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1972-05-11 第68回国会 衆議院 逓信委員会 第14号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十七年五月十一日(木曜日)     午前十時十七分開議  出席委員    委員長 高橋清一郎君    理事 加藤常太郎君 理事 古川 丈吉君    理事 本名  武君 理事 水野  清君    理事 古川 喜一君 理事 中野  明君       池田 清志君    宇田 國榮君       金子 岩三君    左藤  恵君       佐藤 守良君    中村 拓道君       林  義郎君    阿部未喜男君       武部  文君    土橋 一吉君  出席国務大臣         郵 政 大 臣 廣瀬 正雄君  出席政府委員         郵政政務次官  松山千惠子君         郵政大臣官房長 森田 行正君         郵政大臣官房電         気通信監理官  柏木 輝彦君         郵政大臣官房電         気通信監理官  牧野 康夫君         郵政省電波監理         局長      藤木  栄君  委員外出席者         外務省アメリカ         局外務参事官  橘  正忠君         参  考  人         (国際電信電話         株式会社取締役         社長)     菅野 義丸君         参  考  人         (国際電信電話         株式会社取締役         副社長)    板野  學君         参  考  人         (国際電信電話         株式会社常務取         締役)     増田 元一君         参  考  人         (国際電信電話         株式会社常務取         締役)     木村 光臣君         参  考  人         (国際電信電話         株式会社常務取         締役)     増森  孝君         参  考  人         (国際電信電話         株式会社取締         役)      有竹 秀一君         参  考  人         (国際電信電話         株式会社取締         役)      大島信太郎君         参  考  人         (国際電信電話         株式会社取締         役)      米田 輝雄君         参  考  人         (国際電信電話         株式会社取締         役)      古橋 好夫君         参  考  人         (国際電信電話         株式会社取締         役)      三輪 正二君         逓信委員会調査         室長      佐々木久雄君     ————————————— 委員の移動 五月十一日  辞任         補欠選任   樋上 新一君     近江巳記夫君 同日  理事樋上新一君同日理事辞任につき、その補欠  として中野明君が理事に当選した。     ————————————— 本日の会議に付した案件  理事辞任及び補欠選任  逓信行政に関する件(国際電信電話株式会社事  業概況)      ————◇—————
  2. 高橋清一郎

    高橋委員長 これより会議を開きます。  この際、理事辞任についておはかりいたします。  理事樋上新一君から理事辞任申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 高橋清一郎

    高橋委員長 御異議なしと認め、許可するに決しました。  次に、その補欠選任を行ないたいと存じますが、委員長において指名するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 高橋清一郎

    高橋委員長 御異議なしと認め、理事中野明君を指名いたします。      ————◇—————
  5. 高橋清一郎

    高橋委員長 逓信行政に関する件について調査を進めます。  本日は国際電信電話株式会社から、お手元に配付いたしました名簿のとおり参考人の方々が出席されております。  この際、国際電信電話株式会社事業概況について説明を聴取することといたします。菅野参考人
  6. 菅野義丸

    菅野参考人 国際電信電話株式会社社長菅野でございます。  本日は、まことに貴重な時間をいただきまして、会社事業の概要につき御説明申し上げる機会を得ましたことを深く感謝いたします。また、当委員会皆さま方には、平素格別の御指導を賜わっておりますことに対しここに厚く御礼申し上げます。  本年は、当国際電信電話株式会社が発足いたしましてから、ちょうど二十年目に当たるわけでありますが、この間のわが国の国際通信は、まさに激動の時代でありまして、かつてそのほとんどが短波通信によっておりましたものが、広帯域通信へと発展的な変貌を遂げ今日に至った次第であります。  すなわち、昭和三十八年ごろまでは短波通信時代でございましたが、三十九年太平洋横断ケーブル開通が画期的な広帯域通信時代への幕開けとなりまして、自後インテルサット衛星による商用通信開始、日本・韓国間マイクロ散乱波通信開始、さらには日本海ケーブル開通と、矢つぎばやに国際電気通信のハイウェーが建設整備されまして、現在では世界的な広帯域通信幹線網の形成を見るに至っております。その結果、短波通信の全盛期でありました昭和三十八年には合計二百三十九回線運用いたしておりましたが、現在ではその約六倍の千五百回線の多きを数えております。そのうち、広帯域通信によりますものは総回線数の実に約九五%を占める状態でございまして、かつての短波通信時代には想像もできなかった豊富で良質回線運用が可能となり、電報電話テレックスはもちろんのこと、テレビジョンの宇宙中継データ通信など、新しいサービスが提供できるように相なった次第でございます。  当社は今後ともこれら豊富、良質、しかも安定した通信幹線を十二分に活用いたしまして、世界各国との国際通信網拡充整備につとめますとともに、日進月歩の技術革新情報化社会の進展に対応するため、なお一そうたゆまざる研究と真摯な企業努力を重ね、国民皆さまにさらに御満足いただけるようなサービスを提供いたしたいと念じておる次第でございます。何とぞよろしく御指導、御支援を賜わりますようお願い申し上げます。  次に、ここにまず最近一カ年間の事業概況について御報告させていただきます。  昭和四十六年度における設備拡張改良計画のうち、おもなものといたしましては、衛星通信関係中央局における基礎的通信設備拡充整備及び新国際通信センター建設着手等がございます。  まず第一に衛星通信関係でございますが、太平洋上に配置されるインテルサット号系衛星に対応するため、建設を急いでおりました茨城衛星通信所第三地球局完成いたしまして、昨年十二月から運用開始いたしております。インテルサット号系衛星は従来の三号系衛星に比べまして四倍以上の能力を有するもので、第三地球局完成により太平洋地域衛星通信サービスは格段の向上を見ておる次第でございます。  第二は、基礎的通信設備拡充整備関係でございます。そのうち最も大きなものは電報中継機械化実施であります。この新しいシステムは昨年五月から運用開始いたしまして、十月には回線収容がえを完了し、現在順調に稼動いたしております。実用化後の成績もきわめて良好でございまして、局内電報がおります局内経過時分の短縮はもとより、誤謬率減少等国際電報サービスは大幅に改善向上されたのでございます。  第三は、新国際通信センター建設でございます。かねて当社では、副都心新宿に敷地を買収しまして建設準備を進めておりましたが、いよいよ昨年十一月に着工いたしました。地上三十二階、地下三階、延べ十二万六千五百平方メートルの建物で昭和四十九年六月完成予定でございます。  以上のほか、非常災害対策関係設備等昭和四十六年度当社事業計画に掲上いたしました諸設備拡充計画はおおむね順調に実施を見ております。  続いて昭和四十六年度営業概況について申し上げます。まず取り扱い業務量の実績でございますが、昨年度変動相場制実施、円の切り上げ等通貨制度が大きく変化いたしましたが、各業務ともおおむね順調な伸びを示しております。すなわち、年度末の見込み主要業務別に概数で申し上げますと、国際電報五百五十八万通、国際加入電信五百八十七万度、国際電話二百七十七万度でありまして、特に国際加入電信国際電話につきましては、前年度に比較して加入電信度数で三六%、時間の分数では二三%、電話度数で二八%と著しい増加と相なっております。  次に、経理の概況を申し上げますと、まず昭和四十六年度上期の収支状況営業収益百八十九億円、営業費用百四十五億円となり、これらに営業外費用及び特別損益を加減したこの期の利益は二十六億円となっております。四十六年度の下期につきましてはいまだ確定的なことを申し上げる段階ではないのでございますが、おおむね順調な決算ができるものと見込んでおります。資産状況につきましては、四十六年九月末現在におきまして資産総額は五百五十六億円で、そのうち流動資産は百七十九億円、固定資産は三百七十七億円となっております。一方、負債総額は二百九億円で、そのうち流動負債は百九億円、固定負債は三十七億円、引き当て金は六十三億円となり、したがいまして差し引き純資産額は三百四十七億円と相なっております。  以上で昭和四十六年度概況報告を終わりまして、続いて昭和四十七年度事業計画関係につきまして御説明申し上げます。  四十七年度国際通信需要は、昨年末における通貨調整措置対外貿易への影響もございまして、従来のような急速な伸びは期待できないものと考えておりますが、一方、国際交流活発化等を反映いたしまして総体的には依然として増加傾向を示すものと思料いたしております。したがいまして、このような需要に対処するため本年度も前年度に引き続き、各種国際通信設備拡充整備に努力いたし、通信サービスの一そうの改善をはかる所存でございます。  すなわち、四十七年度設備計画といたしましては、昨年末着工いたしました新国際通信センター本格的建設工事を推進するほか、電話交換設備加入電信交換設備データ伝送設備、その他オートメックス等新規サービスのための諸施設及び基礎的通信設備拡充整備につとめ、また通信回線の新増設、営業関係設備整備非常災害対策訓練設備の充実、新技術研究開発等を推進することとしまして、これらに要する経費といたしまして約百八十億円を予定しております。  このうち対外通信回線につきましては、さらに大幅の拡張をはかることといたしまして、電話回線百二十一回線加入電信回線五十三回線をはじめといたしまして専用回線電報回線等総計二百五十三回線を新増設する計画でございます。これが実現いたしますと当社対外回線数は全体で約千八百回線となり、国際通信サービスは一そうの改善向上を見ることと相なります。  また、来たる十五日に予定されております沖繩本土復帰に伴い、同地における国際電気通信業務当社に移管されますので、関係各方面の御協力を得まして、適切な段取りとあたたかい心をもって要員並びに施設の受け入れを円滑に行ない、国際通信サービス改善向上につとめますとともに、その後の施設拡充等について万全の措置を講ずる所存でございます。なお、沖繩関係事業所といたしましては、那覇国際通信事務所国際電報電話局を、さらに普天間、牧港に分局をそれぞれ設置して業務開始いたしますとともに、那覇における新局舎建設に着手することといたしております。  次は、営業所設備拡充でございますが、お客様の御利用の便をはかるため、本年度は、新東京国際空港内分局東京シティー・ターミナル、これは日本橋の箱崎町にありますが、内分局及び京都サービス・ステーションをそれぞれ新設する予定であります。  衛星通信海底ケーブル施設拡充整備につきましては、インテルサット恒久制度の発足に伴う宇宙部分投資額の増大に備えますとともに、インド洋地域号衛星運用開始を考慮しまして、山口衛星通信所施設の改修の準備を進めるほか、新太平洋ケーブル計画に積極的に参画し、所要の投資を行なうことにいたしております。  また、新技術研究開発につきましては、衛星通信広帯域海底ケーブル中継方式国際電話電子交換データ通信画像通信等重点を置いて行なってまいる方針でございます。  さらに、新技術に対応する各種訓練ども施設拡充いたしまして成果をあげてまいりたいと存じております。  最後に、昭和四十七年度収支につきましては、主要業務需要量国際電報五百三十万通、国際加入電信七百三万度、国際電話三百六十一万度と見込みまして、その予測のもとに収入については約四百四十七億円、支出につきましては、一そうの効率的な使用につとめることといたしまして、約三百九十三億円を予定いたしております。  なお、ただいまも申し上げましたとおり、今後の諸施策の推進に際しましては、巨額の資金が必要と相なりますので、本年中に倍額増資予定いたしており、増資後の資本金は百三十二億円となる見込みでございます。  以上、簡単でございますが、事業概況の御報告といたします。  何とぞ今後とも一そうの御指導、御鞭撻を切にお願い申し上げる次第でございます。  ありがとうございました。
  7. 高橋清一郎

    高橋委員長 これで説明は終わりました。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。武部文君。
  8. 武部文

    武部委員 大臣は、何か都合があって途中で退席されるようでありますから、最初にひとつ、いまの発言とは違うわけですが、お聞きをしたいと思います。  きょうの各紙に、かつてここで何回か論争いたしました郵便貯金利子の問題と庶民金融の問題が大々的に報道されております。私どもは、郵政大臣がこの委員会ではっきりと言明されたように、庶民の金である郵便貯金利子は断じて下げないとはっきりと言明されたわけでありますが、きょう報道されておるような、この利子とそれから庶民金融とを取引するような、そういう報道があることについて、大臣はこれを承知されておるのかされていないのか、端的にひとつ……。
  9. 廣瀬正雄

    廣瀬国務大臣 実は私もけさの各紙を読みましてびっくりいたしたわけでございますが、そのような取引に関するような話を最近いたしたことは全くないわけでございまして、これはおそらく大蔵省のサイドに立っての、だれからかの情報によってそういうかってな記事を書いておるのじゃないか、このように判断いたしておるのでありますが、私の現在の考え方は、従来申してまいりましたように、郵便貯金の性質は、銀行預金とは全く異質のものであるということで、公定歩合の引き下げについて、銀行預金は引き下げてもちっとも差しつかえない。しかし、郵便貯金については、これは全く私の管理下にあるわけでございますから、私の信念に基づいて対処したい、このように考えておるわけでございます。いまの段階におきましては、そのような考えは全然持っておりません。取引をしようというような考えは毛頭ございません。
  10. 武部文

    武部委員 それじゃ、大臣発言を信用いたします。  それでは、これから国際電電関係について御質問いたしますが、お忙しいところ参考人皆さんには御出席をいただきましてありがとうございました。  まず最初に、国際電気通信多様化によって通信需要がますます増大することが予想されるわけでありますが、KDDとしては、将来需要予測というものをどういうふうに見ておるのか、それをまず最初にお伺いいたしたいのであります。  特に国際電報につきましては、TAS方式を導入されたわけでありますが、電報需要減少というような傾向をたどっていると思うのであります。一体その原因は何だというふうにKDDとして考えておられるのか、まず最初にこれをお伺いいたします。
  11. 菅野義丸

