了承を願いたい。  それから、ただいまの四次防計画と、次のいわゆる立川移駐問題、これがいかにも関連があるようですが、この関連はない。移駐の問題は、昨年の六月に、米軍と共同使用するという、そういうことの話し合いがついた、閣議決定もした。そこでこちらが出かけようとしたが、先ほど佐藤文生君の言われるような地方事情がありましてなかなかできてない。ずいぶん長くなり、防衛庁長官自身が市長、議長その他等と会ってもなかなか結論が出ない、そういう事態で、どうも管制部員を送り込む、そのためには不測の事態が発生しないようにというだいぶん配慮をした結果、あの夜陰に乗じて移駐した、こういうことだと思います。これはそのまま私は理解していただきたいと思います。  また、ただいまの沖繩の問題、これも別に兵器などが送られておるわけではございません。私は非常に重大視しておりますのは、沖繩が祖国に復帰したその後の問題ならともかくも、ただいままだ沖繩は復帰はしておらない。返還協定も相互にこの十五日、明日、批准書を交換しよう、こういう段階の際にああいうような行き方はどうも納得がいかぬ、こういうことで、これは予算委員会でいろいろ説明を求められ、どうも私どももふに落ちない。そこで防衛庁長官も、これについては重大なる決意をしたようでございます。  私はそれらの経過を考えると、一連の一つの問題だ、かようにお考え願わないで、それぞれがみんな別々の問題だ、この点はぜひ理解していただきたい。笑っていらっしゃいますが、ほんとうにこれは別々の問題でございまして、これは一貫した一つの行為ではございません。  そこで、一番大事なことは何か。いわゆるシビリアンコントロールだ。このシビリアンコントロール、これは政府自身が、私あるいはまた防衛庁長官、さらにまたシビリアンがこの防衛計画その他を樹立する。また最高機関である国会の皆さん方がそのシビリアンコントロール、この実をあげられるように、実効があるように、とにかくおろそかにしないぞ、こういう姿勢をしておられますから、この点はよほど変わってくるだろうと思います。私は一番基本的なことは、このシビリアンコントロールが十分できておれば、皆さんから疑念、疑惑を抱かれるようなことはない、かように思っております。そういう意味で、私どももこれは反省をし、その面で一そう努力をする決意でございます。長くなりまして恐縮です。
  12. 大出俊

    大出委員 最後にお話しになったように、たいへん長くなりますので、したがって具体的に少し承りたいわけでありますが、まず立川抜き打ち移駐の問題から承ってまいりたいのです。  江崎長官がこの間私に、夜で道路がすいていて、しかも向こうへ坂道だから早く着いてしまった、門の外でたたずんで待っているわけにいかないから入ってしまった、こういうことを言ったが、行って市議会に聞いてみたら、練馬から青梅街道は逆に坂を登るのだという。冗談じゃないですよ。あなたは行ってみもしない、聞いてみもしないで、そういう小手先答弁はいけませんよ。もってのほかだ。向こうではあ然としている。これは何ということを長官はおっしゃるのですか。そういうことではいけません。  もう一つ市議会が再議決をした、反対を取り下げたから市民反対はたいへん減っておりまして、大きな変化を見せておりますなんということを言う。現地へ行って聞いてみたところが、また市議会方々にも会ってみたところが、これはたいへんな違いで、強行移駐以降は急激にまたこの反対がたいへん大きな高まりになっている。具体的にここにあります。市が調査をした限り八二%、これはサンプル調査であります。ところが一月に反対を取り下げた。これも二十名ばかりの方が、質問中に質問を打ち切るというかっこうで強制的におやりになった。だからまさに一方的にやったことになる。だがしかし、この一方的に反対決議を取り下げたことに対して、署名運動が方々で起こっている。この署名運動の市議会に正式に出されたもの、これを見てみますと、ここにございますが、これはたいへんな数字ですよ。私も実はここまで集めているとは思わなかった。これを見ますと、安保破棄諸要求貫徹立川実行委員会代表者岸清次さん、これが集めた署名が三千三百八名。明るい立川をつくる会、代表者福島正一さん、この方の組織が集めた反対署名、つまり、反対決議を取りくずして条件つき賛成に変えたその決議はけしからぬから、反対、こういうことにしてくれという署名、これが三万六千七十三名。それから、爆音のない平和な立川をめざす自治会連絡協議会、責任者矢船良文さん外九千二百十一名。もう一つ、国労の立川機関区分会執行委員会代表者青柳一廣さん、ここで集めた署名が五千九百九十六名。この四つの団体が市に出されているものを集計いたしますと五万四千五百八十八名になる。これはわずかな期間なんです。一月二十六日に反対決議撤回、この騒ぎがあった。それに対して反対をして署名運動が起こった。だから一月二十六日以後であります。これだけで五万四千五百八十八名。立川の人口というのは十二万余であります。六万をこせば過半数になる。五万四千五百八十八名、これがすでにもう集まってしまっている。私は立川に参りまして署名運動を見ておりましたが、たいへんたくさんの方が署名しておられる。きょう私、現地と連絡をとりまして承りましたが、もうすでに署名は過半数を越してしまっておる。間違いなく八割をこしますと言っている。これが現地の現実ですよ。行ってみれば皆さんすぐわかる。それを簡単に、長官、あなたはこの間何と言った。この決議の取りくずしをやってからたいへんな変化で、地元賛成がうんとふえているのだ——話は逆です。これまたあなたの答弁というのは、全く現地実情にそぐわない。逆であります。  それからもう一つは、例のこの門に入った時間等につきまして、夜の十一時六分に市長のほうに通告をしておいて、そのときには実はすでに部隊は練馬を出発してしまっている。現地先遣隊長の香月さんという一佐、この方に聞いてみた。克明にお答えになりました。部隊は二十二時二十分に命令が出されました、そして二十二時三十分に練馬より立川に向かい行動を開始いたしましたと言う。それで、市長に聞いてみれば、十一時六分に通知が来ている、こういういきさつであります。しかもこの隊長の答えによりますと、何時に入れという命令をもらっていたのかと聞いたところが、命令には一切時間はございません、何時に入れという命令はいただいておりません。それでは事前通知が市に出されていることを知っていたかと聞くと、全く知りません。それなら門のところに行ってたたずむはずがない。命令に時間もきめられてないんだから。だから香月さんにすれば命令どおりやった。あたりまえのことですよ。坂道があって早く着いたとかなんとか、冗談じゃない。そんなことは、時間がきまってないのだから、あたりまえじゃないか。一つ先遣隊長が悪いわけではない。一にかかって、これは長官の責任です。とんでもない答えをしてはだめですよ。  そうかと思いますと、あなたのこの間の答弁を聞いていると、何か次官が出先に電話をかけてきた。それをあなたが了解を与えた形なんだけれども、よく聞いてみると、東部方面総監、この方が数時間早める判断をした。そして幕僚三部長の中村将補の方に連絡が入ってきて、中村さんが次官に取り次いで、次官があなたに電話をした。あなたは出先で、それは時間も時間ですから、どこかとんでもないところにおいでになったかもしれないけれども、めくら判と一緒ですよ。あなたは了解を与えた。それを中村さんが次官から聞いて伝えたというかっこうでございまして、判断は東部方面総監がやっている。そこらあたりにも政治的な配慮というものは実際にはない。これは現地の指揮官の、最高責任者の総監の考えなんです。それをあなたが出先で電話一本で簡単にオーケーを出した。ああそうか、いいだろう、こういうことだ。そういうことでは、やはりこれはあなたのたいへんな責任ですよ。私はそういう意味で、この点はあなたに責任をとっていただきたいのです。違いますか、私の言っているのは。
  13. 江崎真澄

    江崎国務大臣 大出さんにも、やはり立川実情調査にわざわざおいでいただいたことには、これは感謝を申し上げます。御指摘の点ですが、あとのほうから順を追うて答えましょう。  いまの出先の東部方面総監が判断をして、いわゆる中村三部長に了解を求め、その中村三部長が次官に相談をした。次官は私に相談をした。これは決してめくら判的なものではなくて、次官も実は警察畑に長年おった男であります。彼が私に電話で申しまするには、自分もいま中村三部長からいろいろ聞いたが、極力この抵抗を排して円満裏にひとつ進みたいと思う、ついては数時間繰り上げることを了解してもらいたいということですがどうですか。ぼくはすぐそこに戻ろうか、いや、もうこの場で御判断をいただければ、私の意見はそうですが大臣はどうですかと言うから、君も専門家であるし、三部長、東部方面総監から上がってきた一つの状況判断であればおまかせしよう、けっこうじゃないか。これが逆にまたずっと命令がつながったわけですね。ですからこれは私、いま御指摘のシビリアンコントロールという点では筋は通っておると思うのです。これを、東部方面総監が東部方面総監きりでこういう行動を起こしておったら、それこそこれは問題だったと思います。  それから時間の点については、もうこれは先回いろいろやりとりがありましたので、時間がもったいのうございますから結論的に申しますと、実はいま御指摘のとおりでございます。そこで、本来ならば十二時五分ごろに到着という予定時間ではあったが、それが夜のこととて、予定時間より二十分程度早く入ってしまった。これはたいした問題ではないということでありまするが、私どもの内部では、数時間繰り上がるということですから、その時間に関する限りの了解——われわれ内輪ではわかっておっても、八日の時点になってから入ります、こういうことを施設庁が市長さんほかに電話をして、これが実は七日の深夜、たとえ十四分でも早く入ったということについては、これは私、先回遺憾の意を表したとおりであります。したがいまして、実はこれは次官から陸上幕僚長を通じまして、そういうことはやはりよくないということで厳重に注意をするという措置をとっておる次第でございます。
  14. 大出俊

    大出委員 それだけの答えですか。あなたは、現地の状況はたいへん賛成がふえまして反対派は少なくなりましたなんて、大きなことを言っておる。どうなんですか。
  15. 江崎真澄

    江崎国務大臣 どうも失礼いたしました。これは、市議会の多数が撤回をして、もし配備につくというのならば早く来てくれ、これはもう事実でございます。何べんも督促をされたので、私どもは意を決して実行に移したという次第でございます。
  16. 大出俊

