○板野
参考人 お答え申し上げます。まず第一に、中華人民共和国との
通信関係について申し上げますと、御承知のように、中華人民共和国との
国際通信につきましては、電信につきましては
昭和二十三年、
電話につきましては三十三年から
開始しておりまして、非常に古い
関係、また世界でも珍しい
通信関係を維持しておりまして、この
関係をさらに増進し、
国際通信の一そうの発展を期したい、私
どもこういうように
考えておる次第でございますが、現状におきましては
短波通信をもってやっておるような
状況でございまして、
電話が臨時を含めまして五
回線、
電報が三
回線、写真一
回線、こういうような
状況でございます。
したがいまして、この
通信をどうして増強するかということにつきまして、私
どもできるだけ中華人民共和国との折衝を強力に進めましてこの進展をいたしたい、こういうように
考えておる次第でございますが、まず
衛星につきましては先ほど
先生から
お話がございましたように、目下上海に可搬型、ポータブル型の
地球局が設置されておりまして、これは対米
関係で電信一、写真一、
電話二
回線、計四
回線の
運用をいたしております。能力は二十四
回線ございますので、さらにこの
地球局を通じまして日本との間にぜひとも直通
回線を持ちたい、こういうことで私
ども積極的に折衝を進めておる次第でございますが、最近の
情報によりますと、中華人民共和国のほうは、上海か北京かわかりませんけれ
ども、来年の秋ごろまでには標準型の
地球局をつくる、こういう
計画を進めておるようでありまして、そうなりますと、もちろん私
どもの
衛星地球局との間に直通
回線の設定ができるということになろうと思う次第でございますけれ
ども、それに至ります前につきましても極力努力いたしまして、上海の
地球局との間に直通
回線を設定すべく努力をいたしたいと思います。
それから
お尋ねの
ケーブルの件でございますが、これは先ほど申し上げましたように、もう
衛星と
ケーブルというものは、両々相まって
国際通信の完ぺきを期することができる次第でございますので、もちろん私
どもは中華人民共和国との間に
ケーブルを敷設するように今後いろいろ折衝をいたしたい、こういうように
考えております。そのルート等につきましてはあるいは昔のように長崎−上海がいいのか、あるいは別のルートがいいのか、こういう問題につきましては今後の検討事項でございまして、いずれにいたしましても新しい非常に良品質の広帯域
回線を
利用できるように格段の努力をするように、ひとつ中華人民共和国の担当の部局とも連絡をはかっていきたい、このように
考えておる次第でございます。
次に、朝鮮民主主義人民共和国との
関係でございますけれ
ども、先ほど
先生がおっしゃいましたように、まことに遺憾でございますが、ただいまは北京あるいはモスクワ経由で中継をいたしておるわけでございまして、
電報はそのような正規の協定によって取り扱いをしておりますけれ
ども、
電話は臨時にこれを扱うということになっております。私
どもといたしましては
通信の平和性、あるいは中立性といいますか、そういう意味合いにおきまして、できるだけ早い機会に朝鮮民主主義人民共和国との間にも直通
回線が設定できますように今後とも努力を続けていきたい、こういうふうに
考えておる次第でございます。
次は、ソ連の
関係でございますが、現在は直江津とナホトカの間に新しい
日本海ケーブルがございまして、これは百二十
回線の容量を持っております。そのうち対ソ連との
関係につきましては、
電報が一、
テレックスが九
回線、
電話は六
回線で
運用いたしておるわけでございまして、非常な
通信の
改善ができたわけでございまするけれ
ども、何ぶんともウラジオストックからモスクワに至ります約一万キロの陸上の
回線につきまして、なお品質の点につきまして問題がございまするので、数次にわたりましてソ連あるいは
関係諸国とも打ち合わせをいたしまして、この
改善方に努力を続けておるわけでございます。ソ連当局も非常に好意的にこの
回線の
改善をするということで私
ども同意をいただいておるわけでございますが、何ぶん根本的にはこのシベリア横断
回線の新しい新幹線をつくるということが一番問題でございます。こういう点につきましては、先般三月にソ連を含めまして東欧諸国との五者会談をいたしました際に、
需要予測といたしましては、
昭和五十一
年度までには大体双方とも百
回線くらいの
回線を
利用するような
状況になるという点につきましては、ソ連当局とも意見が一致いたしましたので、それまでにはソ連当局といたしましても、シベリア横断の新しいマイクロなり、あるいはOHシステムなり、あるいはほかの
方法によりまして広帯域
回線をつくる
計画があるというようなことを言っておりましたので、私
どもは一九七五年、五十年ごろにはそういう
回線ができるというふうに
考えておる次第でございます。そうなりますると、
日本海ケーブルはただいま百二十チャンネルでございますけれ
ども、これまた増強をしなければならぬというような時点がくるんじゃないか、こういうふうに
考えておる次第でございます。
なお、御承知のようにソ連にはインタースプートニクというような
衛星通信の制度もございます。東欧圏の中にはユーゴスラビアのように
インテルサットにアクセスするような国もございまするし、またシリアのように、これからまたインタースプートニクにアクセスする
地球局をつくるというような国もございまするので、
衛星につきましてもできるだけ連絡がはかられるような方向で今後私
どもも協力をいたしたい、こういうように
考えておる次第でございます。
以上、お答えいたします。