    菅野参考人 お答え申し上げます。通信需要の測定ということは非常にむずかしい仕事でございまして、いろいろな方法を用いて予測をいたしておるのでございますが、非常に端的にあらわれますのは貿易のことでございます。これは、もう貿易のカーブと全く平行線をたどって増減をいたしておるような次第でございまして、要するに国際貿易が盛んになれば、国際通信というものはそれに伴って増加するというように簡単に考えられます。しかし、それだけではないのでございまして、その他いろいろ文化交流あるいは国民間の交流によって国際通信というものはいろいろに変化いたしておるのでございます。  ただいま御質問電報でございますが、これは確かに全体的に横ばいでございます。月によっては、前年同月よりは下がることもございますが、大体年間で見ますと、横ばいあるいは多少増加というようなことでございまして、私どもは、これは将来あまり大きな増加は望めないと思うのでございますけれども、しかしながら、これもまた一がいにはいわれないのでございまして、たとえば発展途上国に新しく通信方法が開かれたというような場合には、電話テレックス電報と比べますと、電報がやや落ちるのでございますけれども、初めはどうしても電報が先に先行するのでございまして、そういう場合には、その国に関しては、電報が飛躍的に多くなる、こういうふうな状況になってくるのでございます。ことにテレックスのない場合は、電報がやはりその証拠を残すという意味におきまして相当重要視されておるような次第でございます。  ただいま御質問TASの問題でございますが、これは主として非常に増加する需要量に対してというよりか、むしろサービス向上、つまり現在の需要に対しましても、局の滞留時間を短くするとか、正確にする、つまり誤謬をなくなす、こういうような目的でもって相当巨額の金を投じて自動中継にしたのでございますが、もちろん需要増加に対しましても、これは対応できますけれども、現在の需要のもとにおきましても、さらに良質サービスを提供するというような目途があったような次第でございます。
  12. 武部文

    武部委員 TAS方式が導入されたわけですけれども、現実にいまのところはあまり効果があがっていないというように私どもは承知をするわけですが、この点は、いまの電報需要というものは、確かにおっしゃるように貿易関係と密接な関係があることは私もよくわかります。このゼロックスによりますと、電報は、四十六年度五百五十八万通に対し本年度五百三十万通ということが載っておるようでありますから、そういう面で私は、今後この需要伸びというものが、電報では一体どういう傾向をたどるだろうか、こういう点について心配の点があったのでお尋ねいたしたわけであります。  時間がたいへんきょうは短くて、途中で切れるようでありまして、私はしろうとですから要領のいい発言になりませんが、皆さんのほうは専門家ですから、要領よくひとつ答弁をしていただきたいと思います。  したがって、今後のこの需要増に備えて、KDDとしては短波あるいは海底ケーブル、さらには人工衛星という国際間の通信手段というものをどういうふうにこれから駆使していくか、これはたいへんむずかしい問題ではないかと思います。私の承知しておるところでは、アメリカで、通信業者の間でケーブル衛星との利用配分をめぐって論争があったというようなことを聞いておるわけですが、そういう面からKDDは今後短波海底ケーブル人工衛星、こういう面についての通信手段をどのように駆使していこうと考えておるのか、それをひとつお伺いしたいと思います。
  13. 菅野義丸

    菅野参考人 ただいまお尋ねのありました三つの通信方式のうち、短波は非常に古くから行なわれておるものでございますけれども、これは目下のところ非常に補足的に思われますけれども、これは相手国によっては唯一の通信方法でございまして、私どもはこれには非常な重点を置いて技術改善あるいは設備改良を依然として行なっておるような状態でございまして、現状におきましては、短波といえども決してこれを軽視することはできない、かように考えております。  それからケーブル衛星関係でございますが、多くはこのケーブル衛星がかち合う国が多いのでございますけれども、これはもう私どもばかりでなく、外国の通信業者も同様に考えておりますが、これは決して一方的ではいけない。たとえば、衛星通信だけでは非常にあぶない。ケーブルだけでもあるいは不完全である。どうしてもこれは相補っていかなければならない。そしてその使い方はおおむね五十五十の半分半分に使おうというのがやはり通説でございます。私どももそういうような気持ちでもって、やはりこの一方式でなく、必ずそれを補強するというか、バックアップする一つ方式としてケーブルあるいは衛星というものを、両方同時に考えていきたい、かように考えておる次第でございます。
  14. 武部文

    武部委員 次いで、今度は新規サービスのことでありますが、KDDとしてはおそらくいろんな形の新規サービスをお考えになっていると思うのですが、オートメックスは去年の秋に郵政省からこのサービスの認可が出されたと思います。現在このオートメックスについての需要はどの程度のものか、それがまず知りたい一つです。  二つ目は、韓国との間のファクシミリサービスの問題ですが、この問題は、私どもの承知するところでは、このサービスというのは、文字でも絵でも、そういうものが相手側機械に出てくるという、まことに便利なものだというふうに聞いているわけです。したがって、このファクシミリサービスというのは、欧米のようなアルファベットを使わない国、そういうところの通信には今後大きな期待が寄せられるというふうにも考えられるわけですが、このファクシミリサービスについて、KDDは将来どういうふうな力を入れようとしておるのか。こうい点をひっくるめて、新規サービスについてのKDD考え方をひとつ明らかにしてもらいたい。
  15. 増田元一

    増田参考人 景近始めました新規サービスといたしましては、国際デーテル業務というのがございます。それから、いま先生からお話のございましたオートメックス、それから、国際ファクシミリ電報は近く開始をしたいという段階になっております。  オートメックスにつきましては、ハードウエアソフトウエア等設備の製造を完了いたしまして、本年二月二十七日に大手町の局舎へ搬入いたしました。今後テストをいたしまして、順調にまいりますれば八月ごろにはサービス開始いたしたい、こういうように考えております。ただいまのところ、かなり確度の高いお客さまといたしましては三社ございます。  それから、ファクシミリ電報は、先生お話のように漢字あるいは数字をそのまま送ることができますので、私ども日本人にとりましては非常に便利なサービスであると思います。これはとりあえず六月一日から大韓民国との間にサービス開始することに決定いたしております。私どもといたしましては、これは従来ございません非常にサービスのいい、新しい業務であると思いますので、会社といたしましては、大韓民国とやりまして、それから逐次アジア各国との間にサービス開始していきたい、大いに力を入れていきたい、こういうように考えております。  以上でございます。
  16. 武部文

    武部委員 オートメックスは、現在の段階としては、大きな会社としては二社ですか。
  17. 増田元一

    増田参考人 三社でございます。
  18. 武部文

    武部委員 新規サービスの点についてはわかりました。このオートメックスなりファクシミリサービスの問題については、KDDとして特に力を入れたいということでありますから、それはわかりました。  そこで、昨年も当委員会お尋ねをいたしたわけでありますが、国際間データ通信という問題であります。これは、電電公社との間に私どもは国内のデータ通信のことについていろいろやりとりをいたし、大体、国内通信の点についてはやや承知ができたわけであります。しかし、少なくとも電子計算機の発展と相まって、今後は国際間のデータ通信というものが非常に大きな問題になってくるのではないか、そういうふうに私どもとしては考えられるわけであります。したがって、KDDとして将来、この非常に大きな市場と思われるところのこの種のサービスについて、一体どのように対処していこうと考えておられるのか。国際間データ通信についてお伺いをいたします。
  19. 古橋好夫

    ○古橋参考人 お答え申し上げます。ただいまお話ございましたように、国際データ通信の問題は将来非常に大きくなるものだということでございまして、わが社におきましても新しい公衆通信法に関連しまして、いろいろ、これから提供しますサービスの検討をいたしております。新しい通信法からまいりますと、御存じのように、回線の提供とデータ通信施設の提供と両方ございますが、たぶん先生の御質問のほうはデータ通信設備の提供かと思いますので、その点についてお答え申し上げます。  この点につきまして、先ほど申し上げましたように、私どもデータ通信開発室というものを設けましていろいろ検討いたしておりますが、いまその検討の道程でございまして、その道程としましてわかりましたことは、データ通信の発達としまして考えますと、多くの場合には、非常に大きな国内市場がございまして、そこで発達しましたものが外国へ伸びていくとか、あるいは外国で発達しましたものが国内へ伸びてくるというのが多くの場合かと考えられます。私ども会社関係しますデータ通信はそういうものではなくて、私ども会社がコンピューターを持ちまして、そのコンピューターを主として外国のお客さまに提供する、そういう形になるかと思います。  もうちょっと申し上げますと、国内で大きな市場を持ったものが外国へ伸びます場合には、すでに国内のほうの業務として存在しておりますから、その場合には回線提供が主になると思いますけれども会社がやります場合には、国際データ通信でございますから、会社がコンピューターを持ちまして外国に提供するということだと思います。こう考えますと案外範囲は狭うございまして、国際的な企業、たとえば国際航空会社とか、あるいは国際的な船舶の輸送でございますとか、あるいは貿易とか、本来国際的なサービスをする企業というものが一つの対象になります。それからまた今後世界的な発展をします企業、たとえば自動車産業とかなんとかございますが、世界の各所に事業所を持つ会社がございますが、そういうようないわゆる多国籍企業のようなものに対するサービス、こういうものが対象になるかと思われます。それで私ども会社といたしましては、先ほど御説明申し上げましたオートメックスというメッセージ交換を主にしたものにデータ処理をつけ加えましたそういうオートメックスサービスというものを根幹に考えまして、そのオートメックスサービスの延長といたしまして、逐次データ処理的なものを付加していこう。たとえば来年度航空データ業務というものの提供を考えておりますけれども、これは国際航空会社に対しましてメッセージ交換と同時に、いま申し上げましたような各種データ処理をつけ加えますけれども、一応そういうような方向で大手町局舎にありますオートメックスの装置を拡充いたしまして、それでさらに新宿には昭和五十年度を目標にいたしまして新型のコンピューターを設置いたしまして、オートメックスとか、いま申し上げました航空データ業務とかいうものを収用すると同時に、最初考えられました新しい業務を収用いたしたいと考えております。新しい業務というのは何かと申しますと、まだ思いつき程度で、はっきり申し上げられますような形になっておりませんけれども、たとえば貿易関係の各種の処理をいたしますとか、航空会社にいたしますと座席予約等のものが考えられるのではないかというふうに考えております。  一応以上お答え申し上げます。
  20. 武部文

    武部委員 時間の関係であとでまた一括して申し上げますが、いまの国際間のデータ通信説明は、昨年の説明よりもだいぶ進展をしておるようであります。去年は非常に抽象的なことでありましたから、その後のデータ通信の発達に伴うKDDの具体的な問題は何だろうかということもお尋ねしたかったわけでありますが、若干の内容はわかりましたから一応先に進みます。  大臣が途中で、私の時間がなくなってしまうわけですから、少し設備投資あるいは資金、こういう関係お尋ねしたかったわけでありますが、大臣にちょっとお伺いをいたすわけであります。  それは五月八日の日に読売新聞だけが実は書いておるのでありますが、東南アジア海底ケーブルの問題であります。これはずっと以前からこの委員会でもいろいろやってきたところでありますが、この五月八日の読売の報道によりますと、廣瀬郵政大臣が三局長会議で、東南アジア海底ケーブルの敷設計画を検討しておるが、その中では四十一年の郵政省のプラン二百六十五億円、これは二百六十五億円とここに書いておるわけではありませんが、これは四十一年のときの新聞報道です。当時明らかになった内容を見ると、二百六十五億円資金を使っておるというようなことから、各国間の具体的な国名をあげておるわけであります。この具体的な計画の一部修正に着手しておるという報道があがっておるわけですが、こういった事実があるかどうか、この点を郵政大臣からお答え願いたいと思います。
  21. 廣瀬正雄

    廣瀬国務大臣 東南アジアの海底ケーブルの敷設の展望と申しますか、在来の沿革、将来の見通しというようなことについては、すでに御承知だと思いますけれども、いろいろ関係国間で協議を進めております事実もあるようでありますけれども、私もこの東南アジア関係海底ケーブルはぜひ具体的に促進をはかるべきだという熱意を持っておるわけでございます。したがって、私入閣いたしましてこの問題と取り組んで、役所の関係者、電気通信監理官あるいはKDDの副社長その他関係者によっていろいろ協議を進めてまいったわけでございますが、いまだ具体的に何ら見通しも、そうした計数もつかんでおるわけじゃございませんけれども、とにかく熱意を込めてこの問題を促進したいというようなことで、将来大いに努力したいという努力目標は掲げておるわけでございます。そういう趣旨のことを先般の三地方局長会議で私も抽象的に申しただけで、それを読売が取り上げまして、そういう数字なんかを入れて報道したんじゃないか、かように考えておるわけでございます。私といたしましてはまだ具体的にどういう金額で、どういうような資金の確保によって、どういう関係の国に設置いたしまして話を進めていくというようなことについては、まだはっきりした方針は確立していないわけでありますけれども、とにかく第二次太平洋ケーブルというようなものも敷設されんとしておる時点でございますから、それとの関連もございますし、東南アジアの在来の懸案でありますから、何とかひとつこれを推進してまいりたい。こういうようなことで、いま内々協議を進めておる程度でございまして、もちろんまだ大蔵大臣との関係もございますけれども、外務大臣あたりを中心として政府の考えとして進めていくというようなところまでにはなっていないのでございます。いわば私案の程度でございまして、協議の段階だというように御承知おき願いたいと思います。
  22. 武部文

    武部委員 そうすると、この報道は若干誤りがあるように思いますね。計画の一部を修正をする。その計画の一部の修正は、関係各国については四十一年、ここに書いてあるようにフィリピン、香港、ベトナム、カンボジア、タイ、インドネシア、シンガポール、こういう約一万キロの海底ケーブルの問題について、国の問題はここに載っておるわけですけれども、具体的にはそこまでいっていないというふうにいまの発言では理解できます。四十一年当時この問題が出たときは大々的な報道がされまして、年内に第一次工事に着工というような見出しで、一万キロ海底ケーブルというのは大々的に報道されたわけです。あれから六年たったわけです。去年もここでいろいろやりとりがあったわけです。一向に進展していない。それならばこのKDDとしては東南アジアケーブルについてはどういうお考えを持っておられるのか、どういう見通しを持っておられるのか、この際明らかにしていただきたいと思います。
  23. 廣瀬正雄

    廣瀬国務大臣 いま関係各国の名前あるいは資金の点なんかをあげて御質問ございましたけれども、そのような具体的なことは全然話していないのでありまして、また私みずからそうしたことは全く考えておりません。三局長会議では、東南アジアの海底ケーブルの敷設については熱意を込めて取り組んでまいりたいという程度のことしか言っていないわけでございます。
  24. 板野學