    大出委員 あなたは、市民の意向なんというのは、全くそれじゃ考えないわけじゃないですか。調査結果が八二%あったことだって御存じでしょう。市民参加の市政をやっているのです、いまの自治体というのはどこだって。現に、いま私が数字を申し上げたとおり、ますます署名がふえる一方です。私も市民の中で二、三聞いてみましたが、たいへん心配です、騒音がまたたいへんになるんじゃないですかとまで言う。そういう状況ですよ現地は。おいでになればすぐわかりますよ。おそらく八〇%をこしてしまうと私は思います。現実ですよ。  あなたはおまけに、今度は災害、八丈沖地震があったので、これはもうすぐ入れなければいかぬと思った、こう言う。行って現地の香月さんに聞いてみた、どういう訓練をやっているのかと思って。いろいろ説明をなさった。災害のさの字も出てこない。災害はどうしたんだと聞いたんです。そうしたら、いや災害訓練の命令あるいは計画は一切いただいておりません。何もやっていない。これは訓練計画の中には通報訓練か何か七つばかりありますよ。あなたがあれだけのことをここでぬけぬけおっしゃるなら、やっぱりそれは、こういう目的でということを言わねばおかしい。当然でしょう。私は先遣隊長に直接聞いたんです。あなたはこの国会のやりとりでは、災害が差し迫っているからということで派遣をしたと言うのだが、何も聞いていない。そういういいかげんなことを言われてはまことに迷惑。  いままででも、私は福田篤泰さんが防衛庁長官の時代から国会にお世話になっておりますが、歴代長官は、この種の問題については、地元の状況というものを十分に検討して、あくまでも話し合いで対処をいたします、一貫してそうなんです。どうしても反対だというのならば、強行するようなことはいたしません。福田さんが答えた当時の議事録もいま残っておりますよ。一貫してそうなんです。中曽根さんの時期だって、座間の相武台等をめぐっていろいろ問題になった。もとあそこは士官学校のあったところで、由緒のあるところだ。それも最後の最後まで話し合って、半分以上向こう側を返すとかいろいろな話をして処理をされている。初めてですよ、今回のようなことは。今回この時期になって、しかもこういう問題があって国会でもめていたあとで、しかも沖繩は強制収用の問題まであって、たくさん反対の諸君がおる。アレルギー症状があるといわれるくらいに激しい反対沖繩にある。そういう時期に、いまだかつてやったことのないことを突如としてやるというようなこと、しかも通告をしておいて前の日に入れてしまうというようなこと、そういうことをすべき時期じゃないです。私はしたがって、何がどうあっても、先遣隊をすみやかに退去をさせていただきたい。いかがですか。
  17. 江崎真澄

    江崎国務大臣 これは大出さん御指摘のように、いま入っておりまする部隊というのは、御承知のとおり管制実施訓練、これが三カ月要るわけでございますね。したがって、そのことを専門にやる部隊なんです。あとからほんとう部隊が二十八機あわせて入ってくるわけでありまして、これらは当然災害救助活動民生協力という面の訓練計画をもって今後十分訓練をしていく、こういうことになると思います。また今度の場面で遺憾の点があったことは私も認めております。しかし、実は市長さんが選挙当時には、陸上自衛隊配備なんということが実際に起こるならば、これは憲法違反だから違憲訴訟をするということをおっしゃっておられるということをしばしば聞いたことがあります。私もいろいろ両度にわたって、しかもこれは一回の面会時間二時間以上に及ぶという長い面会をしたこともありまするが、どうしても聞いていただけない。ことばは穏やかですが、いつまでたっても平行線をたどる。しかし議長をはじめ市議会の多数の皆さん方は撤回をして、実行するならしたらどうか、こういうことでやったわけですが、いま御指摘のような市民感情が新たにわき起こるというのでありますれば、これはやはり今朝予算委員会において申し上げたように、当然市民の了解を得るように今後も私どもはねばり強い努力を続けてまいりたい、こういうふうに考えております。
  18. 大出俊

    大出委員 江崎さん、市長のものの考え方がどうであれ、市長を選ぶ権利は市民固有のものですよ。ですからあなたは、市長個人というふうに受け取れるものの言い方をおやめ願いたい。つまり少なくともあそこに市長という席をお占めになって、行政長官としてやっておられるということは、市民があの市長を選択した。それだけの数の市民が選択をされたんだ。当然のことです。その市民相手に行政なり政治が行なわれなければならぬわけですよ。だから、昨年十月に満場一致反対をきめたものが、一月になって急にひっくり返ったって、八二%からの反対市民の方は、議会におられる諸君のように簡単にひっくり返りはしない。あたりまえじゃないですか。常識じゃないですか。そうでしょう。私のところだって飛鳥田市長をかかえているけれども市議会がどうひっくり返ったって、市長を選択した市民はそう簡単にひっくり返りはしない。あなた方は市民を対象に考えなければ、行政でも政治でもないわけですよ。だから、そこのところを中心にお考えいただかないと、私のところでも、川崎にも鎌倉にも、今度、藤沢市にも革新市長ができてしまうのですよ。  そこのところをお考えになれば、自衛隊というのはやはり市民との関係なしに生きていけないのです。市民つまり国民です。だから、こういう事情になっているときには、四十七名しかおいでにならない先遣隊は、いま二名欠員ですが、この方をもとに返すということについて、あなたは、命令を出したら返せないというようなたわ言を言うべきでない。命令を出した、出したのがまずければ、また命令をお出しになるべきですよ、当然。そしてこの際、これから沖繩派遣という問題も出てくるので、慎重に対処するという姿勢を形の上で明確にしていかなければ、戦後民主主義は進まない、こう私は考えている。現地に行って直接先遣隊長以下皆さんと話してみてしみじみそう思う。命令どおりやったんですよ。あなたはいましきりに、早く入ってしまったことはけしからぬ、こういう趣旨のことを先遣隊に対しておっしゃるけれども防衛庁長官が了解を与えた、あるいは出した命令は、何時までに入れとか、何時以後入れとか、時間の点については何ら触れていない。そういう命令を出せば、先遣隊長は、着いたら入るのはあたりまえじゃないですか。一つも悪くない。悪いのはあなた自身の責任ですよ。早く入ったからさも悪いようなことを言う。そうじゃない、実情は。やはりあなたの責任ですよ。それは何分かの違いかもしれぬけれども、市に通告をしたものが前の日に入ったという形になれば、それは市民感情としては腹を立てますよ。あたりまえでしょう。そういうまずさがあったのだから、だとすれば、これは市民感情というものをわきまえて、先遣隊を退去なら退去という方法をとるのは、戦後民主主義のルールからいって当然だと思っている。いかがですか。
  19. 江崎真澄

    江崎国務大臣 御指摘のように遺憾の点があったことは、私も先般来認めているわけであります。ただ、現在の訓練はまさに管制実施訓練でありまして、三カ月間は最低要するわけです。したがって、少なくともこの間にも粘り強く、東京施設局長はもとより、防衛庁の施設庁長官等をはじめ、私も含めて、市民理解を十分得るようになおひとつ連絡をとってまいりたい、こう思っておりますので、御了解を願います。
  20. 大出俊

    大出委員 そこまで江崎さんおっしゃるなら、何でああいう夜、抜き打ちみたいなことをおやりになるのですか。あなたのほうが一生懸命もっと粘り強く——民主主義というのは時間がかかることになっているんだから、時間がかかることをおそれたら、戦後民主主義は成り立たないんだから、せっかくそこまで大臣おっしゃるなら、何でいままでおっしゃらなかったのですか。そういう反論は成り立つでしょう。まずいならまずいと率直に認めるべきだ。市民感情をさかなでするようなことをしたんならば、そのまずさというものを認めて、もとに戻すという努力をなさらなければ、政治でもないですよ。行政でもないですよ。  どうしてもそこの理屈がおわかりにならぬならば——この問題はたいへん重要な問題ですから、すべてにわたります。総理は全然別々だと言ったけれども、そうじゃない。基本はそこにある。だからそういう意味では、この問題の決着がつかぬ限りは、沖繩防衛施設局をおつくりになる法案をお出しになって、論議してくれと言っても、論議はできません。断じてできません。予算委員の諸君とも、各党の方ともよく話しました。しかしこの方々も、予算がこれ以上おくれてはという配慮で、対国民ということで、中途はんぱなんだけれども、一時そこで停車をした、あとは専門委員会である内閣委員会で全部引き継いでやってくれ、決着をつけてくれというのが予算委員会のおっしゃることです、野党側でいえば。その意味で私はこの点は断じて聞きません。  そこで、私は総理にここで一点承っておきたい。まずここにもございますけれども、レアード米国務長官の報告が出て、それに補足説明がされている。御存じのとおり、報告は二月の十五日、補足説明は二月の十七日。全部ここに集約して補足説明の中身が列挙されております。これはたくさんございますが、時間がありませんから省略いたしますが、この中で、「在日米軍基地の縮小についても、米軍展開能力を弱めないで実現できるように基地構造の流線型化に努めていると国防報告はのべている。」そしてこの国防報告を補足説明いたしまして、「日本側が兵たん補給の下部構造を完備させ、立川、三沢基地などを緊急のさいに共同使用しうる体制をとっておくのが望ましい、」こう説明している。この間この点を取り上げたら、全く関係ありません——全く関係ないものが補足説明に載りますか。この点、総理、私の知る限り、アメリカの今日の米軍の軍体制というものと無縁では日本の自衛隊は常に動いていない。私も足かけ九年やっているのですから、この点は全く関係ありませんなんて言われて、そうですかというわけにはまいらぬ。総理、いかがでございますか。アメリカ側に言わせれば当然ですよ。——総理に聞いているんだ。
  21. 江崎真澄

    江崎国務大臣 私、先にお答えしたいと思いますが、いまのこのレアード国防長官の国防報告についてでありますが、立川をそういう緊急の場合の兵たん基地として共用する、こういうことは全く聞いていないのです。そこで、現在は御承知のように日米共用、われわれのほうがむしろ管制実施訓練に入って共用に入ったわけですが、今後は全面返還を求めていこう、これがわれわれ側の希望でありまして、しかも、向こう側も外務省を通じまして、この間サンクレメンテで横田に航空基地というものはまとめていきたい、こういう基本方針を出しておるわけでありますから、何かこれについては私は、誤解があるというふうにそれを見たときに思っておる次第であります。現在は全然連絡はございません。
  22. 佐藤榮作

    佐藤内閣総理大臣 レアード自身が日本に来た際に、日本でいろいろの感想を私にも漏らしております。その中で一言だけ私がいまだに覚えているのは、何か特に感ずることはないかと言ったら、日本の軍隊というか、自衛隊はずいぶん武器を大事にしている、しかしあのぴかぴかみがいている武器は前期の兵器だ、あんな古いものをあれだけ手を入れておるという、それにはほんとうに感心した、かように言って、いかにも近代化の必要を冗談まじりに話をしていた。これは私に非常に強く残っております。これが、いわゆる規格といたしましても新しい兵器を、こういうことでございます。  それから、サンクレメンテで何か話があったかということですが、これは私とニクソンとの間には全然ございません。またその他の大臣も、それぞれの外務大臣あるいは通産大臣等々の相手方と、軍備等について話をしたということは聞いておりません。したがって、ただいまのような点は、何か話がされただろう、こういうことですが、これは別にごまかすわけじゃございません。私、正直にありのままを話しているのですから、そのとおり御了承いただきます。
  23. 大出俊

    大出委員 江崎さんの知らないというのは当てになりませんで、あなたは、ちょいちょい知らないというのですから。不勉強なのか、ほんとうに知らないのかわかりませんけれどもあとになって、そういうこともございましたなんて、この間から知らないことばっかりだ、あなた。沖繩へ送っちゃった、知らない。衣笠統幕議長がサイゴンに行った、知らない。(江崎国務大臣「これは知っていますよ」と呼ぶ)そうですが、ようやく知っているのがありましたが、あなた、あとになって調べて知ったのでしょう。  こういう統幕議長の点も一つだけ聞いておきますが、現地新聞の取り上げ方をあなた御存じでしょう。サイゴンの「ドクラップ」というのですか。「日本軍の参謀総長、秘密裏にサイゴンを訪問。インドシナ停戦に関する監視計画検討のため」なんという見出し。中身はたいへんなこと書いていますよ。だから、これを日本の新聞が取り上げて、「停戦監視に一役、海外派兵の布石と見る」なんてことになってくる。しかもバンコクで会議をやっているのですから。これは全く非公式に行ったというのだから、隠密行動で、こういう時期に制服の、しかも最高責任者をこういうところに送り込むというふざけた話はないですよ。しかも、前のおやめになった西村さんが、東南アジアの災害派遣なんということまでおっしゃったものだから、こうとられたってしようがないじゃないですか。日本国民だって、これを見て、これはいよいよこんなところへ議長が出かけていったかということになる。こういうことについての責任はあなたで負えるのですよ、長官。こういうことについての慎重な配慮はあなたにできるのですよ。これまたあなたの責任じゃないですか。どう言いわけしてみたって、与えた影響というものは消えないのだ、これは。あなた、どうお考えになりますか。
  24. 江崎真澄

