○門司
委員 この種の火事はここだけではない。旅館その他でたびたびあったことであります。最近の
火災が、焼け死ぬということよりも窒息死のほうが多いということは先ほども数字を発表されましたけれども、そういう時代となっておる。ところが、さっきから何度も言っておりますように、それに対して一体どれだけ
消防庁が検討しているかということ。それから、各地区における
消防関係の諸君がこれに注意を払っておるかということ。この場合も臨検その他等は十分行なわれておって、そして法規的には別に問題はなかったのだというお話でしたね。そのお話のように、法規的に別に問題がなくてこういう
事故が起こる。ただそれは処置が悪かった、いわゆる誘導のしかたが悪かった、その場における
対策の誤りだということに今度の場合もなろうかと思うのです。いわゆる重過失というような形になってきやしないかと思うのです。しかし、そういう
意味から言って、単に重過失だということだけでこれの罪科がきめられていいか悪いかということについては、私は、かなり問題があると思うのです。それはなるほど、
かぎのあるところをあけなかったからいけないのだ、誘導のしかたが悪かったからだめなんだ、
火災の
責任者がいなかったから悪いのだと言えば、そういうことになると思うのです。しかし、
かぎがあいていないということ自身についても、十分
訓練が日ごろから行なわれておれば、こういうことはなかったと私は思うのです。
かぎをかける必要があるかないかということをもう少し議論する必要があろうかと私は思うのです。それは、
営業主のほうから言わせれば、どこでも
ドアがあいて、どこからも出たり入ったりされるということになると、盗難のおそれもあるということは
考えられる。これはわかる。しかし、盗難があるからといって、
かぎをかけておったのじゃ、結局、
かぎを持った人がいなければどうにもならぬということで、結果は今日のような
状態になっている。盗難がこわいのか火事がこわいのかといえば、どっちかといえば火事がこわいのであって、盗難はそう根こそぎ持っていったり、人の命まで持っていったりしない。そういうことをもう少しこの際検討していただくことのために、
消防関係に対する知識のためにといいますか、新聞の報ずるところによると、これらの
関係の諸君を集めたら三百人以上も集まったなんということを
大阪の地方では書いてありました。たくさんな
関係者が集まってきて、予想以上に盛会で、各自が真剣に問題の所在を検討しておったなんということをちょっと新聞紙上で見たような気もいたしますけれども、これもいずれも、
あとから幾ら検討してみたところでどうしようもない。まず、起こらないようにするにはどうすればいいかということです。
それから、
消防関係で
一つだけこの際十分注意をしてもらいたいと思うことは、単なる
消防だけでなくて、ほかの問題もあるのであるからこの場合も断定はできませんが、けさの新聞までの新聞情報だけを免れば、何か、たばこを吸った吸いがらが
原因ではないかということが一応書かれておる。もしこれが新聞報道されているような下火だとすれば、いわゆるくわえたばこというものが問題になってくる。これは
火災の
原因のかなり大きなウエートを占めていると私は思うのです。それから同時に、このことは、町をよごしてどうしようもないので、町を歩くときにくわえたばこで歩いているのは大体あまり文明国の国民じゃないというような悪口々言われるのですが、私もそういうことだと思うのです。したがって、こういう
事故の
原因について処置が悪かったということも、処置については十分検討すべきであるが、
火災発生の
原因等についても、
消防庁の側から、たとえばくわえたばこをするなとか、寝たばこをやめろとか、そういうような具体的な注意をもう少しするということも実質的には必要じゃないかと私は思う。いま、駅や停留所等がどうしてもきたなくてしようがないので、市の美観のために吸いがらだけは捨てないようにしてくれなんということを言っておりますけれども、これは美観ということよりも、問題はむしろ
火災だと思うのですね。たばこの不始末からきた
火災の比率というものはかなり多いわけです。こういう点に対して
消防庁としては、
消防法の中の改正というものは
考えられませんか。これはあるいは行き過ぎかもしれない。くわえたばこで町を歩いてはならないとかなんとかいうことを
消防法の中に入れろと言ったところで、これは無理かもしれない。無理かもしれないが、しかし、事実はそういうことがたくさんあるということであって、たばこの吸いがらからくる
火災というものはかなりたくさんあるということである。今度の場合も、新聞紙の報道ではどうもそうらしいと書いてあるのであるから、もしそうだとすれば、これはえらいことであります。専売局におこられるかもしれないが、あまりたばこは吸わないようにしろということになるかもしれないが、その辺のお
考えはどうでしょうか。