○小濱
委員 いま、課長は、資金的な面と言われた。いろいろな内部
事情はわかりますけれ
ども、とりあえず二車線ということですが、こういう
事故発生の記録を見て、もう二車線しかできないというならば、しからば、それに対する
事故対策をきちっと定めまして、そして、その結果が出てくるような
建設のしかたが大事じゃなかろうかと私は思うのです。これは
高速道路ですよ。まだそのほかにたくさん
有料道路があるのですよ。そういう点では、これは課長さんへの強い要望は避けますけれ
ども、この年々増加する
事故件数と
事故死傷者という問題からは、特に総裁にもこれは努力を払ってもらわなくてはなりませんけれ
ども、私
どもは、その衝に当たる
建設省の
責任だろうと思うのです。たとえば、安全
施設においてもそのとおり。その設備においても、これはいろいろやったのとやらないのとではたいへんな開きが出てくるわけです。そういう点で、ひとつ、もう少し積極的にこの問題とは取り組んでいただきたいことを心から要望申し上げておきたいと思います。
そこで、前田総裁に重ねて
お尋ねしたいのですが、この
事故のデータに載ってこない
事故がたくさんあるわけです。これはいろいろと個条書きにして私は御
報告したいと思いますが、まず浜松の手前の三ケ日、東京からあそこまでの区間をいろいろと調べてみました。ところが、この
東名高速ができて非常にうるさくなった。騒音の問題。それから夜中の
事故発生時のサイレンが特にうるさい。こういうことで住民を困らせているという問題がございます。緊急時のサイレンは
法律に義務づけられておりますけれ
ども、どちらにしても、このことは、住民は、非常に協力をした
公団に対していま恨みを抱いているというような形になっているわけです。
それから次に申し上げますと、
東名高速道路ができましてから、これは大井、松田付近ですが、大雨のおりには呉常出水、鉄砲水が民家に被害を与えているという問題。それが小さな河川に流れ落ちまして、川がはんらんする。住民はどこに苦情を持っていきようもありませんので、県に訴えて、砂防
地域の指定を何とかというような働きをやっている。こういう事例が現在ございます。
それから土羽の芝、御存じかと思いますけれ
ども、現地では、メキシコ芝だとかあるいは輸入芝だとか申しておりますが、正式の名前は何かわかりませんけれ
ども、これを秋口に刈り取らないために、この芝が枯れまして、ひどい醜態をさらしているという姿があるわけです。ここに運転手がたばこを表に捨てます。それが風速にあおられて芝が燃え出す。こういうことで、たいへんに住民としては脅威を感じているわけでして、そこで消防団が飛び出す。そしてようやく消しとめ、その時点で連絡があって、消防署がかけつけてくる。こういう例がございます。私は現地に行って見ましたが、実際そういう
個所がございました。そして、この芝刈りは、やる
地域とやらない
地域があるようです。
道路一ぱい平行線まで芝が植えつけてありますので、たばこの火がまともに芝に被害を与えている。こういう形になっているわけですね。あの下のほうに、運転手の視力を狂わさないような色どりのものを植えるとか、あるいは燃えにくい芝を植えるとか、何かそういう対策を講じなければならないと、私は現地を見まして感じたわけです。
さらに申し上げたいことは、中央分離帯の芝が同じく燃えておりまして、これがずうっと長く燃えているのですね。私は、なぜこんなに燃えたのだろうかと思ったところが、
自動車が走る風速によって、うちわであおいでいるような形になるんですね。そして、ぼんぼんそれが燃えていくという形、これはやはりいまの松田−厚木間にございました。これに対してやはり消防団が活躍をいたしております。
自動車事故にも火災はつきものでございますが、その問題についての対策も、早急に全
地域を
調査し、検討していかなければならないのではないか。こういうふうに私は感じたわけでございます。
それからもう一つ。苦情ばかり申してたいへん申しわけないのですが、これは検討の資料に提供するわけですけれ
ども、先ほ
ども申し上げましたように、あの浜松の手前のほうと大井、松田、あの付近はミカンの山々のまん中を
東名が通っているわけです。並行してミカン畑がある。あるいはちょっと小高いところにミカン畑があって、おいしそうになっておる。これを
自動車をとめて折り取っていく、盗んでいくという例がたくさんあるわけです。(「静岡県か」と呼ぶ者あり)静岡だっておこらなくちゃいけませんよ。いま大石
先生が発言しておられますけれ
ども、ちょうど大石
先生のところじゃないかと思いますけれ
ども、そういう被害が起こっておる。現地へ行きますと、われわれが協力してりっぱな
道路ができたのに、こういう被害が発生しているのだけれ
ども、今後どうしてくれるのだという質問を私はされるわけです。私も幹線
自動車道の審議会
委員をしていますものですから
責任がないわけじゃございませんので、一生懸命おわびをしながらその対策をお約束をしているわけですけれ
ども、こういう事例がある。
それから、さらには、排気ガスによってミカンの木が最近被害をこうむっておるという事例が出ているのですね。十年、十五年たって、ほんとうにりっぱに育って、これからというときにいまやられているという姿があるわけです。私は知りませんけれ
ども、お茶なんかどういう被害を受けているのかということも
お尋ねしようと思っていたのですが、残念ながら、私は、向こうまでは
調査に行かなかったものですから、それはまた大石
先生からでも発言していただきたいと思います。
こういう
事故件数の記録に載ってこない地元の苦情申し立てがたくさんあるわけですが、これがどこへ行っているかといいますと、料金所の所長あたりに口頭で、困るじゃありませんか、何とかしてくださいという
程度でとまっているようです。書類でお願いをしたというような項目はないようです。こういう問題も起きないように対策を講じて
建設をすべきであると思いますし、現在起こっているそういう問題点に対する対策——たとえばあそこに金網がありますね。
道路の両サイドに一メートル二十くらいある金網があります。そこに、昔の戦時中の鉄条網のような、有刺鉄線というのですか、ああいうものが三本、多いので五本くらい張ってありますが、あれは乗り越えていくにはちょうど手ごろの高さなんですね。ですから、車をとめては、ぽんと乗り越えていって、そして折り取っていく。こういうことですから、あそこの対策を講ずればいいのではないか。こう思われるわけです。
そういう対策とか、いろいろと
事件が発生しておりますので、このことについての総裁の御所見を承っておきたいと思います。