    江崎国務大臣 このことは私よく承知をいたしておりました。御承知のバンコクで、駐在武官とはわれわれのほうは申しませんが、いわゆる外交官の資格でありますが、タイの大使側の好意によりまして、駐在しておる防衛庁関係の者の会議をやったわけです。この会議は例年開いておる定期会議ですね。そこで、普通ですと防衛局長とか内局の者も行くわけですが、たまたま国会で関係者が参れません。そこで統幕議長をやったわけでありますが、その真意は、いま皆さんからも御議論がありますように、米中会談によって極東情勢の緊張緩和がもたらされた、こういうことがいわれます。そして特にサイゴンに寄りまして、あそこには大使館もありますし、わがほうの防衛庁関係者も派遣をいたしておりますので、やはりはだでこの東南アジア、アジア情勢のいわゆる緊張緩和の方向というものを感じ取るということは決してむだではない。やはり大使自身にいろいろな話を聞く。しかも聞けば、大使は中学の同窓であるという。それならば、勉強のかてにもなるし、またはだに実際にそういうことを感じ取って、米中会談あとの東南アジア情勢というものを知ることは、私はむだじゃないと思う。しかもわれわれは、海外派兵は絶対しません、こういう原則に立っておるわけですから、御指摘の点は十分よく注意をいたしますが、御心配の点については御放念を願いたいと思います。
  25. 大出俊

    大出委員 時間がありませんから、いまの点についてはっきり申し上げておきますが、どこの国でも、シビリアンコントロールと言っておるのは、あくまでも政治優先なんですね。戦争が起こったらどうしようかということじゃないのですね。戦争をどうやれば起こさないで済むかということなんです。そうなると、政治が優先する限りは、やはり外交なんですね。外務省の官僚が行くならわかりますよ。北ベトナムに行っておられる。外務官僚が北ベトナムに行っているのに、戦争するほうの最高責任者が南ベトナムに行っては、ぶちこわしじゃないですか。そんなばかな話がありますか。だから、シビリアンコントロールという定見がないのだ、あなたのやっていることは。それだけ言いっぱなしておきますよ、時間がないから。  中村さん、あれは何ですか、第八師団の中でやりました沖繩派兵に対する妨害排除訓練ということは。私はNHKテレビで見たのだが、簡単でけっこうですから、お答えください。
  26. 中村寅太

    ○中村国務大臣 私のほうは警察の立場訓練を実施したのでございまして、適当な場所がなかなかないものですから、たまたまあいておったところを借ってやったということでございまして、あなたのお聞きになるようなねらいというものは全然ございません。私のほうは独自の立場訓練をやったのです。
  27. 大出俊

    大出委員 だけれども、これはあなた、妨害排除訓練。熊本の警察の方が応援に沖繩へでも行くのですか、沖繩に警官が少ないから。そう受け取られるじゃないですか。しかもそれならば、出ていくときにまた反対だなんといったら、やるのか。一体何を想定してああいうことをやるのですか。おまけに白い服を着て妨害者を想定して、火炎びんを投げて、けがして公務傷害だなんて世話ない。
  28. 中村寅太

    ○中村国務大臣 最近の治安の情勢が、大出議員も御承知のように非常にエスカレートといいますか、火炎びんを使うたり、あるいはいろいろ爆弾を使うたりしております。この間から浅間中心でいろいろありましたが、現在のところ、都会中心にいろいろの問題が起こっておりますが、だんだん人手の薄いような、駐在所の力の弱いようなところに行きそうなこともありますので、九州はいままでずっとやっておらなかったものですから、そういう訓練をやったので、その点はひとつ御理解願いたいと思います。
  29. 大出俊

    大出委員 これ、そういうふうにあなたは言うからいかぬのです。現地の香月さんみたいな人のように、ほんとうのことを言ってくれれば、事は一番はっきりわかるのだ。それを、ああでもない、こうでもないと小手先でおっしゃるものだから、ものはややこしくなる。紛糾する。たいへん率直に言ってくれましたよ、現地皆さんは。そういう態度でものを言ってくださいよ。私は知らないでものを言っているのじゃない。中村さん、そんなことを言ったら、あなたは選挙区は福岡だ。久留米だから、これは近いのだ。久留米では、沖繩派遣自衛隊ということで、要員の強行上陸演習をやっている、機動隊がこれを守って。あなたはおそらく、まだ知らないとおっしゃるでしょう。時間がないから、知らなければ知らないでお調べください。あとから幾らでも資料を出しますから。いかがですか。関係ありますよ、そんなことを言ったって。
  30. 中村寅太

    ○中村国務大臣 警察が沖繩にいま応援に行くというようなことは、これは国内の警察だけではかってにできないのです。御承知のように、警察法で沖繩の公安委員会から要請があったときに行くのでございますから、その点は御理解願いたいと思います。
  31. 大出俊

    大出委員 沖繩の公安委員会から要請があったら行くということになると、これはたいへんなことです。いみじくもいま委員長の口から出た沖繩の公安委員会から要請があったら行くとなると、機動隊に守られて自衛隊が久留米で上陸演習をやっている。当然あり得る。テレビで映した。八師団の中で妨害排除訓練をやっている。やらなければ困るはずだ、要請があれば行くのだから。冗談じゃない。時間がないからこの点はあとでやります。事実だけ指摘しておきます。いま委員長のおっしゃった、要請があれば行くということだけ承っておきます。  次に、結論でございますが、総理、先ほどシビリアンコントロールが基幹だとおっしゃったのだけれども総理の在任中、防衛庁長官、何人おいでになりましたか。総理がおわかりにならなければ、私が言いましょう、長いおつき合いですから。  総理佐藤内閣を組織されましたのは、たいへん御苦労なことでございますが、私は調べたのでございますが、三十九年十一月九日でございまして、かくて佐藤内閣は成立をいたしました。以来今日まで七年四カ月になります。この七年四カ月で何と九人の防衛庁長官江崎さんがこれでおやめになりますと、ちょうど都合よく十人ぴたり、こういうことになる。現在九人、まだこれからどうなるかわかりません。ちょうど十人になるかもしれません。  そこで、さてこの九人の方々一体任期は幾らやったかというと、まず松野さんが一年三カ月かろうじておやりになった。次の上林山さんが〇・五で五カ月。増田さんが二年おやりになった。そのあと有田さんが一年三カ月。中曽根さんが一年七カ月。増原さんが二カ月。西村直己さんが四カ月。そしていま江崎さんと、こういうわけです。しかもこれは、総理が自分でとっさに思い出せぬくらい、おかわりになっている。七年の間に九人ですからね。そうでしょう。  さて、吉田内閣以来、どういう方がどのくらいおやりになったかというのを全部調べてみたら、一番最初は増原恵吉さんが昭和二十六年一月二十三日から二十七年七月三十一日まで、比較的この方は長くて二年。それから大橋武夫さん。吉田茂総理が兼任されて木村篤太郎さん。木村さんが二年三カ月、このあたりが一番長いです。そしてあと二年の記録がもう一人、増田甲子七さんが二年おやりになっている。この三人が二年。あとはもうみんな短い。防衛庁長官が始まって以来、警察予備隊から言いますと、今日まで合計二十九名なんです。この二十九名全部調べましたが、何とお一人の平均在任月数は一〇・〇七、十カ月ですよ。二十九名おいでになって、平均十カ月しか長官をおやりになっていない。それで一体シビリアンコントロールなんというものができますか。  大蔵大臣を見てごらんなさい。福田さんがおやりになるとか、田中さんがおやりになるとか、水田さんがおやりになるとか、まあ大平さんくらいまでのところで、いつだってきまっているじゃないですか。専門職になっている。そうでなければ大蔵省の役人諸君をコントロールできないのですよ。だからそういう人選をなさるのでしょう。防衛庁を例にとってごらんなさい。いま二十六万の制服方々おいでになる。軍事科学がどんどん進歩する。懸命にこの方々は勉強する。そうでしょう。内局の人たちは、そう言っては、おいでになっているから恐縮なんですけれども新聞が書いているのですからごかんべん願いますが、腰かけの方が多い。こういうときだけ新聞のほうに責任転嫁いたしますが、腰かけが非常に多い。各省はいい人間は出さぬ。まあいい人間を出しているのでしょうが、それはその省の立場にあれば、あるいはその省が困るというような人は出さぬだろうと思う。そうでしょう。その方々が、早く自分のもとの省、古巣に帰りたいと思って恋々としていて、しかも、科学技術が進歩する、軍事技術が進歩する、専門にやっている諸君をコントロールできますか。だから、ものを立案するときばみんな幕だ、制服だ。それが出てくると削られる、政治レベルで。やむを得ぬと思って事務官僚が、内局の諸君が制服のほうを押えようと思ったって、知識がないのに押えようがない。説得力がない。そこに、四次防の先取り問題が起こってみたり、こういう問題が次々起こる。今回の石川空幕長の件をながめたってそうじゃないですか。あなた方にこの方々を統制する能力がない。総理、これは一にかかって任命権者である総理の責任だと私は思う。この方々が専門化して、防衛というものをよく知っていて——私はこの点は超党派的にものを言っている。私の立場に立っていない。やはりものを突き詰めて研究をされておって、余裕があって幕というものをかっちり押えていくということがなければ、シビリアンコントロールはできないんです。  いみじくもジョージ・ワシントンが言った。戦争が終わって会議を開かれた。各州に軍隊がいる。合衆国政府には軍隊がいない。そこでシビリアンコントロールができるかという論議になった。ワシントンいわく、いかなる制度をつくっても制度ではない、諸君は戦争してきた将軍じゃないか、諸君が州にいる限りは二度と戦争をしたくない、みごとに州兵のコントロールができるだろう、世上、合衆国の軍隊がないからシビリアンコントロールができない、すぐ軍事力で倒されるというけれども、諸君がいてくれる限りシビリアンコントロールはできる、こう言っている。そこに一つポイントがある。やはりこれは総理、任命権者たるあなたの責任ですよ。そこのところを私はあなたの口から聞きたかった。いかがですか。
  32. 佐藤榮作

    佐藤内閣総理大臣 ただいまの大出君の御意見、私も深く反省しております。今回の問題が起きた際も、どうも最近の状態で防衛庁長官がたびたびかわる、それではなかなかシビリアンコントロールも実をあげることができないのじゃないかと、かように各党の御協力を願ったような次第でもございます。ただいまのお話、しごくもっともなことだと私も深く反省しております。
  33. 大出俊