    ○板野参考人 ただいま大臣が御答弁になりました点につきまして補足して御説明をいたしたいと思います。  KDDといたしましては、最近特に第二太平洋ケーブル建設計画の推進の状況あるいはグアムから香港に行きまして、香港からシンガポールに参りますSEACOMケーブルがすでにフルに使われておりまして、この第二ケーブルをやはり使わなければならぬというような計画もいろいろ進展しておるように私ども聞いております。それからまた、衛星ケーブルとのいろいろな関連につきましても、東南アジア方面の通信需要が非常にふえておりまして、すでに北米関係よりも多くなっておる、こういう現状からいたしまして、どうしても通信を安全かつ迅速にやるためには衛星だけにたよっておるわけにはいかない。やはりケーブルをもちまして、あるいは短波でこれを補強するというようなことで、三者が一体になってできるだけ完全な国際通信をやっていく、こういうように考えておる次第でございます。そのような国際通信上の必要性、それから東南アジアをめぐりますいろいろな国際通信状況の進展、こういうものを考え合わせますると、ただいま大臣がおっしゃいましたように、どうしても東南アジアケーブルをできるだけ早く推進していかなければならぬ、こういうことでただいませっかく郵政省を中心にいたしまして、私ども関係の向きでいろいろ検討いたしておりまするけれども、御承知のように東南アジアのいろいろな国際情勢も非常に変化しつつございまするので、新しい情勢を考慮に入れながらこれを再検討していく必要がある、このように考えておりまするので、その点につきましてできるだけ早く郵政省に御協力申し上げまして、私どもはこの実現を段階的にはかっていきたい、こういうように考えておる次第でございます。
  25. 武部文

    武部委員 おっしゃるように、いろんな国際間の情勢というものもあるでしょう。しかし、現実に東南アジアとの間は無線方式一本やりというようなことでは、これからの通信の発達にそぐわないと私は思うのです。計画は六年も前にあれだけ大々的に発表されているが、一向に進行していない、こういう点について私どもは非常に不審に思いますが、あとでまた触れたいと思います。  そこで、これに関連をしてお聞きしたいのは、ソ連、中国、北朝鮮との関係であります。ハイジャックのときにはたいへんな混乱が起きたということも私どもこの委員会でも聞きました。あるいはニクソンの訪中の問題のときにも衛星の問題が出ておる。したがって、これからソ連、中国、北朝鮮に対する交流というものはたいへんな飛躍的な上昇があるだろうということは想像できると思います。現在これらの国との間の通信回線がどうなっておるか、これを一つお聞きしたいのであります。  これに関連をして、今度は中国との問題ですが、日本海ケーブルの増設、昔は長崎−上海間に電信回線があったはずでありますが、中国との国交回復なりそういう面から見て、東シナ海ケーブルの新設というようなことはKDDとしては全然考えていないのか、こういう点を私はお聞きいたしたいと思うのであります。  先ほど申し上げたように、ニクソン訪中の際のアメリカのとった措置というのは、人工衛星を使うことのできる移動局を上海に持っていったということから、衛星通信が可能である、こういうふうには思われるけれども、わが国と中国との距離、あるいは経費、そういうことから考えますと、むしろ海底ケーブルの新設のほうが経済的でもあるし、中国との通信はそういう方法をとるべきではないだろうかと思うのですが、先ほどの東南アジアケーブルに関連をして、日本海ケーブルの増設問題あるいは東シナ海ケーブルの新設、こういう点について、さらにはソ連、中国、北鮮、そういう点の通信回線はどうなっておるか。また私どもがうしろで考えて、いまの国際情勢の中から、中国経由ソビエトとか、ソビエト経由中国とかいうような方式は、政治情勢の中からは困難になってくるのではないかというようなことも考えられますが、そういう点についてのKDDの見解をひとつ聞いてみたいと思います。
  26. 板野學

    ○板野参考人 お答え申し上げます。まず第一に、中華人民共和国との通信関係について申し上げますと、御承知のように、中華人民共和国との国際通信につきましては、電信につきましては昭和二十三年、電話につきましては三十三年から開始しておりまして、非常に古い関係、また世界でも珍しい通信関係を維持しておりまして、この関係をさらに増進し、国際通信の一そうの発展を期したい、私どもこういうように考えておる次第でございますが、現状におきましては短波通信をもってやっておるような状況でございまして、電話が臨時を含めまして五回線電報が三回線、写真一回線、こういうような状況でございます。  したがいまして、この通信をどうして増強するかということにつきまして、私どもできるだけ中華人民共和国との折衝を強力に進めましてこの進展をいたしたい、こういうように考えておる次第でございますが、まず衛星につきましては先ほど先生からお話がございましたように、目下上海に可搬型、ポータブル型の地球局が設置されておりまして、これは対米関係で電信一、写真一、電話回線、計四回線運用をいたしております。能力は二十四回線ございますので、さらにこの地球局を通じまして日本との間にぜひとも直通回線を持ちたい、こういうことで私ども積極的に折衝を進めておる次第でございますが、最近の情報によりますと、中華人民共和国のほうは、上海か北京かわかりませんけれども、来年の秋ごろまでには標準型の地球局をつくる、こういう計画を進めておるようでありまして、そうなりますと、もちろん私ども衛星地球局との間に直通回線の設定ができるということになろうと思う次第でございますけれども、それに至ります前につきましても極力努力いたしまして、上海の地球局との間に直通回線を設定すべく努力をいたしたいと思います。  それからお尋ねケーブルの件でございますが、これは先ほど申し上げましたように、もう衛星ケーブルというものは、両々相まって国際通信の完ぺきを期することができる次第でございますので、もちろん私どもは中華人民共和国との間にケーブルを敷設するように今後いろいろ折衝をいたしたい、こういうように考えております。そのルート等につきましてはあるいは昔のように長崎−上海がいいのか、あるいは別のルートがいいのか、こういう問題につきましては今後の検討事項でございまして、いずれにいたしましても新しい非常に良品質の広帯域回線利用できるように格段の努力をするように、ひとつ中華人民共和国の担当の部局とも連絡をはかっていきたい、このように考えておる次第でございます。  次に、朝鮮民主主義人民共和国との関係でございますけれども、先ほど先生がおっしゃいましたように、まことに遺憾でございますが、ただいまは北京あるいはモスクワ経由で中継をいたしておるわけでございまして、電報はそのような正規の協定によって取り扱いをしておりますけれども電話は臨時にこれを扱うということになっております。私どもといたしましては通信の平和性、あるいは中立性といいますか、そういう意味合いにおきまして、できるだけ早い機会に朝鮮民主主義人民共和国との間にも直通回線が設定できますように今後とも努力を続けていきたい、こういうふうに考えておる次第でございます。  次は、ソ連の関係でございますが、現在は直江津とナホトカの間に新しい日本海ケーブルがございまして、これは百二十回線の容量を持っております。そのうち対ソ連との関係につきましては、電報が一、テレックスが九回線電話は六回線運用いたしておるわけでございまして、非常な通信改善ができたわけでございまするけれども、何ぶんともウラジオストックからモスクワに至ります約一万キロの陸上の回線につきまして、なお品質の点につきまして問題がございまするので、数次にわたりましてソ連あるいは関係諸国とも打ち合わせをいたしまして、この改善方に努力を続けておるわけでございます。ソ連当局も非常に好意的にこの回線改善をするということで私ども同意をいただいておるわけでございますが、何ぶん根本的にはこのシベリア横断回線の新しい新幹線をつくるということが一番問題でございます。こういう点につきましては、先般三月にソ連を含めまして東欧諸国との五者会談をいたしました際に、需要予測といたしましては、昭和五十一年度までには大体双方とも百回線くらいの回線利用するような状況になるという点につきましては、ソ連当局とも意見が一致いたしましたので、それまでにはソ連当局といたしましても、シベリア横断の新しいマイクロなり、あるいはOHシステムなり、あるいはほかの方法によりまして広帯域回線をつくる計画があるというようなことを言っておりましたので、私どもは一九七五年、五十年ごろにはそういう回線ができるというふうに考えておる次第でございます。そうなりますると、日本海ケーブルはただいま百二十チャンネルでございますけれども、これまた増強をしなければならぬというような時点がくるんじゃないか、こういうふうに考えておる次第でございます。  なお、御承知のようにソ連にはインタースプートニクというような衛星通信の制度もございます。東欧圏の中にはユーゴスラビアのようにインテルサットにアクセスするような国もございまするし、またシリアのように、これからまたインタースプートニクにアクセスする地球局をつくるというような国もございまするので、衛星につきましてもできるだけ連絡がはかられるような方向で今後私どもも協力をいたしたい、こういうように考えておる次第でございます。  以上、お答えいたします。
  27. 武部文

    武部委員 ニクソン訪中の際のあの三回線というのは、そのままずっと残すというふうに理解してよろしゅうございますか。
  28. 板野學

    ○板野参考人 その回線につきましては、先般の広州交易のために臨時にやるということになっておりまして、その後これをどういうぐあいに扱うかという点につきましては、さらに必要に応じまして先方と交渉いたしたいというように考える次第でございます。
  29. 武部文

    武部委員 大臣の時間の関係で同僚議員との関係がありますから、私はちょっと中断をして、あとでまた質問を続けたいと思います。
  30. 高橋清一郎

  31. 中野明

    中野(明)委員 先ほどちょっと武部さんも触れられましたが、大臣の時間がありますので、最初にもう一度確認を含めて大臣の見解を聞いておきたいと思います。  それは、けさの新聞に出ておりますように、公定歩合の引き下げと関連をして、郵便貯金利子の引き下げも考えるという日銀並びに大蔵省の方針が固まったということが出ておるわけであります。大臣は、これに対しまして郵便貯金利子の引き下げについては国内経済上の要請があれば、何が何でも反対はしないというような発言をなさって、当初断固反対という答弁から数歩後退した。これは小口貸し出し制度と別問題といいながら、結局条件づきで認められる、そういうふうなニュアンスで報じられて、私どももがく然としているわけですが、この点大臣の確固たる郵便貯金利子の引き下げ問題についての見解を明らかにしておいていただきたいと思います。
  32. 廣瀬正雄

    廣瀬国務大臣 重ねての御質問でございますが、これについては先ほど武部委員にお答え申しましたように、私は全然その交渉はまだあってないわけでございまして、私の郵便貯金に対する信念は現在もいささかも変わっていないわけでございます。そうした報道がきょうの各紙に載っておりますので、私もびっくりし、非常に迷惑を感じておるわけでございます。郵便貯金利子引き下げ反対の問題と郵便貯金小口貸し出しの問題とは全然別個の問題だ、こういうふうに考えております。そういう信念は現在いささかも変わっておりません。
  33. 中野明

    中野(明)委員 少し発言が、絶対反対だという姿勢から、何が何でも反対はしないのだというふうに後退された、この発言大臣の御発言ですか。
  34. 廣瀬正雄

    廣瀬国務大臣 そういう発言をしたことは全くございません。また部下の関係次官、局長なんかに対しましても、おれに無断でかってな甘い譲歩をするような発言をしてはならぬぞと言って戒めております。全くそのような事実はございません。
  35. 中野明

    中野(明)委員 いまの大臣の確信を聞きまして、一応安心はいたしますが、どこまでも庶民金融の実現と金利引き下げという問題は切り離した問題でありまして、大臣の初志を貫徹をしていただきたい、このように強く要望いたしておきます。  きょうは国際電電からおいでいただいておりますので、この程度にいたしまして、私も大臣のいらっしゃる間に電気通信に関連いたしましてお尋ねしておきたいと思いますが、御承知のとおり五月二十七日から三週間の予定でITUですか、国際電気通信連合の管理理事会、こういうものが開かれることになっておりますが、これに臨みまして、郵政省は日本の政府を代表して態度をおきめになると思うのですが、いわゆる中国の問題、中華人民共和国の問題について郵政省としてどういう態度をおとりになろうとするのか、この点郵政大臣の所信をお聞きしたいわけであります。
  36. 廣瀬正雄

    廣瀬国務大臣 UPUにおける中国の取り扱いについては、御承知のようにあのような決定ができたわけでございまして、方針が確立いたしまして喜んでいる次第でございますが、ITUにつきましてはただいまお話しのように五月二十七日から管理理事国の会議が開かれることになっておりますので、この会議の席上で中国の取り扱いについての協議があり、方針がきまるというようなことではないかと思っておりますが、それに臨む日本の態度、これはいずれ外務省とも十分協議いたしまして、はっきりした態度をきめて臨みたい、このように考えておるわけでございます。
  37. 中野明

    中野(明)委員 いま万国郵便連合、UPUのお話も出ましたが、これでは棄権をなさっておるわけであります。しかも日本は議長国として棄権をしているという、まことにみっともない姿が出ておるわけでありますが、御承知のとおり政府は国連中心の外交、こういうことを標榜いたしまして、国連を誹謗した大臣が辞職をしなければならぬという不祥事も起こっておることも御承知のとおりであります。昨年、中華人民共和国が正式に国連に加盟することになった、これも御案内のとおりであります。そういう情勢のときに、特にわが国でも、国会答弁では、中国との国交回復ということが政府としても重要な政治課題になってきている今日、相当前向きの発言をされたり、いろいろされている面もあるわけでありますが、この万国郵便連合とか、あるいは国際通信連合、こういう性格のものは、政治的な考え方に左右されてはいけない、そういう性格のものであると私は理解をしております。日中国交回復ということを強く望まれるならば、こういう面からも一歩前進をして、そして思い切ってみずから承認をするという姿勢をとることが、やはり日中国交回復の重要なかぎになるのじゃないか。御承知のとおり、いま国際世論というものは、中国招聘ということは趨勢のしからしむるところでありまして、いまなおこの万国郵便連合、UPUにおきましても棄権をしたり、今度も外務省と相談をしてというようなことをおっしゃっておりますけれども、確かにそれは外交関係も必要でしょうけれども、こういう性質のものは、郵政大臣独自で所信を明らかにされても一向政治的に関係ない問題じゃなかろうか。特に郵便なんかは、交戦状態にあっても、ある程度通信というものは行なわれているというようないきさつから考えまして、非常に私どもは理解に苦しんでいるわけであります。御承知のとおり、昨日の報道で、アジア放送連合においても、NHKが日本を代表いたしまして、しかも会長国として結局採択によらないで中国を正会員とする、こういう方針が固まったやに伝えられております。これは会長国としてのとった態度といいますか、全体の空気がそうなっているということは、私はもう国際情勢の趨勢だと思います。そういう点を考えまして、ぜひ郵政省におきましても、UPUについては棄権など、そういういまなお国際世論に逆行して、そして日中国交回復を妨げるようなことをしないように、これは外務省とも折衝されるでしょうけれども、やはり郵政大臣の姿勢というんですか、意向というものを中心にして外務省と折衝されるべきじゃないか、私はこのように考える一人であります。この点について、重ねて郵政大臣の——外務省と折衝するからそれからきめたいというようなことでございますが、過去ずっといままでは棄権というような態度をとってきております。これでは国際電電も、先ほどのお話で中華人民共和国との通信を一生懸命努力しようとしておりますけれども、やはり国の姿勢がそういうことであるならば、なかなかこの問題もうまくいかぬのじゃないか、そういうような心配もわれわれするわけであります。この点についてもう一度大臣の所信をお聞きしたいわけであります。
  38. 廣瀬正雄

