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生駒参考人 京阪神ケーブル
ビジョンの
生駒でございます。
本日は貴重な時間、私
どもまでに発言をお許しいただきましてありがとうございました。たくさんの方がいろいろおっしゃっておられますので、私
どもとしましてお聞き苦しいかと思いますけれ
ども、初めにKCV、
京阪神ケーブル
ビジョンでございますが、概要を少々述べさしていただきまして、そのあと
法案に対する
意見、御
要望といったものを申し上げさせていただきたいと思います。
私
どもの
京阪神ケーブル
ビジョンは、電電、
NHK、民放、
新聞、銀行、電子機械工業会、電線メーカー、関西電力、こういった八つのグループの基金二億一千八百万円でございますが、これによって一昨年の五月の八日に発足いたしました。基金は全部集まっておりませんが、二億一千七百四十万円、九九・七%現在集まっております。
そういったことで発足いたしまして、さっそく
事業にかかりましたわけでございますが、
事業としまして第一番に着手しましたのは、大阪の南区に御津
地区という場所がございますが、これは大丸デパートの西側の辺にあたりますが、ここでとりあえず試験的なものをやってみたわけでございます。
目的としましては、実際のそういった
CATVの線を
設置しまして、それを見た上での一般の方々の需要がどう動いてくるかというのが一点、それから
技術基準、どの辺が必要最小限のものであるかといったものを実際の手さぐりでさがしてみようというのが一点、それからもう
一つは、
施設を建設するにあたりましていろいろ問題が起こってまいります。こういった諸問題、どういう問題が起こるかもわかりませんでした。どういう問題が起こるだろうか、あるいはその解決策はどうか、こういった三点を一応
目的にしまして約八百世帯のありますところへ四百端子、四百の引っ込み端子をつけたものを二千万円でつくってみました。これは四十五年の九月にかかりまして四十五年の十二月に完成いたしております。現在の加入が百五十加入くらいですから約二〇%弱の加入率、こういうことに相なろうかと思います。
その次に手をつけましたのは
神戸市の兵庫区の
鈴蘭台、これは完全な
都市の人為
難視というのではなく、複合
難視と申しますか、地形的な
難視に合わせてそういった人為
難視がからんでいるといった
地域でございまして、完全なベッドタウンでございます。ここは主として経営面を主にした
施設の運営の諸問題をこれで勉強してみようというのと、それから
自主放送とかそのほか同軸ケーブルの持っております特性を生かしまして、いろいろなサービスができるわけでございますが、そういったサービスをするサービスの実験場というものをつくろうじゃないかといったことで、これは双方向のシステムにいたしておりますが、それが
一つ、それから
テレビの中で隣接チャンネルのかぶりとか、こういった問題が、きわめて
技術的でございますがあるわけでございます。あるいはまた遠距離へ
有線で搬送する場合、画像が乱れる、こういった
技術的な問題があります。そういった問題を解明しようというのが三点、こういったことを
目的といたしまして始めました。約五千万円かけまして二千四百端子のものをつくりました。この
地域は大体四千五百足らずの世帯数がございます。現在そこで千五百加入がございますので、約三〇%強の加入率、こういうことに相なっております。工事は昨年の二月に始めまして、昨年の十二月に完成いたしております。
なお、この
地域の追加の工事といたしまして、
鈴蘭台地区の西側のほうへ約八百端子、二千万円くらいかけて本年じゅうに延ばそう、北側のほうにも同じく千二百端子ばかりのものを四千万円ほどかけて本年じゅうに延ばそうといった計画をやっております。
こういった状態の
事業をやっておるわけでございますが、そこでその経理状態でございますけれ
ども、昨年度末決算で創立以来約二年になるわけですけれ
ども、累積の赤字が三百万円といったことになっております。ほぼ収支が均衡しているといえるのじゃなかろうかと思います。ただしこのことは、単にうまくいっているというのではなしに、収入の面なんかを見てみますと、利子収入が相当大きなウエートを占めているとか、あるいは建設業者が非常に協力してくれまして、価格的にもちょっと市価のあれを破るような安い価格でできているというようなことが大きなものになっています。なお、私
どもよりか半年ほど前に発足いたしましたTCVのいろいろのことを踏み台にさしていただいたといったこともいなめないのじゃなかろうかと思っております。こういったことでどうにかやっているのが現状でございます。
余談になりましたけれ
ども、次に、この二年間の経験に立ちまして、今回の
法案に対する御
要望あるいは御
意見といったものを申し上げてみたいと思いますが、第一点目は、だいぶ熱がさめたとはいえ、やはり族生するといいますか、そういった傾向にあります
有線テレビ施設、これをやはり何らかの
意味で一父通整理をしていただくことが急務でなかろうか、かように考えます。現在大阪、
神戸、相当な共聴
施設がございますが、大阪に千といいます、