    大出委員 しょせん抜本的なシビリアンコントロールというのは、四次防の先取り問題で明らかなように、私どもに言わせれば、ぼつぼつこの辺で自衛隊方々は自転を始めやしないか。自己増殖を始めるんじゃないか。資本の原理が働きますから、昔じゃないけれども、資本のあとに軍艦が行くというシステムになりかねない。この点は私は、政治の流れをいささか変えなければ——私どもは見張っているのだけれども、変えなければ基本的にコントロールはできないと思っています、私ども立場からすれば。だが今日でも、少なくともこういう事件が起こらないように、国民にたいへんな心配をかけないようにする必要はある。そのレベルでものを考えれば、大根の葉っぱを切るようにばたばた切らなければならないような人を任命したところに問題の焦点がある。  私はそういう意味で、今回の問題は、江崎さんの問題も含めて、責任の所在を明確にしていただきたい。そうでなければ、沖繩防衛施設局の設置、沖繩二法案なんというものは、まして全軍労の諸君が復帰直前に、あたたかく迎えようなんて言っているときに、千六百二十九名もみんな首を切ってしまったりするもんだから、あぶなっかしくて、とてもじゃないが審議に入れない。私はいま腹をきめている。その点を十二分にお考えいただいて、責任の所在というものを——予算委員会の継続です、担当委員会ですから。私は明確にしていただきたい。そうして立川の分遣隊というのは早急にひとつ退去をしていただきたい。  特に大都市周辺基地というのは、あの基地があるために、車は一ぱいであそこは排気ガスでたいへんです。駅をおりて私は市役所まで歩きましたけれども立川基地があるためにたいへんな困難。だからみんなたいへんに反対するのです。基地を早く返してもらって、計画的に立川市の市街地再開発行政というものを進めたいと言っている。中曽根さんもかつて私に、就任早々、六大都市周辺基地については何としてもどけたい、返ってきたら市に返して、今日の交通渋滞その他過密状況というものに対する都市問題の焦点を解決の方向に向けたいというふうに答えた。その基本線まで返っていただきたい。そういう意味で私は、これは人質にとっているようなものですから、法案二本かかえているのですから、これだけは念を押しておきます。何か一言ありますか。よろしゅうございますか。では言いっ放しにしてやめます。
  34. 伊能繁次郎

    伊能委員長 伊藤惣助丸君。
  35. 伊藤惣助丸

    ○伊藤(惣)委員 佐藤総理にまず冒頭に申し上げますが、今回のたび重なる防衛庁の問題については、佐藤総理は、四次防予算の先取り問題で国会において陳謝いたしました。しかしながら、その後において、ただいま大出委員からも質問がございましたように、立川基地自衛隊抜き打ち移駐、また衣笠統幕議長の極秘のサイゴン入り、さらに沖繩のあの装備品の独断搬入、こういうような問題については、私たちが今国会冒頭から指摘しておりますように、シビリアンコントロールというものは完全に形骸化している。このことは、昨日の予算委員会においても、三党書記長が質問したことであります。私は、このシビリアンコントロールの形骸化については、あげて佐藤内閣の重大な責任であり、とりわけ佐藤総理防衛庁長官の重大な責任であると思います。そこで私も、立川移駐の問題、衣笠統幕議長のサイゴン入りの問題について質問したいと思います。  まず初めに、同僚委員からの質問の重複は避けてまいりたいと思いますが、先ほど来から防衛庁長官は、あの立川基地というのはどこまでも災害派遣に対処するためである、もっと言うならば、地元においては八二%の反対の声はあるけれども災害があった場合にはたいへんだ、したがって強行した、こういうような長官の考えがうかがえるようであります。私は、そのことについては、一昨日ですか、現地調査に参りまして調べてまいりました。四十七名の先遣隊の長である香月一佐は、その災害については一言も聞いておりません、こういうことであります。さらに防衛庁長官は、そのような緊急災害について考えるならば、立川市長のみならず、東京都知事あるいは防災会議議長、こういう災害について真剣に考えている方との話し合いがなされたのかどうか、まずその点について伺いたいと思います。
  36. 江崎真澄

    江崎国務大臣 伊藤さんもおいでをいただいたそうでございまして、その点には感謝をいたします。  先遣隊は、これはさっきもちょっと申し上げたように、管制訓練をやるわけですから、これは災害救助活動とは直接の関係はございません。したがって、あと二十八機になりました時点においては、これは当然そういう訓練を実施するということになると思います。  東京都知事には、私、直接話したことはございませんが、東京都には施設庁がしばしば連絡をしておるというふうに承知をいたしております。  防災会議議長の件については、これは直接お話はいたしておりませんが、すでに建設大臣とは、災害があったときにどう対処するかということは、根本龍太郎大臣のころに、先任者が詳密に打ち合わせをしておるはずです。しかも根本建設大臣は、ロサンゼルスにあの大地震があったときに、特に都会地の災害実情ということで視察の者を派遣したという経緯もあって、その問題については非常に深い関心を示して、私のほうの先任者、及び現在も継続して在任しております内海事務次官と話し合いをして今日に至っておる、こういうふうに聞いております。
  37. 伊藤惣助丸

    ○伊藤(惣)委員 要するに、過去においてあったかもわかりませんけれども、あなたはなかったわけです。そうですね。それで、先ほども指摘がありましたから重複は避けますけれども、この間の調査によりまして、少なくとも二つの点について四党がこれは問題だという点を共同談話を出しました。  まず第一点は、この移駐は、立川市民八二%の移駐反対の声を無視して、市当局に対して防衛庁が約束した事前通告も無視され、しかも通告の内容が虚偽であることが明らかになった。少なくともそれは四党が共同して行なった実態調査の中で明らかになりました。第二点は、防衛庁長官が主張している民生協力災害救助の計画はあいまいであり、むしろ本格的な自衛隊移駐先遣隊としての作戦計画であることが判明した。この点で現地において四党が同じ見解を持ったわけであります。そしてこのことは、シビリアンコントロールの実をあげるために、国会において政府の政治責任を徹底的に追及して、国民の疑惑を一掃する決意だ、こういう共同談話を発表したわけであります。  まず第一の移駐の問題でありますけれども、少なくとも、事前通告ではなくて出発を始めた途中において四十分前に連絡をした。しかも防衛庁長官は、元山東京防衛施設局長を通じて、十一時六分ですか、立川市長並びに関係者に連絡をした。そしてそのことは、八日早朝、飛行隊は十時半に入る、たとえば八日の十二時過ぎて入ったとしても、これは早朝と言えるかどうかということであります。未明じゃありませんか。それでこのことについて私は多くは申しません。  ただ問題は、シビリアンコントロールというものを考えて分析してみた場合、一つは内局と制服の関係、それから国防会議防衛庁の関係、それから内閣と国会、少なくともこの三段階においてコントロールが完全になされなければならぬ、こう思うわけであります。昨日の予算委員会においては、沖繩問題が取り上げられて、防衛庁長官は前向きに、沖繩に搬入した物資については本土に送り返すということで予算委員会がまとまった。またさきには、総理が四次防については内閣修正するということで、いままでにないようなことをして四次防をチェックした。こういう問題から見まして、私はあえて言うならば、内局と制服の間のコントロールがなかったのは立川移駐の問題であります。少なくとも十分な連絡がなかった。シビリアンコントロールという面で連絡があったかもしれない。しかしそれは形ばかりであって、完全ではなかった。長官の言うように、八日になって入れば形は整ったかもしれない。しかし早かった。それから国防会議防衛庁の関係では、沖繩問題について、これは国防会議にはかってからやる、こういうことで、搬入した荷物を本土に送り返すことになった。立場は違いますけれども皆さん立場に立ってもけっこうなことだと思います。このことによってシビリアンコントロールはきいているのだ、そうおっしゃるならば、少なくとも立川の問題についても、地元が強く反対しておる、もうすでに五万をこえる署名を通じて反対運動が展開されている、この実態であるならば、この問題について謙虚に、いままで二つの問題で、総理は前向きに、コントロールがきいているのだ、きかしたのだとおっしゃるならば、立川先遣隊移駐についても、すみやかにまずその移駐計画を白紙に戻して、先遣隊については退去すべきだ。シビリアンコントロールの面から私は申し上げましたけれども、その点について答弁願いたいと思います。
  38. 江崎真澄

    江崎国務大臣 移駐につきまして、事前通告等に手落ちがあったことは、まことに遺憾に思っております。その経過等については、時間の関係もありますから申し上げません。  それから第二点の、民生協力はあいまいだということ。これは現時点の、先ほども申し上げましたように、管制実施訓練部隊、これはもういま災害救助活動しろといっても、なかなかそう簡単にはできない任務を帯びてやっておるわけでありまして、あいまいであろうかと思います。しかし、本隊が移駐する暁においては、これはあいまいにいたしておきません。必ずお約束どおり、また実効をあげるように実質的な訓練を展開してまいりたいと思います。現在は管制実施訓練でありまするので、どうぞひとつ、これは伊藤さんにおかれてもお認めをいただき、この実施訓練が円滑に行なわれますることをお願い申し上げたいと思います。
  39. 伊藤惣助丸

    ○伊藤(惣)委員 これは総理に伺いたいのですが、今回の国会運営については、佐藤総理はたいへん英断なさいまして、すべての問題に対処されておるように私は見受けます。そういう点で、佐藤総理が最後を飾るといいますか、いろいろな意味で野党の言うことを聞き過ぎているんじゃないかというくらい前向きでこの国会運営をなさっております。そこで伺いたいわけでありますけれども、やはり佐藤総理の判断あるいは佐藤総理の指示によって、内閣修正なり、あるいはまた沖繩の搬入問題についても本土に送り返す、こういうようなことをきめたんじゃないか、私はそう考えております。そう考えていきますと、やはりこの立川移駐問題についても、このまま放置するならばたいへんなことになる。たとえば美濃部東京都知事は、立川基地自衛隊移駐させることは反対である、どこまでも移駐を強行するならば、私は市民の先頭に立ってその運動に参加する、こういう発言さえもしているわけであります。私はここで総理に、この問題について前向きに、しかも地元民が納得できるような御答弁を伺いたいと思います。  さらに先ほど、立川市議会において撤回した、こうおっしゃいました。そして、早く入ってくれと言われた、そしてそれについては十二項目条件があった、こうおっしゃいましたね。その十二項目の一番最後には何と書いてあるか。やはり「跡地利用については、必ず地元協議すること」と書いてあるじゃありませんか。この立川移駐の問題については、あと利用の話を抜きにしては、また自衛隊を含めての話を抜きにしては、必ず十分な協議はできないわけであります。そういう観点から見ましても、私は先遣隊は退去すべきだ、こう考えるわけでありますが、総理答弁を伺いたいと思います。
  40. 佐藤榮作

    佐藤内閣総理大臣 この国会はいろんな問題がありました。政府の予算の原案を削除した、これは大英断だ、こう言ってほめられますが、さにあらずで、これは議長のあっせんが出たから、私ども、この議長のあっせんには服従する、こういうことが正しい、かように思ってやったのであります。  また沖繩の問題は、沖繩の祖国復帰がまだ実現する前に、よしそれが兵器でないにしろ、また必要以上の数量が派遣されるということは、これは県民の心情から見ましても、そのまま受け入れられない、かように思ってこれも返した、こういうことであります。  しかし、今回の問題は、ただいま英断を持ってやれとおっしゃっても、私は御意見は御意見として十分伺っておきますが、やはりその辺は行政の範囲ではないだろうか、かよう思いますので——行政の範囲だからといって、国会を全然無視するというのではございません。先ほども言われるように、シビリアンコントロール、最終的には国会、これが最高の国政機関として十分コントロールする、政治優先の原則、これを貫くという、そういうところに問題があるんだと思っております。しかしこの問題は、ただいまの段階においてはしばらく私どもにおまかせを願いたいと、かように思います。
  41. 伊藤惣助丸