    廣瀬国務大臣 この問題について、私も中野委員の御趣旨が理解ができないわけではございませんけれども、日本と中国との関係は、もう十分御承知のように、非常に複雑な関係にあるわけでございまして、国連の場におきましては、中華人民共和国の政府がメンバーとして入り、台湾政府が出ていったということになっておるわけでございますが、そういうような事実がありながら、日本は中華人民共和国とは国交の正常化をはかりたいということで努力いたしております反面、台湾政府とは平和条約を締結しているというような厳たる事実もあるわけでございます。そこが日本は非常に複雑だと言わざるを得ないわけでございまして、したがって、ITUの問題につきましても十分外務省と折衝いたしまして、協議いたしまして、日本といたしましての態度をきめていくことが必要だと思います。郵政大臣としてどういう見解を持つかというお尋ねも含まっておるようでございますけれども、こういう外交に関する問題は、閣内が不統一であってはならないということが前提であるわけでございますから、十分協議を遂げて、一本の姿勢ということで対処したい、こういうように考えておるわけでございます。
  39. 中野明

    中野(明)委員 政府の外交は国連中心の外交だということも、閣僚の一人としてよく御承知のとおりでありまして、中国が国連に加盟する以前の話でしたら、それはわかると思います。しかし、もう現在加盟しておる事実、そしてまた、その後の動きを見てみましても、世界各国の動向というものは必然的に中国をあらゆる機関に招請しているという、この世界的な趨勢、これにいまなお逆行されるという姿勢はとるべきじゃない。しかも、こういう郵便連合とか、あるいは国際通信連合というようなものは、政治的にあまり左右されてはならない性質のものだという考え方から、ぜひ大臣の決断と申しますか、そういうことが必要じゃないか。そして、やはり閣内におきましても強くそういう発言をなさるとともに、外務省と折衝するにあたりましても、これは政治とは関係ないのだ、だから、これはこうすべきじゃないかという、郵政省自体も独自といいますか自主的な判断をなさって差しつかえない性質のものじゃないか、このようにも私考える一人であります。そういうことを踏まえて善処方をお願いしたい、このように思います。  それで、時間がございませんし、あとまだ大臣のいらっしゃる間に同僚で質問したいとおっしゃる方がありますので、はしょってまいりますが、次に、国際電電が主体になりまして、新しくできる成田の新国際空港内での移動無線業務を行なう会社をつくるというふうな動きが出ておりますけれども、これは国際電電が中心になるというよりも、郵政省指導でこういうふうになってきたのじゃなかろうかと思いますが、この間のいきさつについて郵政省から説明をしていただきたい。
  40. 藤木栄

    ○藤木政府委員 お答え申し上げます。成田の新国際空港におきましては、いわゆる国際空港として外国のエアライン、もちろん日本の日本航空その他の飛行機が入るわけでございますが、そこにおきまして非常に多くの無線局が開設されることになると思います。羽田におきましては、それぞれのところで無線局を持っておりますが、ただ、外国エアラインとの空地通信につきましては国際電電サービスを提供しております。しかし、飛行場内におきまする地上の通信につきましては、外国エアラインに対してはいまのところそのサービスがないという状況でございます。一方、成田におきましてそういった多くの無線局ができるということから考えますと、従来やっておりました日本航空その他の、これは専用通信でやっておるわけですが、そういったものも公衆通信の一環としてとらえまして、飛行機と地上との関係は、外国通信に対しては国際電電、それから国内の通信については電電公社、それから地上の問題につきましても、電電公社が公衆通信としてサービスを提供すれば、従来ばらばらで行なっておったような通信を一括しまして行なうことができるということによりまして、私どもの電波監理の目的でございまする電波の有効な合理的な利用ということが達成できるわけでございます。また、それによりまして、機械その他につきましても、保守、運用という点も非常に便利でございますというようなことで、私ども、電波の立場から、特にこの成田の空港という新しい空港につきましては、それぞれ国際電電電電公社が公衆通信を提供するということによりまして、一元的にこの電波の能率的な利用ができるということを考え指導してきたといういきさつでございます。
  41. 中野明

    中野(明)委員 現在羽田とか伊丹とか、国内に国際空港がたくさんございますが、そこで、いわゆる移動無線として周波数を割り当てている会社というのですが、それを後ほど資料としてお出しいただけますか。
  42. 藤木栄

    ○藤木政府委員 御提出申し上げます。
  43. 中野明

    中野(明)委員 いまの藤木さんの御答弁では、電波監理の上から一元化が好ましい、そういう意味から、今度できる新しい空港ではこういう会社をつくってやろう、こういう考え方をもって指導しているということのようですが、それであるならば、一元化ということについて望まれるならば、既設の空港、これにも当然一元化をされるべきじゃないか、私はこう思います。そうしないと筋が通りません。そして、過日来議論になっております、これは大臣も御答弁になっておりますが、VからUへ切りかえる電波の切りかえにいたしましても、結局周波数が足りない。大都会における周波数が足りない。まあ、移動無線に非常に必要だ。要請が強いということから、VからUへの転換ということが一つの大きな理由になっていると私は思います。この間放送界の再編成というようなことも言いましたけれども、これは大臣は答弁を避けられましたけれども、そういうことを考える前に、せめて羽田とか伊丹とか、そういう国際空港の近所というのは、やはり大都会周辺ですから、そこを一元化して、そして新しいこの制度が好ましいとおっしゃるならば、そういうふうに一本化されるべきじゃないか。それを、ここだけこういうような形をとられるということに非常に私は行政の姿勢として筋の通らぬものを感じるのですが、この点もう一度御答弁をお願いしたいと思います。
  44. 藤木栄

    ○藤木政府委員 お答え申し上げます。当然、電波の効率的な利用という見地からは、ほかの空港でもそういうシステムをとるということは望ましいことはもちろんでございます。ただ、すでにたとえば伊丹空港ということになりますと、それぞれの航空会社、たとえば日本航空あるいは国内航空、そういったところが自分で無線局を持っておりまして、それを今度公衆通信に統合するということになりますといろいろ問題も出てくる。まあ将来の問題として私どもはそういう問題も考えたいと思いますが、いますぐにやるということはいかがかということでございまして、新しくできる成田の空港ということにつきましては、そういった点は非常にやりやすいわけでございますので、まあステップ・バイ・ステップで、まず成田のほうからそういうことをやっていくということを考えたわけでございます。
  45. 中野明

    中野(明)委員 どうもいまの答弁ではあいまいな考え方なんですが、結局補償問題が出てくると思うわけであります。VからUへ切りかえるときにも補償問題は当然起こってくるわけでして、こういうことによって、片方でどんどんそういう筋の通らないことをやっておいて、そして片方ではVからUへ切りかえようという、こういう支離滅裂と申しますか、そういうやり方じゃなしに、やはり将来これも一元化するんなら一元化するように、すかっとなさったほうが私はいいと思うのです。それはVからUへ、放送局の電波を取り上げてしまうよりも、よほどこれのほうが補償も少ないでしょうし、そしてスムーズに話がいくのじゃないか、現実にここで、新しい空港でやれるわけですから。その点についてどういうお考えでしょうか。将来やはりこのような形に全部してしまうのか、それとも新しいところだけこういう形に置いておくのか、既設はそのままにして、新しいところだけこういう形にするのか、そこのところを、ちょっといまの答弁でははっきりしないのですが、将来、新しい空港のように全部一元化してしまうのですか。もう一度そこのところ……。
  46. 藤木栄

    ○藤木政府委員 お答え申し上げます。先ほど申し上げましたように、この方向としてはそういった電波の効率的な利用というところから望ましいわけでございますが、現実の問題として、先ほど申し上げましたような、すでに既設の無線局がございまして、たとえば伊丹にしましても、日本航空と国内航空あるいは全日空、それぞれその別の場所で無線局を持っている。これを統合するためには、どこかまた場所を選びまして、そこに無線局を集めるというようなことになりまして、単なるその補償というよりも、非常に混乱を来たす可能性もあるのじゃないかというふうに私ども考えておるわけでございますので、もちろんそういうような方向では考えますけれども、いますぐにそれをやるということは少しいかがかということで、十分に検討していきたい、そういうふうに考えておるわけでございます。
  47. 中野明

    中野(明)委員 じゃ、もう一点だけお尋ねしますけれども、国内の航空会社が合併しましたね。統合して合併した会社がありますね。そこのところはどうなっておりますか。
  48. 藤木栄

    ○藤木政府委員 お答え申し上げます。、合併した航空会社と申しますのは、国内航空を中心としたものだと思いましたけれども、これはそれぞれの分担が、そのルートが違っておりまして、しかも、この無線局の数と申しましても、それほど多くの数を持っておるわけではございませんので、私詳細は存じませんけれども、いわゆるローカル線だけでございますので、これはそう問題なく、その合併した会社がその無線局を受け継いで運営するということになろうかと思っております。
  49. 中野明

    中野(明)委員 何かしら私そこのところ、首尾一貫しないように思っております。これは公社も予算を組んでおるし、国際電電としてもこれは投資をされるようになっているのですか、そこのところ、国際電電のほう……。
  50. 菅野義丸

    菅野参考人 国際電電といたしましても郵政省の御指導によりまして、新しい会社に委託して行なうのが一番まあ好都合であるというふうに信じまして、会社ができますときには投資をするつもりでおります。
  51. 中野明

    中野(明)委員 じゃ、もう一度郵政省のほうにお尋ねしますが、この会社の大体の構想と申しますか、どれぐらい経費がかかって、資本金がどの程度になるのか、そして名前なんかはもうすでに考えておられるのか、その辺について具体的に御答弁願います。
  52. 柏木輝彦

    ○柏木政府委員 お答えいたします。新しい会社資本金といたしましては、八千万円という当初の払い込み資本金額を予定しておりまして、その半額は日本電信電話公社のほうがすでに本年度予算に計上いたして出資の準備をいたしておるわけでございます。残り半額は国際電電会社が出資をするということでございます。  なお、事業規模、事業組織あるいはその会社名ということも、関係機関で協議会を設けまして、いろいろ相談をいたしておる途中でございます。まあ、およそのめどといたしましては、当初の年間の経費予算と申しますか、二億数千万円程度のもので出発できるのではないかと思っております。なお、社名はいまこういう一案でございますが、日本航空無線サービス株式会社、このような案を持っているわけでございます。
  53. 中野明

    中野(明)委員 当然料金の収益というのは国際電電並びに電電に入ると思いますが、そこから委託料をもらってやっていくという会社になると私は考えます。そうなりますと、何かしら先ほどから申し上げているように一貫した姿勢がないで、思いつきのようにこういう会社をつくられるということ、これは大臣もよく聞いておいていただきたいのですが、そこら辺に私問題があるような気がしてならないのです。どうせまたこういう会社ができますと、いろいろそこに出資をした関係とか、郵政省のほうからだれかがまたいわゆる天下りというのですか、横すべりというのですか、自分たちの新しい職場をつくるような、そういう受け取り方もできないではないわけです。それがいま申し上げたように終始一貫して国の方針として、各空港の一元化をするという一つの基本姿勢が出ているんならばまだ何ですけれども、いまのお話では、いろいろむずかしい問題がありましてというようなことで、ここだけぼこっと新しいものをつくる。この辺の考え方、この点について私たち非常に抵抗を感じます。ですから、こんなものは無理につくらなくてもいいのじゃないかという気もしますが、ぜひ必要だ、いまの公衆通信業務を一元化したい、こういう方針があるのならば、もう既設の空港も全部そのようにする。このくらいの基本方針をきめてからかかってもらいたい、私はこのように意見を申し述べておきます。  それでもう一点、きょうは外務省にも来ていただきましたが、サンクレメンテで佐藤総理とニクソン大統領との間で合意を見たというのですが、日米間のホットライン、これの設置について、最近また近くこれが具体化して実施されるのじゃないかということが報じられておるわけでありますが、外務省の予定と申しますか構想といいますか、そして場所をどこにつけるのか、その辺を御説明いただきたい。
  54. 橘正忠

    ○橘説明員 御存じのとおりサンクレメンテの会談で、日米間のホットラインの設置が合意されたわけでございます。なるべく早くホットラインをつくりたいということで、四十七年度の予算案にも所要の経費を計上いたしたわけでございます。したがいまして、そういう予算上の措置を経まして、その後設置の準備に、ただいま技術的、事務的な準備に鋭意努力しているところでございます。なるべく早く開設いたしたいと考えておりますが、その時期はまだただいまはっきり申し上げるところまで至っておりません実情でございます。
  55. 中野明

    中野(明)委員 開設の目的は何でございましょう。
  56. 橘正忠

    ○橘説明員 サンクレメンテの首脳会談の際にも日米両国間の首脳部の意思疎通、いわゆるコミュニケーションというものを緊密にかつ迅速にしたい。日米両国間のそういう一般的な、全般的な首脳間のコミユニケーションを迅速かつ緊密にしたいという目的が確認されまして、そういう目的のために、その一つ方法として、このホットラインをつくろうということになった次第でございます。
  57. 中野明

    中野(明)委員 純粋なそういう目的でしたら、おそきに失したという感じをわれわれも持っておるわけであります。いまごろになってから日米間を緊密にしなければならぬほど日本とアメリカ関係が険悪ではなかったわけですから、なぜもっと早く、いまおっしゃったような趣旨であるならば実現しなかったか、こういうことが言えると思います。  それで、そういうことを申し上げてもいたしかたないことですが、国際電電のほうがどうせこれを引き受けられると思いますけれども国際電電のほうでは、もしこれが実現いたしまして、大体料金はどれくらいかかるというふうに推定をされるのですか、そこのところ……。
  58. 増田元一

