○門司
委員 私はそんなことを聞いているのじゃないので、そういう
仕事も、別にこんな
公社などをこしらえなくたって、お金さえあれば、
地方自治体でやれるのですよ。これだって、
公社だからお金を出す
一つの機関でしょう。それをいまこしらえようとするのです。だから、この機関をやめて、大蔵省がこれに必要なお金だけ出せば、何も問題がないのです。そうたくさんなお金は要りませんし、
有料道路であれば償却は十分できます。ところが、はっきり言えば、大蔵省の中には
資金運用部
資金というものがあり、税金以外のお金をたくさん持っているでしょう。これをもう少し地方に出せないかということなんです。たとえば、これだけではありませんが、地方の起債その他に
関係することですけれ
ども、いま持っておる郵便貯金だけでも全部集めてごらんなさい。ことしの予算を見ても、今年度の郵便貯金は大体二兆円くらいで、いま持っておる金は七兆七千億くらいになっている。郵政省を調べればすぐわかるのです。そういうたくさんのお金を持っておるのですね。そういう
住民の零細な積み立てたお金があるわけです。そういうものを、例の
一般の地方債についての政府
資金と
一般の
資金とを比べてみると、ことしなどでも、公共
事業と
一般事業を全部集めますと、一兆七千二百億くらいのものがすべてこの中から地方債に出ておるということが言えるのです。まだ残りはかなりあるはずなんですね。そして、
一般の起債だけからいけば、全部で約一兆円の
一般起債について、国からの
資金というのは
一般会計だけで六千幾らかになっている。こういうものを見てまいりますと、この
公社をこしらえなくても、
資金の融通さえ大蔵省がめんどうを見れば、しかも、これが
有料道路だというなら、返済の点はできましょうし、国で監督はできましょうし、やれるはずである。さっき言いましたように、これが利用者が少ないということになると、
一体だれが責任を負うかということで、
自治体が責任を負わざるを得ないということになってくる。そういうことを
考えてまいりますと、こういう公団をこしらえて、そこにことしも二億ばかりの原資を出すと言っておりますけれ
ども、そんなことでまかなえるはずはないのであって、その点、大蔵省としてはもう少し
考える必要がある。だから、こういう公団をこしらえて、そのことでお金を出すということになるならば、むしろ、大蔵省がもう少し地方道についての金を出すほうがよろしいのじゃないかということが
考えられる。いま大蔵省の
考えております道路というのは、主として産業道路、いわゆる経済道路である。ところが、
市町村に参りますと、経済道路も必要であるが、しかし、市民の通る道路もやはりこしらえないわけにはいかない。これのほうがむしろ大事である。私
どものほうからすれば、経済的な効果を非常に大きくねらっておる産業道路、経済道路というものは、これは国がやればいいと思う。神奈川県なら神奈川県がみずから道路をこしらえたって、神奈川県の諸君だけが利用するわけでもありませんし、国全体の経済の中で道路の使用というものは行なわれるわけである。そういうようなつながりを持つものは国がもう少しめんどうを見るということ。たとえば、道路の維持管理その他があるから、いま、国道だとか、県道だとか、
市町村道だとか、道路の区分をしておるから、そういう
関係で、
市町村道についてはそっちでやれというのなら、それでもよろしいと私は思います。しかし、そこには
資金がそういう形でおろされてくるという形のほうがやはり望ましいのである。この種の
公営企業というものは、われわれが概念として
考えておる
公営企業の
ワクをはみ出したものとしかどうしても私には
考えられない。道路政策の一環として
考えるのなら、これは別ですよ。だけれ
ども、
公営企業の一環として
考えろと言われても、これはなかなかそうはいかない。と同時に、
資金の面についても、
金融公庫から幾ら出すか知りませんが、それだけでは足りない。やはり、地方の
自治体も
資金を出さぬわけにはいかぬでしょうし、
資金のやりくりというようなものについては非常に苦しい
状態になっておる。こういう
状態のときに、国がもう少しめんどうを見て——率直に私は言っておきますけれ
ども、そうすると、いま国が持っておる道路公団の
一つの翼としての行き方はできませんか。これは、いまのお話のように、
一つの
自治体があって、その
自治体のまわりを回ったほうがよろしいんだ。
一つ一つの都市をずっと見て歩きますと、たくさんありますよ。迂回道路がないために、都市の中に自動車が集まっておる。この市は迂回道路をこしらえておいたら楽になるだろうというような都市はたくさんある。しかし、そういうのは、そこの都市だけで迂回道路をこしらえるということは、経済効果から言ってきわめてまずいのであって、やはり、それは、隣の道路に通ずる道路ということが
考えられる。そうすると、道路の連帯性と経済効果をねらっていけば、地方の
自治体が
公営企業という名のもとに
有料道路をこしらえることは、私はどうかと思う。私は、どう
考えても、それはどうかと思うのです。そういう
考え方があれば、それは
一つの
幹線道路にして、迂回道路は国がめんどうを見ていくといういわゆる道路の連帯性、国の経済効果ということのほうが先ではないかというふうに
考えるのですが、いまの大蔵省の
答弁だと、まん中が込んでいるから、オーバーブリッジのような
考え方で何か一本こしらえれば、そっちを通るからこっちがすくと言うのだけれ
ども、そういうことが市の
一つの
仕事として成り立つと
考えられるかどうかということです。この点は、どう
考えても、いまの大蔵省の
答弁では私は納得をするわけにはいきませんし、これは非常に大きな誤り、だと思います。そういうことはやはり国がやるべきである。そういうふうに
考えるのです。あなた方のほうでは、どうしてもこういうことでやれというのなら、おやりになるかもしれませんが、私は、あまりこれには期待は持てません。いま、神戸の話がちょっと出ましたけれ
ども、神戸は、御承知のように、都市の形体か、あの神戸市全体の中の二割の地域に八割の人間が住んでいると思うのですね。そうして、残りの八割の地域に二割の人間しか住んでいない。こういう地形を持っているのです。そういう地形を持っている
関係から、摩耶山、六甲山をどう越えて明石のほうに出るかという問題が当然出てくるのです。そうすると、そこに、いままでのように、
一般の人は何もお金を払って道路を通らなくてもよろしいが、しかし、産業効果をねらった者、経済効果をねらった諸君は、やはり
有料道路があったほうが、その人
たちの経済的な効果を
考えるといいでしょう。市の経済効果ということでなくて、その人
たちの経済効果という点からそういうことが
考えられる。こういうことを
考えてくると、どう
考えても、いまの大蔵省の
答弁では私は納得するわけにはいかないが、もう大体お約束の時間になっておりますので、これ以上は、
大臣も出かけるでしょうからお聞きをしません。
公営
公庫のほうに聞いておきたいと思いますが、
公庫のほうはだれか見えていますか。
私が
公庫に聞きたいと思いますのは、
公庫として、この
公営企業が発足すれば、どのくらいの
資金でどのくらいの道路ができるというような目安がつきますか。道路の計画その他については
自治省から
答弁してもよろしいと思いますけれ
ども、
公庫の
関係のほうが私はよろしいのではないかと思うので、この
法律が通って、そうして少しばかり
資金がふえて、
一体どれだけ
事業計画が立つかということです。