    ○伊藤(惣)委員 きめられた時間でありますのであまり多くを言えませんが、この立川問題について一言伺い、そして次に進みたいと思います。  それは、在日米軍基地が日本にある限り、常に基地返還に伴ってそのあと利用が問題になります。いままでの経過を見まして、一昨年の日米合同委員会ですか、あのときに五十一カ所の返還予定基地がきまりましたが、返還の実施状況は、九〇%以上自衛隊にのみ返還されております。そしてその基地ごとに、その地域市長、県知事、こういう方々と常にあと利用の問題について争いが起こっております  そこで、私はこの問題を考えた場合に、このあと利用の問題について現在はどうなっておるのか。それは、自衛隊が、あるいはまた米軍が返せばそのまま大蔵省にいく。大蔵省と防衛施設庁が間に入りまして、そこに地元が要望していく、そうして地元の要望が通ればそのまま利用されていく、こういう事務レベルでの解決あるいは事務レベルでの話し合いが行なわれているところに大きな問題がある。私は、こういう問題こそ前向きで取り上げて、そうして少なくともその地方自治体が望んでいる公共施設、すなわち知事もしくは市長、またその基地をこのように活用したいという関係諸官庁並びに都市学者、こういうものを含めて、どういう形でもけっこうですから、私は、この基地あと利用審議会とでもいうようなものをつくって十分検討した上で、これはどうしても自衛隊に使わしてほしいとか、ここはどうしてもこういうようにしたいんだとか、こういうものをわれわれ国会の中に、あるいはまた総理の諮問機関でもけっこうですから、こういうものをつくって、この基地あと利用について審議会を通じて処理をする、こういうことになればいろいろな問題が起きないんじゃないか。私はそういう意味でこの問題提起をするわけでありますが、総理の考えを伺っておきたいと思います。  さらに、先ほど総理が申しますのには、しばらく預かって考えたいというお話でございますが、このことは、先遣隊の退去も含めて考えさしてほしいということなのか、その点、伺っておきたいと思います。
  42. 佐藤榮作

    佐藤内閣総理大臣 ただいまの米軍基地、それを返還を求める、そうしてその利用をできるだけ地域住民に役立つように使いたいということ。ただいま私の考えますのに、日米安保条約、これはどうも日本の場合は必要なように思っております。したがって、ただいまの米軍基地が縮小されるにいたしましても、もう相当本土内では縮小されておりますから——いまある沖繩は別ですよ。沖繩の密度はたいへんですから。だが基地の点ではよほど縮小された、かように思いますので、あと利用ということまで手を広げる、そういうところまでなかなかいかないんじゃないだろうかと、かように思いますけれども、しかし二、三の場所についてもすでに問題がございますから、そういう場合のところの利用について、もちろん自衛隊もその一つでありますが、同時に地域住民の便益のためにこれは提供される、こういうことであってほしいと思います。それで、特別な機関をつくるかつくらないか、これはまた別ですが、そういうような意味合いで、この米軍基地、これと取り組む、これは政府の姿勢として伊藤君の御指摘のようにはっきりさしたいと、かように思います。  先ほどの立川移駐の問題、ただいまは先遣隊でございますし、また本隊が入っているわけではございません。したがってこの先遣隊を帰すことをも含めて政府に預かるのかと、こういうようなお話でありますが、まあ皆さん方の御意見も、いろいろこれらの点について触れておられますから、皆さん方の御意見も御意見として拝聴しておる、そういうことで御了承をいただきまして、私自身としては、ただいま具体的な中身は申しませんが、皆さん方の御意見は御意見として拝聴して私どもが善処する、かように御了承いただきたいと思います。
  43. 伊能繁次郎

    伊能委員長 鬼木君。時間がございませんので、簡明にお願いをいたします。
  44. 鬼木勝利

    ○鬼木委員 総理もお疲れでございましょうけれども、私ちょっとお尋ねをしたいのでございますが、総理はかねがね、基地の問題については地元民の理解なくしては存続し得ない。なお防衛庁長官も、これは先般、私、予算委員会であなたに質問しました場合に、あなたもそれは認められた。そうしますると、この立川移駐の問題はまだ話し合いの中途であったということ、円満に話が解決していなかったということは認められますか、総理、長官ともに。
  45. 江崎真澄

    江崎国務大臣 私から先にお答え申し上げます。  確かに市長さんとは十分の了解点に達していなかったと思います。また反対派の方があったことも事実であります。しかしまた、一方の賛成派の方からは、一日も早くということで非常に督促をされたのも、決して誇張ではないわけであります。しかし、結果論としまして、やはり相当な不信感や反感があるということでありますれば、これはもう当然私ども、この管制訓練の実施期間中に、粘り強く十分理解を得るべくひとつ努力をしてまいりたいと思っております。
  46. 佐藤榮作

    佐藤内閣総理大臣 鬼木君にお答えいたします。  ただいま防衛庁長官からお答えしたような実情だと、かように私も理解しております。
  47. 鬼木勝利

    ○鬼木委員 そうしますると、総理並びに長官がかねがねおっしゃっておる、これは円満に話し合いがつかない場合には強行するのだ——しかも、先ほどからもお話があったように、私、予算委員会で申しましたところが、これがはやりことばになったのだが、夜陰に乗じて夜盗のごとく——ようございますか、まさにそういう状態で移駐をされた。話し合いがつかぬ場合にはこうやれというようなお考えですか、総理は。
  48. 佐藤榮作

    佐藤内閣総理大臣 これは鬼木君も御承知だと思いますが、昨年の六月にこういう問題の閣議決定をしております。それから後、防衛庁としては、これはできるだけ現地の了承を得る、こういうことで努力をしてまいりました。これはもうそれなりにひとつ評価してやってほしいと思います。防衛庁も、また施設庁も、この理解を得べくあらゆる努力をした。そこで、本隊の移駐にはなかなかまいりませんけれども、まず管制部隊、それらの訓練は一体どうだろう、こういうところまで来たのではないだろうかと私思います。それにいたしましても、とにかくどうも強行した、こういう形になっておりますが、これはむしろ私は、不測の事態が起こらないような状態をとったのだ、かように思っております。片一方では、どこまでも絶対に反対だと、こう言ってがんとして立ち向かっておる、こういう者がございますから、そういう点はやはり避けるというので夜になった。それが時間的にも約束した時間よりも一日早くなった、こういうことで問題が一そう紛糾しておる、かように私は理解しております。  ただいまのような強行の措置が、それでは是認されるのか、かように言われると、これはやはりお互いにある程度歩み寄りをしないと——国の必要な施設、これを地域的に見て絶対反対だと、こういうことで国民の感情が対立してもいかぬのではないだろうか。だから、やはりそこらをお互いに歩み寄りをすること、これが今日の政治体制として望ましいことではないだろうか、私はかように思います。そこらにおいて、やはりわれわれもさらに努力すべきであったろうと思いますが、これらの点が十分でなかった。いま一部の方から、もう適当に思い切って出てこい、もうこれより以上説得してもなかなか効はないのだ、こういうような意味からも、もうこの辺で腰を上げるかというようなことで、まあ防衛庁のほうがただいまのような決心をしたのだろうと思いますけれども、さらにもう少し、もっと気長く交渉を続けるべきではなかったろうか、かように実は思っております。したがっていまの段階において、この訓練期間中にさらに説得工作をしてみる、よく話し合ってみる、こういうような状態でございます。私は、それらの点はそれなりに認めるべきじゃないだろうか、かように思っております。
  49. 鬼木勝利

    ○鬼木委員 総理は、もう少し歩み寄りをすべきであった、もっと話が円満にいくように努力をすべきであった、その点努力が足らなかったように思うと、まあ率直に言って非を認められた。ところが、防衛庁長官はそうでなくて、なかなか高姿勢でいる。衣笠統合幕僚会議議長の南ベトナム訪問の問題でも、沖繩の問題でも、この立川の問題でも、右と言えば左と言い、左と言えば右と言い、柄のないところに柄をすげて、ああ言う、こう言う、そして逃げていこうとしておる。はなはだ不都合千万だ。しかもあなたの答弁は、先ほど伊藤委員も言ったように、あちらからもお話があったように、災害のために、民生安定のためになんて言って、翌日は今度は伝染病だなんて言う。だったら、伝染病は立川だけに流行するとは限っていない。そういうことで、言を左右にしてあなたはのがれようとする。  では、あなたにお尋ねするが、立川の議会において承認した。だったら隣の昭島市はどうか。基地の四分の一は昭島市に入っている。昭島市の議会は全員反対です。ではあの立川基地四分の一は使いませんか。反対ですよ。それを、議会は承認したからと、ただそれを一本やりで言っている。市民の八二%の反対には、あなたは何とも言っていない。そういう一時のがれのことを言って——まあこの経緯については、予算委員会からきょうまでずっとやりとりしていますから、もうこまかいことは申しませんが、立川移駐でも、東部方面総監部から中村三部長に、それから今度は内海次官に行って、それからあなたに行って、そして最終的にはあなたが、よかろうと言ったのじゃないですか。そうしますと、これは内局の内海次官であろうが、宍戸官房長であろうが——いや何も私は、どなたがどうだこうだということは、人事に関しては一切何も申しません。だから誤解のないように。だけれども、いやしくも長官がよろしいと言っておって、やった者がかわいそうじゃないですか。  先般、私のほうの矢野書記長が総理質問いたして、およそ、人の物を取っても、戻したらいい、そういうことで済むべきものじゃないのじゃないかというようなことを、何か例をあげて言っておりましたが、沖繩は物資だから、品物だからもう一度持ち返る、人はできない、そういうことになりますと、これはシビリアンコントロールも、物なら返すけれども人は返せぬということでは、これは本質的にそういう問題は解決できぬのじゃないですか。総理、いかがですか。物なら返すけれども人は返されぬというような、これは本質的に問題の解決にならぬ。私も先日立川に行きました。わざわざ行きましたよ。長官は何とも言わないが、ほかの者には御苦労さまと言ったけれども、ぼくには言わないじゃないか。何だ、はっきりしなさいよ。
  50. 江崎真澄

    江崎国務大臣 どうも毎回の御質問でありますから簡単に申し上げますが、沖繩の物資につきましては、これは国防会議との、まさに疑義ありということで、実行した人は、そういうものは疑義はないということでやったわけですが、やはり国会で御指摘を受けまして疑義ありということですから、これはやはり念のために移送することがよかろうということで決断をしたわけでございます。  それから立川の問題につきましては、なお今後ねばり強くひとつ一生懸命説得をしてまいります。そしてまた、実際緊急の場合の民生協力努力をしてまいりますので、これは鬼木さんもお認めをいただいて、われわれと一緒の側にお回りをいただけるとたいへんありがたいと思います。これはねばり強く努力してまいりますことをお約束いたします。
  51. 伊能繁次郎