    増田参考人 お答え申し上げます。ただいま会社といたしましては、まだ正式に何のお話も政府からは伺っておりません。現在すでに存在しておりますアメリカとソ連とのホットラインの例から推測いたしますと、日米のホットラインというのは、私どもがすでに御認可をいただいて提供いたしております営業種目の中にあります専用線サービスということになろうかと思います。それで東京−ワシントン間の専用線の料金といいますのは、専用線にも電信と電話とございますが、電信のほうでございますと大体月額二百数十万円、これも正確に覚えておりません。申しわけございません。それから電話のほうは七百数十万円、そういう料金になる予定でございます。
  59. 中野明

    中野(明)委員 まだ全然話がないということなんですが、外務省のほうは大体いつごろを考えておられるのですか。ことしの予算に計上しておられるのですから、当然具体化されると思うのですが、もう一度めどをおっしゃっていただきたいのです。
  60. 橘正忠

    ○橘説明員 予算にも計上さしていただきましたので、かつ先生御指摘のとおり、いままでのコミュニケーションを、もっといままでよりもずっとよく、早く、緊密にしたいということなので、一日も早いほうが望ましいということで、ただいま鋭意その準備を促進しておるところでございます。そう時間はかからないと思いますが、ただいまのところ、はっきりいつまでということを申し上げるところまでには立ち至っておらない状況でございます。
  61. 中野明

    中野(明)委員 いろいろこれにつきまして議論をしますと、また日米の軍事的な関係だとか云々ということがありますが、それはまたの議論に譲るといたしまして、いずれにしても日米間を緊密にするという純粋な目的でつくられるのでしたら、もう時期がおそきに失している。巷間いろいろ悪口もいわれておりまして、こういうものが早くからあれば、頭越しにニクソンにやられなかったのだろうとか、そういうようなこともいわれるような状態の中で、こういう問題が起こってきておるわけでありますので、もしやられるのならば、早く具体化されたほうがいいんじゃないか、そういうふうに私は思うわけであります。  ではKDDお尋ねをいたしますが、日本と韓国との間の海底ケーブル施設計画を長期的に検討課題として取り上げておられるということを聞いておりますが、現在の日韓間の通信の現状はどうなっておりますか。そしてまた、いま申し上げた海底ケーブル施設計画について説明をしていただきたい。
  62. 板野學

    ○板野参考人 お答え申し上げます。日韓間の通信幹線につきましては、御承知のように昭和四十五年三月に新しい散乱波通信といいますかOH方式を採用いたしまして、この二カ年間で取り扱い通数が約二倍半というように非常に増加をいたしておりまして、その中の電話にいたしますと、一日のコール数が千二百ないし千三百コール、こういうような状況でございまして、本年の初めから対米通話を抜きまして第一位になりました。こういう状況でございます。現在使用しておりまする回線は、電話回線にいたしまして六十回線でございまするが、これもこの二、三年のうちに、大体現在の施設を少し手直しをいたしますと百二十チャンネル、倍ほど通話回線がとれますので、その百二十回線をこの一、二年のうちに拡充をいたしたいというふうに考えております。  それから昭和五十一年ごろになりますと、代替通信がどんどん伸びてまいりまして、この約二百四十チャンネル、そのまた倍くらいの回線を必要とする、このような見込みでございます。それにつきましては、現在百二十に増加いたしましたこの局内施設を少し手直しいたしますと、二百四十チャンネルまではいまの施設回線の提供ができる、こういうような状況でございまするけれども昭和五十一年以降になってさらに通信伸びてまいりますと、これはどういうような方法で幹線計画を立てるかという点でございまするが、いろいろな方法もございます。たとえばマイクロ回線を設定するとか、あるいは現在の散乱波通信、OH回線をさらにもう一システムつくる。あるいは衛星回線をさらに利用するとか、あるいは先ほど先生もおっしゃいましたようなケーブルを敷設する。いろいろ方法はございますけれども、これらのうち、この散乱波のOH回線にいたしましても、衛星回線にいたしましても、いずれもこれは無線の回線利用というようなことになりまして、先ほど申し上げました衛星ケーブルの併用という点からいたしまして、この補完をする、こういう意味におきましては、やはりケーブルというものも検討の相当重要な項目の一つになるんじゃないか。こういうことで、先方の大韓民国通信部との間では、どういうような方法の幹線をつくり上げるかということにつきまして、今後ひとつ検討を開始しようということを話し合っておるわけでございまして、これから検討に入りますが、先ほど申し上げましたように、ケーブルの利点も非常にございます。それからまた大韓民国の地理的条件、大陸につながっておるという非常な地理的条件等もございますので、私どももいろいろそういう点を慎重に検討いたしまして、先方との話し合いでケーブルにするかどうかという点をきめてまいりたい、このように考えておる次第でございます。
  63. 中野明

    中野(明)委員 最後に、インテルサット協定関係で一問だけお尋ねしておきますが、暫定協定のときには国会でいろいろ議論がありましたが、今回は恒久協定が結ばれまして、そして承認案件として出ておるようでありますが、この暫定協定と恒久協定のおもな相違点と申しますか、また恒久協定ではわが国等の要望によって地域衛星の打ち上げの条項ができた、こういうことも聞いております。この点について、政府に地域衛星の具体的構想があるのかどうか、ここのところをお尋ねしておきたいのです。
  64. 藤木栄

    ○藤木政府委員 お答え申し上げます。地域衛星につきましては、この国会でも前に取り上げられたことがあると思いますけれども、現在すでに東南アジアの地区にはインテルサットに加盟した国々が多くあるわけでございます。特に、国際通信のための地域衛星の必要性ということから考えますと、現在具体的にはつまびらかではございませんので、わが国におきまする宇宙開発計画の中の一環としては、まだ具体的には取り上げられておりません。しかし、東南アジア諸国を対象といたしました放送衛星、これも地域衛星一つでございますが、そういったものにつきましては、先ほど先生の触れられましたアジア放送連合の中でも要望がございますので、私どもとしましてもこれをどういうふうなかっこうで宇宙開発計画の中に取り入れるかということにつきまして現在検討している、そういう段階でございます。
  65. 中野明

    中野(明)委員 柏木さん、恒久協定との差、簡単でけっこうです。
  66. 柏木輝彦

    ○柏木政府委員 失礼いたしました。主としまして暫定協定と恒久協定のおもな差異について申し上げますと、いままでは暫定協定下のインテルサットといいますのは、関係事業者の共同出資しました財産によります共同事業ということでございます。恒久協定におきましてはこれを新しく独立の法人格を持たせました一種の国際的な機関に格上げをするということをいたしまして、その運営の方法につきましていろいろ改善をいたしております。  その一つは、運営に参加するものといたしまして、参加国政府全体を構成者とする政府間総会というものを設ける、またこれに出資する事業者をすべて包括いたします事業者間総会というものを設けまして、当初十数カ国、主として欧米中心の参加国で構成されました運営方式というものを広く全世界の後進国をも含めました運営の国際化という線に沿うようにいたしているわけでございます。  なお、これの日常業務の執行につきましては、従来、アメリカの国籍を持つコムサットという会社が委託されて、これのマネージャーという立場で日常業務を運営執行することになっておりましたのですが、今度それにかわりましてインテルサット独自の執行体といたしまして、当初六年間は暫定的な事務局長、その後恒久的には事務局長がインテルサット業務をすべての責任を持ちこれを執行するということになっております。  なおまた、これの運営に当たります、従来はICSCといっております、理事会と通称されておるものでございますが、これの構成も、スモールユーザーの側もこれに参加できるようないろいろの方法を加えておりますほかに、またその表決方法にしましても、一国が絶対多数を常に行使できるというような従来の方式を変えて、いろいろの改善をいたしております。  また、従来不明確でありました参加国等の地域衛星の打ち上げということにつきましても、この際、関係国が一定条件のもとにおいてこれが実施できるということを明確にしたわけでございます。
  67. 中野明

    中野(明)委員 まだいろいろお尋ねしたいのですが、次の機会に譲りまして、あと御質問があるようですから、私、以上で終わります。
  68. 高橋清一郎

    高橋委員長 土橋一吉君。
  69. 土橋一吉

    ○土橋委員 他の委員会の採決、議決決定の関係がありますので、簡単に郵政大臣電電公社皆さん質問をいたします。ごく簡単に、そうであるかないかというだけでけっこうでございますから、説明の形容詞、内容は要りませんので、賛成か反対か、あるかないかでけっこうでございますからお願いいたします。  まず、郵政大臣お尋ねし、電電公社の幹部の諸君にお尋ねしたいのですが、昨晩の新聞であったと思いますが、東京高裁が目黒の電報電話局の職員で、四十二年にベトナム侵略戦争反対、こういうネームプレートをつけておったわけです。それに対して局長が、それはいかぬ、やめたほうがいいという指導をいたしまして、そういうことはけしからぬことだというので本人がビラをまいたことをたてにとりまして、米澤総裁は業務規則の規定第七条の違反だというので、これを懲戒戒告をしたわけです。ところが、一審でも米澤総裁は敗訴し、東京高裁でもこの問題については、理由はたくさん述べることはできませんが、憲法第二十一条の規定に違反をするものではない、これは明らかに国民の表現の自由、またこれは一党派、一労働組合の主張ではない、ベトナム戦争をすみやかに終結させるということは全国民の願いでもあるし、この問題についてさような措置をすることは正しくないというので、この懲戒戒告の処分を撤回をするよう裁判所の決定が出たわけです。こういうことを郵政省あるいは電電公社でやっておりますけれども、こういう事案に見られますように、就業規則をもってして憲法の表現の自由、思想の自由を侵すようなことを間々やっておるわけです。こういうことを郵政大臣あるいは電電公社は将来続ける考えなのか、それともそういうことは将来やらないということなのか、この点が一点。  二点としては、民事訴訟でありますので、非常上告などをする手段に訴えなければおそらくこれで確定すると思うのです。電電公社がさようなことをやらぬように私は希望するのですが、やる気でおるのか。非常上告のような手段に訴えてあくまでも憲法二十一条にさからう考えでいるのかどうか。この点を簡単にイエスかノーで答えていただきたい。郵政大臣どうですか。——郵政大臣だけしかお見えになっておらないのですね。郵政大臣はそういう問題についてはどう考えておられますか。郵政の中でベトナム侵略戦争反対というネームプレートをつけておってもそういう処罰をする考えでおるのか。それともこの判決などを見てどう考えておるのか。処分する考えか、そうでないというのか、簡単でいいです。
  70. 廣瀬正雄

    廣瀬国務大臣 簡単にとおっしゃいますけれども、そう簡単には答えられません。よほど専門的に検討しないと、やはり人権に関する問題でございますから、どうあなたがおっしゃっても簡単には答弁できませんので、ひとつ検討してみたいと思います。
  71. 土橋一吉

    ○土橋委員 これは私は再々本委員会でも提唱しておりますように、いわゆる憲法の基本的な原則をおかして就業規則であるとか、内部にそういう秩序を乱すとかいうことで特に思想処罰をするようなことをよくやっている。たとえば共産党員であるという場合に、ほし上げるような政策をとってみたり、あるいは本人を座敷牢に入れるようなことをやっておるわけです。これは憲法の十四条の規定から考えても、二十一条の規定から考えてもまことに不都合千万なことだ。これが自由民主党政府のもとに常に行なわれている。これは電電公社でもやっておるわけです。国際電電はないと思いますけれども。こういうことをやってはならないということを私は強く要求するわけであります。  続いて国際電電お尋ねいたしますが、あなたのほうでは賃金問題について労働者との間にいろいろ係争状態に置かれておるように伺っております。ことしは御承知のように国鉄をはじめとしてかなりの待遇をよくした回答を出しておりますが、国際電電としてはこの問題を昨年並みに解決する考えを持っておるのかどうか、イエスかノーでけっこうです。それで待遇を真に是正する考えであるのかどうか、待遇を是正しないというのならノーでけっこうです。どうぞ簡単に……。
  72. 菅野義丸

    菅野参考人 まだ解決ができないことは非常に残念に思っております。しかしながら、御承知のとおり労使間に非常に信頼感を持って毎日のように団体交渉をやっておりますので、私はもう間もなく解決できると思います。私どもといたしましては、待遇の改善は常に行ないたいと考えております。
  73. 土橋一吉

    ○土橋委員 二十周年を迎えた国際電電としては、いま申し上げましたような基本的な問題を踏まえながら、あなたのほうの年次報告を私全部見ました。四十五年度ですけれども、この内容について、労働問題についてかなりいい点も私は認めております。住宅問題なんか非常に善処しております。しかし、他の面ではまだまだ悪い点もございますので、賃金を大幅に底を上げてやるということ、勤続年数の長いのに比較して給料は非常に低いわけです。こういう点を十分配慮していただきたい。これは要望です。  次の問題は、時間もありませんので、インテルサットの問題でございまして、御承知のように昨年郵政省の幹部諸君が参りまして、コムサットの関係についてはいろいろ努力をしました。したがって、その内容として三点、特に管理機構の問題やあるいは投票権に関する問題など、それと将来の営業に関する問題などについてかなり善処したと思いますが、その前と今日と比較してみた場合に、国際電電としてはどういう面において利益を受けたのか、つまり営業の範囲、あるいは料金の問題、こういう点について、簡単でけっこうです、利益があったとか、利益がなかったとか、あるいはこういうことができ上がったために国際電電としては非常にやりよくなったとか、やりよくならないというようなことで簡単に答えていただけませんか。
  74. 増田元一

    増田参考人 お答え申し上げます。第一点は、会社といいますか、日本を代表いたします署名当事者といたしまして、理事会における発言権が現在一・七%でございますが、四・五%にふえるということが利益でございまして、その限りにおきましてインテルサットの運営につきましてわが国の利益を大いに代表することができる、そういう利益がございます。  それからいまの制度におきましては、インテルサットとして利益があがりました場合に、その資本の使用に対して利益を還元されるということになっておりますが、実際の利用からいいますと、実際は四%以上使っておるにかかわらず、現在は一・七%の割合で利益の還元を受けるというようなことになっておりますが、その点が四・五%にふえるという点で会社といたしましては利益になります。  それからインテルサットに入りますと各国、特に回線の少ない小国にも地球局ができますと、直通線ができますので国際通信改善が大いにできる、こういうような利点がございます。
  75. 土橋一吉