神戸に五百というようなことをいわれておりますが、その形態を見てみますと、ビルの所有者がその自分のビルの陰になるところを補償してやったといったもの、あるいは町内会の有志が金を出し合ってつくったもの、あるいは住宅公団とか住宅供給公社とか、こういったものがやったもの、あるいは地方自治体がやったもの、こういったものに大体大別されますけれ
ども、通弊といたしまして、この
施設更新、
先ほども話がございましたけれ
ども、五年なり十年なりいたしましたら、老朽で取りかえるという問題が起こってまいりますが、こういったものに対する配意、準備がいささか欠けているのじゃなかろうかといったことが全般にいえます。そういたしますと、更改する時期にまだなっておりませんが、数年先にはなります。この場合に
住民にたいへんな負担がかかってくる、こういった問題が
一つございます。
それからもう
一つは、せっかく同軸ケーブルを使っているわけでございますけれ
ども、これは非常に大量の搬送量があるわけでございます。
テレビで四十チャンネルだとか、あるいは電話にしたら七、八万回線分、こういったことをいわれておりますけれ
ども、事実そういったものを使いながら最低のお金であげようとかいろいろの思惑がございまして、
技術基準なるものが相当低うございます。しかも、それぞれのやつがばらばらでございまして、ですから将来これでいろいろの利活用をしようと思いましても、相互のシステムが疎通性がございません。こういう点も非常に問題があろうかと思います。
こういった
実態でございますので、
施設者の経済的その他いろいろの面における信頼度といったものを相当検討して
許可を与えるとか、あるいは
先ほど言いました疎通性の問題でございますけれ
ども、そのシステムが隣のシステムと同じようにつながって流していける、こういったことにするための
技術的なある
基準を設けるとかいったことは、いまからやっておかないとおそくなってしまうのじゃなかろうか、かようなことも考えられますので、何はともあれ、そういった交通整理をお願いしたい。幸い今回の
法案は、そういう点が非常に大きな眼目になっているようでありますので、そういった
意味からも本
法案につきましては賛意を表する次第でございます。
その次は、いささかお願い的な要素に相なってきますけれ
ども、
先ほど東京ケ−ブル
ビジョンの
参考人のほうからの
意見もございましたけれ
ども、相当経営的にむずかしいものでございます。したがいまして、国の育成といいますか、そういったものが必要じゃなかろうかと思いますので、ひとつ御高配願いたいと思います。と言いますのは、
住民は、自分たちの住んでいる町なりの環境づくりといった
意味から、
自主放送なり何なりして連係感を持ちたいという
考え方は非常に強いわけでございますけれ
ども、一方、
難視になるのは一種の公害のようなものであって、それを自分の金で解決するというような筋合いのものじゃない、こういった被害意識というものが相当強うございます。まあそういった点、それからもう
一つは、アンテナを立てるだけで見える人もあれば、アンテナなしに、
CATVに入って、
加入料、使用料を払ってやっと見える人もある、そういったところ、きわめて不平等になっておるわけでございます。ですから、
加入者といいますか、受益者といいますか、負担をなるべく軽くするという方向に将来検討していかなければならぬじゃないかと思います。こういったためには、やはり何としても国家の力といったものが大事になってくると思いますので、ひとつよろしくお願い申し上げたいと思います。
また、そういったところで、具体的なお願いといたしましては、たとえばその
施設費の問題でございますけれ
ども、これはまあ私の私見でございますけれ
ども、たとえば電波の障害になっておる高層建築物、そういった所有者から何がしかのタックスを取るとか、あるいは電波を
営利に使用している業者からはそれ相応の使用料を取るとか、あるいは
NHKの
難視対策費を積み上げるとか、あるいは一般会計から繰り入れ金をあれするとかいった各種のあれからお金を集めまして、こういったものを国のあれでその
施設をしていただく、これが最良の策じゃないかと思いますけれ
ども、しかし、まあそこまでいくのはたいへんなことだと思いますので、せめて建設費の利子補給程度のことは何とかお願いできればありがたいかと思います。
それから第二点目は、
関係法令との調整の問題でございます。道路法の問題、道路の占用なんというものは、実際やってみますとたいへんなことでございます。そういった問題とか、あるいは電気設備令との
関連とか、あるいは
先ほどから再々出ました
著作権法との
関係、こういったこと、それから税法上の優遇と、いろいろございます。
郵政省の御協力によりまして、道路制限その他につきましては、相当実際はいろいろやっていただきまして、
先ほど申しましたような
施設もできた次第でございますけれ
ども、なおしかし、
法律によってそういったものを整理していただくと、なおさらよくなるのじゃなかろうかと考える次第でございますので、何ぶんよろしくお願いしたいと思います。
はなはだ訥弁でございましたけれ
ども、以上で終わります。ありがとうございました。