    伊能委員長 鬼木君、時間が参りましたので、次に進行いたしますから……。
  52. 鬼木勝利

    ○鬼木委員 個人的には、江崎長官なかなか愛すべき人で、私、尊敬しているけれども、私情と公的はまた話が違う。これは断じて許されません。総理をはじめあなたも、これは十分地元との話し合いをやると言う。でございましたならば、一応もとへ戻して、話し合いの途中だからと、あなた方はお二人おっしゃっているんだから——円満に解決をしない限りは基地の問題は処理しないとおっしゃっている。でございますから、話は途中なんだ。だから、一応もとへ戻して、そしてまた話を始むべきであるということを私どもは申し上げたいということを、先日、共同調査をいたしました結論としてもそれを出しておる。でございますから、その点を総理にお尋ねすると同時に、総理は長官の政治的責任をどうおとりになるか。総理努力が足らなかったとおっしゃった。防衛長官も、遺憾の点があったと、ようやくきょう初めて遺憾ということばを言われた。なかなかしぶとい。でございますから、そういう市民を踏みにじるようなことをして、そうして、愛される自衛隊、国民に親しまれる自衛隊、どこを押せばそんなことが言えますか。
  53. 伊能繁次郎

    伊能委員長 時間でございます。もう非常に時間が超過いたしました。
  54. 鬼木勝利

    ○鬼木委員 じゃ、その点を総理に……。
  55. 佐藤榮作

    佐藤内閣総理大臣 鬼木君もわざわざ現場に行かれて、そして現場から直接実情をお聞き取りになった。ただいまのお話もそれに基づいてのお話だ、そういう意味でたいへん迫力のあるお話でございました。私も心から敬意を表します。しかし、先ほど来申し上げたように、この問題は私どものほうで善処するから、皆さんの御意見は御意見として十分拝聴しておりますので、ただいま、どうしてもここまでどうしろとこれをお詰めにならないで、まあ少しは政府の顔もお立てくだすって、ひとつしばらくおまかせ願いたいと思います。ありがとうございました。
  56. 鬼木勝利

    ○鬼木委員 どうもありがとうございました。
  57. 伊能繁次郎

    伊能委員長 和田耕作君。
  58. 和田耕作

    ○和田(耕)委員 私どもは、御案内のとおり自衛隊を認めておるわけでございます。そして自衛隊はできるだけ最小限度の規模において健全な発展をしてもらいたい、このように願っておるものでございますけれども、こういう立場から考えましても、今回の立川への抜き打ちの移駐については了承できません。したがって、早く一度原状に返していただいて、そしてある冷却期間を置いてできるだけの話し合いをしてもらいたい、このような党としての意見を持っているわけでございます。  そこで総理並びに長官にお伺いしたいのですけれども、三月八日という日をおきめになった理由はどういう理由に基づくものでございますか。  私に与えられた時間が二十分しかありませんし、同僚の受田委員からも質問いたしますので、あわせてお聞きしますけれども、昨年の六月の二十五日に日米合同委員会が開催されまして、それで立川基地の共同使用についての合意が見られた。六月の二十九日に閣議決定が行なわれて、いよいよ共同使用をするということになった。この二つの決定の場合に、いつ幾日までに移駐するという、そういう取りきめはなかったと思うのですけれども、その点どうでしょう。
  59. 江崎真澄

    江崎国務大臣 和田委員もわざわざおいでをいただいて、いろいろお骨折りにあずかって恐縮に思っております。お尋ねの点でございますが、六月の時点できめたわけですから、したがって年度内に管制訓練を完了したい。ですから、厳密に言いますると、一月から三カ月かかるわけですから、三月末ぐらいまでの間にこれを終わりたい、こういう目的が当初あったわけであります。しかしだんだんこれが延び延びになりました。それにはいろいろな事情も伴いますが、そんなことで、もう年度内に管制訓練を完了したいと思っておりましたのが延びておったわけですから、まあ三月一ぱいには何とかしてひとつ移駐をしたいものだということで、すでに二月の時点からこの計画は始めておったものでございます。
  60. 和田耕作

    ○和田(耕)委員 それは防衛庁長官あるいは防衛庁の希望であって、この日米合同委員会並びに閣議決定の場合に、いつ幾日までに立川移駐をするという決定はなかったはずでございますけれども、それでよろしゅうございますか。
  61. 江崎真澄

    江崎国務大臣 ございませんでした。
  62. 和田耕作

    ○和田(耕)委員 私は、初め長官がいろいろお答えになっているところを聞いておりまして、本年度内に移駐をするというその約束でもあったのかと思っておったのですけれども、よく調べてみますと、本年三月一ぱいに移駐しなければならぬというような約束は一つもない。また閣議決定もそういう内容でもない。そうであれば、このような、立川の駅から一キロ足らずのところにある、都心といわれているところにあるこの基地、特にいま騒音とかあるいは排気ガスとかいうことが問題になっておる航空機、こういう問題を考えますと、立川市民反対をする、これは当然のことなんですね。したがって、最後に立川市長と会談をしておるのは今年の一月の二十日ですね。二十日に市長並びに市議会議長と会談をなさっておられる。二十六日もなさっておられる。これを最後にしてやっていないのですね。これは手を尽くしたとは言われない。私は、三月一ぱいという期限があれば、どうしても三月八日にはという考え方も成り立つと思います。それはそれなりに了解できますけれども、そういうタイムリミットというものはない。それは長官の希望としてはあったでしょう。こういうふうな問題がある時期に、しかも予算委員会の御承知のような問題があったこういう時期に、あとから申し上げるような夜陰に乗じて進駐をするというような軽わざみたいなことをやった。これはどう考えましても、地域住民と話し合いを尽くしたということにはならない、こう思うのですけれども総理どうでしょうか。
  63. 佐藤榮作

    佐藤内閣総理大臣 まあ私どものように政府をやっていると、やはり年度内というのが一つの区切りでございます。新しい年度になる前にこういう問題を片づけよう、かように考えるのは、これは普通だろうと思います。したがって、全然期限はなし、スタートはそのとおりですが、しかし、やはり年度内に何とかしょうという、これは気持ちとしてわかっていただきたいと思います。  それからもう一つは、当たってみると、どうも反対だ、実力で阻止する、こういう意向もあるやに見える。しかも大体三月八日に移駐をするということがどうも漏れたらしい、こういうような事態もある。そうすると、やはり不測の事態が起こるかわからない、だからそういう不測の事態が起こらないように夜やろう、こういうことで、私はむしろ、不測の事態を避けた、このほうに重点を置いて、こっそり行ったという、さようなわけではない、かように御理解をいただきたいと思います。
  64. 和田耕作

    ○和田(耕)委員 それから、もう一つ重要な点を指摘しておきたいのは、いまの立川の阿部市長の選挙は去年の八月、そしていまの自衛隊の共同使用について日米合同委員会が合意したのは六月二十五日、閣議決定が二十九日、このきまる前に立川市議会選挙が行なわれております。しかも阿部市長のなったあの市長選挙は——市議会議員選挙には、私は東京ですから応援にも行ったんですけれども、阿部市長の場合は応援はしなかった。しかし市議会選挙の場合には応援をいたしました。つまり現在の市議会議員市長とでは、立川基地の共同使用がきまるという重要な時期をはさんで行なわれた選挙であるということを指摘しておきたいと思います。しかも御案内のとおり、立川基地の使用を民間に渡してもらいたい、私が市長になればそうするんだということを一枚看板として戦ったのが現在の市長です。  こういう点から考えますと、先ほど来、立川市民がどういうふうに考えているかということについて、いろいろと野党側の意見防衛庁長官との間に見解の違いがあると思います。昨年の十月、都立大学の学生を使っての市の世論調査という中に、八二%という反対数字がある。これは学生を使って、いいような方向にやったんだろうというような判断も成り立つことは事実です。しかしながら、防衛庁長官がおっしゃるように、市議会の大部分がこれに賛成をしたというが、このときにはまだ返還はきまっていない。しかし、市長は予想よりも圧倒的な形で、返還というものをテーマにして戦った選挙に勝っておる。こういうような面を、立川市民の世論を考えた場合に、特に慎重に考えるべきではないか。こういう点について、先ほど来長官がおっしゃっておる世論調査の見方というのですか、市民の意向の見方というものについて欠陥がありはしないか、こういうふうに思うのですけれども、長官、どのようにお考えですか。
  65. 江崎真澄

    江崎国務大臣 御指摘のように、市長背景というものは、やはり十分考えなければならぬと思います。しかしこれは、市長とは三時間近く話をしましてもどうしても御理解がいただけないということで、非常にわれわれも苦慮いたしたわけでございます。  その背景はよくわかります。私は、実はあの市長選挙当時に党の役員をしておりまして、もう一方の候補者に応援に行きました。いかにもこの候補者が、そう言っちゃなんですが、粗末だったということで、私は党本部に帰って激怒したことがある。これじゃ話にならぬ、こんなところに応援に行けといったってむだだという話で、私ずいぶん注意を喚起したことがあるんです。ところが、市議会の大多数はたまたま自衛隊配備賛成だということで、それでこの人たちからは、そういうことを申し上げると失礼ですが、確かに一日一日、いつやるんだ、いつやるんだということで、特に三月に入りましてからはしきりとせっつかれた。われわれのほうも満を持し、何とかひとつ市長に御了解を得たいと思っておりましたが、多数派の皆さん方がこうまでせっついて言われることだというのでやったわけでありまするが、結果としては、いろいろ御指摘のような疑問もあるわけでございますので、この管制訓練の合い間を縫いまして、三カ月間ありますので、十分努力いたしますから、この点はひとつ御容赦を願いたいと思います。
  66. 和田耕作

    ○和田(耕)委員 いま総理並びに長官の答弁がありますけれども、夜陰に乗じて云々の問題。いま情報が漏れたというようなこともありますけれども、これは私どもの国対の会議でも、私ども反対であっても——これは沖繩の問題でも同じです。なぜおやりになる場合は堂々とやらないのか。これは自衛隊の問題ですね。普通の仕事をやるわけじゃありません。なぜ堂々とやらないのかという意見があるんですけれども、今後とも、このような抜き打ちのようなことを、住民とのトラブルをなくするためにという理由でおやりになる決心ですかどうですか。
  67. 江崎真澄

    江崎国務大臣 これはしばしば申し上げておりまするように、方法としては決して好ましくなかったと思います。情報が漏れて抵抗がありそうだということから緊急の措置をした、こういうふうにおとりいただきたいのです。やはりこれは例外的なものであります。したがって、特に今度の場合は、管制訓練訓練先遣隊というものですからああいう形でやりましたが、本隊が参りまするときは、堂々とひとつ入ることにいたしたいと思います。
  68. 和田耕作

    ○和田(耕)委員 時間がありませんから、もう一つ参考のために聞いておきたいんですけれども、現在の立川基地は約六百万平方キロ、そのうちで自衛隊が共同使用しておるところが百十五万平方キロ、こういうふうになっておりますね。六百万平方キロに対して百十五万平方キロ、つまり五分の一弱というのが現在の自衛隊の使うところになっておると思うんですけれども、今後この立川基地を日本に返還されるということを、先ほど努力しようということをお話しになったのですが、そういう場合には全部民間の使用に使わす、そのように努力をしたいというふうにお答えができますかどうか。
  69. 江崎真澄