    ○土橋委員 わが国がインテルサット会議において第三位とか、少なくとも優位の地位を占めて、応分の負担金を出さなければならぬという問題もありまして、こういう点では国際電電としては計算上痛い点だと思います。しかし、いまおっしゃったような非常に有利な点がありますので、やはりオーストラリアと同じように、また欧州の諸君と同じように、アメリカの専横を押えるために、またアメリカがえてかってに国際的なインテルサットを中心として通信の独占を強化しないようにやるべきだ。こういう観点を持っておりますので、大いに検討していただきたいと思います。  次の問題は、中国との問題でございますが、先ほどで内容がほぼわかりました。しかし、中華人民共和国は御承知のように朱学範氏が退陣をいたしまして、鐘という人が新しい郵政関係の責任者になっております。これは軍出身の人であります。したがって、いまの激動する中国の電信、電話、郵便の施設をあなたのほうで発行している資料で拝見いたしますと、かなり改善の方向に向かっておるわけであります。したがって、将来中国との国交が回復し、あるいは貿易の増進に伴いましてもっと積極的にやるべきではないか。回線なんか見ると非常に少ないわけです。もっともっと努力すべきではないかという点が一点。努力をするのかしないのか。  それから朝鮮民主主義人民共和国は、御承知のようについせんだって金日成首相が六十周年の誕生日を迎えまして、日本からも、民族的な移動といわれるほど多くの諸君が、朝鮮民主主義人民共和国にお帰りになっていろいろ活動しておられる。しかしながら、依然として日本には六十万余の在日朝鮮人の方々がおられる。ついせんだって、御承知のように日朝議連の代表の諸君もピョンヤンを訪問いたしまして、いろいろな成果をあげたと思うわけです。こういう観点に立つならば、朝鮮民主主義人民共和国は韓国以上に必要じゃないかというふうに私は考えておるのでありますが、これについてどういうように善処をするのか。先ほど、韓国とは台湾よりも回線数が多いなんておっしゃっておるけれども、朝鮮民主主義人民共和国との関係はどうかという点を、端的に、積極的にやるとかやらぬとかというお答えでけっこうです。  それから最近バングラデシュが独立いたしまして、カラチあるいは西パキスタンの政府との関係が分離したと思うのです。これに対してどういう善処方を——これは佐藤政府もこの国の独立を認めておるわけですから、こういう点について、簡単でいいです。内容はあとでまた私ども資料を見ますから、積極的にやる考えを持っておるというならそれでよし、やる気はないならないでけっこうです。
  76. 廣瀬正雄

    廣瀬国務大臣 政策に関する問題でございますし、簡単にということでございますから、私からお答え申し上げます。  国交が正常化してない相手の国に対しましては、先刻来相当詳しく御答弁がありましたように、戦後から今日までの長い間の実務者の努力によって、郵便にいたしましても、電信にしましても、電話にしましても、——郵便の説明はなかったのでございますけれども、これは中国に対しましては、御承知のように通常も小包もわずかに香港で船便、飛行機便を交換しておるという実情でございます。電気通信についてはさっき説明があったわけでございますけれども、そういうような道が開かれましたのは、ことごとく実務者の絶えざる努力によってやってまいったわけであります。中国に対しましては、幸いに国連の場に堂々と入ってこられたわけでございますから、一日も早く国交の正常化をはかりまして、そしてさらにその道を開いていくということに努力をしなければならないと思うわけでございます。しかしわずかにUPUのほうへ正規に入りましたから、国交正常化が実現しなくとも、その場でも話し合いができるということは、非常に利便になったわけでございます。これは中野委員がさっきいろいろ御質問の中で言われましたように、通信に関する問題でございますし、人道というか、平和の維持と申しますか、人情といいますか、そういうようなことでございますから、国境はあってないようなものだという一つの性格を持っておることは事実なんです。そこで、そういう状況のもとに実務家がこれまで非常に努力をされまして道が開かれておるわけでございますけれども、やはり中国に対しましては、国交正常化をすみやかにやりまして、一日も早くパイプを広げなくてはならぬというような努力を重ねていく必要がある。それまではやはり実務家に今後とも大いに努力していただきたい。国際電電も、電話、電信にいたしましても、無線、短波でございますけれども、だんだん道が大きく開かれてきております。そういうようなことを期待いたしますとともに、やはり国交正常化、さらに専門機関のUPUやITU、こういうような機関を利用して道を開いていく努力をしなければならないと思っております。  北鮮に対しましても同様なことが言えると思います、いまきわめて間接的な方法でしか通信ができないわけでございますから。  バングラデシュについては、まだあまり研究いたしておりませんけれども、これは日本も承認した国でもございますから、かなり容易にそういう道が開かれることになりはしないかと思っております。  実務家を督励いたしますとともに、私どもも国交の正常化をつとめて急ぎまして、人間的なつながりの通信の道というものが、大きく開かれるように努力しなければならないというように考えておるわけでございます。   〔委員長退席、加藤(常)委員長代理着席〕
  77. 菅野義丸

    菅野参考人 ただいま大臣からお話がございました御指導のように、実務家といたしましてはこの三国とも最善の努力を尽くしたいと思います。  中華人民共和国につきましては、いつでもわれわれのほうとしては協力する用意をして待っておるというような意思を表示しております。  それから朝鮮民主主義人民共和国のほうは、現在北京とモスクワ経由で通信が行っておりますが、これも先方のほうの御希望があればいつでも直通でやりますし、また通信の種類もふやしたいというので、用意をいたしております。  バングラデシュは、独立すると間もなくこちらのほうに通信の要望がございましたので、さっそく私のほうとしてはその通信方法を検討いたしまして、現在はボンベイ中継でもって電報電話テレックス通信をいたしておりますが、さらに直通の通信施設をやろうという申し入れをいたしておる次第でございます。
  78. 土橋一吉

    ○土橋委員 私は世界の各国は、特に近接する国々は、文化あるいは経済の面においても、通信、郵便業務の面においても親しくなければならないと思っておるわけです。特にアメリカの朝鮮侵略戦争以来、御承知のように北朝鮮が侵略をしてきたとか、中国が侵略をしたというようなことで、全くの敵視政策を日本の政府に押しつけてきておるわけです。また日本政府もこれをよしとして、——きょう本会議も開かれますが、現にトンキン湾における海上封鎖、機雷をやっておるわけだ。こういうことの中で郵政省は真に善隣友好の精神で進めていただきたい、こういうことを心から期待をしておるわけです。特に朝鮮民主主義人民共和国の中波放送、これは中国の場合も同様ですが、これがもし国連に加盟をして、いわゆる通信関係国際的な会議などに出てまいりますと、日本の放送との関係で、特に山陰あるいは北陸、北九州では混線が非常に多いと思うのです。現に今日も混線しております。こういうことについて、やはり互譲の精神をもって、出力の関係もございますけれども、十分注意をしなければならぬ問題があると私は考えておるわけです。こういう点についても中華人民共和国あるいは朝鮮民主主義人民共和国の放送事業をよく理解して、沖繩問題と同様に善隣友好の精神で解決をしなければならぬと思っておりますが、どうでしょうか。
  79. 菅野義丸

    菅野参考人 全く土橋先生のおっしゃるとおりで、同感でございます。
  80. 土橋一吉

    ○土橋委員 太平洋ケーブルの問題について簡単に答えていただきたいのです。太平洋ケーブルはグアム島と日本との間だけの工事ではないかというふうに私は思っておるのですが、その費用は分担であるのかどうか。その工事はどこがやるのか。これが完成すれば現在に比べてどれだけの利点があるのか、この三つについて簡単に答えていただけばけっこうです。
  81. 板野學

    ○板野参考人 お答え申し上げます。先ほど申し上げましたように、太平洋地域につきましてはすでにたくさんありまして、ケーブル回線よりも衛星回線のほうが非常に多くなっております。かつ太平洋地域あるいは東南アジア地域を含めまして、非常に大きな通信需要もございますので、これの安全をどうしても確保するためには、衛星のほか、さらにもう一本第二太平洋ケーブルを敷かなければならない、こういう必要性に迫られておるわけでございます。それでこの第二太平洋ケーブルにつきましては、日本、アメリカ、オーストラリアそれからイギリス等の関係国が共同して敷設するということになるわけでございまして、特にグアムと日本の本土の間につきましては五十五十の投資をするということに第一太平洋ケーブルはなっておりますが、全く投資の上では五十五十でやっていく。それからハワイとグアムの間とか、あるいは米本土との間につきましては、これは日本が使用いたしますその分担に応じまして投資をするというような関係になっておりまして、これを使用する権利の面につきましては、関係国が全く平等の立場でこれをやっていく、いわば共同の事業であるということで従来と同じように進めていく、こういう考えでおるわけでございます。
  82. 土橋一吉

    ○土橋委員 第四号人工衛星は、御承知のように茨城に新しく開設をいたしましてやっておるわけですが、今度の海底ケーブルを陸揚げするところは二宮ですか、どこへ揚げるのでしょうか。   〔加藤(常)委員長代理退席、委員長着席〕
  83. 板野學

    ○板野参考人 お答え申し上げます。今度の第二ケーブルの陸揚げ地点でございますが、この地点につきましては、先ほど大臣からお話ございました東南アジアケーブル、あるいは東南アジアの全般的ないろいろな地理的条件、それから地理的条件に伴います通信上の問題、特に料金関係等もいろいろ勘案いたしまして、今後一番便利のいいところを選定いたしたいということで、これもできるだけ早い機会にその陸揚げ地点をきめていきたい、こういうように考えている次第でございます。
  84. 土橋一吉

    ○土橋委員 板野さん、それはおかしいじゃないでしょうか。アメリカとの間に、グアム島から日本の領土内へ海底ケーブルを敷設する、どこへ陸揚げするかきめないで、あなた方は協定を結んでおやりになるのですか。たとえばグアムから揚がってくるものは沖繩のどことか、あるいは九州のどこへ揚がってくるのだ、したがって経費はこういうふうになっている。陸揚げするところがわからないで、経費の分担もわからないじゃないですか。
  85. 板野學

    ○板野参考人 お答え申し上げます。第一太平洋ケーブルにつきましては、御案内のとおり二宮に陸揚げしております。第二太平洋ケーブルにつきましては、二宮がいいのか、あるいは沖繩という問題もございます。しかし、御承知のように沖繩につきましては、いまだそういう施政権とかいろいろな問題が——もう間もなくこれは解決できるように思いますので、その時点におきまして郵政御当局ともいろいろ御相談申し上げまして、先ほど申し上げましたような利用上、料金上、それから東南アジア全体の点から見て一番いい地点を選びたい。その一番いい地点は、あるいは沖繩ということになるかもしれませんし、その点につきましてはただいまそういうような状況でございますので、ここで私はどうもお答え申し上げかねる、こういう状況でございます。
  86. 土橋一吉

    ○土橋委員 お互いに両国で話し合って、そうして費用分担をきめるのに、まだ揚がるところがどこへ揚がるかわからないでは話になりませんので、こういう点は明確にしておくことが一つ。  それから太平洋ケーブルの、グアムからハワイなり、あるいはハワイからアメリカというものが、応分の負担をしているということを仰せになりましたが、それでは太平洋ケーブルについては、日本とアメリカとは対等平等の立場に立って権利主張や義務負担を行なうものであるかどうか、簡単にお答えいただきたいと思います。
  87. 板野學

    ○板野参考人 このケーブル利用につきましては、少なくとも所有権を持っております部分につきましては、それはKDD利用する権利を持っておりますし、またライト・オブ・ユーザーといいますか、永久使用権といいますか、そういう権利を持っております回線につきましては、利用上の権利を持っておるわけでございます。ただ、その間の回線を移動させる、今度は日本は少しこの回線をほしいな、こういうことで移動させる場合におきましては、お互いに持ち分を持っておりますので、お互いの話し合いによって協定を結びましてその回線を移動させる、こういうことになるわけでございます。
  88. 土橋一吉

    ○土橋委員 アメリカの最近のトンキン湾封鎖などに見られるように、アメリカというのは非常に横暴な国なんです。しかも帝国主義者なんです。特に戦争を常に考え、そして他国を侵略をする、まことに不都合な国、その大統領が象徴的な姿をあらわしているのですが、こういう連中を向こうに回して、しかも対米従属といわれているような日本の貧弱な外交やあるいは主張では、たとえば問題が起こったときにアメリカは何をしでかすかわからない。油断もすきもならない男をかかえているわけです。ですから、対等平等の立場でこの回線には応分の分担をして、張り込むところは張り込んでちゃんと金を出して、文句を言われないような体制をとりませんと、通信とか石油とか鉄という問題は、わが国の基本的な生命線であるわけで、これに、対米従属下におけるようなことでいささかの支障があってはならないし、回線というものは、国民相互間、つまり中国の人やアメリカの人やフィリピンの人がお互いに共有すべきものである。ところがアメリカ帝国主義者は、ほかのことはかまわなくて、自分のメンツだけで何でもやってくる。人を殺しもするし、戦争もやる。こういう連中でありますから、その点をとくと考えて、出すべき金は出して文句をいわれないような方法をとっていただきたい。これはコムサットの場合も同じです。いままでアメリカがやっていたやり方は非常にむごい方法であるわけです。その点を私ははっきりと要請をして、時間を五分間まけまして、これで質問を終わりたいと思いますが、決意のほどをお願いしたい。
  89. 板野學

