○原岡
説明員 貨物の輸送なり
運賃の問題、これをどうするつもりなのか、こういう御質問で、いま運輸省の鉄監局長から御
説明があったとおりの方向でございますが、まず、大企業のほうに奉仕して
一般の荷主さんは非常に不平等な扱いをしているのではないか、この点に対するお答えでございますが、いろいろな観点から申し上げることができると思います。まず
運賃負担そのもの、これを見た場合に、貨物には現在一級から四級までの等級がございます。それでいわゆる大資本というのは一級なり二級なりという
運賃負担をしていただいておるのが多いわけでございます。
一般の荷主さんは三級、四級というような負担が多いわけでございます。これを厳密に原価計算と
運賃収入と比較するということはきわめてむずかしいのでありますけれ
ども、
一つの仮定を置きまして、一級なり二級なり三級なり四級なり、こういうものが一トンキロ当たり
幾らの
運賃をいただき
幾らの原価になっておるか、こういう
数字で比較することがまず一番端的な
一つの比較じゃなかろうか、こう思うわけでございます。この
数字を申し上げますと、四十五年度の貨物の一トンキロ当たり
収入は四円二銭でございます。これは原価では六円九十三銭で、したがって一トンキロ当たり二円九十一銭の
赤字、こういうぐあいになっておるわけでございます。これを品目別に見ますと、先ほど申し上げましたように、いわゆる一級の品目でございますが、家庭電気器具とか自動車とか板ガラスとかこういうようなものは一トンキロ当たり一円五十銭ないし二円五十銭程度の
赤字ということになっております。そうして米とかなま野菜、鮮冷凍魚というようないわゆる
一般消費物資、これは一トンキロ当たり三円ないし四円程度の
赤字、このような状況になっております。
もう
一つの問題といたしましては、小口扱いの貨物をやめてしまったじゃないか、そして荷物と一元化して非常に高い
運賃を取るじゃないか、そういうことでございますが、そういう
運賃改定の
内容をいま
考えておるわけでございますが、これは先生御
承知のように、すでに七、八年前に小口扱い、いわゆる少量物品の貨物を集約的に輸送するということがこれからの方向としてとるべき方向である。ちょっと横道にそれますが、これからの貨物輸送というものは、鉄道貨物輸送の特性を生かすということで、物理的な施設も、あるいはその物理的な施設が生かせるような
運賃制度といいますか、いわゆるソフトウエアといいますか、そういうようなものを整備していく、こういう方向でございまして、余談は別といたしまして、その方向の
一つとして、すでに七、八年前に、いわゆる小口扱い貨物を混載化して集約して輸送する、こういう体制になっております。すでに小口扱い貨物はほとんど全部といっても過言でないほど、車扱いの中で集約して輸送されておるというのが現状でございます。
具体的に申しますと、
年間で小口扱い貨物はいま二十四、五万トン、これが小口扱い貨物として残っておるという状況でございます。小口扱い貨物は、そういう方向で、七、八年前に非常に近代的な方向をとったわけでございますけれ
ども、残る二十四、五万トン、これは
一つにおいては、きわめてサービスとしてフリケンシー、そうして輸送手段も非常にコストもかかるという状況なのでございまして、数年の経験を経まして、この際、いわゆる小口扱い貨物というものを一本にするということが、輸送経済上もあるいはまた荷主さんの利用サービス上も非常に望ましい方向じゃないか、こういう
考え方から、先生御指摘のように、
運賃といたしましては、キロ刻みも違うし、それから重量刻みも違う、こういう異質のものを一本にするというのは、非常に実際問題としていろいろな影響があるということは
承知でございますけれ
ども、輸送方式としてはできるだけサービスをよくしよう、こういう方向で
一つの輸送の絵を描き、そうしていま申し上げましたように、キロ刻み、トン刻みの異質のものを一本にすることに伴う非常に大きな急激な負担増というものは、何とかして避けなければいけないという方向で、先ほど申し上げましたように、小口扱い貨物が非常に小量で、しかも特定的な荷主、特定的な区間という運送実態にかんがみまして、具体的な荷主さん、具体的な運送区間、具体的な輸送サービス、こういうものを
一つ一つ当たりまして、この際、この小口扱い貨物を一元化することによって、急激な負担増にならないような、
運賃制度の面においてあるいは輸送サービスの面において、そういう方向で、具体的な対応でもって対処していきたい、このように
考えておる次第であります。なお、いろいろまだございましたけれ
ども、具体的な御指摘の中でおもな点だけお答えしたわけであります。