    江崎国務大臣 これは市議会多数派の要望に答えておりまするように、将来、米側から国に全面返還された場合には当然地元側協議をする。これはその時点で自衛隊も使わしていただきたいというお願いになるかもしれません。お願いになるかもしれませんが、国有財産ですから、一たん返還されましたときには、対等の立場でいろいろお話をしたりお願いをしたりする、こういう手続を踏むことになるわけでございます。
  70. 和田耕作

    ○和田(耕)委員 現在の百十五万平方キロというこの自衛隊が共同使用するところは、当然今後の自衛隊訓練並びに災害出動の問題を考えた十分な地域として設定されたところではないのですか。
  71. 江崎真澄

    江崎国務大臣 当然これは十分でございまして、さっきから申し上げておりまするように、平素訓練を直接いたしますのは二十八機ですが、いざ大災害というようなときには、百二十機程度までを、あそこに全国からヘリコプター中心とした小型機を集中しよう、こういう計画はございます。
  72. 和田耕作

    ○和田(耕)委員 私が質問しておりますのは、現在の百十五万平方キロというのは、将来の問題を考えた自衛隊航空機基地として十分なものとしてとったわけだろうと思うのですが……。
  73. 鶴崎敏

    ○鶴崎政府委員 お答えします。  先ほども長官からお答えしましたように、将来、航空機約二十八機、人員約五百三十名の本隊が来るわけでございますが、その際においても、現在共同使用を認められている範囲で十分でございます。
  74. 和田耕作

    ○和田(耕)委員 そういうことになりますと、この立川の駅から、先ほど申し上げたとおり一キロ足らず、七百メートルぐらいじゃないかと思うのですけれども、そして東京の美濃部さんも、三多摩の開発の中心のセンターにしたいという強い希望を持っておられる。また騒音等の問題から考えて、当然六百万平方キロのあとの四百八十五万平方キロというところは、立川市あるいは昭島市の市民の便利のために返されるべきだと思うのです。総理、先ほどからのやりとりを聞いておりまして、その問題について、そのような方針でやっていくというような御答弁ができないでしょうか。
  75. 佐藤榮作

    佐藤内閣総理大臣 私も現地実情をあまりよく知らないものですから、いま係から説明を聞いているのですが、この地図の上で、A地区B地区、そういうように分けてあるところについては返還の方向で努力する、こういうことのようです。
  76. 和田耕作

    ○和田(耕)委員 現在、立川基地にはアメリカの空軍は一人もいないと聞いております。ただ、家族とかその他の施設が残っておるだけだと聞いておりますけれども、また、いまの防衛庁政府委員からの答弁によれば、将来とも百十五万平方キロで十分であるという返答ですから、これは議論の余地はないと思うのですけれども、当然、立川あるいは昭島市民の便利、あるいは東京都民の便利のために使わすということには考慮の余地はないと思うのですけれども総理、そのような方針として御答弁できませんか。
  77. 佐藤榮作

    佐藤内閣総理大臣 そういうような方向でよろしい、私はかように考えております。
  78. 和田耕作

    ○和田(耕)委員 まだたくさん詰めたい問題がありますけれども、時間がありませんから、直接行かれた受田委員がおられますから、関連質問させていただきます。
  79. 受田新吉

    ○受田委員 江崎長官、私も先般立川基地を拝見しにうかがいました。長官は就任された当時、隊員を集められて、私はハト派の長官である、ハト派の長官がおる限りは、平和の維持できる部隊であることをどうか信頼してほしいという、あなたの熱烈なるあいさつがあったと聞いております。ことに、ハト派とわざわざ指摘してごあいさつのあったということにおいて、あなたが防衛庁長官として、平和的な長官として猛烈な意欲をわかしておったことがよくわかります。そのあなたに一言お尋ねしたいことがあるのですが、今回、立川基地の事件の際に、制服から連絡を受け、あなたがオーケーを出される過程で、内局の人々がそれぞれの立場で真剣にチェックするという意欲をわかしたかどうか。今度の事件で防衛局長が責任を負うている。防衛局長というのは、今度の事件では、直接あなたの補佐役としてこの連絡事項についてはタッチしていないと思うのです。そういうことについて、長官が文民統制をやるその過程において、内局の局長クラスをできるだけ利用するということを忘れておるのじゃないか。ことに、次官の報告を聞いて、よろしい、君は警察出身だから間違いなかろうという簡単なオーケーを出しておる危険がある。当然、防衛局長からも装備局長からも意見を聞いて、長官の高度の判断をするというその手続に欠けた点はないか。立川基地で、私、次官から長官へ、そして制服への御返事の返り方を見たときに、その時間的な都合その他を見たときに、長官は内局の文官優位の知恵を十分買ってないと判断したが、ひが目であるかどうか、御答弁願いたい。
  80. 江崎真澄

    江崎国務大臣 御指摘でありますが、これは次官が私に連絡をしてくるわけですが、もともと陸上幕僚長がこの問題の最高指揮をとるわけです。そして東部方面総監に行って部隊に行くわけです。したがって、陸上幕僚長は次官の指図を仰いだわけです。そのときそばに防衛局長がおったかどうかは、私、確かめておりません。おりませんが、当然、次官は私に向かって、陸上幕僚長の判断、東部方面総監の判断というものを前提にして尋ねてきております。もうすでに七時に実行する、それは明朝の三時ということで、その時点ではきめておったわけですから、詳密な検討がなされておるわけです。ですから、それを数時間早めるということについて状況判断が現地の者からなされ、そして私に照会があったということであるならば、これはもうよろしい、君にまかせようということでまかしても、これは粗漏はなかったというふうに考えております。  それから、ちょっと時間がないとき恐縮ですが、ハト派の問題が出ましたが、要するにシビリアンというものはやはりハト派であるべきだ。これはもうシビリアンコントロールのたてまえからいっても、私は当然なことだと思っております。自衛隊制服そのものは精強でなければなりませんが、われわれ政治家はやはり平和を尊重する、平和のためにはあらゆる努力をする。これを称してハト派というなら、私はみずからをもってハト派と任じましょう、そういう表現をしたわけでありますので、念のためにつけ加えておきます。
  81. 受田新吉

    ○受田委員 長官、いまあなたは、私たちせびろはハト派、制服はいわゆるタカ派という……(江崎国務大臣「いや、精強と言ったので……」と呼ぶ)そういうような印象を与える答弁がありましたが、ちょっと時間がないので私すかっとお尋ねします。  今度の衣笠統幕議長のサイゴン行き事件、これは、あなたの直接指揮監督を受けない防衛駐在官で、外務大臣の指揮監督を受ける。あなたは何ら指揮監督権がないのです。そのない者が指揮監督を受けるタカの制服を着た人を派遣したということは、これは大きな誤解を招くおそれがあるということをあなたは十分知っていらっしゃらなければならぬ。ハト派の長官として、あなたの直接指揮監督権のない防衛駐在官、純然たる外交官をかき集めて防衛問題を論議するなどということは、はなはだけげんなる行為であったと私は思うのです。十分反省をしておられるかどうかをお尋ねすることと、いまあなたは、防衛局長に内海次官が話を聞いたか聞かぬかわからぬ、こういうことでしたが、私、非常に大事なことだと思う。防衛局長装備局長は全部知恵をすぐって文官優位の大事な協力者でなければいかぬのであるが、防衛局長、あなたは御相談を受けたかどうか。長官はあなたにこの意見を聞いたか聞かぬかわからぬといまおっしゃる。御答弁を願いたい。
  82. 久保卓也

    ○久保政府委員 今回の問題は、本隊の移動ではありません関係上、つまりわれわれのことばではOJTと申しておりますが、訓練部隊を派遣してそこで訓練をするという事柄の性質が第一点。第二点は施設の取得、それからその近隣地方公共団体、地元との連絡が中心であるという関係上、施設系統を中心にしたプロジェクトチームをつくりまして、私のほうから運用課長を出しておりました。その関係で、一般的な連絡は受けておりますが、当日は私は関与しておりませんでした。
  83. 受田新吉

    ○受田委員 そうした関与していない防衛局長、この優秀な防衛局長の知恵が出ておらぬ。こういう問題は、文官優位の原則の上に、あなたの周辺におる補佐官を最高に生かすということをやらないと、最終的には、長期に勤務した制服皆さんの意思のほうが、ひんぱんに交代する内局を押えるという結果が起こる。これは私は非常に心配だ。政治優先の原則を確立するために、内局の局長、参事官クラスを最高に生かす努力を長官はやられるべきである。そして、その周辺利用するということに御注意を願いたい。  最後に私は、次期長期防衛計画と、いま凍結されている沖繩に対する久保・カーチス協定実現のための具体的な国防会議はいつやる見通しであるか。凍結された八月以後の次期長期防衛計画についての構想は、昭和四十八年度をスタートとする構想というふうに理解していいかどうか、この点、総理及び長官からお答えを願いたいです。これでおしまいです。
  84. 江崎真澄

    江崎国務大臣 沖繩への配備につきましては、これはほんとはきょうやりたかったんです。ところが、ああいう問題がにわかに起こりましたためにちょっと手順がおくれました。したがって、国防会議は来週早々にもお開きを願いたいということを、議長である総理にもお願いいたしておりますし、国防会議事務局にも、それぞれ係をもって連絡をいたしておるわけでございます。  それから、あとの四次防につきましては、二月七日の国防会議決定を見ましたいわゆる四次防大綱によりまして、昭和四十七年度を初年度とする、こういうことでもうはっきりその方向を打ち出しておりまするので、なるべく早い時期にこの策定をしてまいりたいと思っております。
  85. 受田新吉

    ○受田委員 終わります。
  86. 伊能繁次郎

  87. 東中光雄

    東中委員 私も立川調査に行ってまいりましたので、そのことについてお聞きしたいんですが、その前に、沖繩への自衛隊物資の搬出の問題に関連して、昨日の予算委員会での政府の答弁は、自衛隊沖繩配備についての政府の方針は、久保・カーチス取りきめできまっている、取りきめは政府の責任で認めている、復帰後半年以内に三千二百人を配備するという基本方針を持っておるんだ、こういう趣旨の説明があり、ただ、配備のテンポをどうするかとか、その時期、やり方等については、要するにその細目については国防会議にかける、こういうふうに言われたと思うんですが、さようでございますか。
  88. 江崎真澄

    江崎国務大臣 そのとおりでございます。
  89. 東中光雄

    東中委員 しかし、これは非常に重要な問題だと私は思うんですが、久保・カーチス取りきめというのはそういうものではない。きわめて事務的な、技術的な、そして手続的な打ち合わせであって、その打ち合わせを確認しただけなんだ、そういう事実行為である、こういうことを、昨年の十二月十四日の参議院の協定特別委員会で、総理もおられましたし、防衛庁長官も言われておる。したがって、これは全然基本方針とか政府の基本的な態度とかいうものではないんだ、これははっきりしているわけでしょう。ところが、日米両国の事務当局が確認しているにすぎないというこの事務的なものが、今度政府の基本方針になって、それの細目について国防会議にかけるんだという、ずいぶん奇妙なことになっているんですが、これは一体どういうことなんでしょうか。
  90. 江崎真澄