    ○板野参考人 先生のおっしゃいますとおりに、ひとつやりたいと思います。
  90. 高橋清一郎

  91. 武部文

    武部委員 ちょっと中断いたしまして恐縮でございました。先ほどの東南アジアケーブルの問題について郵政大臣KDDから御回答がございましたが、非常に抽象的でございまして、いま同僚議員からもいろいろお話がございましたが、私はもう少しこの問題について見解を承りたいと思います。  昨年の当委員会で、この東南アジアケーブルの問題についていろいろやりとりいたしましたときに、この計画は、計画ができ上がってから去年で十二年目である、こういうお話がございました。先ほどもちょっと御紹介いたしましたが、四十一年のときには非常に具体化しておったのであります。資金もどこの銀行からどのくらい出す。そして四十一年の九月には、郵政省は東南アジア海底ケーブル会社というものを設立する。そしてとりあえずバンコクまでの四千二百キロの第一次ケーブル施設工事に着手をして、二年目の四十三年六月には全線を開通する方針である。こういうことが発表されまして、郵政省は四十一年に五人の調査団を関係国へ派遣をいたしておるのであります。  去年いろいろ聞いておりますと、ここへ議事録を持ってまいりましたが、これが非常に問題点があって進まぬのだというような話し合いでございました。その一つの理由に、フィリピンとかタイというような先方の財政事情もあるというようなお話がありましたが、今日、この東南アジアケーブルが十二年もたって全然進展をしない。先ほど私は新聞の記事を引用いたしましたけれども、一体この新聞の発表というものはどういう内容を持っておるのかということをお伺いしても、大臣も非常に抽象的で、これはかいもくわけがわからない。一体この東南アジアケーブルというのはどういう計画でこれから進もうとしておるのか、この点がかいもくわかりませんので、もう少し説明していただきたい。これが進展しない理由は一体何か、これをひとつはっきり伺っておきたいと思います。
  92. 柏木輝彦

    ○柏木政府委員 ただいまお尋ねのように、たびたび東南アジアケーブル国際会議も東京で開催し、その後日本が関係国に対します援助計画といたしまして検討いたしまして、特に第一次計画ということで、タイ及びフィリピン側に対しまして、昭和四十年から四十一年にかけまして折衝を始めたわけでございます。このときの援助条件としての資金の延べ払いの金利等の問題がそのときの話し合いの中心になりまして、結局日本の提案する程度の金利条件では受け入れられないということになりまして、この計画が一時中断状態になったわけでございます。その後、さらに宇宙通信インテルサット地球局建設関係国でもそれぞれ取り上げられまして、その後の数年間はこのための資金充当ということで、この東南アジアケーブルの問題も一時たな上げ状態になって現在まできているというのが実情でございます。
  93. 武部文

    武部委員 お聞きいたしますと、とてもお先まっ暗の状態で、計画が明らかになっておらないようであります。板野さんは、新聞記者会見でこういうことを述べておられます。いまの柏木さんのお話と同じですが、「各国の地球局整備され、衛星通信がさかんになり、一時おあずけの状態だが、衛星ケーブルは相互補完の関係にあり、また衛星には無線の弱点もあるので、各国にケーブルの重要性を認識してもらい、いつの日か日本の技術で実現したいと思っている。」こういうことを言っておられるわけですが、これはとても、「いつの日か」ということがいつの日かわかりません。これでは、十二年もたって、これから「いつの日か」ということなんですが、ほんとうにこの東南アジアケーブルをやるという意思はあるのかどうか。どうですか、その点。
  94. 板野學

    ○板野参考人 お答え申し上げます。先ほど大臣もおっしゃいましたように、この計画そのものは非常に重要性を持っている必要な計画だということを私どもも感じ、また大臣もそのようなことで先ほどお答えになったわけでございますので、目下、郵政省を中心にいたしまして、これをどういうぐあいに進めていくかということにつきまして、急速にひとつ話し合いを進めたい、こういうことでございます。  それで、いままでこの東南アジアケーブルは十二年間どうしてたな上げになったかということにつきましては、先ほど柏木監理官からお話がございましたように、一つは財政問題がございます。したがいまして、この財政問題、特にこの関係のフィリピン、タイ、あるいはその他の関係諸国にどういうぐあいに財政上の負担の軽減ができるか、こういう点が非常に大きな中心的な一つの問題になるわけでございます。それから一つは、衛星地球局を東南アジアの関係諸国がどんどんつくってきたということでございまするけれども、この衛星通信だけでは最近の非常に安定性ある通信を確保できない。あるいはデータ通信というような高速度通信ということになりますると、やはりケーブルの効用が出てくる。それから、東南アジア各国のように非常に近接の国に対しましては、ケーブルの経済的な利点もある、こういうことも認識されてきておるわけでございますので、そういう面につきましては、今後一そうこの関係各国との理解を深めていきたい。また理解を深め得るというように考えておりますが、一番問題はやはり財政的な問題でございまして、こういう面につきましては郵政省のいろいろ御指導を得まして、私どもも非常な努力をひとつ重ねていきたいということでございます。  「いつの日か」ということは、非常に遠いことを私ども考えておるわけではなく、できるだけ早い機会にそういう実現に向かって努力を続けていきたいというのが、現在の私ども考え方でございます。
  95. 武部文

    武部委員 「いつの日か」ということは実は遠いことなんですよ。あしたのことを「いつの日か」とは言いませんわね。ですから私どもは、この問題は相当困難があることはわかりますよ。しかし、KDDは四十五年度事業計画の中に十六億四千万円の資金を用意しておったのでしょう。そういう事実がありますね。ことし、四十七年度事業計画書の中には「衛星通信海底ケーブル施設整備」ということで四十三億七千万円を予定するとなっておりますが、この十六億四千万円というものは全然消えてしまっておるというように見ていいのですか。
  96. 板野學

    ○板野参考人 その中に計画されております経費の大部分は第二太平洋ケーブルでございますけれども、東南アジアケーブルにつきましては、それは長期の一つ計画、いわゆる五カ年計画というようなものもございますので、その間において事態の進展に応じましていつでもこの経費が出せるように私ども措置をしていきたい、こういうように考えておる次第でございます。
  97. 武部文

    武部委員 そうすると、この程度の経費ならば、進展すればいつでも出せるというふうに理解ができるわけでありますが、そのように理解してよろしゅうございますか。
  98. 板野學

    ○板野参考人 お答え申し上げます。これに関連する各国、特にあるいはアメリカ、あるいはイギリスとか、いわゆる先進国といいますか、相当財政的負担を持っておる国もございますので、どの程度の財政的な負担を持ってもらえるか、こういう点が今後の折衝のいかんにかかわるわけでございますので、その額ははっきり申し上げられませんけれども、少なくともKDDが負担をしなければならないというような経費につきましては、私どもはこれを用意することができる、こういうように考えておる次第でございます。
  99. 武部文

    武部委員 それじゃ、東南アジアの問題はこれで終わっておきます。  続いて、設備計画についてお伺いいたします。この事業計画書の中にこれに類する金額等が記載をされておりますが、先ほどの説明の中で倍額増資お話もございました。本年度においては約二百億近い設備投資計画されておるようでありますが、その中で新宿の新国際通信センターには六十五億九千万円という金額が載っておるようであります。いま板野さんの説明で、第二太平洋ケーブルの資金を回すということをおっしゃったわけですが、この四十三億七千余万円の費用のうちで第二太平洋ケーブルに回す金額、投資する予定のものはどれくらいなのか、これをお伺いしたい。  さらに、本年度設備投資と長期計画との関係についてお伺いをいたしたいのであります。  なお、この機会に、新宿の国際通信センター局舎の具体的の内容、それから使用の計画、あるいは残る大手町の局舎の具体的内容、それから使用計画をひとつ年次別に説明していただきたい。
  100. 三輪正二

    ○三輪参考人 お答えいたします。本年度予定しております設備計画は百八十億円でございます。そのうち、先ほど質問がございました国際通信センター建設ということについては今年度幾ら見込んでおるかということでございまして、今年度は、国際通信センターにつきましては四十億円を見込んでおります。  それから第二太平洋ケーブル建設でございますが、これにつきましては今年度十四億円見込んでございます。
  101. 武部文

    武部委員 ですから、それだけではなしに、センターの局舎の具体的の内容、それから年次別の使用の計画、これからどうしていくのか。金はことしは四十億とおっしゃるが、来年は幾らになるか、再来年は幾らになるか、いつ完成して何が入ってどうするのかという点を……。
  102. 三輪正二

    ○三輪参考人 それでは金額の点について申し上げます。  国際通信センターにつきましては、四十七年度は四十億でございますが、四十八年度、明年度は七十億円でございます。それから四十九年度が四十億円でございます。それから五十年度が五十億円、合計約二百億円を計画いたしております。  それから使用計画につきましては、かわってお答えいたします。
  103. 有竹秀一

    ○有竹参考人 お答え申し上げます。新宿の国際通信センター昭和四十九年六月に完成する予定になっておりまして、これが完成いたしますと、直ちに現在本社等借室しております部門は早急にあちらに移転する予定でございます。と同時に、増大を続けております国際通信需要に対処するため、まずテレックス電話電子交換システム及びデータ通信システムを設置するよう、直ちに工事を始めます。と同時に、新宿方面の営業所設備の併設も計画しております。  それから大手町局舎からこの国際通信センターへ移ります業務の種類及び時期につきましては、現在検討中でありますが、大手町の現有設備の物理的あるいは技術的陳腐化に伴いまして、逐次新宿のほうに移転いたしまして、昭和五十五年ごろまでにはその移行を完成したいと考えております。  このようにして、国際通信センター竣工後、主要な国際通信業務は大手町から新宿に移行いたすわけでございますけれども、大手町局舎も立地条件や技術条件などを考慮いたしまして、営業所の機能あるいはテレックスの一部の交換設備、さらにマイクロ波通信設備などは大手町に残して運用してまいる予定でございます。  なお、詳細な移行計画につきましては、現在いろいろと検討中でございますので、まだこまかい点まではきまっておりません。  以上でございます。
  104. 武部文

    武部委員 大体の様子はわかりました。そういたしますと、新宿のセンターがかりにでき上がっても、大手町の局舎というものはそのまま残って、激増する通信をはくためには、あそこではやはり事業を運営していく、そのように理解してよろしゅうございますか。
  105. 有竹秀一

    ○有竹参考人 お答え申し上げます。ただいまも触れましたように、大手町は丸の内のビジネスセンターの中心でございまして、何と申しましても新宿と違います立地条件がございますので、そのまま引き続き所要の設備をいたしまして使ってまいる予定でございます。
  106. 武部文

    武部委員 わかりました。  次に、先ほど土橋委員からも発言がございまして、国際通信網建設については非常にたくさんの金が要る、たとえば東南アジアの問題にしても、資金の問題がたいへんだということを答弁がございました。私どもは、開発途上国、特に東南アジアの開発途上国に対する問題というのは、非常に技術の高いわが国にとっては特に関心を強めてもらわなければならぬ問題だと思うのです。したがって、この海底ケーブル、それから通信衛星あるいはスキャター、こういうような通信手段を、わが国は特に外貨が多いわけですから、そういう面で活用して、国際通信の特に低い東南アジアの方面に積極的にわが国が資金を投入してやっていく必要があるのじゃないか。これは私は先ほどの意見に賛成でございますが、そういうような意向を、大まかにいって長期のKDD計画としておとりになる、そういうお考えがございますか。
  107. 菅野義丸

    菅野参考人 開発途上国に対しましていろいろな方面で協力をするということは、当社の非常に大事な使命であると私ども考えております。従来から政府の計画には全面的に協力いたしまして、あるいは職員の研修であるとか、あるいは専門家の派遣であるとか、いろいろなことをしておりますが、会社自身といたしましても、そういう国の企業体と各個に契約をいたしまして、技術協力あるいは訓練の協力などをいたしております。またそういう場合に、日本でできた通信施設を一時貸すとか売るとかいうようなことも私どものほうでやっておる次第でございます。御承知のとおり通信は両端がございまして、一方が幾ら改善しても相手方が改善しなければ相互に疎通がいかないのでございますから、私どもとしましては、発展途上国通信状況をよくするということにつきましては、その国のためもさることながら、自国のためにも必要であるという気持ちで今後とも努力をいたしたいと考えております。  ただ、ただいまお尋ねの財政的に援助するというようなことは、まだ一会社としては考えておりませんけれども、必要とあらば私どもの耐えられる限度の負担はもちろんやるつもりでおります。ことに最近は私どものほうではコンサルティングの仕事もやっておりまして、先方の国の要求によりまして、あらゆる技術的あるいは事務的の相談を受けていろいろアドバイスをやっておりますが、そういうふうな場合に、どのくらいの金がかかるとか、あるいはどういうふうにしたらいい機械が入るとか、そういうふうなことにつきましては虚心に最善のアドバイスをするように考えておる次第でございます。
  108. 武部文

    武部委員 それでは、続いて深海用の長距離海底ケーブル研究開発のことについてちょっとお伺いしたいわけですが、アメリカ式の大容量方式KDDの新しい研究方式とはどう違うのか。これは簡単でけっこうですが、ちょっとお伺いしたい。
  109. 木村光臣

    ○木村参考人 お答え申し上げます。わが国におきまして現在研究しておりますのは、十二メガヘルツ方式と申しまして、大体千六百チャンネルぐらいのものを用意しております。現在第二太平洋ケーブルあたりで考えております。アメリカは八百四十五チャンネル方式でございまして、その容量においてかなりの差がございます。しかし、アメリカはこの八百四十五チャンネルのあとには、さらにまたもっと大きな四千チャンネルというようなものを現在開発中でございます。以上でございます。
  110. 武部文

    武部委員 そういたしますと、必ずしも、その十二メガヘルツ方式ですか、というものとの間に内容においては差があるけれどもKDDの開発の研究というものは、アメリカのそういう方式にとって見劣りがするというものではないというふうに理解していいですか。
  111. 木村光臣

    ○木村参考人 技術的には何ら遜色はございません。
  112. 武部文

    武部委員 次に、昨年あるいは一昨年問題になりました大阪関門局の件についてお伺いいたしたいのであります。  昨年、ここで相当時間をかけてこの問題で論議をいたしました。そのときKDD側から、確かにわが国の国際通信というものを東京へ集中するのがいいか。それとも先進諸国、イギリス、アメリカあるいはその他ヨーロッパ方面においてもいろいろな点から関門局の複数化が進んでおる。したがって、災害だけではなしに、これからの情報社会の発展、特に電話事業の運営、こういうことを考えた場合には大阪関門局というのは必要である、こういう答弁がなされました。これはおととしの話を聞きますと、去年の答弁というものはたいへん具体的になっておったわけであります。その際、それならば大阪の関門局の規模をどうするのか、どういう施設をするのか、こういう点については鋭意検討をしてできるだけ早い機会に具体的に説明をする、こういう答弁でありました。郵政省も同様に先ほどKDDから説明があったような線でこの問題をKDDとも鋭意検討しておる、こういうことでありましたが、大阪関門局のことについて現在どうなっておるのか、これをお伺いいたしたい。
  113. 菅野義丸

