○栗山
委員 約一時間余、昼食抜きで
質問をせよ、こういうふうな御決定をいただきまして、その限りで運んでまいりたいと思いますが、先刻御
質問申し上げたのでありますけれ
ども、ごく総論でございまして、若干具体的な
内容についてお尋ねを申し上げる諸点が残っておりますので、引き続いて御
質問を申し上げてまいりたい、かように
考えておるのであります。
その前に、
郵政大臣と
電電公社の
米澤総裁にまずお尋ねを申し上げてまいります。
この
三つの問題が一括して
提案されましたことについて、あるいはまたこの
三つの
法律と
電信電話の
需要に対する背景的な問題、あるいはまたこの
法律制定から今日までの経過というような基本的な問題について、この前にお尋ねを申し上げたのでございます。それなりに御答弁をいただいたのでございますが、やはり基本に属する重要な問題は
郵政大臣みずからその所信をお答えいただく、あるいは
総裁もそのような形において御答弁をいただくのがしかるべきじゃないか、こういうことを申し上げたのでありますが、きょうも
冒頭にあたってそういう点を特に御留意を願ってお答えをいただく、こういうふうに願いたいと思うわけであります。
この
三つの問題に対するいままでの御答弁及び質疑を通じまして、また私の若干の質疑を通じまして
理解をいたすのでありますが、それなりにこの
法律の成果及び経過というものについての価値判断をいたします。また、将来にわたって必要の存する
一つの方向というものについても
理解をいたすのでありますが、ただ問題は、基本認識として非常に安直な姿勢の方向があるのではないかということが第一番なんであります。たとえばこの間申し上げましたように、先ほど
武部委員が御
質問をされておりましたように、十年間という制定の具体性というものについて、想定等を含む根拠の貧弱性があるのじゃないか、こういうことにつきましては
質問者がそれぞれの
立場においてお尋ね申し上げておったと思うのであります。あるいは
三つとも同様の問題でございますが、私がきょう
大臣と
総裁にお伺いをいたしたいのは、この
法律案件の求められる要件、条項というものについて、その年限をお定めになってものを進めていこうというこの取り組み方はそれなりに
理解する。しかし、もっと率直に言うならば、今後の十年間というものを、国際
経済と
日本経済あるいは社会の様態の変化に対応してどのように把握をいたしてまいるか、そういう前提に立ってこの十年間にこういう対応力をもって進めてまいらなくちゃならぬ、こういう
一つのプロセスと方向づけがなければならない。これは
資金量の上においても、あるいは積滞解消の状況等から見た
一つの方向でありまして、将来の
電電公社が、財政的にもあるいは
需要の態様についても、どのような
一つの方向で進めてまいることが望ましい姿勢であり、同時に、この
法律の
期間内においてのその後の
電話需要に対しては、これは
暫定措置でありますから、いわゆる
縁故債及び
加入者の
電話公債あるいは設備料等々で、
電電公社自体の
経済的基盤がこういう方向に推移して、将来のあるべき
電話の問題についてこういう
一つの方向、路線を目ざして進んでいくのだというふうに、やはり
一つの理想と、それから方向というものを明確に打ち出してそれぞれの設定をいたすべき問題でなかろうか。まあきわめて素朴に申し上げますと、そういう点からいきますとあまりにビジネスでありまして、求めることのみ、あるいは
需要と供給とそれに対応する諸問題だけを提起されてそして進めていく。もちろん
法律の三本の成果からまいりますとそういう立て方もありますけれ
ども、やはり
電電公社の責務というものについて、あるいは
国民に
サービスする
一つの方向について、こういう
状態に発展いたします、あるいはなりますということになってまいりませんと、私はやはり世界
経済の動向というものについてもすでに大きな変化をしつつあると
理解をいたしておりますし、五年後の世界
経済というものをどう想定するかということは
一つの問題がございます。あるいは十年後における世界
経済をどう見るか、
日本経済をどう評価してまいるか。極端に言うならば、私は
日本の資本主義
経済というものが終息をいたしまして、新しい高度福祉
経済への方向の路線こそが
日本経済の繁栄を約束する、こういう
経済の特徴あるいは将来の路線がいまや明確になっておる。あるいは世界
経済をながめましても、世界の人類が弱肉強食の東西、南北問題から平和共存と均衡のある
一つの
経済や方向を求めていく。こういうふうに政治、
経済の方向が非常に大きく進展するその度合いに対応する
一つの姿勢としての
内容が、一向にわれわれにはぴんとうかがえないのではないか。これを
大臣はどう将来を展望されて、この問題に対処されるか。こういうようなことをきわめて重大な
一つの課題として
理解をいたすべきではないか。まあかように
考えておるわけであります。
総裁も同様な意味において、
電電公社の未来像といいますか、あるいは
公社としての誇り高い将来性というものはかくあるべきなんだ、こういうことにおいて進めてまいる。私は率直に言いまして、いまは抽象的に、
財投の問題をさらに増加する努力を重ねてまいる、これはまさに美文でございます。あるいは
縁故債の問題、それから利用者について、設備料に対応する
条件として
電話公債を持ってもらいたい。こういうようなきわめて限られた形においての制約でものを進められておるのでありますが、私は今日のこういう積滞事情と急激な
需要増高というものについては
理解ができるのでありますが、結局民間におきまする自転車操業的
資金運用というものの危険を私は感ぜざるを得ないのであります。もしこのペダルを踏むことをとめたといたしまするなれば、直ちにパンクというようなおそるべき
内容に発展するのじゃないかと私は思います。御
案内のとおり
日本経済の
一つの困難は、民間も
自己資金が一八%、そして借り入れ金が八二%というところにあり、その
日本経済の脆弱性を真剣にいま
考えざるを得ない、こういうふうになってまいりますときに、やはり
公社は
公社としての
資金需要と健全な財政の方向というものについて――これは
一つの借金でございますから、この借金をどのように返していくか。そしてその
資金はどういう
時点で要らないようになり、あるいは収支の財政
状態はどういう方向をもって臨んでまいられるという想定がなければ、
法律の
延長というものについての高い評価をするということになり得ない。こういうように私は率直に判断いたすのでありますが、私は、事務当局でなくて政治のサイドで、十年間の変化に対応する姿勢と
内容をどういうふうに想定されておるか、こういう問題についてお伺いを申し上げたい。