    江崎国務大臣 時間がありませんので、私があまり詳細のいきさつを言いまするとまた長くなりますので、そのとおりですというふうに答えたわけですが、なるほどこの久保・カーチス協定というのは、従来米軍の陣地であったところへ入り込んでいくわけですから、トラブルがあってもいけない。そこで、われわれのほうの任務を分担する適当な自衛隊員を配備するということで、技術的、事務的に取りきめられたものであることは、そのとおりであります。  しかし私どもは、この間の二月七日の「第四次防衛整備五か年計画の大綱」というので、二項七号、「沖繩の施政権返還に伴い、同地域防衛を担当するとともに、災害派遣その他の民生協力を行なうため、所要の部隊整備する。」こういうことで、確認をいたしたわけであります。確認をしないまでも、もちろん、年末のあの沖繩国会におきましてしばしば御論議をかわしたところでありまするが、そこで準備行動はこれでカバーできるが、あらためて自衛隊の陸、海、空をどう配備していくか、これらについては国防会議に具体的にかけることが望ましい、これが佐藤総理の議長としてのお考え方でありまするので、その線に沿って作業を進めてまいった。そこで今度は、自衛隊独自で計画をいたしましたものを正式に国防会議の議に供することになる、詳しく言えばこういう手順でございます。
  91. 東中光雄

    東中委員 ことばをそういうふうに変えられたら、私いかぬと思うのです。きのうの答弁の趣旨は、基本方針はきまっているんだ、久保・カーチス協定だ、準備行為に入るのは、国防会議のこの間の「大綱」の「所要の部隊整備する。」という、その「整備」の中に入るのだ、こういうふうに言われているわけです。きのうの答弁に関する限りは、少なくともこの協定というものが基本になっている。その細部については、具体的なものについては今度国防会議にかけるのだ。それは県民感情もあるだろうし、シビリアンコントロールのことも考えてそうするのだ、これでは防衛局長の結んだアメリカとの協定が基本になってしまっている。それの細部を少々訂正することもあり得るのだ、修正することもできるのだ、こういうことまで言われている。国防会議が、防衛庁の担当官が結んだアメリカとの協定にいわば基本的に縛られている、こういう姿勢になっている。私は今度の派遣も、物資の搬出にしましても、こういうアメリカとの話し合い、アメリカとの結びつき、それに縛られてずっと進んでいっている。事務が先にいっている。まさにこれは、シビリアンコントロールというものが政治の優位だというふうに考えるとすれば、全く本末転倒の方向になっているのではないか、こう思うわけですが、総理、ひとつ御所見をお聞かせ願いたい。
  92. 江崎真澄

    江崎国務大臣 先ほどからの関連でありまするから、私からお答えを申し上げますが、私、きのうも同じことを言っておるつもりなんですが、先ほど御答弁を申し上げたところが正確でありまするから、そのようにひとつ御了解を願いたいと思います。  それから米軍との関連においてと言われますが、施政権が戻ってくれば、当然沖繩県の局地防衛に任ずるのはやはり自衛隊の役目でありますので、国防会議の議を経てすみやかに準備を円滑に進め、五月十五日の時点では自衛隊を堂々と県民の理解を得て派遣したい、そう思っております。
  93. 東中光雄

    東中委員 沖繩自衛隊配備について、少なくとも昨年の国会では、それは防衛庁長官の専権事項だ、久保・カーチス協定というのは、政府に、閣議に報告もしていない、そういうふうに報告する必要のあるものではない、こう言っていた。だからそれが政府の方針でも何でもない。ところがいま、それが政府の方針という形で事が進められてきているというところに非常に重要な問題があるということを、私は指摘しておきたいのであります。  それからもう一つ、時間がありませんので、立川の関係について一点だけ申し上げておきたいと思うのですが、要するにこの移駐というのはいわば自衛隊の宿がえでございます。必要で正しいことだったら、当然堂々とやればいいではないか、こう思うわけですが、この計画の立て方が、二月の一日から参事官会議を開いて大綱をきめた、二月の十日ごろには「ふじ」という名前をつけていわゆる作戦計画を立てたということを言っておられる。そういう計画の内容自体が、宇都宮を出るときには隠密行動をやるんだ、そして練馬に展開をするんだ、こういうように現場で制服の人は言っておるのですけれども、そのとおりに動いておる。しかも移駐をやる日の前日に練馬に行くことになっておった。現に六日の日に練馬に行っておるわけです。そして七日の日に移駐をしているわけです。市長に対する連絡というのは、電話受信の内容を見てみますと、航空機立川到着予定は明日の午前十時三十分、そして地上部隊は明早朝立川飛行場に移動する予定でありますと、全部、到着、移動の内容を言っておるわけです。ところが現地での命令は、移動の内容じゃなくて出発命令だけがある。計画どおりにいけば、六日に展開をして七日に行くことになっているのですから、七日に現に行った。これでは立川市長に対して事前通知をやるといったことを全く計画的に変えていることになりますし、うそのことを言っていることになりますし、そういう防衛庁のやられたこと自体が、これは非常に不信義といいますか、そういうことになります。  しかもそれは、市民の圧倒的多数の人たちが反対しているという状態でこういうことをやられると——現場の制服の方が言っておりましたけれども、敵状をよく見て、そして隠密行動をやるんだ。敵状ということばも出ました。つい出るのでしょう。まさに市民相手の作戦行動をやっている、こういう形になっているんですよ。これはまあ部隊の宿がえというふうに考えてみたら、全く異常なことだ。どうしてもこれはもとへ戻すべきだということを強く私たち要求をしておきたいわけです。
  94. 江崎真澄

    江崎国務大臣 ちょっと誤解があるといけませんから、私申し上げます。  自衛隊の場合は、すべてを作戦と、こう申します。それから災害活動に向かいますときも、私は伊勢湾台風の経験者でございますが、たとえば堤防が決壊して、これを、みおといって、さし潮になるとそこへ水が集中しますから、非常に大きな穴が掘れて激流をなすわけです。そうすると、やはりそれを敵とみなして、水自体を敵と呼ぶわけです。ですから、作戦というのは自衛隊の常套語であって、それから敵というのは、別に市民を敵にしたわけでなくて、作戦上の常套用語。しかしそれも考えてみればあまり適当でない。水を敵と呼ぶことならともかく、そういう誤解や疑義を差しはさむような用語は適当でないと思いますから、そういうことについては注意をしてまいりたいと思いますが、これは従来の習慣、常套のことばであるというふうに御了解をいただきたいと思います。  また、引き返しの問題につきましては、総理がしばしばお答えになりましたように、まあひとつ私どもも説得に努力いたしますので、しばらく時間をおかしいただきたいと思います。
  95. 東中光雄

    東中委員 時間がありませんので、私は最後に総理にお聞きしておきたいのですが、久保・カーチス協定にしましても、これが中心に動くようになってしまっている。実際そうなっています。それからいまの立川移駐の問題にしましても、共同使用がアメリカとの合同委員会できまって、そしてレアード報告にも出てくるというふうなそういう状態の中で、全部隠密強行がやられておるということになっておると思いますので、これは日本の防衛というのだったら、あまりにもおかしいんじゃないか、こう思うわけですが、御所見をお聞きして質問を終わりたいと思います。
  96. 佐藤榮作

    佐藤内閣総理大臣 もう先ほど来たびたび申しましたから御存じだろうと思います。成田空港建設でずいぶん苦い経験をなめている。したがって、移駐反対があって、それが徹底的な実力阻止、こういうようなことになると、ずいぶんあちらこちらへ迷惑をかける。だから、その不測の事態を避ける、こういうような気持ちがあったろうと思います。私は、そういう意味でこれを理解してくださいということをさっきからたびたび申したのでございます。しかし、一面から言うと、そういうことをしないで、反対があったらそれを実力で排除してでもやったらどうだ、こういうような御意見もあるようですから、そこらはこれから先の問題としてよく検討していくことにいたします。
  97. 伊能繁次郎

  98. 大出俊

    大出委員 ちょっと一点だけはっきりさせておいていただきたい点があるのです。  それは、何人も野党同僚議員質問がありましたが、事の中心は、先遣隊が入ったわけですから、この「ふじ作戦計画」なるもののやり方その他を調べてみて、私ども野党四党は現地で会合を持ちましたが、これは穏当でないと意見一致いたしました。沖繩という問題もある。だからこの際すみやかに退去をすべきである。そしてこの基地はまことに交通渋滞、過密地域基地であるから、できるだけ市民開放すべきである、こういう方針で臨もうということに四党意見が一致したわけなんです。そこで事と次第によっては、この問題の決着をつけるまで法案審議に入れない、実はこういう態度まで相談をしているわけなんです。  そこで質問をしているのでございますけれども、どうも私が質問している限り、もうやっちゃったんだから退去できない、あくまでも市民を説得する、こういう一本調子の長官の話等が出てくる。総理の御答弁もどうもそれに近い感じの御答弁であった。ところが、公明党の伊藤さんと鬼木さんの質問の中では、事たいへん重要である、だから白紙撤回を含めて、総理検討をいただけるか、こういうふうに詰めているわけでありますが、これに対して総理のニュアンスは、そう一々こまかく詰めないでもらいたい、時間をかしてもらいたい、いろいろと検討をしたい、こういう趣旨の答弁が出てきているわけでありまして、多少われわれの受け取り方に相違があるわけであります。あるいは答弁の食い違いがあるわけであります。これは実は、明日以後私ども委員会を進めるにあたりまして、そこらのとり方によっては非常に大きく違ってまいります。与党の理事さんともさっきちょっとここでお話をいたしましたが、そこのところはたいへん重要でございますから、詰めるなとおっしゃるわけなんでありますが、そこのところの総理の真意のほどをもう少し話しておいていただけぬか。判断ができませんので、詰めているんじゃないですけれども
  99. 佐藤榮作

    佐藤内閣総理大臣 私、先ほど申し上げたこと、これは速記をよく読んでいただくとはっきりしておるだろうと思いますが、話しているほうでは別に変わったことを言っているとは思いませんけれども、聞かれたほうの方は、おそらくそれぞれがいろいろに解釈してとられたんだろう、かように思わないでもございません。  とにかく私はこうして会議を持っている。そうすると、各党の方々からそれぞれみんな御意見を聞くんですから、御意見を聞いた上で政府の態度をはっきりさすという、これは望ましい姿だ。何にもやらないのなら、それはもう話も聞かないでもいいじゃないか、こういうことになり、最初からけんか腰か、こういうようなおしかりを受けようかと思います。そうじゃなくて、これは各党にそれぞれの御意見があるのだから、やはりそれを十分聞いて、しかる上にわれわれが判断をするというのが望ましい。しかし、いまの状態で政府はそれまで変えるような方向によほど傾いているのか、それともそのものずばり申して、現在の態度を守る、そういう形でおるのか、こう言われるお尋ねであれば、後者である、こういうことをはっきり申し上げておきます。  私は、先ほど来申しましたように、各党の御意見を十分聞くだけの余裕はございます、冷静に承るだけの。また別に感情的に走ってどうこうではございません冷静に皆さん方の御意見も聞いておるつもりでございます。そうしてその上で判断をして政府の態度をきめますが、ただいまの状態で、それでは引き返すか、こう言われると、私は引き返さないというほうに重点を置いている、かように御了承いただきたいと思います。
  100. 大出俊

    大出委員 ただいまの段階でということでございますから、そう受け取っておきます。
  101. 伊能繁次郎

    伊能委員長 次回は、来たる十六日木曜日、午前十時理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後八時十一分散会