    菅野参考人 この問題は非常に長い間いろいろ議論があったように伺っておりますが、ことしは昨年、一昨年から一歩進めまして、四十七年度の具体的の計画といたしまして、大阪の電話局の用地を手当てをするということに相なっておりまして、ただいまその用地をさがしております。ただ、しかしながら大体の用地は五千平米くらいのところということでさがしておりますが、その上に何階のビルを建てて、どのくらいの施設を収容するかというようなことはまだこれからの検討でございます。というのは、新宿にできます新国際通信センターとの関係もございますし、また先ほどからいろいろ問題になっております東南アジアあるいは中国関係通信関係もございまして、私ども主としてこの災害対策をおもに考えたいと思いますが、しかしそれだけでなく、災害対策として非常時用だけではなく、常時ある程度東京の集中をセーブするというふうなことも考えたい、こういうことを一応計画しておりますが、いずれにいたしましても、まだ具体的にその規模等は決定しておりません。しかしながら、土地の手当てだけは急を要しますので、今年度計画としていま盛んに進めておる次第でございます。
  114. 武部文

    武部委員 資金面ではどういうふうに考えておりますか。
  115. 板野學

    ○板野参考人 社長からお答え申し上げましたように、その規模等につきましてはただいま鋭意検討いたしまして、できるだけ早い機会にひとつきめたいと思っておりますが、大体土地につきましては五千平米、建物につきましては第一期といたしまして一万二千平米、大体建物、土地等を合わせまして約三十億見当を一応のめどといたしまして、目下その具体的なことをどうするかということを急速に検討いたしたい、こういうぐあいに考えておる次第でございます。
  116. 武部文

    武部委員 去年のやりとりの議事録を私ずっと読んでみたわけですが、確かに災害のことが最初に出たことは事実であります。しかし、いま申し上げましたような情報化の発展の問題とか、それから特に電話事業の問題とかいろいろな点があって、大阪関門局というのは災害の際のことだけじゃないのだというお話があったことは事実であります。そうするといまお話しのように、四十七年度は五千平米の土地を入手したい、それから長期的に見れば三十億程度の金が要るのじゃないかというお話でありますが、御承知のような土地高騰の時代であります。加えて物価上昇がきびしいわけですから、先になればなるほどこの資金というものはウナギ登りにふえていくということは当然であります。少なくとも大阪関門局というものが必要であるという、そういう背景に立つならば、当然局舎の規模なり、あるいは業務内容なり、要員なり、そういうものがどういうものであるかということを計画を立てて、それに見合った土地、建物の計画がなされるのが本来の姿でなければならぬのに、最初土地だけ買ってみよう、あとのことはまだこれから鋭意検討中だ、これでは本末転倒だと思うのです。そういう意味で、今日のKDD業務内容なりそれから将来のKDD業務の発展状況から見ると、大阪関門局というのはこういう規模で、こういう内容をもって、要員はどのくらいで、そういう点の中から、どこの土地にどのくらいの広さのものを取得しようか、その資金についてはこれから何年計画でこうするのだという計画がなければ、私は計画といえないのじゃないかと思うのです。その点はいかがでしょう。
  117. 菅野義丸

    菅野参考人 武部先生のおっしゃるとおりでございまして、本来ならばそういう計画ができて、それで土地をさがすのが筋でございますが、この局は主として電話局でございますので、電電公社の局との関係もございまして、なるべく通行のいいところにさがそうということでいまさがしておるのですが、おっしゃるとおり、土地はどんどん上がってまいりますので、とりあえず早急に土地の手当てをして、並行して具体的な計画を進めよう、こういうことでいまやっておる次第でございます。
  118. 武部文

    武部委員 そうすると、土地のことはわかりました。  それでは、重ねてお伺いいたしますが、ここに日本経済新聞の記事があるのですが、「大阪国際電電復活を 大阪商議所 府・市に協力要請」ということで、とにかく土地の問題について協力を商工会議所が要請したという記事が載っております。地元としてもそういう非常に強い要望があるようであります。土地は先に手に入れなければどんどん上がるということでおやりになることもこれまた一つの方策かと思いますが、いま私が申し上げたような、局舎の規模であるとか、業務内容であるとか、要員状況であるとか、そういうことについて、一体いつごろこれが明らかになりますか、いつごろあなた方としてはこれをまとめたいという気持ちなのか、それをお聞きしたい。
  119. 板野學

    ○板野参考人 お答え申し上げます。私どもとしては今年度できるだけ早くいたしたいということでやっておりますが、私どもは五千平米の土地、こういうことを考えましたのは、大体全体の電話の取り扱い数の二〇%程度を常時運用しておれば非常災害のときにもある程度カバーができる、こういうような一応の見当を立てておりますが、さらにそれを収容する地域、たとえば対大韓民国との通信とか、あるいは山口衛星地球局との通信とか、いろいろな点も考慮しつつ、なおかつ最近この需要等の移動もございますので、そういう点を考慮しながらひとつ具体的な計画を立てていきたい、こういうぐあいに考えておりまして、この五千平米と申しますと、先ほど申し上げましたように大体これに全部施設をいたしますと、約二万二、三千平米の建物が建つわけでございまするので、私ども考えといたしましては、そのくらいの土地を確保しておけば将来いろんな移動があってもこれをまかなっていけるのじゃないか、こういう一つの目安を持ってやっておるわけでございまして、今年度できるだけ早い機会にその具体的な内容をきめていきたい、こういうぐあいに考えておる次第でございます。
  120. 武部文

    武部委員 それではこの問題は一応これで終わりますが、いずれにしても私が申し上げたような順序を踏むことが正しいやり方だと思うのです。したがって、いま二〇%の通話ができるようなということをおっしゃったわけでありますが、少なくともそれに見合った局舎の規模、それから業務内容あるいは要員というものは、私はその中から出てくると思うのです。したがって、早急にそういう計画を立てて明らかにしていただくように特に要請をしておきたいと思います。  時間がだいぶ経過をいたしますので、あと二、三点で終わりますが、次に国際電話の自動化の動きと関連をいたしまして、KDDとしてはどういう計画をしておられるか、これをお伺いしたいのであります。  同時に、電話の自動化対地の現状と、それから今後の予定を聞きたいのであります。自動化対地の現状と今後の予定、また従来のサービスに変更があるか、新しいサービスを取り入れる考えがあるか。  たとえば国際電話だけの特徴であるところのパーソンコール等についてはそれをどうするのか、こういう点が問題になってくると思うのですが、これについてKDDの見解をお聞きいたしたいと思います。
  121. 増田元一

    増田参考人 お答え申し上げます。ただいまKDDでやっております電話の接続は、手動接続と半自動の交換でございますが、本年度中に電電公社電子交換機が導入されるのを機会に、日本からの発信につきまして本年度末、来年の三月ころから、北米及びヨーロッパに対しまして全自動化を実施する計画でおります。国内におきまして発信全自動化の対象になります加入者は、電子交換局に収容される加入者に限られますので、当初は東京、大阪、名古屋のそれぞれ電子交換局の加入区域の加入者になる予定でございます。  それから国際自動通話の料金は現在は三分一分制でございますが、自動通話になりました場合には一分一分制を採用する予定でございます。これはお客さまにとりましてはサービス改善になります。  それから指名通話をどうするかというお話でございましたが、指名通話は残る、こういうふうに私ども考えております。しかし、料金の面におきまして、指名通話のほうが全自動の番号通話よりもどうしても高くなるということは避けられませんので、料金の面、それからまた直接自分でダイヤルして相手を呼ぶことができるというような点で便利でもございますので、全自動になってまいりますれば、ダイヤル通話がふえていく。お客さまの立場からいえば、そういうことが当然予想されます。しかし、サービスといたしましては、指名通話というものも必要でございますので、これは残る、こういうふうにいまのところ考えております。  対地でございますが、四十七年度末に計画されております発信全自動化の範囲は、対地といたしまして米国、カナダ、スイス、それから英国、西独、ハワイでございます。  それから国内におきまして電子交換局に収容されます特定の加入者でございますが、四十七年度におきましては東京は銀座、淀橋、大阪は船場、名古屋は広小路、こういう計画になっております。
  122. 武部文

    武部委員 自動化対地のことはそれでわかりましたが、パーソンコールは残るとおっしゃるわけですが、いまの話を聞いていると、パーソンコールで料金を上げるというお考えがありますか。
  123. 増田元一

    増田参考人 パーソンコールは料金は上げません。自動コールのほうが下がっていくということでございます。
  124. 武部文

    武部委員 わかりました。  次に、短波のことですが、通信衛星海底ケーブルの発展によって短波の使用はだんだん減少してくる。これは当然だと思うのですが、その現況はどうなっておるのか。それから結局、短波固有の通信というのは今後どのように取り扱っていく方針なのか。それに伴う事業の合理化というものはどうなるのか、この点はいかがでしょうか。
  125. 板野學

    ○板野参考人 お答え申し上げます。昭和三十九年に太平洋横断ケーブルが御承知のように完成いたしまして、その当時、昭和三十八年当時には総回線数にいたしまして短波で二百三十九回線、電波にいたしまして三百六十四波というものを持っておったわけでございますが、現在は短波による回線が七十六回線、電波にいたしますと二百五十七波ということに減少をいたしておる次第でございまするけれども、先ほどちょっと御説明いたしましたように、やはり広帯域を、いまのケーブルあるいは衛星、OH回線ではどうしてもできないという地帯が東南アジアにおきましても相当ございますし、アフリカ地帯でもございます。たとえて申しますると、現在では朝鮮民主主義人民共和国、あるいはベトナム民主共和国、ラオス、それからネパール、ブータンというようなところ、あるいはアフリカの非常に大きな部分、あるいは中南米地域、こういう地点がございますので、こういう地点につきましては、なお依然として今後短波による直通回線をひとつ設定をしていきたい、こういうことで計画を進めておる次第でございます。  また船舶通信等につきましても、今後新しい一つ短波技術改善といいますか、私どもこれを技術関係で、ちょっとむずかしいのでございますけれども、リンコンペックスというような新しい技術を入れますると、非常に電話の聞こえがよくなる。こういうことでございますので、私どもいませっかく試験もいたしまして、できるだけ船舶等にはこれを応用する。あるいは陸上の通信につきましても、短波改善がそれでなされるわけでございますので、そういう点につきましては積極的に私どももそういう施設をしますと同時に、なお短波回線によらなければならないような地帯に対しましては、技術協力もいたしましてこれを使っていくという方向。  それから国際放送につきましても、ただいま私どもNHKの委託を受けてやっておるわけでございまするが、これは必ずしもヨーロッパ方面とか、あるいは南米方面にははっきり聞こえないという声もございますので、こういう方面の改善につきましても、これから積極的に力を入れていきたい。  それから御承知のように非常用バックアップとか、あるいは非常用通信ということにつきましても、これは非常に大切な波施設でございますので、この点につきましては私どもこれは平素の業務用ではございませんけれども、非常用にいつでもこれが利用できるように、平素準備万端整えておる、こういうような考え方で進んでおる次第でございます。
  126. 武部文

    武部委員 短波の取り扱いについての方針はわかりました。  あと二つだけで終了いたしたいと思いますが、現在の国際電気通信の料金決定と、それから各国との決済はどうなっておるか、これをお伺いしたいのが一点。  それから、きょう御説明ございました社長の事業概要の報告の中に、「昨年度変動相場制実施、円の切り上げ等通貨制度が大きく変化いたしましたが、各業務とも概ね順調な伸びを示しております。」こういうお話でございましたが、影響は具体的に全然なかったのかどうか。いま再切り上げの問題がうわさされておるわけですが、それに対する対策というようなものを考えておられるか、この点いかがでしょうか。
  127. 菅野義丸

    菅野参考人 国際通信の料金の問題は、これは発信着信大体において同じぐらいになるのが理想的でございまして、そういう意味から、相手国の経営者に対して常に相談をしてきめております。  その決済の方法は、一定の期間にそれを取りまとめまして、双方でそれを相殺するという形をとっておりますので、実は円の切り上げ等あるいはドルの切り下げ等がございましても、ほとんど影響はございません。大体においてとんとんになるものでございますから、そういう影響はございません。  それから、先ほど私御説明申し上げました中に、通貨体制の変更というようなことがございましたが、それは当社収支ではなくて、むしろ経済界全般に対するそういうような影響があって、私どものほうの通信需要に影響があるのではなかろうかと危惧したのでございますが、まあ大体において順調に進んだという意味でございます。そういう意味におきまして、再切り上げというようなことがございましても、現在の状況におきましては、大体相手国に対して収支とんとんということになりますので、その影響はほとんどないといっていいと思います。ただ、外国から金を借りておりますが、それを毎年返しております。これは確かに切り上げになりますと、有利になるのでございます。  以上でございます。
  128. 武部文

    武部委員 それではもう時間が延びましたので、最後にいたします。  先ほど土橋委員から労使関係の問題についてお話がございました。そうして具体的に社長からも決意が述べられたわけであります。いろいろ聞いてみますと、経営も非常に順調に伸びておるということでありますが、現実にKDDの組合は三回もストライキをやっておる。こういう中でいまだに解決していない。しかし社長のほうからは、この問題については前向きで十分団体交渉をして解決するということをおっしゃっておるわけですが、一体解決のめどをいつごろに置いておられるのか、その点いかがですか。
  129. 菅野義丸

    菅野参考人 先ほどもお答えいたしましたように、まだ解決ができないというのは、私といたしまして非常に残念に思っております。今回の組合側の要求は非常に多端にわたっておりますが、会社側といたしましては、そのうち、いれられるものは全部いれております。それであと二、三の問題がまだ残っておるようでございますが、私どもといたしましては一日も早くこの解決を望んでおります。実は沖繩国際通信の引き継ぎを受けるために、私は近々沖繩に参らなければなりませんので、でき得ればそれまでにぜひ解決をいたしたいと熱望しておる次第でございます。ただ毎日のように団体交渉をやって組合側も非常に努力しておられますから、私はその時間内にはだいじょうぶ妥結できるというふうに確信をしておる次第でございます。
  130. 武部文

    武部委員 以上で私の質問を終わります。
  131. 高橋清一郎

    高橋委員長 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後一時十四分散会